JP3204366U - 木造軸組構造およびこれを有する神社仏閣 - Google Patents

木造軸組構造およびこれを有する神社仏閣 Download PDF

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Abstract

【課題】 伝統的な木造建築技術に準じて標準化および機械化することで、品質の安定や生産性の向上を図れるとともに、伝統的な木造建築技術の伝承に寄与することができる木造軸組構造およびこれを有する神社仏閣を提供する。【解決手段】 実溝31と、桁側円形孔32と、蟻溝33とが事前に機械加工されてなる一対の桁材3と、実溝31に挿入された状態で桁側円形孔32と連通する雇い側円形孔51が事前に機械加工されてなる雇い実5と、長尺状の丸棒が事前に桁材3の幅にカットされてなり、雇い実5が実溝31に挿入された状態で、桁側円形孔32および雇い側円形孔51の双方を挿通するように差し込まれる円柱形状の円柱込み栓6と、からなる継手12が柱2の上端部の中心に配置されている。【選択図】 図2

Description

本考案は、神社仏閣や木造の一般住宅等を建築するのに好適な木造軸組構造およびこれを有する神社仏閣に関するものである。
従来、伝統的な木造建築技術の一つとして木造軸組構造が知られている。例えば、特開2002−250079号公報には、立設する複数本の柱材間に横架材を架設する軸組構造であって、上記横架材を長さ方向に分割して形成するとともに、これら横架材間に上記柱材を介在させて接合金物で接合してなる軸組構造が開示されている(特許文献1)。
特開2002−250079号公報
伝統的な木造建築技術は、長年の慣習として、丁稚奉公による長い修行を経て親方から弟子に受け継がれてきた。しかしながら、戦後の社会環境、教育環境および就労環境の変化に伴い、過去の慣習は成り立たなくなりつつある。このため、近年では、熟練労働者の数が老齢化とともに減少しており、木造軸組構造のような伝統的な木造建築技術は衰退の一途を辿っている。
一方、建築コストの削減を優先し、熟練労働者を必要とする伝統的な木造建築技術を断念する動きの中で、上記特許文献1のように、熟練の技術を必要とする木材同士の接合部を専用の建築金物で賄おうとする、プレカットの金物工法が全盛を極めつつある。このため、木造軸組構造を有する建物は、ますます手の届かない存在になりつつあるという問題がある。
しかしながら、近年、本物志向のユーザの間では、日本の気候風土に適した高品質の木造建築が再び注目されている。このため、日本の伝統的な木造建築技術を後世に伝承し、社会資本として幅広く普及させることが望まれている。
本考案は、このような問題点を解決するためになされたものであって、伝統的な木造建築技術に準じて標準化および機械化することで、品質の安定や生産性の向上を図れるとともに、伝統的な木造建築技術の伝承に寄与することができる木造軸組構造およびこれを有する神社仏閣を提供することを目的としている。
本考案に係る木造軸組構造は、互いに接合される一対の桁材であって、各桁材が接合されたときに上面で連通する長手方向の実溝と、各接合端部近傍の両側面から前記実溝に貫通する桁側円形孔と、各桁材が接合されたときに梁材の蟻ほぞを差込可能となる蟻溝とが、事前に機械加工されてなる一対の桁材と、前記実溝に挿入されるとともに、当該挿入された状態で前記桁側円形孔と連通する雇い側円形孔が、事前に機械加工されてなる雇い実と、長尺状の丸棒が事前に前記桁材の幅にカットされてなり、前記雇い実が前記実溝に挿入された状態で、前記桁側円形孔および前記雇い側円形孔の双方を挿通するように差し込まれる円柱形状の円柱込み栓と、からなる継手が柱の上端部の中心に配置されている。
また、本考案の一態様として、建物における入隅部の内側に露出する二面に設けられ内壁ボードの側端部を嵌め込むための側方嵌込溝と、長手方向に沿って所定の間隔を隔てて設けられ胴縁を接合するための欠込みとが、事前に機械加工されてなる入隅材を有していてもよい。
さらに、本考案の一態様として、天井と内壁面との境界に設けられ内壁ボードの上端部を嵌め込むための下方嵌込溝が、事前に機械加工されてなる台輪材を有していてもよい。
