JP3204230B2 - 磁気抵抗効果型ヘッド - Google Patents
磁気抵抗効果型ヘッドInfo
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Description
いはVTR等の磁気テープ装置用の再生専用磁気抵抗効
果型ヘッドに関する。
伴い、例えば磁気ディスク装置ではトラック幅は数μm
になりつつある。また、装置は小型になり低周速度にな
っている。このように狭く記録された信号を高S/Nに
検出するヘッドとして、従来の誘導型ヘッドに代わり磁
気抵抗効果型ヘッドの開発が進められている。磁気抵抗
効果型ヘッドは、例えば第3図に示したような構造をし
ている。(例えば第13回日本応用磁気学会学術講演概
要集(1989)pp228)この図はシャントバイア
ス型ヘッドとよばれるヘッドである。磁気抵抗効果型ヘ
ッドは基板1に積層された下部シールド膜2、下部ギャ
ップ膜3、磁気抵抗効果膜4、シャントバイアス膜5、
電極6、上部ギャップ膜7、および上部シールド膜8よ
り構成される。各膜厚は上下部シールド膜2、8を除
き、一般に非常に薄い。例えば、磁気抵抗効果膜4は数
10nm、上部、下部ギャップ膜3、7は0.2μm程
度である。
密度に記録された信号を高S/Nに再生しようとする
と、磁気抵抗効果膜4、上部、下部ギャップ膜7、3の
膜厚をより小さくしなければならない。このように薄膜
化されると、パターニングにより下地膜がエッチングさ
れ、最悪の場合下地膜がなくなってしまうことさえ起こ
りうる。特に、被エッチング膜が厚い場合に顕著とな
る。第3図に示したヘッドでは、上部シールド膜8のエ
ッチング時における上部ギャップ膜7、さらには上部ギ
ャップ膜7の下に形成されている電極6のエッチングが
問題となる。
度に記録された信号の再生に用いる磁気抵抗効果型ヘッ
ドを、高い歩留まりで作製可能なヘッド構造を提供する
ことである。一般に基板内、基板間の膜厚分布、エッチ
ング速度の分布等のために、被エッチング膜の下に形成
されている薄膜も多少なりともエッチングされてしま
う。特に、ヘッドの作製に多用されているイオンミリン
グ法等の物理的エッチングを主とするエッチング法では
顕著である。上述したように磁気抵抗効果ヘッドは非常
に薄い膜から構成されており、下地膜のエッチングは歩
留まりを著しく低下させる。
めに、本発明では被エッチング膜の下に保護膜を形成し
た。保護膜の厚さを被エッチング膜の膜厚分布、エッチ
ング速度の分布を考慮して十分に厚くしておくことで、
上述の目的は達せられる。
る。第1図は第3図(b)のA−A’断面に対応する図
である。初めに、基板1上に下部シールド2、下部ギャ
ップ膜3、磁気抵抗効果膜4、シャントバイアス膜5、
電極6、上部ギャップ膜7を形成する。その後、保護膜
9を形成する。保護膜9は電気的絶縁材料で、摺動面に
は達しておらず、かつ上部ギャップ膜7、電極6を被覆
している。続いて保護膜9上に上部シールド膜8を成膜
し、パターニングする。上部シールド膜8の一端は保護
膜9に達するように形成する。このようにすることによ
り、上部シールド膜8のエッチング時において電極6、
上部ギャップ膜7がエッチングされることを防止でき
る。電極6は外部の配線と接続しなければならないが、
保護膜の一部を除去することで可能となる。保護膜の厚
さは、上部シールド膜8の膜厚分布、エッチング速度の
分布を考慮して決めるが、通常1μmもあれば十分であ
る。また、保護膜9の材質は保護膜9形成後の工程の、
特に熱処理に耐えるものであればAl2O3等の無機材
料、あるいはホトレジストのような有機材料のどちらで
あってもかまわない。
る。
1はAl2O3−TiC板である。先ず、基板1上に下部
シールド膜2を成膜する。下部シールド膜2はNiFe
合金薄膜で、スパッタリング法で成膜した。膜厚は3μ
mである。パターニングはホトレジスト膜をマスクとし
てイオンミリング法で行った。続いて下部ギャップ膜3
としてAl2O3をスパッタリング法で成膜した。膜厚は
0.19μmである。下部ギャップ膜3上に磁気抵抗効
果膜4、およびシャントバイアス膜5となるNiFe、
Nb膜を連続的に成膜する。成膜は真空蒸着法で行っ
た。それぞれの膜厚は25nm、36nmである。両膜
のパターニングは、ホトレジスト膜をマスクとしたイオ
