JP3205669B2 - 多気筒エンジンの燃料供給装置 - Google Patents

多気筒エンジンの燃料供給装置

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JP3205669B2
JP3205669B2 JP23007494A JP23007494A JP3205669B2 JP 3205669 B2 JP3205669 B2 JP 3205669B2 JP 23007494 A JP23007494 A JP 23007494A JP 23007494 A JP23007494 A JP 23007494A JP 3205669 B2 JP3205669 B2 JP 3205669B2
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正樹 角田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数のシリンダにそれ
ぞれ設けたキャブレタに燃料ポンプから燃料を供給する
多気筒エンジンの燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンのカム軸に設けたポンプ駆動カ
ムによって燃料ポンプを駆動するものが、実開平3−7
3660号公報、実開昭63−104668号公報、実
開平3−119562号公報により知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ものは何れも燃料ポンプがカム軸の軸端部近傍に設けら
れているため、エンジンを縦置きしてカム軸の下端近傍
に燃料ポンプを配置した場合に、最上位に位置するシリ
ンダのキャブレタに確実に燃料を供給してフロート室の
燃料液面を確保し得るように燃料ポンプの能力を高く設
定する必要があり、燃料ポンプの大型化等によってエン
ジンルームにおけるレイアウトの自由度の低下やコスト
アップが懸念される。そこで、燃料ポンプをカム軸の長
手方向中間部に配置して各キャブレタとの高低差を減少
させることが考えられるが、カム軸の長手方向中間部に
はカムやバルブ等が配置されているため、そこに燃料ポ
ンプを配置することは困難であった。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、カム軸の長手方向中間部に燃料ポンプを配置できる
ようにしてレイアウトの自由度を増加させるとともに、
燃料ポンプと各キャブレタとの距離差を減少させること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、複数のシリンダにそ
れぞれ設けたキャブレタに、カム軸により駆動される燃
料ポンプから燃料を供給する縦型多気筒エンジンの燃料
供給装置において、カム軸に設けたポンプ駆動カムと燃
料ポンプとを連結するポンプ駆動部材を、各シリンダに
対応して設けた2個の吸気バルブのバルブスプリング間
に配置したことを特徴とする。
【0006】また請求項2に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、2個の吸気バルブを結ぶ直線の両側
にシリンダヘッドから一対の支持部を突設するととも
に、これら支持部にポンプ駆動部材を摺動自在に支持し
たことを特徴とする。
【0007】また請求項3に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、吸気バルブを駆動する吸気ロッカー
アームを枢支する吸気ロッカーアーム軸にポンプ駆動部
材を揺動自在に枢支したことを特徴とする。
【0008】
【作用】請求項1の構成によれば、各シリンダの2個の
吸気バルブのバルブスプリングとポンプ駆動部材との干
渉が回避されるので、燃料ポンプをカム軸の長手方向中
間部に設けることが可能となり、燃料ポンプと各キャブ
レタとの距離差を減少させて安定した燃料供給を行うこ
とができる。
【0009】請求項2の構成によれば、一対の支持部間
に吸気バルブを配置して支持部とバルブスプリングとの
干渉を防止することができる。
