JP3205376U - コイル部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】組立作業が簡単になり自動化または機械化が容易となるコイル部材を提供すること。【解決手段】本考案のコイル部材1は、導線10と、導線10が巻回されるボビン11とから構成されるコイル体12と、コイル体12の側面と一端部とに沿いコイル体12の他端部が開口部20に位置しコイル体12が内側に載置されるコの字形のフレーム21と、開口部20に差し渡され、プランジャーの可動鉄芯が挿入されるボビン11の中心部の孔13が開口部20の方向に延伸されたボビン11の端部14が挿通する孔22を有する蓋部23と、蓋部23と一体に形成され、孔13内を進退する可動鉄芯の作動を拡大する作動レバーの支点24を有する支点軸支持部25と、を有している。【選択図】図1
Description
本考案は、コイル部材に関する。
ボビンに導線が巻回されたコイル体を枠状のフレーム内に配置し、コイル体の側面のフレーム開口部を蓋部材によって固定することにより、コイル体とフレームとを一体化して構成されるコイル部材が本願考案者によって提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1のコイル部材は、フレーム上部に開けられたプランジャーの可動鉄芯が挿通する孔と、可動鉄芯が中心部の孔に挿入されるボビンと、を有するソレノイドとして構成されている。
特許文献1のコイル部材は、フレーム開口部がコイル体の側面にある。このため、側面にあるフレーム開口部からコイル体をフレーム内に横滑りさせて装着する。したがって、フレーム上部に開けられた孔に、ボビンの端部を差し込み、ボビンの端部の中心部の孔にプランジャーの可動鉄芯を挿入する構造のボビンは使用できない。さらに、フレーム上部に開けられた孔の位置と、可動鉄芯が挿入されるボビンの中心部の孔の位置とを正確に整合させるためには、ボビンやフレームの部品に高い精度が要求されると共に、組立作業にも正確さが要求され、組立作業の自動化または機械化が困難である。
本考案は、このような背景の下に行われたものであって、高い部品精度も要求されず組立作業が簡単になり自動化または機械化が容易となるコイル部材を提供することを目的とする。
本考案は、導線と、導線が巻回されるボビンとから構成されるコイル体と、コイル体の側面と一端部とに沿いコイル体の他端部が開口部に位置しコイル体が内側に載置されるコの字形のフレームと、開口部に差し渡され、プランジャーの可動鉄芯が挿入されるボビンの中心部の孔が開口部の方向に延伸されたボビンの端部が挿通する孔を有する蓋部と、蓋部と一体に形成され、ボビンの中心部の孔内を進退する可動鉄芯の作動を拡大する作動レバーの支点を有する支点軸支持部と、を有するものである。
上述のコイル部材において、作動レバーに可動鉄芯の駆動力を作用させて作動レバーの作用点を作用させる位置を力点としたとき、支点は、力点を挟んで作動レバーの作用点の反対側に配置され、蓋部は、作動レバーの作用点付近を両脇から支持するガイド部材を有することができる。
上述のコイル部材において、ボビンの可動鉄芯が挿入される孔を有する端部とは反対側の端部には、導線の末端と接続されるリード線を支持するリード線支持部が突設されるようにしてもよい。
本考案によれば、高い部品精度も要求されず組立作業が簡単になり自動化または機械化が容易となるコイル部材を提供することができる。
(全体構成について)
本考案の実施の形態に係るコイル部材1はソレノイドであり、図1に示すように、導線10と導線10が巻回されるボビン11と巻回された導線10の部分を保護するため巻回部分に巻かれた接着テープ(図示省略)とから構成されるコイル体12と、コイル体12の側面と一端部とに沿いコイル体12の他端部が開口部20に位置しコイル体12が内側に載置されるコの字形のフレーム21と、開口部20に差し渡される蓋部23と、蓋部23と一体に形成され、孔13内を進退するプランジャーの可動鉄芯40(図4,図5参照)の作動を拡大する作動レバー30(図4,図5参照)の支点24を有する支点軸支持部25と、を有する。なお、蓋部23は、可動鉄芯40(図4,図5参照)が挿入されるボビン11の中心部の孔13が開口部20の方向に延伸されたボビン11の端部14が挿通する孔22を有する。