ンミリング法で一括して行った。この工程においても下
部ギャップ膜3がエッチングされるが、その量は数nm
程度であり問題はない。これは磁気抵抗効果膜4、およ
びシャントバイアス膜5の膜厚が薄いこと、さらに両膜
に比較し下部ギャップ膜であるAl2O3のミリング速度
が小さいためである。次に、電極6を形成する。ここで
は、Cr/Cu/Cr積層膜を用いた。下層のCr膜は
下地膜との付着力を高め、上層のCr膜は付着力向上の
他に工程中でのCuの酸化を防止するための膜である。
膜厚はそれぞれ0.02、0.4、0.02μmとし
た。パターニングは上記同様ホトレジスト膜をマスクに
イオンミリング法で行った。この工程ではシャントバイ
アス膜5、および下部ギャップ膜3の両膜がエッチング
されるが、その量はわずかである。これはCr膜が非常
に薄いこと、Cuのミリング速度が下部ギャップ膜3で
あるAl2O3、シャント膜であるNbに比較し大きいた
めにである。上部ギャップ膜7は下部ギャップ膜3と同
じAl2O3で形成した。膜厚は0.15μmである。す
なわち、上部、下部シールド間隔で約0.4μmとな
る。パターニングは上記同様ホトレジスト膜をマスクに
イオンミリング法で行なった。上部ギャップ膜7のパタ
ーニングでは電極6のエッチングが問題となる。この工
程では、下地膜である電極5の方が上部ギャップ膜7で
あるAl2O3よりミリング速度が大きい。電極5がエッ
チングされる時間は、上部ギャップ膜7のエッチング時
間の約10%程度であった。Al2O3に対するCuのミ
リング速度比は約5であるから、電極5は約75nmエ
ッチングされるが、上述したように電極5の膜厚は約
0.4μmあり問題にはならない。次に保護膜9を形成
する。保護膜9にはホトレジスト膜(OFPR800、
東京応化社製)を用いた。ホトレジスタ膜は回転塗布法
で成膜し、膜厚は1μmとした。露光、現像を行ない、
ホトレジスト膜で電極5および電極5上の上部ギャップ
膜7の一部を被覆する。また、ホトレジスト膜は250
℃、3時間の熱処理を行ない、後の工程での熱処理に耐
えるようにした。次に、上部シールド膜8となるNiF
e膜をスパッタリング法で成膜する。膜厚は1μmであ
る。パターニングはホトレジスト膜をマスクにイオンミ
リング法で行った。上部シールド膜のエッチングでは保
護膜9がエッチングされる。保護膜9がエッチングされ
る時間は、上記同様上部シールド膜8のエッチング時間
の約10%程度である。上部シールド膜であるNiFe
膜と保護膜9であるホトレジスト膜のミリング速度はほ
ぼ同じであるから、保護膜9のエッチング量は約0.1
μm程度である。保護膜9の初期の膜厚は1μmである
から、十分に電極5、および上部ギャップ膜7を保護で
きる。ここでは保護膜9の膜厚を1μmとしたが、上部
シールド膜8のエッチングに対し電極5、上部ギャップ
膜7を保護できればよく、最小では0.1μmでもよ
い。ただし、プロセスのマージンを考慮すれば0.2μ
m以上が好ましい。最後に外部との接続を行うために保
護膜9にスルーホールを形成する。ここでは、レジスト
膜をマスクに酸素ガスを用いた反応性イオンエッチング
法でパターニングした。
について述べたが、ソフトバイアス型、シャントバイア
ス型とソフトバイアス型を組合せた複合バイアス型等の
他のバイアス方式のヘッドでも本発明は有効である。
用の膜、が形成されたヘッドでも、同様な効果がある。
なお、磁区制御膜としてはFeMn反強磁性膜などがあ
る。
もある。本実施例はヘッドノイズの低減、およびプロセ
スの簡略化を目的にしている。ヘッドノイズを下げるた
めには電極6の電気抵抗を小さくすることが有効であ
る。第2図に本実施例によるヘッドの断面構造を示す。
本図は第3図のA−A’断面に相当する図である。本実
施例では、電極6の上に電極6の電気抵抗を低減するた
めに導体層10を形成した。導体層10は電極6より若
干大きくしておくほうが望ましい。導体層10としては
上部シールド膜8で兼用させることが有効で、工程数を
増すことなく電気抵抗を低減できる。また、上記実施例
1では保護膜9で電極6上の全面を被覆した後、スルー
ホールを形成した。しかし、本実施例では露光、現像工
程ではじめから、スルーホールを形成しておき、かつ上
部シールド膜8で形成される導体層10が保護膜9の一