【0010】請求項3の構成によれば、ポンプ駆動部材
の支持部を設ける必要がなくなって、該支持部とバルブ
スプリングとの干渉を防止することができる。
【0011】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0012】図1〜図5は本発明の第1実施例を示すも
ので、図1は船外機の全体側面図、図2は図1の要部拡
大図、図3は図2の3方向矢視図、図4はシリンダヘッ
ドの断面図、図5は図4の5−5線断面図である。
【0013】図1に示すように、船外機Oは、エクステ
ンションケース1の上部に結合されたマウントケース2
を備えており、このマウントケース2の上面に直列4気
筒4サイクルエンジンEが支持される。マウントケース
2には上面が開放したアンダーケース3が結合されてお
り、このアンダーケース3の上部にエンジンカバー4が
着脱自在に装着される。マウントケース2の外側を覆う
ように、アンダーケース3の下縁とエクステンションケ
ース1の上縁との間にアンダーカバー5が装着される。
【0014】エンジンEはシリンダブロック6、クラン
クケース7、シリンダヘッド8、ヘッドカバー9、下部
ベルトカバー10及び上部ベルトカバー11を備えてお
り、シリンダブロック6及びクランクケース7が前記マ
ウントケース2の上面に支持される。シリンダブロック
6に形成した4個のシリンダ12a1 ,12a2 ,12
1 ,12b2 にそれぞれピストン13…が摺動自在に
嵌合しており、各ピストン13…がコネクティングロッ
ド14…を介して鉛直方向に配置したクランク軸15に
連接される。上側の2個のシリンダ12a1 ,12a2
は第1シリンダ群12aを構成し、下側の2個のシリン
ダ12b1 ,12b2 は第2シリンダ群12bを構成す
る。また、シリンダブロック6及びクランクケース7は
エンジン本体を構成する。
【0015】クランク軸15の下端にフライホイール1
6と共に連結された駆動軸17は、エクステンションケ
ース1の内部を下方に延び、その下端はギヤケース18
の内部に設けたベベルギヤ機構19を介して、後端にプ
ロペラ20を有するプロペラ軸21に接続される。ベベ
ルギヤ機構19の前部には、プロペラ軸21の回転方向
を切り換えるべくシフトロッド22の下端が接続され
る。
【0016】マウントケース2に設けたアッパーマウン
ト23とエクステンションケース1に設けたロアマウン
ト24間にスイベル軸25が固定されており、このスイ
ベル軸25を回転自在に支持するスイベルケース26
が、船尾Sに装着されたスターンブラケット27にチル
ト軸28を介して上下揺動可能に支持される。
【0017】クランク軸15と平行な1本のカム軸29
(図4参照)がシリンダヘッド8に回転自在に支持され
ており、クランク軸15の上端に設けたクランクプーリ
30とカム軸29の上端に設けたカムプーリ31とにタ
イミングベルト33が巻き掛けられる。前記カムプーリ
31、テンションプーリ32及びタイミングベルト33
は下部ベルトカバー10及び上部ベルトカバー11の内
部に収納される。
【0018】図3を併せて参照すると明らかなように、
シリンダブロック6、クランクケース7及びマウントケ
ース2によって画成されるフライホイール収納室38に
前記フライホイール16が収納されており、その外周に
形成されたギヤ161 にスタータモータ39の出力軸3
1 に設けた飛び込み式のピニオン40が噛合可能に対
向する。
【0019】次に、図2及び図3に基づいてエンジンE
の吸気系の構造を説明する。
【0020】エンジンカバー4の内部に画成されるエン
ジンルーム51に収納されたエンジンEのシリンダヘッ
ド8の右側面に、4個のシリンダ12a1 ,12a2
12b1 ,12b2 にそれぞれ対応する4本の吸気通路
52…を一体に有する吸気マニホールド53が結合され
る。各吸気通路52…は前方に湾曲し、それらの前端に
4連のキャブレタ54a1 ,54a2 ,54b1 ,54
2 がそれぞれ接続される。
【0021】各キャブレタ54a1 ,54a2 ,54b
1 ,54b2 の内部には図示せぬスロットルバルブ及び
