JP3203702U - 車両用サイドシートの固定構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】固定強度の向上、および固定作業の部品点数や作業工数の削減が図れるように工夫した車両用サイドシートの固定構造を提供する。【解決手段】車室の内壁側の部材(リアパネル)に固定され、起立位置のリアシートのシートバックの外側部に内側部が対向するサイドシート5である。内壁側の部材の上下位置に差し込み穴6a,7aが形成され、サイドシート5の上下位置に、各差し込み穴6a,7aに上方から差し込み可能な差し込み突起8b,8cがそれぞれ形成されている。各差し込み突起8b,8cの少なくとも一方に、差し込み穴6a,7aに差し込んだときに、その差し込み穴7aの内縁に弾性力で係止される係止爪が一体形成されている。【選択図】図2
Description
本考案は、車両用サイドシートの固定構造に関するものである。
従来、車室の内壁に、起立位置のリアシートのシートバックの外側部に内側部が対向するサイドシートバック(サイドシート)を固定したものがある(特許文献1参照)。
また、リアシートのシートバックの側部に、上下方向のスライド操作で脱着可能なサイドバック(サイドシート)を設けたものもある(特許文献2参照)。
ところで、特許文献1のようなサイドシートにおいて、セダンタイプの車両では、リアシートのシートバックを前倒させることで、車室のトランクルーム側のリアパネル(内後壁)の開口を車室側から開けるようにしたものがある。このように、シートバックを前倒させると、サイドシートは車室の内壁に残された状態となる。
ここで、サイドシートは、車室の内壁に固定するものであるから、固定強度の向上に加えて、固定作業に際しての部品点数や作業工数の削減が要望されている。特に、固定作業は、狭い車室内で不自然な姿勢での作業となり、しかも専用工具を狭い隙間等から差し込んで、ボルト・ナット等の固定部品を操作する必要があるので、通常の固定作業とは比較にならないほど作業工数が増加する。
本考案は、前記要望に応えるためになされたもので、固定強度の向上、および固定作業の部品点数や作業工数の削減が図れるように工夫した車両用サイドシートの固定構造を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本考案は、車室の内壁側の部材に固定され、起立位置のリアシートのシートバックの外側部に内側部が対向する車両用サイドシートであって、前記車室の内壁側の部材の上下位置に形成された差し込み穴と、前記サイドシートの上下位置にそれぞれ形成され、前記各差し込み穴に上方から差し込み可能な差し込み突起と、前記各差し込み突起の少なくとも一方に一体形成され、前記差し込み穴に差し込んだときに、その差し込み穴の内縁に弾性力で係止される係止爪を有することを特徴とする車両用サイドシートの固定構造を提供するものである。
本考案によれば、サイドシートの上下位置の差し込み突起を、車室の内壁側の部材の上下位置の差し込み穴に上方からそれぞれ差し込むと、差し込み突起の係止爪が差し込み穴の内縁に弾性力で係止固定される。これにより、サイドシートは車室の内壁側の部材に固定されることになる。
ここで、サイドシートは、差し込み突起を車室の内壁側の部材の差し込み穴に上方から
差し込んでいるから、車両の前後方向の衝撃力に強いので、固定強度が向上するようになる。なお、係止爪は、サイドシートの抜け止めだけであるので、固定強度に影響しない。
差し込んでいるから、車両の前後方向の衝撃力に強いので、固定強度が向上するようになる。なお、係止爪は、サイドシートの抜け止めだけであるので、固定強度に影響しない。
また、サイドシートの差し込み突起を、車室の内壁側の部材の差し込み穴に上方から差し込むだけで、差し込み突起の係止爪が差し込み穴の内縁に係止固定されるから、サイドシートを車室の内壁側の部材にワンタッチで固定できるようになる。したがって、ボルト・ナット等の固定部品が不要で、これらの部品を用いた固定作業も不要となるので、部品点数や作業工数の削減が図れるようになる。
前記差し込み穴と前記差し込み突起は、真円形状でない変形状であり、かつ上下が同心位置でない構成とすることができる。
この構成によれば、差し込み穴と差し込み突起が真円形状で、かつ上下が同心位置であると、サイドシートは、差し込み突起を中心に揺動する可能性がある。そこで、差し込み穴と差し込み突起を変形状(真円形状ではなく、角形状や楕円形状等の変形状)、かつ上下を同心位置としない(偏心させる)ことで、サイドシートは、差し込み突起を中心に揺動しにくくなるので、この点でも固定強度が向上するようになる。
