JP3203343B2 - 単結晶製造用冷却制御筒 - Google Patents

単結晶製造用冷却制御筒

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JP3203343B2
JP3203343B2 JP07757294A JP7757294A JP3203343B2 JP 3203343 B2 JP3203343 B2 JP 3203343B2 JP 07757294 A JP07757294 A JP 07757294A JP 7757294 A JP7757294 A JP 7757294A JP 3203343 B2 JP3203343 B2 JP 3203343B2
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博文 原田
滋良 高尾
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ワッカー・エヌエスシーイー株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チョクラルスキー法
(CZ法)による単結晶の製造において、単結晶の熱履
歴を制御して高品質な単結晶とすることのできる冷却制
御筒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】単結晶の製造方法として、坩堝内の融液
から結晶を成長させつつ引上げるCZ法が広く行なわれ
ている。このCZ法によりシリコン単結晶を得ようとす
る場合、例えば図9に模式的に示すような構成の単結晶
製造装置が用いられている。
【0003】単結晶製造装置51は、図9に示すように
加熱チャンバ部2aと引上げチャンバ部2bとからなる
チャンバ2を有している。加熱チャンバ部2a内には、
チャンバ2外に位置する駆動装置(図示せず)よりチャ
ンバ底部を貫通して延長される回転軸3に支持された石
英製坩堝4が配置されており、またこの坩堝4を所定の
間隔を有して囲繞する筒状の加熱ヒータ5が備えられて
おり、さらにこのヒータ5の外方には断熱材6が配され
ている。なお、この例においては石英製坩堝4の外周は
黒鉛製坩堝7により保護されており、さらにこの黒鉛製
坩堝7は黒鉛製受皿8を介して回転軸4へ支持されてい
る。
【0004】一方、引上げチャンバ部2bは、前記石英
製坩堝4内に形成されるシリコン融液9から引上げられ
るシリコン単結晶インゴット10の引上げ軸に沿って前
記加熱チャンバ部2aよりも上方へ延長された、前記加
熱チャンバ部2aよりも内径の小さな部位である。
【0005】またチャンバ2内にはチャンバ上部壁面を
挿通して上方より垂下された先端部に種結晶12を保持
するためのチャック13を有する引上げワイヤ14が配
してあり、この引上げワイヤ14は、前記引上げチャン
バ部2bの上部に設けられたワイヤ引上げ装置11によ
って、回転しながら昇降することを可能とされている。
このような構成を有する製造装置51において、単結
晶を育成を行なうにはまず、石英製坩堝4内に多結晶シ
リコンおよび必要に応じて添加されるドーパントなどの
原料を所定量装填し、加熱ヒータ5によって加熱して原
料を溶融して融液9を形成する。そして、該融液9に引
上げワイヤ14先端に取付けられた種結晶12を浸漬
し、石英製坩堝4および種結晶12を回転させながら引
上げ、種結晶12の下端に単結晶インゴット10を成長
させるものである。なお、単結晶引上げ操作時におい
て、引上げチャンバ部2bに設けられた不活性ガス導入
口15からは、アルゴンなどの不活性ガスがチャンバ2
内に導入され、引上げチャンバ部2bから加熱チャンバ
部2aへと流下するガス流れが形成されており、またチ
ャンバ2内のガスは、加熱チャンバ部2aの底面に設け
られたガス排出口16に連通する排気装置(図示せず)
によって吸引することで系外に排出されている。このよ
うにチャンバ2内に導入されその内部を流下する不活性
ガスは、融液面より発生するSiOガスがチャンバ2上
方へと上昇することを防止し、合せて成長する単結晶イ
ンゴット10の冷却を助長する作用を有している。
【0006】このCZ法においては、石英製坩堝4から
多量の酸素が融液中に混入し、育成されるシリコン単結
