JP3203386B2 - ポリプロピレン系樹脂成形品の表面処理方法及び該成形品の塗装方法 - Google Patents
ポリプロピレン系樹脂成形品の表面処理方法及び該成形品の塗装方法Info
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Description
法などにより成形されたポリプロピレン系樹脂成形品の
表面処理方法及び塗装方法に関するものである。さらに
詳しくは、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン系共
重合体ゴム、及び、エチレン−アクリル酸系またはエチ
レン−メタクリル酸系共重合体から成るポリプロピレン
系樹脂成形品の表面処理方法とこれを用いた塗装方法と
に関するものである。
ため、その成形品へ塗装、接着、印刷などを良好に行な
うことが困難である。そこで、成形品表面へ塗装などを
良好に行なう工夫が従来から種々行なわれていた。
下、単に「成形品」と称することもある。)と接着剤或
いは塗料との間の相溶性をより向上させる方法として、
両者の間に中間層を設ける方法があった。中間層として
は、塩素化ポリプロピレンとトルエンなどとからなるい
わゆるプライマーと称される媒体が広く用いられてい
た。
に改良するための表面処理方法として、サンドブラスト
処理法、クロム混酸処理法、火炎処理法、コロナ放電処
理法、プラズマ処理法などが提案されていた。
を設ける従来方法は、プライマー自体が高価であるこ
と、中間層形成のために一工程が新たに加わることなど
から、最終的な製品コストが割高になるという問題点が
あった。
理、火炎処理、コロナ放電処理、プラズマ処理等の表面
処理方法は、いずれも満足すべき成果は得られていない
という問題点があった。さらに、例えば、クロム混酸処
理では、廃液を無公害化する必要がある等の問題点があ
った。
のであり、したがってこの発明の目的は、上述の問題点
を解決し、ポリプロピレン系樹脂成形体表面の塗装性、
接着性、印刷性各々の向上に極めて有用な表面処理方法
とこれを用いた塗装方法とを提供することにある。
を図るために、この出願に係る発明者は鋭意検討を行な
った。その結果、ポリプロピレン、エチレン−プロピレ
ン系共重合体ゴム、及び、エチレン−アクリル酸系又は
エチレン−メタクリル酸系共重合体樹脂を含むポリプロ
ピレン系樹脂成形品表面に紫外線吸収性溶剤を接触させ
た後に該表面に300nm以下の領域に主波長を有する
紫外線を照射することにより、当該ポリプロピレン系樹
脂成形品の表面が塗装、接着、印刷に適した表面に改良
されることを見い出した。
ロピレン系樹脂成形品の表面処理方法によれば、ポリプ
ロピレン(A)10〜50重量%と、エチレン−プロピ
レン系共重合体ゴム(B)10〜40重量%と、エチレ
ン−アクリル酸系又はエチレン−メタクリル酸系共重合
体樹脂(C)25〜60重量%とから成る樹脂組成物
(場合によって、これらポリプロピレン(A)、エチレ
ン−プロピレン系共重合体ゴム(B)及びエチレン−ア
クリル酸系又はエチレン−メタクリル酸系共重合体樹脂
(C)の組成物100重量部に対する割合が40重量部
以下の充填剤をさらに含む樹脂組成物)を成形してなる
成形品に紫外線吸収性溶剤を接触させた後に該表面に3
00nm以下の領域に照射波長を持つ紫外線を照射する
ことを特徴とする。
ン系樹脂成形品の塗装方法によれば、第一発明の実施後
に当該ポリプロピレン系樹脂成形品の当該表面にウレタ
ン系塗料を塗ることを特徴とする。
り、成形品の形状は任意である。シート状の成形品、フ
ィルム状の成形品に対してもこれら発明は適用できる。
体的に説明する。
リプロピレンであり、例えば、(a)ホモポリプロピレ
ン、(b)プロピレンと例えばエチレン、ブテン−1、
ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1などのα−オ
レフィンとを共重合させたプロピレン−α−オレフィン
ランダム共重合体及び、(c)プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂
である。
(g/10分)の範囲のものが好適である。メルトイン
デックスが10(g/10分)より小さいと射出成形品
の外観(フローマーク、光沢)の優れたものが得られ
ず、また、100(g/10分)より大きいと成形品の
物性、特に衝撃強度が低下するからである。