チョークバルブが収納されており、各スロットルバルブ
の弁軸55…に結合されたスロットルバルブレバー56
…が共通のリンク57で連動して駆動されるとともに、
各チョークバルバルブの弁軸58…に結合されたチョー
クバルブレバー59…が共通のリンク60で連動して駆
動される。
【0022】エンジンEのクランクケース7の右側面に
沿って配置された多孔式の第1吸気消音室61に4個の
キャブレタ54a1 ,54a2 ,54b1 ,54b2
上流端が接続される。第1吸気消音室61は、キャブレ
タ54a1 ,54a2 ,54b1 ,54b2 及びエアホ
ーン41…を支持する基板611 と、この基板61と協
働して消音空間を構成する本体部612 とから構成され
る。エアホーン41…は第1吸気消音室61の内部に延
び、それらの先端にはメッシュ42…が設けられる。第
1吸気消音室61の下端に、内部に溜まった油分を排出
するドレンパイプ43が設けられる。
【0023】クランクケース7の反シリンダヘッド8側
に沿う空間、即ちエンジンルーム51の前部空間には前
記第1吸気消音室61の上流側に連なるダクト型の第2
吸気消音室62がグロメット44を介して結合され、2
本のボルト45,45によりクランクケース7の前面に
固定される。第2吸気消音室62は下向きに開口する吸
気口621 から上向きに延びる第1部分622 と、この
第1部分622 から水平方向に90°湾曲して第1吸気
消音室61の上部左側面に接続される第2部分623
を備える。
【0024】尚、図2における符号63はヘッドカバー
9と第1吸気消音室61とを接続するブリーザパイプ6
3であり、符号46はオイル戻し用ホースである。
【0025】上述したように、クランクケース7の右側
面に沿う空間を利用して第1吸気消音室61を配置する
とともに、クランクケースの前面に沿う空間を利用して
第2吸気消音室62を配置したので、両吸気消音室6
1,62のトータルの容積を充分に確保して吸気騒音を
効果的に防止することができる。しかも、第2吸気消音
室62が90°に亘って湾曲する第1部分622 及び第
3部分623 を備えているため、限られた空間内で大き
な容積を確保することができるばかりか、吸気口621
が下向きに開口しているので吸気系への水の浸入を確実
に防止することができる。
【0026】また、第2吸気消音室62を設けて消音効
果を向上させたので第1吸気消音室61の内部に収納さ
れる多孔部分を変更、縮小又は省略することができ、し
かも第2吸気消音室62を接続するために第1吸気消音
室61が前方に大きく張り出して形成されるため、第1
吸気消音室61の内部に収納される前記エアホーン41
…の長さをを長く設定することができる。これにより、
消音特性を任意に設定することが可能になるばかりか、
キャブレタ54a1 ,54a2 ,54b1 ,54b2
らの吹き返しをエアホーン41…で捕集し易くなる。更
に、第1吸気消音室61及び第2吸気消音室62が直角
に配置されているため、前記キャブレタ54a1 ,54
2 ,54b1 ,54b2 からの吹き返しを第1吸気消
音室61内に留めることができる。
【0027】次に、図2に基づいてエンジンEの燃料供
給系の構造を説明する。
【0028】エンジンEのシリンダヘッド8の右側面に
第1燃料ポンプ64a及び第2燃料ポンプ64bが設け
られており、図示せぬ燃料タンクが燃料フィルター6
5、燃料供給配管66、ジョイント67及び燃料供給配
管68a,68bを介して前記2個の燃料ポンプ64
a,64bの吸入ポートに接続される。
【0029】上側の第1燃料ポンプ64aの吐出ポート
は、上側の第1シリンダ群12aの2個のシリンダ12
1 ,12a2 のキャブレタ54a1 ,54a2 に燃料
供給配管69a1 ,69a2 を介して接続されるととも
に、下側の第2燃料ポンプ64bの吐出ポートは、下側
の第2シリンダ群12bの2個のシリンダ12b1 ,1
2b2 のキャブレタキャブレタ54b1 ,54b2 に燃
料供給配管69b1 ,69b2 を介して接続される。
【0030】第1燃料ポンプ64aは第1シリンダ群1