また、本考案の一態様として、内壁ボードの下端部を支持する上方巾木と、床面と内壁面との境界に配置される下方巾木とから構成される巾木材であって、前記上方巾木の上端縁部に沿って形成され前記内壁ボードを固定するための固定用段差と、前記上方巾木の下端縁部に沿って形成され前記下方巾木と連結するための連結ほぞと、前記下方巾木の上端縁部に沿って形成され前記連結ほぞを遊嵌させるための遊嵌溝とが、事前に機械加工されてなる巾木材を有していてもよい。
さらに、本考案の一態様として、前記柱と土台との接合構造であって、前記土台の上面に設けられるほぞ孔と、前記土台の両側面から前記ほぞ孔に貫通する土台側円形孔と、前記柱の下端部に設けられ前記ほぞ孔に挿入される長ほぞと、前記長ほぞが前記ほぞ孔に挿入された状態で前記土台側円形孔と連通するほぞ側円形孔と、前記長ほぞが前記ほぞ孔に挿入された状態で、前記土台側円形孔および前記ほぞ側円形孔の双方を挿通するように差し込まれる円柱込み栓とが、事前に機械加工されてなる接合構造を有していてもよい。
また、本考案の一態様として、前記側方嵌込溝および前記下方嵌込溝には、前記内壁ボードの表面側にクロスの端部を差し込むための差込傾斜面が形成されているとともに、前記固定用段差と前記内壁ボードとの境界端部および前記台輪材と前記天井との境界端部には、前記クロスの端部を差し込むための差込溝が形成されていてもよい。
また、本考案に係る神社仏閣は、上述したいずれかの態様の木造軸組構造を有する。
本考案によれば、伝統的な木造建築技術に準じて標準化および機械化することで、品質の安定や生産性の向上を図れるとともに、伝統的な木造建築技術の伝承に寄与することができる。
本考案に係る木造軸組構造の一実施形態を示す斜視図である。 本実施形態の継手を示す分解斜視図である。 本実施形態の継手を示す(a)平面図、(b)正面図および(c)側面図である。 本実施形態の入隅材を示す(a)斜視図および(b)平面図である。 本実施形態の入隅材を示す全体図である。 本実施形態の台輪材を示す(a)斜視図および(b)側面図である。 本実施形態の巾木材を示す(a)斜視図および(b)側面図である。 本実施形態の接合構造を示す(a)正面図および(b)側面図である。 本考案に係る木造軸組構造を適用した神社の一実施例を示す(a)正面側断面図、および(b)側面側一部断面図である。
以下、本考案に係る木造軸組構造およびこれを有する神社仏閣の一実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態の木造軸組構造1を有する建物100を示す図である。具体的には、本実施形態の木造軸組構造1は、主として、垂直荷重を支持する柱2と、この柱2の間に架け渡される横架材としての桁材3と、この桁材3に直交する横架材としての梁材4等からなる軸組(線材)が、継手12や仕口によって接合されている。
なお、本実施形態において、木造軸組構造1を構成する木材としては、当該木造軸組構造1を建築する都道府県内で生産された木材を使用することが好ましく、例えば、北海道内であれば、カラ松やトド松等の道産材を使用することが好ましい。これにより、当該地域の林業や木材産業が活性化し、大きな経済効果が期待される。また、木材を海外等から輸入する場合と比較して、輸送過程で排出される二酸化炭素の量を大幅に削減でき、地球環境にも優しいというメリットがある。
本実施形態において、木造軸組構造1に用いられる継手12は、伝統的な木造建築技術に準ずる構成を有している。具体的には、本実施形態の継手12は、図2および図3に示すように、主として、互いに接合される一対の桁材3,3と、各桁材3を接合するための雇い実5と、この雇い実5を抜け止めするための円柱込み栓6と、桁材3に対して接合される梁材4とから構成されており、柱2の上端部の中心に配置されている。以下、継手12の各構成について説明する。
桁材3は、角材によって構成されており、柱2の間に架け渡されるものである。本実施形態において、各桁材3は、図2および図3に示すように、各桁材3が接合されたときに上面で連通する長手方向の実溝31と、各接合端部近傍の両側面から実溝31に貫通する桁側円形孔32と、各桁材3が接合されたときに梁材4の蟻ほぞ41を差込可能となる蟻溝33とが、工場等で事前に機械加工されてなるものである。