本考案の実施の形態に係るコイル部材1はソレノイドであり、図1に示すように、導線10と導線10が巻回されるボビン11と巻回された導線10の部分を保護するため巻回部分に巻かれた接着テープ(図示省略)とから構成されるコイル体12と、コイル体12の側面と一端部とに沿いコイル体12の他端部が開口部20に位置しコイル体12が内側に載置されるコの字形のフレーム21と、開口部20に差し渡される蓋部23と、蓋部23と一体に形成され、孔13内を進退するプランジャーの可動鉄芯40(図4,図5参照)の作動を拡大する作動レバー30(図4,図5参照)の支点24を有する支点軸支持部25と、を有する。なお、蓋部23は、可動鉄芯40(図4,図5参照)が挿入されるボビン11の中心部の孔13が開口部20の方向に延伸されたボビン11の端部14が挿通する孔22を有する。
さらに、蓋部23は、作動レバー30(図4、図5参照)の作用点付近を両脇から支持するガイド部材26を有する。また、コイル部材1を他の機器に取り付けるための取付部27を有する。取付部27は、ネジ穴27aを有する。図1の例では、フレーム21は凸部28を有し、蓋部23は切欠部29を有し、カシメによって、フレーム21と蓋部23とを接合する。他の例として、フレーム21と蓋部23との接合は、溶接によってもよい。溶接によってフレーム21と蓋部23とを接合する場合は、凸部28および切欠部29を省略してもよい。
また、コイル部材1には、ボビン11のプランジャーとなる可動鉄芯40(図4、図5参照)が挿入される孔13を有する端部とは反対側の端部に、導線10の末端と接続されるリード線60を支持するリード線支持部61がボビン11と一体化され、かつ外方に突出するように突設されている。さらに、リード線支持部61を背後から支持するように、フレーム21の一部がプレス加工によって折り曲げられた折曲部21aを有する。
(ボビン11の端部14と蓋部23の孔22との関係について)
図2に示すように、ボビン11の端部14は、蓋部23の孔22に挿通される。その結果、図3に示すように、ボビン11の端部14は、蓋部23の孔22を挿通し、先端が僅かに突出する。これにより、特許文献1とは異なり、蓋部23の孔22と、ボビン11の孔13との位置関係を正確に整合させる必要はない。
図2に示すように、ボビン11の端部14は、蓋部23の孔22に挿通される。その結果、図3に示すように、ボビン11の端部14は、蓋部23の孔22を挿通し、先端が僅かに突出する。これにより、特許文献1とは異なり、蓋部23の孔22と、ボビン11の孔13との位置関係を正確に整合させる必要はない。
(作動レバー30とその支点24、力点41、作用点31の位置関係について)
コイル部材1は、図4,図5に示すように、作動レバー30にプランジャーとなる可動鉄芯40の駆動力を作用させて作動レバー30の作用点31を作用させる位置を力点41としたとき、支点24は、力点41を挟んで作動レバー30の作用点31の反対側に配置される。
コイル部材1は、図4,図5に示すように、作動レバー30にプランジャーとなる可動鉄芯40の駆動力を作用させて作動レバー30の作用点31を作用させる位置を力点41としたとき、支点24は、力点41を挟んで作動レバー30の作用点31の反対側に配置される。
作動レバー30は、プランジャーとなる可動鉄芯40の先端部に設けられた溝42に挿入され、力点41の部分に設置される支持軸41a(図5参照)によって作動レバー30と可動鉄芯40とが連動して動くようにされている。また、作動レバー30は力点41を中心にして揺動可能に支持されている。なお、作動レバー30は、支持軸41aを回転中心として揺動することから、作動レバー30の支持軸41aが貫通する位置には作動レバー30の長さ方向の長孔(図示省略)が設けられている。
