JP3203324B2 - 部分逆転ロ−タリ耕耘装置 - Google Patents

部分逆転ロ−タリ耕耘装置

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尾 洋 平 金
木 輝 正 三
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軸芯方向に並設する第
1耕耘筒と第2耕耘筒を互いに反対方向に回転駆動し、
第1、第2両耕耘筒に装着する耕耘爪の背反の土中打ち
込みでもって機体をダッシュ現象なく適正に進行させな
がら耕耘作業できるように構成されたロ−タリ耕耘装置
(以下、部分逆転ロ−タリ耕耘装置という)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、主伝動機構の出力軸とその出力軸
に対して反対方向に回転する副伝動機構の出力軸とを同
芯二重軸にして各々が独立回転するように耕耘ケ−スに
支承横設し、両出力軸の軸芯方向に並設する第1耕耘筒
及び第2耕耘筒のうちの第2耕耘筒を、耕耘ケ−スに形
成された支持筒部に回転自在に傾斜支承し、その第2耕
耘筒を前記副伝動機構の出力軸によって回転駆動すると
ともに、第2耕耘筒の軸芯方向外側部に位置する第1耕
耘筒を主伝動機構の出力軸で回転駆動するようにした部
分逆転ロ−タリ耕耘装置が知られている。そして、この
従来装置においては、副伝動機構の出力軸から第2耕耘
筒に動力伝達する最終伝動部を支持筒部の内部に設け、
支持筒部外端の内径部とその内径部に突入した第2耕耘
筒との間をオイルシ−ルで軸封するとともに、第2耕耘
筒の外端部内径と副伝動機構の出力軸との間を、第2耕
耘筒の傾斜回転に追従し得るように撓みシ−ルによって
軸封している(例えば、特公昭46−39041号公報
参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術に述べたも
のは、傾斜回転する第2耕耘筒の外側端、つまり、第2
耕耘筒に対して反対方向に回転する第1耕耘筒の端面に
対向位置する筒端部を軸封する撓みシ−ルが剥き出し状
になるものであったから、撓み部分がある故にたたでさ
え耐久性のよくない撓みシ−ルが、第2耕耘筒と第1耕
耘筒の背反回転によって両耕耘筒の境目にネジ込み状に
巻絡する草藁などの強力な負荷を直接に受けることとな
って短期のうちに破損してしまうという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、傾斜回転する
第2耕耘筒とその横側部に位置する第1耕耘筒とが背反
に回転する部分逆転ロ−タリ耕耘装置において、傾斜回
転する第2耕耘筒の第1耕耘筒に対面する外端部を軸封
する撓みシ−ルを、外側に防護鍔部が付設されたものに
し、さらに、その防護鍔部付き撓みシ−ルの外側にシ−
ル保護カバ−を装設することによって、第2耕耘筒と第
1耕耘筒の背反回転によって両耕耘筒の境目にネジ込み
状に巻絡する草藁等がもたらす強力な負荷に充分に耐え
得るようにしたものである。
【0005】また、防護鍔部付き撓みシ−ルの外側にシ
−ル保護カバ−を装設するに、第2耕耘筒の外端外周部
を球面状部に形成する一方で、シ−ル保護カバ−の外周
縁部を少なくともその内面が前記球面状部に相似する球
面になった椀縁状に形成してこの球面椀縁状部を球面状
部に接触しない状態で被冠させることによって、より防
護機能を高めたものにしている。
【0006】
【実施例】本発明の実施例について図面を参照して説明
するが、図面は、第2耕耘筒が傾斜耕耘筒になったセン
タ−ドライブ型の部分逆転ロ−タリ耕耘装置として構成
された具体例を示しており、図1は本発明に係る部分逆
転ロ−タリ耕耘装置の要部の断面図、図2はその一部分
を拡大した断面図、図3は内部分離用シ−ルの一部分を
拡大した部分図、、図4は第2耕耘筒に装着する耕耘爪
の配置例を示した側面図、図5は第2耕耘筒に装着する
跳ね出し翼を備えた耕耘爪を示す正面概略図である。
【0007】図1および図2において、耕耘ケ−ス(1)
は、その下方の左右壁部に上下方向長さ(L)の開口孔
(2)(2)を開設し、各々の開口孔(2)(2)の外側を、開
口孔の周縁に締結取着する蓋体(3)(3)で閉塞するよう
に構成されている。そして、各々の蓋体(3)には、耕耘
ケ−ス(1)内の主伝動機構(4)に連動する中間回転軸