2aの2個のシリンダ12a1 ,12a2 のうちの下側
のシリンダ12a2 のキャブレタ54a2 よりも僅かに
低い位置に設けられており、従って燃料供給配管69a
1 ,69a2 は第1燃料ポンプ64aから2個のキャブ
レタ54a1 ,54a2 に向けて上向きに延びている。
また第2燃料ポンプ64bは第2シリンダ群12bの2
個のシリンダ12b1,12b2 のうちの下側のシリン
ダ12b2 のキャブレタ54b2 よりも僅かに低い位置
に設けられており、従って燃料供給配管69b1 ,69
2 は第2燃料ポンプ64bから2個のキャブレタ54
1 ,54b2 に向けて上向きに延びている。
【0031】次に、図4及び図5に基づいて燃料ポンプ
64a,64bの駆動系の構造を説明する。第1燃料ポ
ンプ64a及び第2燃料ポンプ64bの駆動系は同一構
造であるため、その代表として第1燃料ポンプ64aの
駆動系の構造を説明する。
【0032】シリンダヘッド8に支持したカム軸29に
は各シリンダ12a1 ,12a2 …に対応して吸気カム
70…及び排気カム71…が設けられており、吸気ロッ
カーアーム軸72に枢支した吸気ロッカーアーム73…
が吸気カム70…及び各シリンダ12a1 ,12a2
に2個ずつ設けられた吸気バルブ74…に当接するとと
もに、排気ロッカーアーム軸75に枢支した排気ロッカ
ーアーム76…が排気カム71…及び各シリンダ12a
1 ,12a2 …に1個ずつ設けられた排気バルブ78…
に当接する。
【0033】シリンダ12a2 の吸気カム70及び排気
カム71間にポンプ駆動カム79が設けられており、こ
のポンプ駆動カム79に当接するポンプ駆動部材80が
シリンダヘッド8に形成した一対の支持部81 ,81
摺動自在に支持される。ポンプ駆動部材80は第1燃料
ポンプ64aの内部に延び、そこで図示せぬプランジャ
に接続される。従って、カム軸29の回転により、ポン
プ駆動カム79及びポンプ駆動部材80を介して第1燃
料ポンプ64aを駆動することができる。
【0034】ポンプ駆動部材80は2個の吸気バルブ7
4,74のバルブスプリング81,81間を通過するよ
うに配置されており、これによりポンプ駆動部材80と
バルブスプリング81,81との干渉を避けながら第1
燃料ポンプ64aを駆動することができる。しかも、一
対の支持部81 ,81 を設けたことにより、吸気バルブ
74,74の間隔を広げることなく、バルブスプリング
81,81と両支持部81 ,81 との干渉を回避するこ
とができる。
【0035】上述したようにポンプ駆動部材80とバル
ブスプリング81,81との干渉を避けたことにより、
第1、第2燃料ポンプ64a,64bをカムシャフト2
9の長手方向中間部に配置することが可能となる。その
結果、カムシャフト29の下端部に燃料ポンプを設けた
場合に比べて、高い位置にあるシリンダと燃料ポンプと
の高低差を減少させることができ、各燃料ポンプ64
a,64bとして小型で小能力のものを使用してもキャ
ブレタ54a1 ,54a2 ,54b1 ,54b2に燃料
を確実に供給し、フロート室の燃料液面を均一化するこ
とができる。
【0036】次に、前述の構成を備えた本発明の実施例
の作用について説明する。
【0037】エンジンEの運転によりクランク軸15に
連動してカム軸29が回転すると、2個のポンプ駆動カ
ム79,79に当接するポンプ駆動部材80,80が往
復動して第1燃料ポンプ64a及び第2燃料ポンプ64
bが駆動され、図示せぬ燃料タンクから燃料フィルター
65、燃料供給配管66、ジョイント67及び燃料供給
配管68a,68bを介して吸引された燃料が、第1燃
料ポンプ64aに連なる燃料供給配管69a1 ,69a
2 により第1シリンダ群12aの2個のシリンダ12a
1 ,12a2 のキャブレタ54a1 ,54a2 に供給さ
れるとともに、第2燃料ポンプ64bに連なる燃料供給
配管69b1 ,69b2 により第2シリンダ群12bの
2個のシリンダ12b1 ,12b2 のキャブレタ54b
1 ,54b2 に供給される。
【0038】一方、エンジンカバー4の上部に形成した