また、作動レバー30は、尾部32が支点軸支持部25の支点24の位置に設置される支点軸24a(図5参照)によって支点24に揺動可能に支持されている。また、コイルバネ50によって、作動レバー30は、支点24を回転中心として常態的に矢示A方向に押し上げられている。
コイル体12に導線10から電力が入力されると、可動鉄芯40が下方に吸引されるので、支点24を中心にして作動レバー30の作用点31は矢示B方向に移動する。
コイル部材1において、その性能は吸引力や可動鉄芯40のストロークで表され、これらの性能は起磁力(アンペアターン)、磁気回路の磁気効率等で律せられる。Fを吸引力、Uを起磁力、μを空気の誘磁率、Dを可動鉄芯40の直径、dを可動鉄芯40の外壁とボビン11の孔13の内壁との間の隙間であるエアーギャップとしたとき、
F=(1/2)πμ(U2(D+2d)/d)…式(1)
となる。これにより、吸引力Fは、起磁力Uと空気透磁率μを一定としたときにエアーギャップdが小さいほど大きくなることが分かる。式(1)に基づき吸引力Fとエアーギャップdとの関係をグラフに表し説明する。図6は、コイル部材1の吸引力Fとエアーギャップdとの関係を示すグラフである。横軸にエアーギャップd、縦軸に吸引力Fを表している。
F=(1/2)πμ(U2(D+2d)/d)…式(1)
となる。これにより、吸引力Fは、起磁力Uと空気透磁率μを一定としたときにエアーギャップdが小さいほど大きくなることが分かる。式(1)に基づき吸引力Fとエアーギャップdとの関係をグラフに表し説明する。図6は、コイル部材1の吸引力Fとエアーギャップdとの関係を示すグラフである。横軸にエアーギャップd、縦軸に吸引力Fを表している。
図6に示すように、エアーギャップdが大きい領域では、エアーギャップdが変化しても吸引力に大きな差は出ないが、エアーギャップdが小さい領域ではエアーギャップdのわずかな変化によって吸引力が大きく変化していることが分かる。したがって、エアーギャップdはできるだけ小さくしておくことがより好ましい。このため、蓋部23の上部などに可動鉄芯40が貫通するリング部材(不図示)を配置してもよい。このリング部材は、鉄等の透磁性を有する材質で構成されている。これにより、リング部材は、蓋部23と共に磁気回路の一部を構成することができる。リング部材の内径は可動鉄芯40が軸方向に進退自在な範囲でクリアランスを可能な限り小さく設定されている。また、リング部材は、蓋部23に密接させる。このとき、リング部材と蓋部23とを溶接してもよいし、または、蓋部23とリング部材とを一体に成形してもよい。
コイル部材1において、支点24は、力点41を挟んで作動レバー30の作用点31の反対側に配置されている。作動レバー30の作用は、可動鉄芯40の作動を拡大するものであって「てこの原理」を応用したものと考えられる。なお、コイル部材1の吸引力Fは可動鉄芯40のストロークの二乗に反比例する。このことについて以下の式(2)を参照して説明する。
F=(1/2)U2(μS/X2)…式(2)
ただし、Fは吸引力、Uは起磁力、μは空気の透磁率、Sは可動鉄芯40の断面積、Xは可動鉄芯40のストロークである。
ただし、Fは吸引力、Uは起磁力、μは空気の透磁率、Sは可動鉄芯40の断面積、Xは可動鉄芯40のストロークである。
式(2)によれば、吸引力Fは、起磁力U、空気透磁率μ、可動鉄芯40の断面積Sを一定としたとき、可動鉄芯40のストロークXの二乗に反比例する。このことから、ストロークXを小さくすれば大きい吸引力を得られることが分かる。また、「てこの原理」を応用していることから、支点24から力点41までの距離、力点41から作用点31までの距離、支点24から作用点31までの距離を適宜調整することで、実使用に対応した作用点31の移動量(ストローク)、可動鉄芯40のストロークXが得られる。このことについて、図7および図8を参照しながら説明する。