本実施形態において、実溝31は、各桁材3の上面中央に沿って形成されている。また、桁側円形孔32は、各桁材3の長手方向に沿って2つずつ形成されており、合計4つの桁側円形孔32が水平方向に沿って並列されている。さらに、蟻溝33は、各桁材3の両側面に対して断面が逆ハの字状に形成されている。
雇い実5は、板材によって構成されており、各桁材3を接合するためものである。本実施形態において、雇い実5は、図2および図3に示すように、実溝31に挿入されるとともに、当該挿入された状態で桁側円形孔32と連通する雇い側円形孔51と、柱2の下端部に設けられたほぞを挿入するほぞ溝52とが、工場等で事前に機械加工されてなるものである。
円柱込み栓6は、丸棒によって構成されており、雇い実5を抜け止めするためのものである。本実施形態において、円柱込み栓6は、長尺状の丸棒が工場等で事前に桁材3の幅にカットされて円柱形状に形成されている。そして、図3(a)および図3(c)に示すように、雇い実5が実溝31に挿入された状態で、桁側円形孔32および雇い側円形孔51の双方を挿通するように差し込まれるようになっている。
なお、本実施形態において、円柱込み栓6を加工する専用機としては、長尺状の丸棒を桁材3の幅にカットするのに好適に構成されている。当該専用機においては、2枚の水平円盤の間に円周方向に沿って複数本の円筒が鉛直方向に固定されている。そして、各円筒に対応する位置に挿入孔が形成されており、各挿入孔に長尺状の丸棒を差し込むと、水平円盤の下面から各丸棒の下端部が突出するようになっている。また、各丸棒の下端部から桁材3の幅だけ高い位置には、丸棒を瞬時に切断可能な電動カッターが配置されている。以上の構成を備えた専用機によれば、全ての円筒に長尺状の丸棒をセットし、水平円盤を回転させるとともに、電動カッターを駆動させると、桁材3の幅にカットされた円柱込み栓6が次々と形成されることとなる。
梁材4は、角材によって構成されており、桁材3に対して直交方向に接合されるものである。本実施形態において、梁材4の端部には、図2および図3(a)に示すように、桁材3の蟻溝33に差し込まれる蟻ほぞ41が、工場等で事前に機械加工されてなるものである。なお、本実施形態において、蟻ほぞ41は、桁材3の蟻溝33と略同形状の逆ハの字状に形成されている。
なお、本実施形態では、上述した桁材3、雇い実5および梁材4を加工する加工装置として、所定のスペース内に複数の切削具を配置し、当該配置を桁材3、雇い実5および梁材4の形状に対応させてなる専用機を使用している。このような専用機を用いて桁材3、雇い実5および梁材4の加工を機械化することにより、一人の作業員が複数の加工を担当でき、伝統的な木造建築技術を効率的かつ早期に習得することが期待される。
つぎに、本実施形態の木造軸組構造1は、入隅部に配置される入隅材7を有している。本実施形態において、入隅材7は、図4および図5に示すように、入隅部の内側に露出する二面に設けられ内壁ボード13の側端部を嵌め込むための側方嵌込溝71と、長手方向に沿って所定の間隔を隔てて設けられ胴縁を接合するための欠込み72とが、工場等で事前に機械加工されてなるものである。
本実施形態において、側方嵌込溝71のそれぞれには、図4(b)に示すように、内壁ボード13の表面側にクロスの端部を差し込むための差込傾斜面73が形成されている。また、本実施形態において、入隅材7は、図4に示すように、柱の角部に当接される当接凹部74も合わせて、工場等で事前に機械加工されている。なお、本実施形態では、内壁ボード13として石膏ボードを使用しているが、これに限定されるものではない。
また、本実施形態の木造軸組構造1は、天井と内壁面との境界に台輪材8が配置される。台輪材8は、図6に示すように、内壁ボード13の上端部を嵌め込むための下方嵌込溝81が、工場等で事前に機械加工されてなるものである。本実施形態において、下方嵌込溝81には、内壁ボード13の表面側にクロスの端部を差し込むための差込傾斜面82が形成されている。さらに、本実施形態において、台輪材8と天井との境界端部には、クロスの端部を差し込むための差込溝83が形成されている。