晶インゴット10中に高濃度に取込まれる。このように
シリコン単結晶インゴット中には、その成長時に取込ま
れる上記したような酸素あるいはその他の不純物が存在
するため、CZ法において、結晶育成時のインゴット1
0の受ける熱履歴は、得られるシリコン単結晶の品質を
大きく左右するものとなる。
【0007】すなわち、単結晶育成時の熱履歴は、デバ
イスプロセスの高温酸化処理によって発生する酸化誘起
積層欠陥(OSF)の発生割合を左右する。前記したよ
うに単結晶成長時に取込まれる酸素などの多量の不純物
が融液中に混入し、育成したシリコン単結晶インゴット
にはこの不純物が取込まれることにより点欠陥を生ずる
が、この点欠陥はその後の熱履歴により凝集して核成長
し、デバイスプロセスの高温酸化処理においてこの核か
ら積層欠陥が析出するためである。
【0008】また、この熱履歴によってシリコン単結晶
における酸素析出濃度が変化する。この析出量は、シリ
コンウェハの反りの大小を決定し、またイントリンシッ
クゲッタリング(Intrinsic gettering ,IG)効果を
決定するものであった。
【0009】さらに、結晶中の酸素は、450℃前後の
熱処理を受けると数個の原子が集って2個の電子を放出
し、ドナーを生成する。このドナーがウェハの高温熱処
理時の酸素析出量を決定する。
【0010】従来、CZ法によるシリコン単結晶引上げ
において、育成された単結晶インゴット10の引上げ直
後の冷却は、前記したように水冷されたステンレス製チ
ャンバーの中での不活性ガスによりなされるものであっ
て、その冷却速度は非常に遅く、このような冷却条件に
おいては、概して前記したような点欠陥の凝集や酸素な
どの不純物の析出が多く発生し、ウェハの状態で熱処理
を行なってもこの単結晶インゴットの引上げ直後の冷却
過程において発生した欠陥核などは消滅させうるもので
はなく、デバイスプロセスに供されたときに、これらが
結晶欠陥として顕在化し、歩留を悪くしている。
【0011】さらに、このような単結晶引上げ装置にお
いて、単結晶引上げ炉の加熱チャンバ部2a上部壁面よ
り垂下し、成長するシリコン単結晶インゴット10を軸
としてシリコン単結晶インゴット10を囲繞する筒状体
を設けること(例えば、特開昭47−26388号公
報)、さらにこのような筒状体を水冷構造とすること
(例えば、特開昭57−205397号公報、特開昭6
1−68389号公報)などが提唱されている。このよ
うな筒状体を単結晶引上げ装置内に配した場合、引上げ
チャンバ部2bより加熱チャンバ部2aに流下する不活
性ガスの整流がなされるとともに、引上げられる単結晶
インゴット10の冷却が促進されることが知られてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような筒状体をチャンバ2内に配した場合、この筒状
体の冷却効果によって、成長する単結晶インゴットが急
速に冷却されすぎてしまい、この場合も単結晶の種類等
によっては、点欠陥の凝集や酸素などの不純物の析出が
多く発生してしまうものであった。また、このような筒
状体が配された場合、この筒状体の全長にわたり単結晶
インゴット10が急冷されることとなるが、前記したよ
うな点欠陥の核化析出、酸素析出あるいはドナー発生を
抑制するためには、例えば、ある特定温度域のみを急冷
し、別の温度域においては徐冷するといった熱履歴を与
える方が良好な結果が得られる場合が多いことが最近に
なって判明してきた。このような単結晶に対する最適な
熱履歴は、単結晶の種類、直径等に応じて変動するもの
である。さらに、このような単結晶インゴット10の引
上げ操作においては、単結晶育成後には引上げ速度を上
げて単結晶を引上げチャンバ部2bへと回収することに
起因して、単結晶インゴット10の先端側と後端側の受
ける熱履歴が大きく異なり、結晶品質が大きく異なるも
のとなってしまっていた。このような観点から、単結晶
インゴット10の育成時には単結晶インゴット10を積
極的に冷却し、育成完了後は徐冷を行なうといった態様
も望まれている。
【0013】従って、本発明は、新規な単結晶製造用冷
却制御筒を提供することを目的とする。本発明はまた、
CZ法において育成される単結晶に所望の熱履歴を付与
し、高品質な単結晶を製造することのできる冷却制御筒