図7は、可動鉄芯40のストロークX1を示す模式図であり、図8は、従来の一般的な構造における可動鉄芯のストロークX2を示す模式図である。図7において、支点24から力点41までの距離をL1、力点41から作用点31までの距離をL2、支点24から作用点31までの距離をL0としたとき、作用点31のストロークHとストロークX1との関係は、X1=H×L1/L0で表される。ここで、L0=L1+L2なので、X1=H×L1/(L1+L2)で表される。また、L0を3、L1を1、L2を2とすると、H/X1=(L1+L2)/L1=3/1=3となり、ストロークHはストロークX1の3倍となる。
図8に示す従来技術と図7に示す本実施の形態との相違点は、従来技術では、力点と作用点の間に支点が配置されていることである。このような構成において、支点から力点までの距離をL1、力点から作用点までの距離をL2したとき、作用点のストロークHとストロークX2との関係は、X2=H×L1/L2で表すことができる。ここで、L0を3とし、L1を1、L2を2とすると、H/X2=L2/L1=2/1=2となり、ストロークHは、ストロークX2の2倍となる。
仮に、支点から力点までの距離L1、力点から作用点までの距離L2、を本実施の形態と従来技術で同じとし、作用点のストロークHが同じだけ必要とされる場合を考える。このような場合、ストロークX1とストロークX2を比較すると、本実施の形態のストロークX1の分母は(L1+L2)であり、従来技術のストロークX2の分母はL2であり、分子は両者共に(L1×H)で同じになることから、本実施の形態における可動鉄芯40のストロークX1は、従来例の可動鉄芯のストロークX2よりも小さくできることが分かる。また、上述した数値例に示されるように、本実施の形態におけるストロークHの方が従来例に比べ大きくすることができる。
上述した式(2)によって、可動鉄芯40のストロークXを小さくすれば大きい吸引力が得られることを示した。したがって、図7および図8に示した構成条件では、同じストロークHを得たい場合、X1<X2となることから、本実施の形態の構成によれば従来技術よりも大きな吸引力を得ることができる。また、可動鉄芯40のストロークXを同じ値にすると、ストロークHは本実施の形態のものが大きくなり、動作をより大きくすることができる。
また、従来技術と同じ吸引力にする場合には、起磁力が小さくてもよいので導線の巻回数を減らすことができ、コイル部材1の小型化やコストの低減を可能にする。
また、コイル体12およびフレーム21の仕様を変えずに、可動鉄芯40の力点41から支点24までの距離L1、支点24から作用点31までの距離L0を調整すれば、可動鉄芯40のストロークX1を一定にしたまま、作用点31のストロークHを任意に調整可能となる。このことから、コイル体12の標準化がしやすく、使い勝手のよいコイル部材1を提供できる。
(リード線支持部61について)
コイル部材1は、図9および図10に示すように、ボビン11の端部にリード線支持部61を有する。リード線支持部61は、2つの貫通孔62と2つの溝63とを有する。貫通孔62は段部62aを有し、段部62aよりも溝63側の直径は、段部62aよりも溝63と反対側の直径よりも大きくなっている。段部62aよりも溝63と反対側の直径はリード線60が挿通するために必要最小の直径である。
コイル部材1は、図9および図10に示すように、ボビン11の端部にリード線支持部61を有する。リード線支持部61は、2つの貫通孔62と2つの溝63とを有する。貫通孔62は段部62aを有し、段部62aよりも溝63側の直径は、段部62aよりも溝63と反対側の直径よりも大きくなっている。段部62aよりも溝63と反対側の直径はリード線60が挿通するために必要最小の直径である。