さらに、本実施形態の木造軸組構造1は、図7に示すように、内壁ボード13の下端部を支持する上方巾木91と、床面と内壁面との境界に配置される下方巾木92とから構成される巾木材9を有している。上方巾木91は、その上端縁部に沿って形成され内壁ボード13を固定するための固定用段差93と、その下端縁部に沿って形成され下方巾木92と連結するための連結ほぞ94とが、工場等で事前に機械加工されてなるものである。また、下方巾木92は、その上端縁部に沿って形成され連結ほぞ94を遊嵌させるための遊嵌溝95が、工場等で事前に機械加工されてなるものである。本実施形態において、固定用段差93と内壁ボード13との境界端部には、クロスの端部を差し込むための差込溝96が形成されている。
また、本実施形態の木造軸組構造1は、柱2と土台11とを接合するための接合構造10を有している。この接合構造10は、図8に示すように、土台11の上面にほぞ孔111が形成されているとともに、土台11の両側面からほぞ孔111に貫通する土台側円形孔112が形成されている。一方、柱2の下端部には、ほぞ孔111に挿入される長ほぞ21が形成されているとともに、当該長ほぞ21がほぞ孔111に挿入された状態で土台側円形孔112と連通するほぞ側円形孔22が形成されている。
そして、長ほぞ21がほぞ孔111に挿入された状態で、土台側円形孔112およびほぞ側円形孔22の双方を挿通するように差し込まれる円柱込み栓6を有している。本実施形態の接合構造10は、少なくとも上述したほぞ孔111と、土台側円形孔112と、長ほぞ21と、ほぞ側円形孔22と、円柱込み栓6とが工場等で事前に機械加工されてなるものである。
つぎに、以上の構成を備えた本実施形態の木造軸組構造1およびこれを有する建物100による作用について説明する。
まず、本実施形態では、木造軸組構造1を構成する各木材が工場等で事前に機械加工されている。このため、建築現場では、当該機械加工済みの木材を組み立てたり、取り付けるだけでよく、施工期間が短縮されるとともに、施工コストが低減する。
また、継手12や仕口は金物に頼ることなく木材同士で接合されており、金物は建築基準法上、補助的に使用しているに過ぎない。これにより、地震があった場合でも、躯体が揺れに対して柔軟に追従し、耐えようとするため倒壊の危険性が少ない。一方、金物を多用して接合すると、地震の揺れによって、金物のジョイント部分に応力が集中して破損し、構造物としての強度が著しく低下するおそれがある。
また、図2および図3に示すように、継手12は一対の桁材3を引き寄せ、雇い実5と円柱込み栓6を用いて接合されている。このため、雇い実5や円柱込み栓6を使用しない従来の継手と比較して、木材の有効長さを最大限に確保し、木材資源を無駄にしてしまうことがない。また、継手12が柱2の上端部の中心に配置されるため、継手12にかかる荷重が柱2によってしっかりと支持され、神社仏閣等のように広大な建物100や、外観が厳格な建物100に好適である。
さらに、本実施形態の継手12において、桁材3の桁側円形孔32や、雇い実5の雇い側円形孔51が円形状であるため、角穴と比較して孔の中心を把握しやすく、ドリル等による穿孔位置の精度が向上する。また、継手12に使用する円柱込み栓6が円柱形状であるため、剪断接合面を増大し、継手12にかかる荷重を分散させる。
また、本実施形態では、図4に示すように、入隅材7が、入隅部の内側に露出する二面に設けられた内壁ボード13の側端部を側方嵌込溝71に嵌め込んで固定する。さらに、図6に示すように、台輪材8が、天井と内壁面との境界において、内壁ボード13の上端部を下方嵌込溝81に嵌め込んで固定する。このため、経験の浅い作業員でも迅速・確実な組み立てが可能である。また、入隅材7および台輪材8は、単に内壁ボード13を差し込むだけで躯体の挙動に追従する構造となるため、地震等の揺れを吸収しやすく、建築時の性能を長期間に渡って維持する。
さらに、本実施形態では、図7に示すように、床面と内壁面との境界において、上方巾木91が、内壁ボード13の下端部を固定用段差93で固定するとともに、その下端縁部の連結ほぞ94によって下方巾木92の遊嵌溝95と遊嵌状態で連結する。このため、上方巾木91を固定する内壁ボード13と、下方巾木92を固定する床とは、接合状態が保持される一方で、遊嵌溝95が緩衝空間となって躯体の挙動に追従する構造となるため、地震等の揺れを吸収しやすく、建築時の性能を長期間に渡って維持する。