を提供することを目的とする。本発明はさらに、育成さ
れる単結晶に対し局部的にあるいは一時的に急冷ないし
徐冷を行なうことのできる冷却制御筒を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決しようとするための手段】上記諸目的を達
成する本発明は、坩堝中の融液から単結晶を引上げる単
結晶製造装置のチャンバ内に、前記坩堝上方において、
成長する前記単結晶を一定間隔をおいて囲繞して配置さ
れる冷却制御筒であって、前記冷却制御筒は、その壁面
の一部もしくは全体が導電性抵抗体により構成され、円
周方向に概略周回する発熱電気流路が形成されているこ
とを特徴とする単結晶製造用冷却制御筒である。上記冷
却制御筒はグラファイトより構成され、半径方向ないし
は円周方向に設けられた複数のスリットにより壁面が矩
形波状に連続して円周方向に概略周回する形状を有する
ものであることが望ましい。さらに、冷却制御筒の軸方
向の特定区間において、全周にわたり前記矩形波状に連
続する壁面の肉厚または幅を他の部位よりも小さいもの
として高抵抗部位を形成すれば、通電により局部的に発
熱可能なものとなる。
【0015】
【作用】本発明においては、単結晶インゴットの引上げ
時における単結晶インゴットの熱履歴を所望のものとす
るために、前記坩堝上方において、成長する前記単結晶
インゴットを一定間隔をおいて囲繞する冷却制御筒を配
してなるものである。この冷却制御筒は、その壁面の一
部もしくは全体が導電性抵抗体により構成され、円周方
向に概略周回する発熱電気流路が形成されているもので
あり、この壁面へ通電することによって冷却制御筒を加
熱することができ、また非通電時には引上げチャンバ部
より流下し冷却制御筒内を通過する不活性ガスの流れに
より高い冷却効果を生むものである。従って、単結晶に
付与しようとする熱履歴に応じて、任意の時期に、前記
冷却制御筒への通電のオン・オフを行なうことで、育成
される単結晶インゴットの急冷および徐冷を任意に行な
うことができるものである。さらに、本発明の冷却制御
筒において、前記発熱電気流路を冷却制御筒の軸方向に
おける特定区間のみに設けることによって、育成される
単結晶インゴットがこの特定区間を通過する際の温度域
のみにおいて徐冷を行なうことができるものである。例
えば、このような特定区間を冷却制御筒の下方部位に設
けると、育成される単結晶インゴットが高温域において
は、該冷却制御筒の特定区間の発熱によって徐冷され、
低温域においては急冷されるといったように、結晶の熱
履歴において各温度域における冷却速度を任意に制御で
きるものである。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施態様に基づきより詳細に
説明する。図1は、本発明に係わる冷却制御筒の一実施
態様を配してなる単結晶製造装置の構成を模式的に表わ
す使用状態図、また図2は冷却制御筒の同実施態様の平
面図、図3〜8はそれぞれ本発明に係わる冷却制御筒の
それぞれ別の実施態様の正面図である。
【0017】図1に示すように本発明に係わるシリコン
単結晶製造装置1は、チャンバ2内に冷却制御筒21設
け、またこの冷却制御筒21に通電する電気回路22
a,22bが外部よりチャンバ2の壁面を挿通して冷却
制御筒21へと接続されているものであり、それ以外の
構成は、図9に示す従来のシリコン単結晶製造装置51
とほぼ同様の構成を有するものである。なお、図1にお
いて、図9に示す装置における部材と同一の部材には同
一の符号を付してある。
【0018】そしてこの実施態様においては、冷却制御
筒21は円筒部23とその上端より側方に広がる円盤状
の取付け部24とを有し、この取付け部24が、水冷さ
れた加熱チャンバ部2aの上部壁面に接続され、円筒部
23が単結晶インゴット10の引上げ軸と同軸的に配置
されている。しかしながら、本発明に係わる冷却制御筒
21の取付け部の形状およびチャンバ2内への設置形態
としては、上記のようなものに限定されるものではな
く、例えば、冷却制御筒21の上部直径を引上げチャン
バ部2bの直径より小さいものとして、この上部を引上
げチャンバ部2b下部壁面に接続するような形態として
もよい。
【0019】この実施態様において、冷却制御筒21