ム共重合体 プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体は、α−
オレフィン含量が0.5〜8重量%の範囲のものが好適
である。α−オレフィン含有量が8重量%より大きいと
成形品の物性、特に耐熱性が低下するからである。な
お、α−オレフィンとしてはエチレンが最も好ましい。
ダム共重合体はメルトインデックス10〜100(g/
10分)の範囲のものが好適である。ホモポリプロピレ
ンの場合と同様な理由からである。
合体 プロピレン−エチレンブロック共重合体は、エチレン含
量が2〜15重量%でかつプロピレン−エチレン共重合
部のエチレン含有率20〜60重量%で然も該共重合部
の135℃テトラリン溶液での極限粘度が2〜10(d
l/g)、好ましくは3〜8(dl/g)であるものが
好適である。エチレン含量が上記範囲以外であると成形
品の衝撃強度が低下するからである。また、極限粘度が
2(dl/g)より小さいと成形品の衝撃強度が低下
し、10(dl/g)より大きいと成形時の樹脂組成物
の流動性が低下したり成形品の外観を損ねるからであ
る。
重合体はメルトインデックス10〜100(g/10
分)の範囲のものが好適である。ホモポリプロピレンの
場合と同様な理由からである。
レン−α−オレフィンランダム共重合体(b)、プロピ
レン−エチレンブロック共重合体(c)各々は、例え
ば、通常チーグラーナッタ型触媒と呼称される三塩化チ
タン及びアルキルアルミニウム化合物との組み合わせ触
媒の存在下に反応させて得ることができる。
ポリプロピレン(A)は、前述のポリプロピレンの他に
変性ポリプロピレン又は、変性ポリプロピレンとポリプ
ロピレンとの混合物であっても良い。
ピレンを、これに対し0.05〜20重量%、好ましく
は0.1〜10重量%の範囲の不飽和カルボン酸または
その無水物によってグラフト変性したものである。
フト変性された変性ポリプロピレンにおけるグラフトモ
ノマーとしては、たとえば、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸などが挙げられる。これらの中でも特に無水マ
レイン酸が好ましい。
フトさせるには、公知の種々の方法を用いることができ
る。
マー及びラジカル開始剤を押出機内で溶融混練してグラ
フトさせる方法。ポリプロピレンをキシレンなどの有機
溶剤に溶かした後、窒素雰囲気下でラジカル発生剤を加
え攪拌下に加熱反応せしめ、反応後冷却、洗浄濾過、乾
燥してグラフト化ポリプロピレンを得る方法。その他ポ
リプロピレンにグラフトモノマーの存在下で、紫外線や
放射能を照射する方法、あるいは、酸素やオゾンと接触
させる方法などである。
ム また、第一及び第二発明でいうエチレン−プロピレン系
共重合体ゴムとは、プロピレン含量が10〜70重量%
でありムーニー粘度(ML1+4、 100℃)が10〜1
00のエチレン−プロピレン共重合体ゴムである。プロ
ピレン含量が上記範囲外では成形品の衝撃強度が低下す
るからである。また、ムーニー粘度が10未満では成形
品の機械的性質が劣り、100を越えると成形時の樹脂
組成物の流動性が低下するために成形品の外観が不良と
なるからである。なお、第一及び第二発明でいうエチレ
ン−プロピレン系共重合体ゴムには、エチレン−プロピ
レン−非共役ジエン共重合体ゴムも含まれる。
共重合体樹脂またはエチレン−メタクリル酸系共重合体
樹脂(これらを「エチレン系共重合体樹脂」と略称する
こともある。)とは、エチレン−アクリル酸共重合体樹
脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチ
レン−メタクリル酸共重合体樹脂、またはエチレン−メ
タクリル酸エステル共重合体樹脂のことである。
50〜95重量%の範囲が好適である。エチレン含量が
50重量%未満では成形品の耐熱性が劣り、95重量%
を越えると共重合単量体の含量が少なくなるので、この
発明による紫外線照射を行なっても成形品の塗装性、接
着性、印刷性などの改良が十分なされないからである。
ート、エチルアクリレート、i−プロピルアクリレー
ト、t−ブチルアクリレート、グリシジルアクリレー
ト、ジメチルアミノメチルアクリレート、ジメチルアミ
ノエチルアクリレート、ジメチルアミノ−i−プロピル
アクリレート、ジメチルアミノ−t−ブチルアクリレー
ト、ジエチルアミノメチルアクリレート、ジエチルアミ
ノエチルアクリレート、ジエチルアミノ−i−プロピル
