JP3203261B2 - 熱成形用ポリエステルシート - Google Patents
熱成形用ポリエステルシートInfo
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Description
用される熱成形用の透明硬質ポリエステルシートに関す
る。
シートは透明性に優れており、真空成形、圧空成形など
の熱成形も可能なため、PTP包装用などの用途に使用
されようとしている。しかし非晶質ポリエステルシート
は、真空・圧空成形時にシートが成形機の加熱板に粘着
してシートが変形したり、加熱したシートを送るための
張力によりシートが幅方向に収縮して寸法不足になると
いう問題があった。またシートおよび得られる成形品の
滑りが悪いため、取り扱いにくいという問題もある。
に無機質微粒子を添加する方法が考えられるが、単に添
加しただけでは滑り性・耐粘着性改良効果が少ないし、
添加量を多くするとシートの透明性が低下する。またシ
リコン系化合物などをシートに塗布する方法もあるが、
熱接着性を低下させるためPTP用などの用途では使用
できない。
樹脂に粒子を添加した無延伸シートに低倍率の延伸処理
を施すことにより、透明性、熱成形性を損なうことなく
滑り性、耐粘着性を改良したものであって、その要旨
は、平均粒子径20μm以下の粒子を0.01〜5重量
部含有するポリエステル樹脂の実質上無配向のシートを
長さ方向に1.05〜1.6倍延伸してなる熱成形用ポ
リエステルシートにある。
けるポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸成分がテ
レフタル酸、イソフタル酸など公知のジカルボン酸の一
種もしくは2種以上からなり、ジオール成分がエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノールなど公知のジオール成分の1種また
は2種以上からなるポリエステル樹脂、またはこれらポ
リエステル樹脂の2種以上の混合物を用いることができ
る。
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、テレフタル酸と1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールとからなるポリエステル、あるいはこれらのポリ
エステルに少量の共重合成分を含む共重合ポリエステル
などが好適である。
レフタレート成分を主成分とし、共重合成分としてイソ
フタル酸をジカルボン酸成分の3〜15モル%含有さ
せ、必要に応じジオール成分としてジエチレングリコー
ル、ポリアルキレングリコール、または1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールを含有させた共重合ポリエステル
が工業的に安価に得られて好ましい。
レフタレートよりも水蒸気透過性が低いことから、PT
P包装などで高い水蒸気遮断性が要求される場合に好適
である。
であることが好ましく、0.5よりも低いとシートの衝
撃強度などが弱くなり好ましくない。
粒子径20μm以下の粒子としては、例えば、シリカ、
酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化鉄、酸化アルミニウ
ム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの無機粒子
またはこれらの混合物;タルク、クレーなどの無機化合
物;高融点有機化合物や架橋ポリマなどの有機化合物な
ど各種不活性粒子を用いることができる。
にポリエステル樹脂との親和性の高いことが望ましく、
この点からしてエチレンテレフタレート系ポリエステル
樹脂に対してはシリカが特に好適である。
μm、特に0.5〜15μmの範囲が好ましく、添加量
はポリエステル樹脂100重量部に対し0.01〜5重
量部、好ましくは0.02〜1重量部の範囲である。
り性、耐粘着性改良効果があまりなく、20μmを越え
るとシートの透明性が悪くなる他、シートの接着などが
困難になる。ここで粒子の平均粒子径は、コールタカウ
ンター(日本科学機械社製)を用い、累積重量分率が5
0%になるときの粒子径をもって平均粒子径とした。
滑り性改良効果がなく、5重量%を越えると透明性が低
下する。
しては、重合時に添加する方法、重合後の樹脂にブレン
ダを用いて混合する方法などがあり特に限定するもので
はない。また必要に応じ、安定剤、滑剤、紫外線吸収
剤、顔料、他の熱可塑性樹脂などを添加することもでき
る。
できる。すなわち、乾燥した樹脂を押出機に供給して溶
融し、Tダイから冷却ドラムに押し出して急冷し未延伸
シートにする。
方向に延伸する。延伸は、延伸倍率1.05倍〜1.6
倍、好ましくは1.05〜1.4倍で行う。この延伸に
より、樹脂中の粒子がシート表面に突出しやすくなり、
少量の粒子添加で滑り性、耐粘着性が大幅に改善され
る。
トに縦方向の熱収縮性が付与されるが幅方向にはむしろ
膨脹する傾向となるため、PTP成形時に加熱されたシ
ートに縦方向の張力が作用してもシートの幅方向の寸法
減少が少なくなる。延伸倍率が1.05倍未満では、滑
り性改良効果が少なく、1.6倍を越えると、真空、圧
空成形性が低下し好ましくない。
よるが、PTP成形時の加熱により収縮変形しないよう
高温側で行うのがよく、エチレンテレフタレート単位を
主成分とするポリエステル樹脂の場合は80〜130
℃、特に100〜130℃で行うことができる。延伸は
従来公知のロール延伸装置により行うことができる。
および延伸倍率を前記範囲内で調整することにより、シ
ート表面に付与する凹凸の程度を調整することができ
る。一般的に好ましい表面粗さは、JIS B0601
で規定する10点平均粗さで0.2〜2μmである。
面層とする多層シートとしてもよい。この場合、中間層
は粒子を添加しない層とするのが、透明性を高める意味
で好ましい。また中間層の材質は、表面層と同一樹脂と
するのが、層間接着性、均一延伸性などの点から好まし
いが、異種のポリエステル樹脂とすることもできる。
フタル酸共重合エチレンテレフタレートポリエステルを
用い、表面層としてこれよりもガラス転移温度が高いポ
リエチレンテレフタレートを用いることにより、水蒸気
遮断性が高く、加熱板への粘着が生じにくいシートを得
ることができる。
50〜500μm、特に150〜400μm程度であ
る。多層シートの場合は、表面層の厚さを5〜50μm
程度とするのがよい。
は、延伸倍率1.05〜1.6倍といった低倍率の延伸
は強度向上効果が小さいため行われていないが、PTP
包装材の場合には、低倍率の延伸にとどめることによ
り、無配向シートが本来持っている真空・圧空成形性、
透明性などを実質的に損なうことなく、滑り性、耐粘着
性およびシートの幅収縮を同時に改良することができ
る。