は、その全体が導電性抵抗体、例えばグラファイトによ
り構成されている。さらにこの冷却制御筒21は、電気
回路22aおよび22bとの各接続部の間に、円筒部2
3の円周方向に概略周回する発熱電気流路が形成される
ように、壁面に複数のスリットが設けられ、複数のスリ
ットにより壁面が矩形波状に連続して円周方向に概略周
回する形状とされている。
【0020】詳述すると、この実施態様においては、図
1および図2に示すように、電気回路22aおよび22
bとの各接続部と略等間隔をおいて、冷却制御筒21の
軸線方向に平行な縦スリット25a,bが、冷却制御筒
21の上部域を軸線方向に2分割するように、冷却制御
筒21の上端より所定の深さをもって形成されている。
さらにこの縦スリット25a,bが形成された上部域に
おいて、この縦スリット25a,bに垂直な横スリット
26a,b,c,dが形成されている。この横スリット
は、縦スリット25a,bの形成された部位から最も遠
い部位(電気回路22aおよび22bとの各接続部直下
の部位)よりスリット25a,bの近傍部位までに至る
もの(縦スリット25a,bには至らない)26a,c
と、逆にスリット25a,bよりこの縦スリットa,b
の形成された部位から最も遠い部位の近傍部位までに至
るもの(最遠方部位には至らない)26b,dとが等間
隔をもって交互に配置されている。
【0021】従って、この実施態様においては、冷却制
御筒21の上部域において、その壁面が全周にわたり矩
形波状に連続し、その幅がより下方の部位よりも小さ
く、高抵抗部となるために、冷却制御筒21に対して電
気回路22a,22bにより通電すると、冷却制御筒21
の上部域が発熱することになる。しかしながら、本発明
に係わる冷却制御筒21は、上記実施様態におけるよう
に発熱する部位が上部域にあるものに限られず、中部
域、下部域といったその他の部位というように、通電に
より壁面の一部が発熱するものであればよく、育成され
る単結晶インゴット10に付与しようとする所望する熱
履歴に応じて任意に設定されうるものである。
【0022】例えば、図3に示す実施態様は、縦スリッ
トが冷却制御筒21の上端より下端近傍部位に至る深さ
で形成され、また横スリットが冷却制御筒21の下部域
に形成されている以外は、図1および図2に示す実施態
様とほぼ同様のスリット構成により、下部域を発熱させ
ようとするものであり、また、図4に示す実施態様は、
さらに横スリットを冷却制御筒21の軸線方向のほぼ全
域にわたり形成した以外は、図3に示す実施態様とほぼ
同様のスリット構成により、ほぼ全域を発熱させようと
するものである。
【0023】さらに、このような冷却制御筒21の軸方
向の特定区間において、高抵抗部位を形成する構成とし
ても、図1〜4に示す各実施態様におけるようなスリッ
ト構成に何ら限定されるものではなく、各種の態様とす
ることができる。
【0024】例えば、図5および6に示す実施態様にお
けるように、冷却制御筒21の全周にわたり、冷却制御
筒21の上端より所定の深さをもって軸線方向に切込ま
れた上方スリット27と冷却制御筒21の下端より前記
上方スリット27の下端より上部に位置する所定の位置
まで軸線方向に切込まれた下方スリット28とを等間隔
をもって交互に配することで、全周にわたり前記矩形波
状に連続する壁面を構成した場合、冷却制御筒21の軸
線方向において、その上方スリット27と下方スリット
28との双方が存在する区間(図5に示す実施態様にお
いては上部域、図6に示す実施態様においては下部域)
は、矩形波状に連続する壁面の幅が他の部位よりも小さ
いものとなり高抵抗部位となって、通電により発熱する
ものである。
【0025】また、図7および図8に示す実施態様にお
けるように、冷却制御筒21の全周にわたり、冷却制御
筒21の上端より下端近傍(下端には至らない)まで軸
線方向に切込まれた上方スリット27と、冷却制御筒2
1の下端より上端近傍(上端には至らない)まで軸線方
向に切込まれた下方スリット28とを等間隔をもって交
互に配することで、全周にわたり前記矩形波状に連続す
る壁面を構成し、さらに冷却制御筒21の軸線方向にお
ける特定区間(図5に示す実施態様においては上部域、
図6に示す実施態様においては下部域)の壁面肉厚を他