エアー取入口41 を通って第2吸気消音室62の吸気口
621 から吸入されたエアーは第1吸気消音室61から
前記キャブレタ54a1 ,54a2 ,54b1 ,54b
2 に供給され、そこで燃料と混合した混合気が、吸気マ
ニホールド53の吸気通路52…を介して各シリンダ1
2a1 ,12a2 ,12b1 ,12b2 に供給される。
【0039】上述したように、第1シリンダ群12aの
2個のシリンダ12a1 ,12a2に対して第1燃料ポ
ンプ64aを設けるとともに、第2シリンダ群12bの
2個のシリンダ12b1 ,12b2 に対して第2燃料ポ
ンプ64bを設けたので、各燃料ポンプ64a,64b
として小型で小能力のものを使用しても、高い位置にあ
るキャブレタ54a1 ,54b1 に対して燃料を確実に
供給することができ、しかも1個の大型の燃料ポンプを
用いる場合に比べて狭隘なエンジンルーム51内におけ
るレイアウトの自由度を増加させることができる。
【0040】また、第1燃料ポンプ64aは第1シリン
ダ群12aの2個のシリンダ12a 1 ,12a2 のうち
の下側のシリンダ12a2 のキャブレタ54a2 よりも
僅かに低い位置に設けられているため、燃料供給配管6
9a1 ,69a2 を第1燃料ポンプ64aから2個のキ
ャブレタ54a1 ,54a2 に向けて上向きに延ばして
燃料蒸気の滞留を防止することができ、同様に第2燃料
ポンプ64bは第2シリンダ群12bの2個のシリンダ
12b1 ,12b2 のうちの下側のシリンダ12b2
キャブレタ54b2 よりも僅かに低い位置に設けられて
いるため、燃料供給配管69b1 ,69b2 を第2燃料
ポンプ64bから2個のキャブレタ54b1 ,54b2
に向けて上向きに延ばして燃料蒸気の滞留を防止するこ
とができる。
【0041】更に、第1、第2燃料ポンプ64a,64
bがシリンダヘッド8の側壁に沿って配置されており、
しかも第1燃料ポンプ64aは対応するシリンダ群12
aの近傍に、また第2燃料ポンプ64bは対応するシリ
ンダ群12bの近傍に配置されているので、第1、第2
燃料ポンプ64a,64bと高い位置にあるシリンダ1
2a1 ,12b1 との高低差を最小限に抑えるととも
に、燃料供給配管69a 1 ,69a2 ,69b1 ,69
2 の長さを最小限に抑えることができる。
【0042】次に、図6及び図7に基づいて本発明の第
2実施例を説明する。
【0043】第2実施例は、各シリンダ12a1 ,12
2 ,12b1 ,12b2 に設けられた各2個の吸気バ
ルブ74,74が、独立した2個の吸気カム70,70
及び独立した2個の吸気ロッカーアーム73,73によ
り駆動される。ポンプ駆動部材80は、ポンプ駆動カム
79に当接する第1腕801 と、燃料ポンプ64aに接
続される第2腕802 と、吸気ロッカーアーム軸72に
揺動自在に枢支されるボス部803 とを備える。これに
より、シリンダヘッド8にポンプ駆動部材80を支持す
る支持部81 ,81 を設ける必要がなくなり、支持部8
1 ,81 とバルブスプリング81,81との干渉を考慮
する必要がなくなって吸気バルブ74,74のレイアウ
トの自由度が増加する。
【0044】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0045】例えば、実施例では船外機Oの直列4気筒
エンジンEを例示したが、本発明は船外機O以外のエン
ジンに対しても適用することが可能であり、またV型エ
ンジンや4気筒以外の多気筒エンジンに対しても適用す
ることが可能であり、更にクランク軸を水平方向や斜め
方向に配置したエンジンに対しても適用することが可能
である。また、各シリンダ群12a,12bを構成する
シリンダ12a1 ,12a2 ,12b1 ,12b2 の数
は実施例に限定されず、燃料ポンプ64a,64bの数
も実施例に限定されるものではない。
【0046】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載された発
明によれば、多気筒エンジンのカム軸に設けたポンプ駆