リード線支持部61は、リード線60を支持すると共に、コイル体12の導線10とリード線60の導線60a(図13参照)とを接続する接続部60b(図15参照)を溝63内に収納するものである。
このリード線支持部61は、フレーム21の幅W1(図1、図10参照)の内部に食い込むように形成されている。これにより、リード線支持部61の飛び出し量を抑えている。すなわち、本実施の形態では、フレーム21の幅W1、これはボビン11の幅でもあるが、この幅W1より飛び出し量W2だけ飛び出している。この飛び出し量W2は、従来の飛び出し量W3に比べれば小さくなっている。また、リード線支持部61は、ボビン11の縁より内部側に幅W4の長さだけ入った所まで設置されている。この結果、フレーム21との絶縁距離Z1を大きくできている。従来は、溝63の幅は図10の例よりも狭くなり、溝63を形成するための厚みであるZ2程度しかフレーム21との絶縁距離が取れなかった。このZ1は、(1.5×Z2)≦Z1≦(3×Z2)とすることが好ましい。
次に、コイル体12の導線10とリード線60の導線60a(図13参照)との接続方法と接続部60b(図15参照)の収納方法について説明する。なお、図11〜図16では、図9、図10に図示したボビン11の図示は省略する。また、図11〜図16は、リード線支持部61を図10に示すA−A′線で切断した断面図として示す。
図11に示すように、リード線支持部61の2つの貫通孔62に対し、1つのコの字形のピン70を挿通させ、挿通させたピン70に、コイル体12の導線10の末端を巻き付ける。なお、ピン70の材質は、プラスチックや金属など、どのようなものであってもよい。また、ピン70における導線10の末端を巻き付ける部分の直径は、リード線60の導線60aの直径とほぼ同じである。
図12に示すように、コイル体12の導線10の末端を巻き付けたピン70を貫通孔62から引き抜く。このとき、導線10の末端を、ピン70に巻き付けたときのコイル状の部分は、貫通孔62の段部62aのところで引っかかり、貫通孔62の内部に残留する。図12や図13に示すように、導線10の末端のコイル状部分が貫通孔62から飛び出ないようにしてもよいが、コイル状部分の一部または半分程度が貫通孔62から飛び出るようにすることが好ましい。
図13に示すように、リード線60の導線60aをリード線支持部61の貫通孔62に挿通させる。このとき、既に引き抜かれたピン70における導線10の末端を巻き付ける部分の直径がリード線60の導線60aの直径とほぼ同じであることから、図14に示すように、リード線60の導線60aをリード線支持部61の貫通孔62に挿通させると、ピン70と入れ換わる形で、貫通孔62の内部に残留していたコイル状の導線10の末端がリード線60の導線60aに巻き付けられる。
図15に示すように、コイル体12の導線10の末端がリード線60の導線60aに巻き付けられている部分に半田付けを行うことにより、接続部60bが形成される。
図16に示すように、リード線60の導線60aを折り曲げることにより、接続部60bを溝63に収納する。このとき、接続部60bを溝63に収納した後に、溝63bに合成樹脂を注入し、接続部60bを溝63に封入してもよい。
以上のようにして、コイル体12の導線10とリード線60の導線60aとを接続すると共に、接続部60bをリード線支持部61に封入して固定する。これにより、リード線60とコイル部材1とを電気的に接続すると共に、リード線60とコイル部材1とを物理的にも強固に接続することができる。さらに、接続部60bを溝63に収納することにより、絶縁耐圧等の保証を確保することができる。
また、図17に示すように、フレーム21の開口部20とは反対側の面を底面とするとき、フレーム21の底面のリード線支持部61が載置されている辺を外側に折り曲げて折曲部21aを形成する。これにより、図18に示すように、リード線支持部61の厚みd1を厚くして強度を高めることができる。比較例として、図19に示すように、折曲部21aを設けない場合には、リード線支持部610の厚みd2は、フレーム210から突出した分の厚みしかとれず、厚みd1を有するリード線支持部61と比較して強度は弱いものとなる。