の部位より薄いものとすれば、この薄肉部29が高抵抗
部位となって、通電により発熱するものである。
【0026】また、上記図1〜図8に示す実施態様にお
いては、冷却制御筒21の全体が導電性抵抗体により構
成されているものとしたが、本発明の冷却制御筒21に
おいて、通電によりその壁面の一部が抵抗発熱体として
機能する限りにおいて、その全体が導電性抵抗体により
構成される必要はなく、例えば軸線方向におけるある特
定長さ部位のみをこのような導電性抵抗体により構成
し、他の部位をSiC、Al2 3 、SiO2 等の酸化
物セラミックス、石英ガラス、ガラス繊維などのような
絶縁体により構成することもできる。あるいはまた、前
記図1〜図8に示す実施態様の冷却制御筒21において
形成されたスリットの空隙に、上記のような絶縁体を充
填した構成とすることも可能であり、この場合、スリッ
トの空隙の存在による、冷却制御筒21内部を流下する
ガス流れに対する整流作用の低下防止および冷却制御筒
21の内部および外部間の熱流入の防止が図られるもの
となる。
【0027】さらにこのような冷却制御筒21の所定部
位、特に発熱部位(高抵抗部位)には、必要に応じて放
射温度計による計測用穴(図示せず)を設けておくこと
もでき、これにより冷却制御筒の温度制御が可能であ
る。
【0028】図1に示すような単結晶製造装置1を用い
て、シリコン単結晶の引上げを行なうには、常法に基づ
き、石英製坩堝4内に多結晶シリコンおよび必要に応じ
て添加されるドーパントなどの原料を所定量装填し、加
熱ヒータ5によって加熱して原料を溶融して融液9を形
成し、そして、該融液9に引上げワイヤ14先端に取付
けられた種結晶12を浸漬し、石英製坩堝4および種結
晶12を回転させながら引上げ、種結晶12の下端に単
結晶インゴット10を成長させる。この際、引上げチャ
ンバ部2bの壁面に設けられた不活性ガス導入口15か
らアルゴンガス等の不活性ガスをチャンバ2内に流入さ
せ、引上げチャンバ部2bから冷却制御筒21の円筒部
23内部を通り、加熱チャンバ部2aへと流下するガス
流れを形成する。一方、加熱チャンバ部2aの底部に設
けた排気口16に連通する排気装置(図示せず)より吸
引することにより、チャンバ2内のガスは系外へ排出さ
れる。
【0029】単結晶インゴット10は、成長が進むに従
い、冷却制御筒21の円筒部23内へと突入するが、単
結晶インゴット10が円筒部23を通過する間、各温度
域および/または単結晶インゴット10の長さ方向にお
ける各部位において、所望の冷却速度をもって冷却され
る。すなわち、冷却制御筒21に通電を行なわない状態
においては、冷却制御筒21は、融液9などからの輻射
熱を遮断し、引上げチャンバ部2bから流下しその内部
を通過する不活性ガスの流れにより、従来の冷却筒とほ
ぼ同様に、冷却制御筒21の全長にわたり急冷を行なう
が、この冷却制御筒21に通電を行なうと、冷却制御筒
21に設けられた高抵抗部位が発熱するために、この部
位を通過する間は、単結晶インゴット10は徐冷ないし
加熱されることとなる。
【0030】例えば、図1に示す実施態様においては、
この冷却制御筒21の上部域が高抵抗部位とされ通電に
より発熱するものとされているために、単結晶引上げ操
作中を通じて冷却制御筒21に通電しておけば、単結晶
インゴット10がこの上部域を通過する温度域、具体的
には例えば約500〜1050℃の温度域、において
は、徐冷され、それより下方の部位を通過するより高温
の温度域においては急冷されることとなる。なお、単結
晶インゴット10の引上げ速度を途中で変化させた場合
(例えば、その育成時より育成終了後の速度を早くす
る)などにおいて、前記冷却制御筒21の上部域を通過
する際の単結晶インゴット10の温度が、単結晶インゴ
ット10の長さ方向における各部位で変動してくること
が考えられるが、この場合、図1に示すように電気回路
22a,b上に、供給電流制御装置30を設けておき、
上記変動に対応して、経時的に供給電流のオン・オフな
いし増減を行なうことで冷却制御筒21の上部域の温度
を所定のものに変動させ、シリコン単結晶インゴット1
0の全長にわたり所望の熱履歴を与えることが可能であ
る。
【0031】また、前記したように冷却制御筒21の発
熱部位に放射温度計による計測用穴を設けておけば、引