部を覆うように形成した。このようにすることにより、
上部シールド膜8のエッチング工程で電極6および上部
ギャップ膜7がエッチングされるのを防止できるととも
に、保護膜9のスルーホール形成工程を省略できる。電
極6の下に導体層を形成することも有効である。例え
ば、下部シールド膜2で導体層を構成するようにすれ
ば、工程数を増すことなく電気抵抗を低減できる。
ップ膜7は保護膜9で被覆されている。このために、厚
い上部シールド膜8のエッチング工程において電極6、
上部ギャップ膜7がエッチングされることを防止でき
る。特に電極6、上部ギャップ膜7が薄い場合にその効
果は顕著であった。例えば、上記実施例1の膜厚を持つ
ヘッドの歩留まりは、保護膜9がないと約30%であっ
たが、保護膜9を形成した本発明によるヘッドでは10
0%であった。
した結果、約2Ω低減できた。下部シールド膜でも電極
を兼用させるよにすれば、その効果はさらに顕著とな
る。
ス型の磁気抵抗効果型ヘッドの断面図、第3図は従来の
シャントバイアス型磁気抵抗効果型ヘッドの平面図及び
断面図である。
プ膜、4・・磁気抵抗効果膜、5・・シャントバイアス
膜、6・・電極、7・・上部ギャップ膜、8・・上部シ
ールド膜、9・・保護膜、10・・導体膜、
Claims (2)
- 【請求項1】 下部シールド膜、該下部シールド膜上に形
成された下部ギャップ膜、該下部ギャップ膜上に形成さ
れた磁気抵抗効果膜、該磁気抵抗効果膜に電気的に接続
された電極、前記磁気抵抗効果膜上に形成された上部ギ
ャップ膜及び該上部ギャップ膜上に形成された上部シー
ルド膜を有する磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、前
記電極及び前記上部ギャップ膜上の一部に無機材料膜が
形成され、前記上部シールド膜の一部が前記無機材料膜
上に形成され、前記無機材料膜の一部を覆うように導体
層が形成され、該導体層が前記上部シールド膜と兼用さ
れていることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。 - 【請求項2】 前記無機材料膜がAlあるいはSiの酸化
物またはAlあるいはSiの窒化物であることを特徴と
する請求項1記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31722598A JP3204230B2 (ja) | 1990-11-19 | 1998-11-09 | 磁気抵抗効果型ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31722598A JP3204230B2 (ja) | 1990-11-19 | 1998-11-09 | 磁気抵抗効果型ヘッド |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2311492A Division JP2901749B2 (ja) | 1990-11-19 | 1990-11-19 | 磁気抵抗効果型ヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11213353A JPH11213353A (ja) | 1999-08-06 |
JP3204230B2 true JP3204230B2 (ja) | 2001-09-04 |
Family
ID=18085881
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31722598A Expired - Lifetime JP3204230B2 (ja) | 1990-11-19 | 1998-11-09 | 磁気抵抗効果型ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3204230B2 (ja) |
-
1998
- 1998-11-09 JP JP31722598A patent/JP3204230B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11213353A (ja) | 1999-08-06 |
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