(5)の軸端部を軸受支持する部分が設けられており、ま
た、別個所においては、外側方に向けて延出する支持筒
部(3a)が一体に形設されている。
【0008】耕耘ケ−ス(1)内の主伝動機構(4)は、耕
耘ケ−ス(1)の下部に横設される水平軸心(O1)の出力
軸(6)を、図外の耕耘ケ−ス上部に設けられる入力軸に
連動連結するチエン伝動機構に構成され、前記中間回転
軸(5)は、出力軸(6)よりも伝動上位にあって出力軸
(6)に平行に設けられ、チエン伝動機構に係り合うスプ
ロケット(7)によって回転駆動されるようになってい
る。なお、(8)は前記出力軸の中央部に嵌着される受動
スプロケット、(9)はチエン、(10)はテンションスプ
ロケットである。
【0009】中間回転軸(5)のスプロケット(7)の左右
両脇部分には駆動ギヤ(11)(11)が嵌着され、それ
ぞれの駆動ギヤ(11)(11)に、前記出力軸(6)に回転
自在に外嵌される受動ギヤ(12)(12)がそれぞれ常時
噛合されて、左右の副伝動機構(GL)(GR)が構成され
ており、前記駆動ギヤと受動ギヤ(11)(12)、(11)
(12)は、それぞれ上述した耕耘ケ−ス(1)の開口孔
(2)(2)に填まり込む状態に位置されている。
【0010】副伝動機構(GL)(GR)は、後述する第2
耕耘筒(13)(13)を、主伝動機構(4)の出力軸(6)に
対して反対方向に回転駆動するためのものであり、各々
の副伝動機構(GL)(GR)における前記受動ギヤ(12)
(12)は、それぞれの副伝動機構(GL)(GR)の出力軸
(12a)(12a)の内端部に一体に形成されている。そ
して、各々の副伝動機構(GL)(GR)の出力軸(12a)
は、ニ−ドルベアリング(14)を介して主伝動機構(4)
の出力軸(6)に回転自在に外嵌して主伝動機構(4)の出
力軸(6)と同芯二重軸状に設けられ、前記ニ−ドルベア
リング(14)の外側部位にダストシ−ル(15)をそれぞ
れ介装して両出力軸(12a)(6)の嵌合面を軸封してい
る。
【0011】また、各々の副伝動機構(GL)(GR)の出
力軸(12a)(12a)は、プレ−ンメタル(16)を介し
て前記蓋体(3)(3)の支持筒部(3a)(3a)の内径孔に
内嵌され、支持筒部(3a)(3a)の外端部において出力
軸(12a)(12a)の外径と支持筒部(3a)(3a)の内
径孔面との間に介装するシ−ル(17)によって両者間を
軸封している。前記シ−ル(17)は、耐油性ゴムなどの
弾性材によって形成されていて、インボリュ−トスプラ
イン孔に形成された内径部(17a)を、前記出力軸(1
2a)の外径部に刻設されたインボリュ−トスプライン
部に外嵌合致させるとともに、外周のリップ部(17b)
を、前記支持筒部(3a)の内径孔面に当接させて設けら
れている。
【0012】副伝動機構(GL)(GR)の出力軸(12a)
(12a)は、耕耘ケ−ス(1)の一部分である前記支持筒
部(3a)(3a)の外端より外方に延出され、この延出部
分にインボリュ−トスプラインがそれぞれ刻設されてい
て、各々のインボリュ−トスプライン部にスパ−ギヤ
(18)を嵌着固定し、該スパ−ギヤ(18)を第2耕耘筒
(13)(13)に形設されているインタ−ナルギヤ(19)
(19)に噛合させて第2耕耘筒(13)(13)を回転駆動
する最終伝動部(20)(20)が構成されている。
【0013】各々の第2耕耘筒(13)(13)は、前記両
出力軸(6)、(12a)(12a)の軸芯(O1)に対して一
定角度に傾斜する軸心(O2)の回りを回転するように、
支持筒部(3a)の外径に軸受(21)を介して回転自在に
支承されており、その内方端部は、支持筒部(3a)の外
径との間に介装する通常のオイルシ−ル(22)によって
軸封されるが、外方端部は、傾斜回転に伴う間隔変化に
追従することができるように撓みシ−ル(23)によって
軸封されている。なお、撓みシ−ル(23)は、図2の拡
大図にみられるように、副伝動機構の出力軸(12a)と
第2耕耘筒(13)との間に介装され、両者の間隔変化に
追従して屈伸する部分の動きを妨げない範囲で、その屈
伸部分を保護する防護鍔部(24)を外側に付設したもの
となっている。
【0014】さらに、各々の第2耕耘筒(13)の外端外
周部を、前記両軸心(01)(O2)の交点(P)を中心とす
る球面状部(13a)に形成する一方で、前記鍔部(24)