上げ操作時において融液9からの輻射熱などの影響によ
り冷却制御筒21の温度が変動しても、この変動に対し
て供給電流制御装置30により供給電流の調整を行なう
ことにより該発熱部位の温度を所望の値に維持可能であ
る。
【0032】また、冷却制御筒21の発熱部位が、冷却
制御筒21の下部域などの他の部位に設けられた態様に
おいても、上記と同様の操作を行なうことにより、単結
晶インゴット10の所定の温度域、例えば1050〜1
200℃の温度域において徐冷を行ない、それ以外の温
度域においては急冷を行なうことが可能である。
【0033】さらに、本発明の冷却制御筒21、特にそ
のほぼ全長にわたり発熱部位を設けた態様などにおいて
は、単結晶育成時は、冷却制御筒21に通電を行なわ
ず、成長する単結晶インゴット10の急冷を行ない、単
結晶育成終了後は、冷却制御筒21に通電して発熱さ
せ、単結晶インゴット10の徐冷を行なうといった、特
定の時間のみの徐冷を行なうことも可能となる。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、引上
げ中の単結晶インゴットに対し、所定の温度域あるいは
所定の時期において、徐冷もしくは急冷により任意の冷
却を行なうことで所望の熱履歴を付与することが可能と
なり、点欠陥の核形成、酸素析出などを低く抑え、高品
質でかつ全長にわたり均質な単結晶インゴットを製造す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明に係わる冷却制御筒の一実施態様を
配してなる単結晶製造装置の構成を模式的に表わす使用
状態図、
【図2】は、図1における冷却制御筒の同実施態様の平
面図、
【図3】は、本発明に係わる冷却制御筒の別の実施態様
の正面図、
【図4】は、本発明に係わる冷却制御筒の同実施態様の
正面図、
【図5】は、本発明に係わる冷却制御筒の同実施態様の
正面図、
【図6】は、本発明に係わる冷却制御筒の同実施態様の
正面図、
【図7】は、本発明に係わる冷却制御筒の同実施態様の
正面図、
【図8】は、本発明に係わる冷却制御筒の同実施態様の
正面図、
【図9】は、従来のシリコン単結晶製造装置の構成を模
式的に表わす使用状態図である。
【符号の説明】
1…シリコン単結晶製造装置、 2…チャンバ、2a…
加熱チャンバ部、 2b…引上げチャンバ部、3…回転
軸、 4…石英製坩堝、5…加熱ヒータ、
6…断熱材、7…黒鉛製坩堝、 8
…黒鉛製受皿、9…シリコン融液、 10…単結晶
インゴット、11…ワイヤ引上げ装置、12…種結晶、
13…チャック、 14…引上げワイヤ、15…
不活性ガス導入口、16…ガス排気口、21…冷却制御
筒、 22a,b…電気回路、23…円筒部、
24…取付け部、25a,b…縦スリット、26
a,b,c,d…横スリット、27…上方スリット、
28…下方スリット、29…薄肉部、 30
…供給電流制御装置。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 坩堝中の融液から単結晶を引上げる単結
    晶製造装置のチャンバ内に、前記坩堝上方において、成
    長する前記単結晶を一定間を隔いて囲繞して配置される
    冷却制御筒であって、前記冷却制御筒はその壁面の一部
    もしくは全体が導電性抵抗体により構成され、円周方向
    に概略周回する発熱電気流路が形成されて、通電により
    局部的に発熱可能であることを特徴とする単結晶製造用
    冷却制御筒。
  2. 【請求項2】 前記冷却制御筒がグラファイトよりな
    り、半径方向ないしは円周方向に設けられた複数のスリ
    ットにより壁面が矩形波状に連続して円周方向に概略周
    回する形状を有することを特徴とする請求項1に記載の
    単結晶製造用冷却制御筒。
  3. 【請求項3】 前記単結晶製造用冷却制御筒の軸方向の
    特定区間において、全周にわたり前記矩形波状に連続す
    る壁面の肉厚または幅を他の部位よりも小さいものとし
    て高抵抗部位を形成したことを特徴とする請求項2に記
    載の単結晶製造用冷却制御筒。
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