なお、リード線支持部61の強度を必要としない場合には、図19に示すように、折曲部21aを有さない構造であるフレーム210とリード線支持部610を採用し、フレーム21の底部を折り曲げる工程を省略してもよい。また、ボビン11の構成、特にリード線支持部61の構造は他の形状のフレームにも適用することができる。たとえば、コの字形のフレーム21の開口部20側に平板状の蓋部を設け、その蓋部に折曲部21aを形成し、リード線支持部61を入れ込むようにしてもよい。
(本考案の実施の形態に係る効果について)
以上説明したように、本考案の実施の形態に係るコイル部材1は、導線10と、導線10が巻回されるボビン11とから構成されるコイル体12と、コイル体12の側面と一端部とに沿いコイル体12の他端部が開口部20に位置しコイル体12が内側に載置されるコの字形のフレーム21と、開口部20に差し渡され、プランジャーとなる可動鉄芯40が挿入されるボビン11の中心部の孔13が開口部20の方向に延伸されたボビン11の端部14が挿通する孔22を有する蓋部23と、を有するので、ボビン11の孔13と蓋部23の孔22の位置関係を整合させる際に、高い部品精度も要求されず組立作業も簡単にすることができ、自動化または機械化を容易にすることができる。
以上説明したように、本考案の実施の形態に係るコイル部材1は、導線10と、導線10が巻回されるボビン11とから構成されるコイル体12と、コイル体12の側面と一端部とに沿いコイル体12の他端部が開口部20に位置しコイル体12が内側に載置されるコの字形のフレーム21と、開口部20に差し渡され、プランジャーとなる可動鉄芯40が挿入されるボビン11の中心部の孔13が開口部20の方向に延伸されたボビン11の端部14が挿通する孔22を有する蓋部23と、を有するので、ボビン11の孔13と蓋部23の孔22の位置関係を整合させる際に、高い部品精度も要求されず組立作業も簡単にすることができ、自動化または機械化を容易にすることができる。
また、コイル部材1は、蓋部23と一体に形成され、孔13内を進退する可動鉄芯40の作動を拡大する作動レバー30の支点24を有する支点軸支持部25を有するので、支点軸支持部25を蓋部23とは別の部材として用意する必要がなく、部品点数を減らすことができると共に、組立作業を簡単にすることができる。
また、コイル部材1は、作動レバー30にプランジャーとなる可動鉄芯40の駆動力を作用させて作動レバー30の作用点31を作用させる位置を力点41としたとき、支点24は、力点41を挟んで作動レバー30の作用点31の反対側に配置されるので、従来技術よりも大きな吸引力を得ることができる。または、従来技術と同じ吸引力にする場合には、起磁力が小さくてもよいので導線の巻回数を減らすことができ、コイル部材1の小型化やコストの低減を可能にする。さらに、可動鉄芯40のストロークを一定にしたまま、作用点31のストロークを任意に調整可能であり、コイル体12の標準化がし易く、従来の一品一様のコイル仕様でなく、標準機種としてのコイル部材1を提供できる。
また、従来は、作動レバー30に相当する機能をユーザ側で取付けていたのに対し、図4、図5に示す作動レバー30は、支点軸支持部25の支点24および可動鉄芯40の力点41に、支点軸24aおよび支持軸41aによって取付けられた状態で、ユーザに出荷することができる。これによれば、ユーザが作動レバー30を取付ける必要がなくなり、ユーザ側のコストを安価にすることができる。
また、蓋部23は、作動レバー30の作用点31付近を両脇から支持するガイド部材26を有するので、作動レバー30の動作方向と直交する方向から力が加わる場合にも作動レバー30の作動をスムーズにすることができると共に、可動鉄芯40に無理な力が加わることを避けることができる。