アクリレート、ジエチルアミノ−t−ブチルアクリレー
ト等がある。
リレート、エチルメタクリレート、i−プロピルメタク
リレート、t−ブチルメタクリレート、グリシジルメタ
クリレート、ジメチルアミノチルメタクリレート、ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノ−i
−プロピルメタクリレート、ジメチルアミノ−t−ブチ
ルメタクリレート、ジエチルアミノメチルメタクリレー
ト、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルア
ミノ−i−プロピルメタクリレート、ジエチルアミノ−
t−ブチルメタクリレート等がある。
物は、(a)ホモポリプロピレン、(b)プロピレン−
α−オレフィンランダム共重合体及び(c)プロピレン
−エチレンブロック共重合体から選ばれる少なくとも1
種以上のポリプロピレン(A)10〜50重量%好まし
くは16〜50重量%と、エチレン−プロピレン系共重
合体ゴム(B)10〜40重量%と、エチレン−アクリ
ル酸系またはエチレン−メタクリル酸系共重合体(C)
25〜60重量%好ましくは30〜44重量%とを含む
ものである。ここで、重量%表記の場合は(A)、
(B)および(C)の合計を100重量%とする。
(B)が5重量部未満では成形品の衝撃強度改良効果が
乏しく、50重量部を超えると成形品の耐熱性が低下す
るからである。また、エチレン−アクリル酸系またはエ
チレン−メタクリル酸系樹脂(C)が3重量部未満で
は、この発明の方法による紫外線照射を行なっても成形
品の塗装性、接着性、印刷性等の改良効果が乏しく、6
0重量部を超えると成形品の耐熱性が低下するからであ
る。
填剤及び又はガラス繊維から成る充填剤を樹脂組成物に
含ませる場合は、ポリプロピレン(A)、エチレン−プ
ロピレン系共重合体ゴム(B)及び共重合体樹脂(C)
の組成物100重量部に対する充填剤の割合を40重量
部までとするのが好適である。無機充填剤及び又はガラ
ス繊維を40重量部を超えて含む樹脂組成物で成形した
場合成形品の耐衝撃性が著しく低下するので好ましくな
いからである。なお、無機充填剤及び又はガラス繊維を
含まない樹脂組成物で成形をした場合、成形品の耐熱
性、剛性、寸法安定性は劣るが、衝撃強度は向上する。
また、無機充填剤とガラス繊維を併用する場合の無機充
填剤とガラス繊維との比は無機充填剤20〜80重量%
に対しガラス繊維80〜20重量%とするのが好適であ
る。
成形に用いる樹脂組成物は、必要に応じて、顔料、紫外
線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、帯電防止剤、耐候剤、発
泡剤、酸化防止剤及び可塑剤等の各種添加剤を含むもの
であることが出来る。さらに、第一及び第二発明の実施
に当り、ポリプロピレン系樹脂成形品を製造するに際
し、該樹脂成形品が有している諸特性を損なわない範囲
で必要に応じて、成形に用いる樹脂組成物は、エチレン
−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、プロピレン
ブテンゴム、イソプレンブチレンゴム、ポリイソプレ
ン、ポリブタジエン、スチレン系ブロックコポリマーと
して例えばスチレンブタジエンゴム、スチレンブタジエ
ンスチレンブロックコポリマー、部分水素化スチレンブ
タジエンブロックコポリマー、スチレンイソプレンブロ
ックコポリマー、部分水素化スチレンイソプレンブロッ
クコポリマー等のゴム様物質を含むものとしても良い。
組成物を製造する方法に特に制限はなく、通常の公知の
方法を用いることができる。
ロピレン系共重合体ゴム(B)及び共重合体樹脂(C)
などを溶液状態で混合し、溶剤を蒸発させるか、非溶剤
中に沈殿させる方法も効果的であるが、工業的見地から
見て実際には溶融状態で混練する方法が好適である。溶
融混練には一般に使用されているバンバリーミキサー、
押出機、ロール、各種のニーダー等の混練装置を用いる
ことができる。
末ないしはペレットの状態であらかじめタンブラーもし
くはヘンシエルミキサーのような装置で均一に混合する
ことが好ましいが、必要な場合には混合を省き、混練装
置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いることがで
きる。
形その他各種の成形法によって成形されるが、本発明は