のさらに外側に位置する保護カバ−(25)を耕耘軸(6)
に嵌着固定して、その外周縁部を、少なくともその内面
が前記球面状部(13a)に相似する球面になった椀縁状
に形成し、この球面の椀縁状部を、前記球面状部(13
a)に接触しない状態でそれに被冠重合させており、こ
の保護カバ−(25)により前記撓みシ−ル(23)が二重
に保護されている。
【0015】そうして、第2耕耘筒(13)には必要数の
耕耘爪取付座(26)が設けられ、各々の耕耘爪取付座
(26)に耕耘爪が取り付けられるのであるが、実施例の
ものにおいては、図4にみられるように、回転方向(R)
に位相を異ならせて4個の耕耘爪取付座(26)・・が設
けられ、それらの内の2個に、回転径(D1)の一般的な
耕耘なた爪(27)が装着されている。また、耕耘爪取付
座の他の一個には、前記なた爪(27)の回転径よりもや
や大径(D2)の直刃(28)が取り付けられ、その直刃で
もって土壌を縦に切開することによって耕耘所要動力を
低減するように配慮され、さらに、もう一つの耕耘爪取
付座には前記耕耘なた爪(27)の回転径(D1)よりも小
径(D3)の跳ね出し翼(29a)付き耕耘爪(29)が取り
付けられて、その耕耘爪(29)の跳ね出し作用で耕耘ケ
−ス(1)の側面との間に堆積せんとする土壌や草藁類を
跳ね飛ばし排除するように構成されている。
【0016】(30)(30)は第1耕耘筒であり、各々の
第1耕耘筒(30)は、前記保護カバ−(25)を嵌着した
うえで、その外方から主伝動機構(4)の出力軸(6)に着
脱自在に挿し込んで楔着固定され、外周には必要数の耕
耘爪取付座(31)が間配り装着され、それぞれの取付座
に一般的な耕耘なた爪(32)が取り付けられている。
【0017】なお、本発明は、一般的な耕耘機や、管理
機或いはティラ−などの小型軽量機用のロ−タリ耕耘装
置に適用できることは勿論のこと、乗用トラクタ用のロ
−タリ耕耘装置にも適用できるのであり、また、本発明
の実施は、センタ−ドライブ型のロ−タリ耕耘装置に限
られるものではなく、サイドドライブ型のロ−タリ耕耘
装置であっても、第2耕耘筒を第1耕耘筒の両端部に配
置し換える変更のみによって同機能を発揮するものとし
て適用できるのである。
【0018】
【発明の効果】本発明は、以上に説明したように構成さ
れているので、以下に記載されるような効果を奏する。
傾斜回転する第2耕耘筒とその横側部に位置する第1耕
耘筒とが背反に回転する部分逆転ロ−タリ耕耘装置にお
いて、傾斜回転する第2耕耘筒の、第1耕耘筒に対面す
る外端部を軸封する撓みシ−ルを、外側に防護鍔部が付
設されたものにするとともに、その防護鍔部付き撓みシ
−ルの外側にシ−ル保護カバ−を装設して二重に保護し
ているので、第2耕耘筒と第1耕耘筒の背反回転によっ
て両耕耘筒の境目部分にネジ込み状に巻絡する草藁等が
もたらす強力な負荷が撓みシ−ルに及ぶことがなくなり
耐久性のよいものとなった。また、防護鍔部付き撓みシ
−ルの外側にシ−ル保護カバ−を装設するに、第2耕耘
筒の外端外周部を球面状部に形成する一方で、シ−ル保
護カバ−の外周縁部を少なくともその内面が前記球面状
部に相似する球面になった椀縁状に形成してこの球面椀
縁状部を球面状部に接触しない状態で被冠させることに
よって、より一層撓みシ−ルの耐久性が高まり、シ−ル
保護カバ−の外周縁部が第2耕耘筒の外周に接触するこ
とがないので、両者の摺接による伝動ロスがなく軽快に
作動するものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る部分逆転ロ−タリ耕耘装置の要部
の断面図である。
【図2】図1の一部分を拡大した断面図である。
【図3】内部分離用シ−ルの一部分を拡大した部分図で
ある。
【図4】第2耕耘筒に装着する耕耘爪の配設例を示した
側面図である。
【図5】第2耕耘筒に装着される跳ね出し翼を備えた耕
耘爪を示す正面概略図である。
【符号の説明】
1 耕耘ケ−ス 4 主伝動機構 6 主伝動機構の出力軸 GL 副伝動機構 GR 副伝動機構 12a 副伝動機構の出力軸 13 第2耕耘筒 13a 球面状部 22 オイルシ−ル 23 撓みシ−ル 24 防護鍔部 25 保護カバ− 30 第1耕耘筒

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主伝動機構(4)の出力軸(6)とその出力