前記係止爪に、係止解除操作部が形成されている構成とすることができる。
この構成によれば、サイドシートは、ユーザが脱着するものではないが、メンテナンス等で脱着することもある。そこで、係止解除操作部を指や工具で操作するだけで、係止爪が係止解除されるので、サイドシートを上下方向から簡単に脱着できるようになる。
本考案によれば、固定強度の向上に加えて、固定作業の部品点数や作業工数の削減が図れるようになる。
以下、本考案を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1はリアシート1であり、(a)はシートバック2が起立位置Uの斜視図、(b)はシートバック2が前倒位置Dの斜視図である。
セダンタイプの車両のリアシート1は、一部(本例では着座者から見て右側)のシートバック2が前後傾可能にヒンジ結合されている。そして、シートバック2が起立位置Uであるときは、シートバック2の後部のストライカ11がリアデッキ12内のロック機構でロックされている。
また、ロック機構のロック解除部材13を手操作することで、起立位置Uのシートバッ
ク2を前倒位置Dに前倒させることができる。このようにシートバック2を前倒させることで、車室のトランクルーム側のリアパネル(内後壁)3の開口3aを車室側から開けることができ、トランクルーム内の荷物の出し入れ等ができるようになる。
ク2を前倒位置Dに前倒させることができる。このようにシートバック2を前倒させることで、車室のトランクルーム側のリアパネル(内後壁)3の開口3aを車室側から開けることができ、トランクルーム内の荷物の出し入れ等ができるようになる。
リアパネル3には、起立位置Uのシートバック2の外側部に内側部が対向するサイドシート5が固定されている。このサイドシート5は、車室の内側壁とシートバック2の外側部との間の隙間を目隠しするためのものである。なお、図1(a)(b)では、サイドシート5の位置と形状を明瞭にするために、サイドシート5にハッチングを施している。14はシートベルトである。
図2(a)および図3(a)のように、リアパネル(車室の内壁側の部材)3の上下位置にはブラケット6,7がそれぞれ設けられ、各ブラケット6,7には上下方向の差し込み穴6a,7aがそれぞれ形成されている。
サイドシート5は、合成樹脂製フレーム8の外面を、クッションパッドを介してトリム(表皮)で覆ったものである。このフレーム8の後側面の上下位置には、図3(a)(b)のように、各ブラケット6,7の差し込み穴6a,7aに上方から差し込み可能な下向きの差し込み突起8b,8cがそれぞれ形成されている。
このフレーム8の各差し込み突起8b,8cは、図2(b)のように、各ブラケット6,7の差し込み穴6a,7aに上方から差し込まれるようになる。
各差し込み突起8b,8cの少なくとも一方、本例では下側の差し込み突起8cに、下側のブラケット7の差し込み穴7aに差し込んだときに、図4および図5(b)のように、その差し込み穴7aの内縁に弾性力で係止される係止爪8dが一体形成されている。係止爪8dには、図5(a)の矢印のように、指や工具で操作することで、係止爪8dを反係止方向に撓ませて、係止を解除できる係止解除操作部8eが一体形成されている。
ここで、フレーム8が合成樹脂製である場合、フレーム8に各差し込み突起8b,8c、係止爪8d、係止解除操作部8eを一体成形することができる。
差し込み穴6a,7aと差し込み突起8b,8cは、図3(a)(b)のように、差し込み穴6a,7a内で差し込み突起8b,8cが回転できないような真円形状でない変形状(本例では四角形状)である。変形状としては、四角形状以外の角形状や楕円形状等も含まれる。
また、上下の差し込み穴6a,7aと差し込み突起8b,8cは、上下が同心位置でない、つまり左右方向に偏心させている。
前記のような車両用サイドシート5の固定構造であれば、サイドシート5の上下位置の差し込み突起8b,8cを、リアパネル3のブラケット6,7の差し込み穴6a,7aに上方からそれぞれ差し込む。これにより、差し込み突起8cの係止爪8dが差し込み穴7aの内縁に弾性力で係止固定されることで、サイドシート5はリアパネル3に固定されることになる。
ここで、サイドシート5は、差し込み突起8b,8cをリアパネル3のブラケット6,7の差し込み穴6a,7aに上方から差し込んでいるから、車両の前後方向の衝撃力に強いので、固定強度が向上するようになる。なお、係止爪8dは、サイドシート5の抜け止めだけであるので、固定強度に影響しない。