ンテレフタレートのペレットに、平均粒子径2.5μm
のシリカ微粒子を0.1重量部添加し、ベント口が2ケ
所ある同方向二軸押出機により溶融、混練を行い、押出
機先端に取り付けたギアポンプで定量供給して口金より
285℃でシート状に押し出した。
ストし、無延伸シートとした後、ロール縦延伸機で長さ
方向に120℃で表1に示す倍率で延伸し、厚さ250
μmのポリエステルシートにした。また比較のため、延
伸を行わずに厚さ250μmのポリエステルシートを得
た。
性(摩擦係数)を測定した結果を表1に示す。また得ら
れたシートを幅200mmにスリツトしてロール状に巻
き取り、補助的に圧空を用いた真空成形機で真空成形
し、成形性などを評価した。その結果を表1に併せて示
す。
ヤビテイを有する金型により錠剤用のPTP包装材を成
形し、金型どおりに成形されたものを○、一部金型どお
りに成形されたものを△、金型どおりに成形されていな
いものを×とした。
加熱した際に、シートの粘着がないものを○、シートが
部分的に粘着し引き剥がすとわずかにシートが変形する
ものを△、シートが全面的に粘着し、引き剥がすとシー
トが大きく変形するものを×とした。
00mm)との差を求めた。
板に粘着し、その結果引き剥がし時にシートが大きく幅
縮みを生じた。また延伸倍率が大きすぎるNo.7〜8
では、真空成形時の加熱によりシートが大きく変形し、
成形困難となった。これに対し、本発明シートNo.2
〜6は、各性能に優れ、特にNo.3〜5が最良の結果
を示した。
に示す平均粒子径(μm)のシリカを表2に示す量(重
量部)添加し、100℃1.5倍延伸して厚さ250μ
mのポリエステルシートとし、ヘーズと摩擦係数を測定
した。また比較のため、粒子添加および延伸を行わずに
厚さ250μmのシート(No.9)を得た。その結果
を表2に示す。
添加して低倍率で延伸することにより、透明性を損なわ
ずに滑り性を大幅に改善できることがわかる。
平均粒子径2.5μmのシリカ粒子を0.2重量部添加
したポリエステル樹脂と、シリカ粒子を添加しないポリ
エステル樹脂を供給し、フィードブロックの付属したT
ダイで、非添加のポリエステル樹脂を中間層として3層
ポリエステルシートを押し出し、参考例1と同様にして
縦延伸を行い厚さ250μm(外層が各25μm、中間
層が200μm)のシートを得た。
および透湿度を測定し、併せて参考例1と同様にして耐
粘着性、幅収縮を評価した。透湿度(g/m2・24h
r)はJIS Z0208により測定した。
限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを用い、
No.14および17は、中間層が極限粘度0.65、
外層が極限粘度0.85のポリエチレンテレフタレート
を用い、No.15および18は、中間層として酸成分
がテレフタル酸80モル%とイソフタル酸20モル%か
らなりジオール成分がエチレングリコールからなる共重
合ポリエステル、外層として極限粘度0.85のポリエ
チレンテレフタレートを用いた。
面が粗面化されないため滑りが悪く、加熱板への粘着も
生じる。これに対し縦延伸を行った本発明シートNo.
16〜18では、粘着を起こさず、幅収縮も小さい。ま
た透明度も損なわれない。
いたNo.18では透湿度が低くなり、高い防湿性を要
求される用途に適していることが分かる。
を添加したものを表面層に、添加しないポリエステル樹
脂を中間層とした多層シートを低倍率で延伸することに
より、少量の粒子添加でも表面に凹凸が形成され、透明
性、熱成形性を損なうことなく滑り性、耐粘着性を改良
することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】ポリエステル樹脂100重量部に対して、
平均粒子径20μm以下の粒子を0.01〜5重量部含
有するポリエステル樹脂を表面層とし、該表面層と同種
又は異種のポリエステルからなり粒子を添加しない樹脂
を中間層とする実質上無配向の多層シートを長さ方向に
1.05〜1.6倍延伸してなる熱成形用ポリエステル
シート。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP26514891A JP3203261B2 (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 熱成形用ポリエステルシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26514891A JP3203261B2 (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 熱成形用ポリエステルシート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05104621A JPH05104621A (ja) | 1993-04-27 |
JP3203261B2 true JP3203261B2 (ja) | 2001-08-27 |
Family
ID=17413304
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26514891A Expired - Lifetime JP3203261B2 (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 熱成形用ポリエステルシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3203261B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
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AT403028B (de) * | 1995-02-16 | 1997-10-27 | Teich Ag | Beiderseits beschichtete aluminiumfolie mit verbesserter tiefziehfähigkeit sowie packung hergestellt unter verwendung dieser aluminiumfolie |
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JP6358157B2 (ja) * | 2014-04-14 | 2018-07-18 | 王子ホールディングス株式会社 | 非平面形状の表面微細凹凸構造体 |
-
1991
- 1991-10-15 JP JP26514891A patent/JP3203261B2/ja not_active Expired - Lifetime
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