また、本実施形態では、図8に示すように、接合構造10が柱2と土台11とを強固に接合し、柱2の引き抜き強度を向上する。さらに、本実施形態の接続構造において、土台11の土台側円形孔112が円形状であるため、角穴と比較して孔の中心を把握しやすく、ドリル等による穿孔位置の精度が向上する。また、接続構造に使用する円柱込み栓6が円柱形状であるため、剪断接合面を増大し、接続構造にかかる荷重を分散させる。
さらに、本実施形態では、側方嵌込溝71の差込傾斜面73や下方嵌込溝81の差込傾斜面82が、内壁ボード13の表面側に貼付されたクロスの端部を収容する。また、固定用段差93と内壁ボード13との境界端部や、台輪材8と天井との境界端部に設けられた差込溝83が、内壁ボード13の表面側に貼付されたクロスの端部を収容する。このため、クロスの端部が簡単に隠され、内装の美感が向上する。
以上のような本実施形態の木造軸組構造1およびこれを有する建物100によれば、以下のような効果を奏する。
1.伝統的な木造建築技術に準じて標準化および機械化することで、品質の安定や生産性の向上を図れるとともに、伝統的な木造建築技術の伝承に寄与することができる。
2.必要な木材を工場等で事前に機械加工することで、施工期間を短縮できるとともに、施工コストを低減することができる。
3.経験の浅い作業員でも迅速・確実に伝統的な木造建築物を組み立てることができる。
4.躯体の挙動に追従しやすい構造を有するため、建築時の性能を長期間に渡って維持することができる。
5.込み栓やその孔を円形状とすることで、剪断接合面を増大し荷重を分散させることができる。
6.クロスの端部を簡単に隠すことができ、内装の美感を向上することができる。
7.必要な部材に応じて加工用の専用機を開発することにより、品質の安定および生産性の向上を図ることができる。
8.加工作業を分業して単純化することにより、作業員は担当分野の熟練度を向上でき、現在の教育環境や就労環境においても実践的に成長することができる。
9.伝統的な木造建築技術に準じた加工形状によって、当該技術を後世に伝承することができる。
10.伝統的な木造建築技術を解析し、加工形状を細部にわたって標準化乃至基準化するため、設計における判断を容易にすることができる。
11.伝統的な木造建築技術を習得することにより、伝統的な木造建築を普及させることができる。
12.神社仏閣等を設計するための基本的な技術を容易に習得することができる。
13.現場での施工形態を組み立てと取り付けに特化することにより、経験の浅い労働者でも伝統的な木造建築技術を習得することができる。
14.木材の加工は工場等で事前に行われるため、現場の施工期間を短縮することができる。
15.施工期間の短縮化により施工コストが低減し、普及の可能性を高めることができる。
16.工場生産化率を高めることで、現場で排出される木材の廃棄量を削減し、環境への負荷も低減することができる。
17.数世帯に渡って使用できるような長寿命で良質な木造建築物を供給することができ、一世代あたりの住居費用を削減することができる。
18.木造軸組構造1の建築現場近辺または少なくとも日本国内で生産された木材を使用することにより、二酸化炭素の排出量を削減することができる。
つぎに、本考案に係る木造軸組構造1およびこれを有する神社仏閣の一実施例について説明する。なお、本考案の技術的範囲は、以下の実施例によって示される特徴に限定されるものではない。
本実施例1では、本考案に係る木造軸組構造1を適用した神社101を建築することを提案する。具体的には、まず、神社101の建築に必要な全ての木材を工場で事前に機械加工し、その後、図9(a),(b)に示すように、神社101の胴差となる各桁材3を雇い実5および円柱込み栓6によって接合して継手12とし、当該継手12を柱2の上端部の中心に配置する。
以上のような本実施例1によれば、従来、宮大工にしか建築できなかった神社仏閣のような建物100も、経験の浅い大工でも建築できることが示された。また、工場等で事前に機械加工した木材を現場で組み立てるだけでよいため、施工期間が短縮されるとともに、宮大工を雇う必要がないため、施工コストが削減されることが示された。