また、あらかじめ混練の過程を経ず、射出成形や押出成
形時にドライブレンドして溶融加工操作中に直接混合し
て成形加工品を得る方法も包含する。
脂組成物を成形した成形品の表面に先ず紫外線吸収性溶
剤を接触させる。
分子内に紫外線吸収構造を持つものであっても良く、或
いは、紫外線吸収構造を持つ添加物を溶剤に溶解させた
ものであっても良い。前者の具体例としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素系溶
剤、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、トリクロロエ
チレン、1,1,1-トリクロルエタンなどのハロゲン化炭化
水素系溶剤、アクリル酸エステル溶剤などがある。後者
の具体例としては、アセトフェノン系誘導体、ベンゾフ
ェノン系誘導体、ベンゾイン系誘導体、スルフィド系誘
導体、ジアゾニウム塩系誘導体などの光増感剤を溶解し
た芳香族炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、アクリル
酸エステル系、アクリルアミド系の各溶剤などがある。
第一及び第二発明の実施に当り、特に、1,1,1-トリクロ
ルエタンを用いることが好ましい。
接触は、当該溶剤中に成形品を浸漬する方法、成形品に
当該溶剤を霧状にして吹きつける方法、成形品に当該溶
剤を塗布する方法、成形品に当該溶剤の蒸気を接触させ
る方法等種々の方法で行なえる。
るに際しては、超音波を印加して成形品表面への溶剤の
吸着を促進させることもできる。また、成形品表面に紫
外線吸収性溶剤を接触させる際に、成形品表面を予め加
熱しておくとさらに好ましい。この加熱温度は高い方が
好ましいが具体的には30℃以上好ましくは50℃以上
とするのが良い。
る時間は、5秒〜10分、好ましくは5秒〜5分とする
のが良い。この時間が5秒より短いと成形品の塗装性、
接着性、印刷性の改良効果が充分でなく、10分より長
いと経済的に不利になるからである。
吸収性溶剤に接触させた成形品表面に紫外線を照射す
る。
00nm以下の光、特に、254nm及び185nmの
波長光を主な作用波長として持つ紫外線が好適である。
その強度は強い方が好ましい。紫外線照射時間は20秒
〜10分程度が好適でありより好ましくは、30秒〜5
分である。紫外線照射時間が20秒より短いと樹脂組成
物成形品の塗装性、接着性、印刷性等の改良効果が十分
ではなく、また10分より長いと経済的に不利なばかり
でなく、樹脂組成物成形品表面の劣化が起こり、逆効果
となるからである。
プとしては合成石英製低圧水銀ランプが好ましい。天然
石英製のものに比べ254nm及び185nmの波長光
の強度が高いからである。必要に応じて紫外線を予め加
熱しておきこれを成形品に照射するようにしても良い。
うに紫外線吸収性溶剤への接触及び紫外線照射された成
形品に塗料を塗装する。
しては、エポキシ系、ポリエステル系、アクリル系及び
ウレタン系の各塗料が挙げられる。特にウレタン系塗料
は柔軟性があり、自動車、二輪車部品に多く使用されて
いる。ウレタン系塗料として、アクリルウレタン、ポリ
エステルウレタン、その他、変性ウレタン等ウレタン構
造を有している塗料が挙げられる。
し、以下の実施例の説明中の使用材料及び、材料の混合
比、処理温度、処理時間等の数値的条件はこの発明の範
囲内の好適例にすぎない。したがって、この発明がこれ
ら材料及び数値的条件に限定されるものではないことは
理解されたい。
下に説明する各実施例及び各比較例の表面処理方法各々
を実施した成形品での表面処理効果の評価は、表面処理
済みの成形品表面を塗装し、該塗装済み成形品の塗膜に
カミソリ刃にて一辺が2mmのゴバン目100ケ(10
縦×10横)を刻み、その上に24mm幅のセロテープ
(ニチバン株式会社製の商品名)を指で圧着した後その
端面をつかんで一気に引きはがした時の、残存したゴバ
ン目数(残率(%))により行なった。
(g/10分)でエチレン含量が3重量%であるプロピ
レン−エチレンランダム共重合体(以下、「PP−1」
と称す。)30重量部と、プロピレン含量が28重量%
でムーニー粘度(ML1+4 ,100℃)が45であるエ
チレン−プロピレン共重合体ゴム(以下、「EPR−
1」と称す。)30重量部と、エチレン−メタクリル酸
メチル共重合体(メタクリル酸メチル含有量15重量%
のもの(以下、「EMMA−1」と称す。)40重量部