動カムと燃料ポンプとを連結するポンプ駆動部材を、各
シリンダに対応して設けた2個の吸気バルブのバルブス
プリング間に配置したので、バルブスプリングとポンプ
駆動部材との干渉を回避することができる。これによ
り、燃料ポンプをカム軸の長手方向中間部に設けること
が可能となってレイアウトの自由度が増加するだけでな
く、燃料ポンプと各キャブレタとの距離差を減少させて
安定した燃料供給を可能とすることができる。
【0047】また請求項2に記載された発明によれば、
2個の吸気バルブを結ぶ直線の両側にシリンダヘッドか
ら一対の支持部を突設するとともに、これら支持部にポ
ンプ駆動部材を摺動自在に支持したので、ポンプ駆動部
材の支持部とバルブスプリングとの干渉を防止すること
ができる。
【0048】また請求項3に記載された発明によれば、
吸気バルブを駆動する吸気ロッカーアームを枢支する吸
気ロッカーアーム軸にポンプ駆動部材を揺動自在に枢支
したので、ポンプ駆動部材の支持部を設ける必要がなく
なって吸気バルブ及びバルブスプリングを自由にレウイ
アウトすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】船外機の全体側面図
【図2】図1の要部拡大図
【図3】図2の3方向矢視図
【図4】シリンダヘッドの断面図
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】第2実施例に係る、前記図4に対応する図
【図7】第6の7−7線断面図
【符号の説明】
1 支持部 12a,12b シリン
ダ群 12a1 ,12a2 ,12b1 ,12b2 シリン
ダ 29 カム軸 54a1 ,54a2 ,54b1 ,54b2 キャブ
レタ 64a,64b 燃料ポ
ンプ 72 吸気ロッカーアーム軸 73 吸気ロッカーアーム 74 吸気バルブ 79 ポンプ駆動カム 80 ポンプ駆動部材 81 バルブスプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−308354(JP,A) 特開 昭56−110523(JP,A) 特開 平3−3904(JP,A) 実開 平7−22062(JP,U) 実開 昭54−72225(JP,U) 実開 平3−73660(JP,U) 実開 昭63−104668(JP,U) 実開 平3−119562(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 37/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のシリンダ(12a1 ,12a2
    12b1 ,12b2)にそれぞれ設けたキャブレタ(5
    4a1 ,54a2 ,54b1 ,54b2 )に、カム軸
    (29)により駆動される燃料ポンプ(64a,64
    b)から燃料を供給する多気筒エンジンの燃料供給装置
    において、 カム軸(29)に設けたポンプ駆動カム(79)と燃料
    ポンプ(64a,64b)とを連結するポンプ駆動部材
    (80)を、各シリンダ(12a1 ,12a2,12b
    1 ,12b2 )に対応して設けた2個の吸気バルブ(7
    4)のバルブスプリング(81)間に配置したことを特
    徴とする多気筒エンジンの燃料供給装置。
  2. 【請求項2】 2個の吸気バルブ(74)を結ぶ直線の
    両側にシリンダヘッド(8)から一対の支持部(81
    を突設するとともに、これら支持部(81 )にポンプ駆
    動部材(80)を摺動自在に支持したことを特徴とす
    る、請求項1記載の多気筒エンジンの燃料供給装置。
  3. 【請求項3】 吸気バルブ(74)を駆動する吸気ロッ
    カーアーム(73)を枢支する吸気ロッカーアーム軸
    (72)にポンプ駆動部材(80)を揺動自在に枢支し
    たことを特徴とする、請求項1記載の多気筒エンジンの
    燃料供給装置。
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