なお、本考案は、上述した実施形態や実施例に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、上述した実施例1では、本考案に係る木造軸組構造1を神社101に適用する例について説明したが、これに限定されるものではなく、仏閣や木造の一般住宅等のように木造軸組構造1によって建築可能な全ての木造建物に適用可能である。
1 木造軸組構造
2 柱
3 桁材
4 梁材
5 雇い実
6 円柱込み栓
7 入隅材
8 台輪材
9 巾木材
10 接合構造
11 土台
12 継手
13 内壁ボード
21 長ほぞ
22 ほぞ側円形孔
31 実溝
32 桁側円形孔
33 蟻溝
41 蟻ほぞ
51 雇い側円形孔
52 ほぞ溝
71 側方嵌込溝
72 欠込み
73 差込傾斜面
74 当接凹部
81 下方嵌込溝
82 差込傾斜面
83 差込溝
91 上方巾木
92 下方巾木
93 固定用段差
94 連結ほぞ
95 遊嵌溝
96 差込溝
100 建物
101 神社
111 ほぞ孔
112 土台側円形孔

Claims (7)

  1. 互いに接合される一対の桁材であって、各桁材が接合されたときに上面で連通する長手方向の実溝と、各接合端部近傍の両側面から前記実溝に貫通する桁側円形孔と、各桁材が接合されたときに梁材の蟻ほぞを差込可能となる蟻溝とが、事前に機械加工されてなる一対の桁材と、
    前記実溝に挿入されるとともに、当該挿入された状態で前記桁側円形孔と連通する雇い側円形孔が、事前に機械加工されてなる雇い実と、
    長尺状の丸棒が事前に前記桁材の幅にカットされてなり、前記雇い実が前記実溝に挿入された状態で、前記桁側円形孔および前記雇い側円形孔の双方を挿通するように差し込まれる円柱形状の円柱込み栓と、
    からなる継手が柱の上端部の中心に配置されている、木造軸組構造。
  2. 建物における入隅部の内側に露出する二面に設けられ内壁ボードの側端部を嵌め込むための側方嵌込溝と、長手方向に沿って所定の間隔を隔てて設けられ胴縁を接合するための欠込みとが、事前に機械加工されてなる入隅材を有している、請求項1に記載の木造軸組構造。
  3. 天井と内壁面との境界に設けられ内壁ボードの上端部を嵌め込むための下方嵌込溝が、事前に機械加工されてなる台輪材を有している、請求項1または請求項2に記載の木造軸組構造。
  4. 内壁ボードの下端部を支持する上方巾木と、床面と内壁面との境界に配置される下方巾木とから構成される巾木材であって、前記上方巾木の上端縁部に沿って形成され前記内壁ボードを固定するための固定用段差と、前記上方巾木の下端縁部に沿って形成され前記下方巾木と連結するための連結ほぞと、前記下方巾木の上端縁部に沿って形成され前記連結ほぞを遊嵌させるための遊嵌溝とが、事前に機械加工されてなる巾木材を有している、請求項1から請求項3のいずれかに記載の木造軸組構造。
  5. 前記柱と土台との接合構造であって、前記土台の上面に設けられるほぞ孔と、前記土台の両側面から前記ほぞ孔に貫通する土台側円形孔と、前記柱の下端部に設けられ前記ほぞ孔に挿入される長ほぞと、前記長ほぞが前記ほぞ孔に挿入された状態で前記土台側円形孔と連通するほぞ側円形孔と、前記長ほぞが前記ほぞ孔に挿入された状態で、前記土台側円形孔および前記ほぞ側円形孔の双方を挿通するように差し込まれる円柱込み栓とが、事前に機械加工されてなる接合構造を有している、請求項1から請求項4のいずれかに記載の木造軸組構造。
  6. 前記側方嵌込溝および前記下方嵌込溝には、前記内壁ボードの表面側にクロスの端部を差し込むための差込傾斜面が形成されているとともに、前記固定用段差と前記内壁ボードとの境界端部および前記台輪材と前記天井との境界端部には、前記クロスの端部を差し込むための差込溝が形成されている、請求項2から請求項5のいずれかに記載の木造軸組構造。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の木造軸組構造を有する神社仏閣。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102383718B1 (ko) * 2021-08-13 2022-04-08 길승환 목조 연결 장치

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