とを混合し、タンブラーで20分間予備混合した。この
混合物を日本製鋼(株)製TEX44SS−30BW−
2V型2軸押出機を用いて、250℃の温度で溶融混練
によりペレット化した。得られたペレットを日精樹脂
(株)製射出成形機(FS−75N型)を用いて、22
0℃にて成形し、板上の成形品を作成した。
エタン(以下、「TCE」と称す。)蒸気(74℃)に
30秒間接触させた。
石英製低圧水銀ランプを装着した紫外線照射装置の前面
に置き、該ランプと成形品表面との距離を約10センチ
に保ち、空気雰囲気中で、245nm及び185nmの
波長光を主な作用波長として持つ紫外線(UV)を60
秒照射し、表面処理を行った。なお、用いたランプは、
出力200Wのもの(セン特殊光源(株)社製)であ
る。
藤倉化成(株)社製アクリルウレタン系塗料レクラック
# 440Sをスプレー塗装し、80℃、30分焼き付け
乾燥を行い、その後、該塗装成形品での塗膜初期密着度
を上述の塗装性評価法により測定した。その結果を下記
の表1に示す。
と以外は実施例1と同様に塗装成形品での塗膜初期密着
度を測定した。その結果を下記の表1に示す。
MA−1を44重量部、プロピレン含量が22重量%で
ムーニー粘度(ML1+4 ,100℃)が35のエチレン
−プロピレン共重合体ゴム(以下、「EPR−2」と称
す。)を28重量部混合した混合物100重量部に対
し、林化成(株)社製炭酸カルシウムエスカロン# 20
0(以下、fillerと称す)10重量部を添加した
樹脂組成物を用いて成形を行なったこと以外は実施例1
と同様に塗装成形品での塗膜初期密着度を測定した。そ
の結果を下記の表2に示す。
と以外は実施例2と同様に塗装成形品での塗膜初期密着
度を測定した。その結果を下記の表2に示す。
例2で用いたEPR−2を25重量部、EMMA−1を
30重量部混合した樹脂組成物を用いて成形を行なった
こと以外は実施例1と同様に塗装成形品での塗膜初期密
着度を測定した。その結果を下記の表3に示す。
外は実施例3と同様に塗装成形品での塗膜初期密着度を
測定した。その結果を下記の表に示す。
の出願の第一発明の成形品の表面処理方法によれば、ポ
リプロピレン、エチレン−プロピレン系共重合体ゴム、
及び、エチレン−アクリル酸系またはエチレン−メタク
リル酸系共重合体から成るポリプロピレン系樹脂成形品
(充填剤を含む場合も含む。)の表面を、塗装、接着、
印刷等に好適な表面に改良できる。さらに、この方法
は、クロム混酸処理法に比べ廃液が発生しないためクリ
ンな方法であるという利点も有する。
れば、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン系共重合
体ゴム、及び、エチレン−アクリル酸系またはエチレン
−メタクリル酸系共重合体から成るポリプロピレン系樹
脂成形品(充填剤を含む場合も含む。)に所望の塗装を
簡易に行なえる。このため、成形品の価値向上、成形品
の用途拡大等に寄与できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記(a)、(b)及び(c)から選ば
れる1種以上のポリプロピレン(A)10〜50重量%
と、 プロピレン含量が10〜70重量%でムーニー粘度(M
L1+4 ,100℃)が10〜100のエチレン−プロピ
レン系共重合体ゴム(B)10〜40重量%と、 エチレン含量が50〜95重量%の、エチレン−アクリ
ル酸系共重合体樹脂(C)またはエチレン−メタクリル
酸系共重合体樹脂(C)25〜60重量%と、 無機充填剤及びガラス繊維の双方または一方で構成され
た充填剤で前記ポリプロピレン(A)、エチレン−プロ
ピレン系共重合体ゴム(B)及び共重合体樹脂(C)の
組成物100重量部に対する割合が0〜40重量部の充
填剤とを含む樹脂組成物を成形したポリプロピレン系樹
脂成形品表面に、紫外線吸収性溶剤である1,1,1-トリク
ロルエタンを接触させた後、該表面に300nm以下の
領域に照射波長をもつ紫外線を照射することを特徴とす
る、ウレタン系塗料の塗装のためのポリプロピレン系樹
脂成形品の表面処理方法。 (a)メルトインデックスが10〜100(g/10
分)のホモポリプロピレン。 (b)炭素数1〜6(但し、炭素数3以外)のα−オレ
フィンを0.5〜8重量%含有するメルトインデックス
が10〜100(g/10分)のプロピレン−α−オレ
フィンランダム共重合体。 (c)エチレンを2〜15重量%含有するメルトインデ