    軸(6)に対して反対方向に回転する副伝動機構(GL)
    (GR)の出力軸(12a)(12a)とを、同芯二重軸にし
    て各々が独立回転するように耕耘ケ−ス(1)の支持筒部
    (3a)(3a)に支承横設し、両出力軸(6)、(12a)
    (12a)の軸芯方向に並設する第1耕耘筒(30)(30)
    及び第2耕耘筒(13)(13)のうち、前記耕耘ケ−ス
    (1)の横脇部に位置する第2耕耘筒(13)(13)を副伝
    動機構(GL)(GR)の出力軸(12a)(12a)によって
    回転駆動し、第2耕耘筒(13)(13)の軸芯方向外側部
    に位置する第1耕耘筒(30)(30)を主伝動機構(4)の
    出力軸(6)で回転駆動するようにした部分逆転ロ−タリ
    耕耘装置において、前記第2耕耘筒(13)(13)を、前
    記両出力軸(6)、(12a)(12a)の軸芯(O1)に対し
    て一定角度に傾斜する軸芯(O2)の回りを傾斜回転する
    ように支持筒部(3a)(3a)の外径部に軸受支承して、
    副伝動機構(GL)(GR)の出力軸(12a)(12a)から
    第2耕耘筒(13)(13)に動力伝達する最終伝動部(2
    0)(20)を各々第2耕耘筒(13)(13)内に収蔵さ
    せ、各々の第2耕耘筒(13)(13)の耕耘ケ−ス(1)側
    内端部と支持筒部(3a)(3a)の間をオイルシ−ル(2
    2)で軸封すると共に、第1耕耘筒(30)(30)に対面
    する外端部を外側に防護鍔部(24)が付設された撓みシ
    −ル(23)で軸封し、さらに、その防護鍔部(24)付撓
    みシ−ル(23)の外側にシ−ル保護カバ−(25)を装設
    してあることを特徴とする部分逆転ロ−タリ耕耘装置。
  2. 【請求項2】 主伝動機構(4)の出力軸(6)とその出力
    軸(6)に対して反対方向に回転する副伝動機構(GL)
    (GR)の出力軸(12a)(12a)とを、同芯二重軸にし
    て各々が独立回転するように耕耘ケ−ス(1)の支持筒部
    (3a)(3a)に支承横設し、両出力軸(6)、(12a)
    (12a)の軸芯方向に並設する第1耕耘筒(30)(30)
    及び第2耕耘筒(13)(13)のうち、前記耕耘ケ−ス
    (1)の横脇部に位置する第2耕耘筒(13)(13)を副伝
    動機構(GL)(GR)の出力軸(12a)(12a)によって
    回転駆動し、第2耕耘筒(13)(13)の軸芯方向外側部
    に位置する第1耕耘筒(30)(30)を主伝動機構(4)の
    出力軸(6)で回転駆動するようにした部分逆転ロ−タリ
    耕耘装置であって、前記第2耕耘筒(13)(13)を、前
    記両出力軸(6)、(12a)(12a)の軸芯(O1)に対し
    て一定角度に傾斜する軸芯(O2)の回りを傾斜回転する
    ように支持筒部(3a)(3a)の外径部に軸受支承して、
    副伝動機構(GL)(GR)の出力軸(12a)(12a)から
    第2耕耘筒(13)(13)に動力伝達する最終伝動部(2
    0)(20)を各々第2耕耘筒(13)(13)内に収蔵さ
    せ、各々の第2耕耘筒(13)(13)の耕耘ケ−ス(1)側
    内端部と支持筒部(3a)(3a)の間をオイルシ−ル(2
    2)で軸封すると共に、第1耕耘筒(30)(30)に対面
    する外端部を外側に防護鍔部(24)が付設された撓みシ
    −ル(23)で軸封し、さらに、その防護鍔部(24)付撓
    みシ−ル(23)の外側にシ−ル保護カバ−(25)を装設
    したものにおいて、各々の第2耕耘筒(13)(13)の外
    端外周部を、前記両軸芯(O1)(O2)の交点(P)を中心
    とする球面状部(13a)に形成する一方で、前記シ−ル
    保護カバ−(25)の外周縁部を少なくともその内面が前
    記球面状部(13a)に相似する球面になった椀縁状に形
    成して、この球面椀縁状部を前記球面状部(13a)に接
    触しない状態で被冠させてある部分逆転ロ−タリ耕耘装
    置。
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