また、コイル部材1は、ボビン11のプランジャーとなる可動鉄芯40が挿入される孔13を有する端部14とは反対側の端部には、導線10の末端と接続されるリード線を支持するリード線支持部61が突設されているので、リード線60とコイル部材1とを電気的に接続すると共に、リード線60とコイル部材1とを物理的にも強固に接続することができる。さらに、接続部60bを、周囲を囲まれた溝63に収納することにより、絶縁耐圧等の保証を確保することができる。
また、リード線支持部61を有さない従来のコイル部材では、コイル体にリード線が接続された状態のまま、コイル部材の組立作業を行う必要があった。このとき、リード線の存在が組立作業の邪魔となり、組立作業の自動化や効率化の妨げとなっていた。これに対し、コイル部材1は、コイル体12のフレーム21への組み込み作業時などにはリード線60が存在せず、最終的にリード線60の導線60aとコイル体12の導線10の末端とを接続することができる。これにより、コイル部材1は、組立作業の自動化または機械化を図ることができる。
(その他の実施の形態)
上述した実施の形態は、その要旨を逸脱しない限りにおいて、様々に変更が可能である。たとえば、図20に示すコイル部材1aは、蓋部23aのフレーム21bに対する位置関係が図1に示すコイル部材1の蓋部23のフレーム21に対する位置関係に比べて90度異なる。このように、フレーム21bに対する蓋部23aの位置関係を様々に変更することにより、ユーザの様々な要求に、容易に対応することができる。
上述した実施の形態は、その要旨を逸脱しない限りにおいて、様々に変更が可能である。たとえば、図20に示すコイル部材1aは、蓋部23aのフレーム21bに対する位置関係が図1に示すコイル部材1の蓋部23のフレーム21に対する位置関係に比べて90度異なる。このように、フレーム21bに対する蓋部23aの位置関係を様々に変更することにより、ユーザの様々な要求に、容易に対応することができる。
また、リード線支持部61の溝63は、一方のみが開口され、その他の周囲が塀で囲まれたものとなっているが、図1や図20に示す正面側が開口される形状としてもよい。また、作動レバー30の支点、作用点、力点の配置関係は他の配置関係としてもよい。
1…コイル部材、10…導線、11…ボビン、12…コイル体、13,22…孔、14…端部、20…開口部、21,21b…フレーム、21a…折曲部、22…孔、23,23a…蓋部、24…支点、25…支点軸支持部、26…ガイド部材、30…作動レバー、31…作用点、40…可動鉄芯(プランジャー)、41…力点、60…リード線、60a…導線、61,61a…リード線支持部
Claims (3)
- 導線と、前記導線が巻回されるボビンとから構成されるコイル体と、
前記コイル体の側面と一端部とに沿い前記コイル体の他端部が開口部に位置し前記コイル体が内側に載置されるコの字形のフレームと、
前記開口部に差し渡され、プランジャーとなる可動鉄芯が挿入される前記ボビンの中心部の孔が前記開口部の方向に延伸された前記ボビンの端部が挿通する孔を有する蓋部と、
前記蓋部と一体に形成され、前記ボビンの中心部の孔内を進退する前記可動鉄芯の作動を拡大する作動レバーの支点を有する支点軸支持部と、
を有する、
ことを特徴とするコイル部材。 - 請求項1記載のコイル部材において、
前記作動レバーに前記可動鉄芯の駆動力を作用させて前記作動レバーの作用点を作用させる位置を力点としたとき、前記支点は、前記力点を挟んで前記作動レバーの作用点の反対側に配置され、
前記蓋部は、前記作動レバーの作用点付近を両脇から支持するガイド部材を有する、
ことを特徴とするコイル部材。 - 請求項1または2記載のコイル部材において、
前記ボビンの前記可動鉄芯が挿入される孔を有する端部とは反対側の端部には、前記導線の末端と接続されるリード線を支持するリード線支持部が突設されている、
ことを特徴とするコイル部材。
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