ックスが10〜100(g/10分)のプロピレン−エ
チレンブロック共重合体であって、プロピレン−エチレ
ン共重合部のエチレン含有率が20〜60重量%であり
かつ該共重合部の135℃テトラリン溶液での極限粘度
が2〜10(dl/g)であるプロピレン−エチレンブ
ロック共重合体。 - 【請求項2】 請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂
成形品の表面処理方法において、 前記樹脂組成物は、前記ポリプロピレン(A)16〜5
0重量%と、前記エチレン−プロピレン系共重合体ゴム
(B)10〜40重量%と、前記共重合体樹脂(C)3
0〜44重量%と、これらポリプロピレン(A)、エチ
レン−プロピレン系共重合体ゴム(B)及び共重合体樹
脂(C)の組成物100重量部に対する割合が0〜40
重量部の前記充填剤とを含むものであることを特徴とす
る、ウレタン系塗料の塗装のためのポリプロピレン系樹
脂成形品の表面処理方法。 - 【請求項3】 下記(a)、(b)及び(c)から選ば
れる1種以上のポリプロピレン(A)10〜50重量%
と、 プロピレン含量が10〜70重量%でムーニー粘度(M
L1+4 ,100℃)が10〜100のエチレン−プロピ
レン系共重合体ゴム(B)10〜40重量%と、 エチレン含量が50〜95重量%の、エチレン−アクリ
ル酸系共重合体樹脂(C)またはエチレン−メタクリル
酸系共重合体樹脂(C)25〜60重量%と、 無機充填剤及びガラス繊維の双方または一方で構成され
た充填剤で前記ポリプロピレン(A)、エチレン−プロ
ピレン系共重合体ゴム(B)及び共重合体樹脂(C)の
組成物100重量部に対する割合が0〜40重量部の充
填剤とを含む樹脂組成物を成形したポリプロピレン系樹
脂成形品表面に紫外線吸収性溶剤である1,1,1-トリクロ
ルエタンを接触させ、 該紫外線吸収性溶剤接触済みの表面に300nm以下の
領域に照射波長をもつ紫外線を照射し、 その後該表面にウレタン系塗料を塗ることを特徴とす
る、ポリプロピレン系樹脂成形品の塗装方法。 (a)メルトインデックスが10〜100(g/10
分)のホモポリプロピレン。 (b)炭素数1〜6(但し、炭素数3以外)のα−オレ
フィンを0.5〜8重量%含有するメルトインデックス
が10〜100(g/10分)のプロピレン−α−オレ
フィンランダム共重合体。 (c)エチレンを2〜15重量%含有するメルトインデ
ックスが10〜100(g/10分)のプロピレン−エ
チレンブロック共重合体であって、プロピレン−エチレ
ン共重合部のエチレン含有率が20〜60重量%であり
かつ該共重合部の135℃テトラリン溶液での極限粘度
が2〜10(dl/g)であるプロピレン−エチレンブ
ロック共重合体。 - 【請求項4】 請求項3に記載のポリプロピレン系樹脂
成形品の塗装方法において、 前記樹脂組成物は、前記ポリプロピレン(A)16〜5
0重量%と、前記エチレン−プロピレン系共重合体ゴム
(B)10〜40重量%と、前記共重合体樹脂(C)3
0〜44重量%と、これらポリプロピレン(A)、エチ
レン−プロピレン系共重合体ゴム(B)及び共重合体樹
脂(C)の組成物100重量部に対する割合が0〜40
重量部の前記充填剤とを含むものであることを特徴とす
るポリプロピレン系樹脂成形品の塗装方法。
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JP20191991A JP3203386B2 (ja) | 1991-08-12 | 1991-08-12 | ポリプロピレン系樹脂成形品の表面処理方法及び該成形品の塗装方法 |
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JPH0961271A (ja) * | 1995-08-29 | 1997-03-07 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体式センサ及びその製造方法 |
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1991
- 1991-08-12 JP JP20191991A patent/JP3203386B2/ja not_active Expired - Lifetime
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