また、サイドシート5の差し込み突起8b,8cを、リアパネル3のブラケット6,7の差し込み穴6a,7aに上方から差し込むだけで、差し込み突起8cの係止爪8dが差し込み穴7aの内縁に係止固定される。したがって、サイドシート5をリアパネル3にワンタッチで固定できるようになるから、ボルト・ナット等の固定部品が不要で、これらの部品を用いた固定作業も不要となるので、部品点数や作業工数の削減が図れるようになる。
さらに、差し込み穴6a,7aと差し込み突起8b,8cが真円形状で、かつ上下が同心位置であると、サイドシート5は、差し込み突起8b,8cを中心にして左右方向に揺動する可能性がある。そこで、差し込み穴6a,7aと差し込み突起8b,8cを真円形状でない変形状、かつ上下を同心位置としないことで、サイドシート5は、差し込み突起8b,8cを中心に揺動しにくくなるので、この点でも固定強度が向上するようになる。
また、係止爪8dに、係止解除操作部8eを形成している。すなわち、サイドシート5は、ユーザが脱着するものではないが、メンテナンス等で脱着することもある。そこで、係止解除操作部8eを指や工具で操作するだけで、係止爪8dが係止解除されるので、サイドシート5を上下方向から簡単に脱着できるようになる。
前記実施形態では、下側の差し込み突起8cに係止爪8dを形成したが、上側の差し込み突起8bに係止爪8dを形成すること、または上下側の差し込み突起8b,8cに係止爪8dをそれぞれ形成することもできる。この係止爪8dは、サイドシート5の抜け止めだけであるので、係止爪8dに代えて、例えば、いずれかのブラケット6,7に、フレーム8自体を係止して差し込み突起8b,8cの抜け止めをする係止爪や係止板を設けることも可能である。
また、下側の差し込み突起8cに係止爪8dを形成すれば、サイドシート5の下方から手を差し込んで、係止解除操作部8eを係止解除操作し易いので、メンテナンス性が良好になる。なお、下側の差し込み突起8cに係止爪8dや係止解除操作部8eを形成することから、合成樹脂による成形の都合によっては、この差し込み突起8cをフレーム8とは別体で成形して、フレーム8にボルト・ナット等で固定することも可能である。
前記実施形態では、車室のトランクルーム側のリアパネル(内後壁…車室の内壁側の部材)3にサイドシート5を固定したものであったが、車室のサイドパネル(内側壁…車室の内壁側の部材)にサイドシート5を固定することもできる。
また、下位置のブラケット7に代えて、シートのヒンジブラケット(不図示…車室の内壁側の部材)を延長し、この延長部分に形成した差し込み穴に、サイドシート5の下側の差し込み突起8cを差し込むようにすることもできる。
1 リアシート
2 シートバック
3 リアパネル(車室の内壁側の部材)
5 サイドシート
6a,7a 差し込み穴
8 フレーム
8b,8c 差し込み突起
8d 係止爪
8e 係止解除操作部
U 起立位置
D 前倒位置
2 シートバック
3 リアパネル(車室の内壁側の部材)
5 サイドシート
6a,7a 差し込み穴
8 フレーム
8b,8c 差し込み突起
8d 係止爪
8e 係止解除操作部
U 起立位置
D 前倒位置
Claims (3)
- 車室の内壁側の部材に固定され、起立位置のリアシートのシートバックの外側部に内側部が対向する車両用サイドシートであって、
前記車室の内壁側の部材の上下位置に形成された差し込み穴と、
前記サイドシートの上下位置にそれぞれ形成され、前記各差し込み穴に上方から差し込み可能な差し込み突起と、
前記各差し込み突起の少なくとも一方に一体形成され、前記差し込み穴に差し込んだときに、その差し込み穴の内縁に弾性力で係止される係止爪を有することを特徴とする車両用サイドシートの固定構造。 - 前記差し込み穴と前記差し込み突起は、真円形状でない変形状であり、かつ上下が同心位置でないことを特徴とする請求項1に記載の車両用サイドシートの固定構造。
- 前記係止爪に、係止解除操作部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用サイドシートの固定構造。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016000426U JP3203702U (ja) | 2016-02-01 | 2016-02-01 | 車両用サイドシートの固定構造 |
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