JP3203029B2 - 環状オレフィン系ランダム共重合体およびその製造方法 - Google Patents

環状オレフィン系ランダム共重合体およびその製造方法

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JP3203029B2
JP3203029B2 JP02386192A JP2386192A JP3203029B2 JP 3203029 B2 JP3203029 B2 JP 3203029B2 JP 02386192 A JP02386192 A JP 02386192A JP 2386192 A JP2386192 A JP 2386192A JP 3203029 B2 JP3203029 B2 JP 3203029B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、環状オレフィン系ランダ
ム共重合体およびその製造方法に関し、より詳しくは、
耐熱性、機械的強度に優れた環状オレフィン系ランダム
共重合体およびその製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】本出願人は先に、エチレンとテト
ラシクロドデセンなどの環状オレフィン類とを共重合さ
せて得られる環状オレフィン系ランダム共重合体が透明
性に優れ、しかも耐熱性、耐熱老化性、耐薬品性、耐溶
剤性、誘電特性、機械的強度のバランスのとれた合成樹
脂であり、かつ光学メモリディスクや光学ファイバーな
どの光学材料の分野において優れた性能を発揮すること
を見出し、すでに特開昭60-168708号公報、特
開昭61-98780号公報、特開昭61-115912
号公報、特開昭61-115916号公報、特開昭61-
120816号公報、特開昭62-252407号公報
に提案している。
【0003】また、本出願人は、エチレンと芳香族含有
ノルボルネン類との共重合体もまた、上記のような優れ
た特性を有していることを見出している。このようなラ
ンダム共重合体を製造するに際して用いられる芳香族含
有ノルボルネン類は、シクロペンタジエン類と対応する
オレフィン類とを、ディールス・アルダー反応させるこ
とによって製造されている。
【0004】このようなディールス・アルダー反応によ
って得られる芳香族含有ノルボルネン類は、下記式で示
されるようなエンド体[I-A]とエキソ体[I-B]との異
性体混合物として得られるが、シクロペンタジエンとオ
レフィンとのシス付加が優先して進行するため、エンド
体[I-A]が主として生成し、エキソ体[I-B]はほとん
ど生成しない。
【0005】そして上記のようなディールス・アルダー
反応によって得られる芳香族含有ノルボルネン類異性体
混合物中では、エンド体[I-A]は85モル%以上、多
くは90モル%以上の量で存在している。本発明者ら
は、上記のようなエチレンと芳香族含有ノルボルネン類
とを共重合させて得られる環状オレフィン系ランダム共
重合体の耐熱性、機械的強度をさらに改良すべく鋭意検
討したところ、原料として用いる芳香族含有ノルボルネ
ン類異性体混合物中に含まれるエキソ体[I-B]含有量
が多い芳香族含有ノルボルネン類異性体混合物をエチレ
ンと共重合させて得られる環状オレフィン系ランダム共
重合体は、耐熱性、機械的強度が飛躍的に向上すること
を見出した。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような知見に基づいて
なされたものであって、エチレンと芳香族含有ノルボル
ネン類とを共重合させて得られる耐熱性、機械的強度が
向上された環状オレフィン系ランダム共重合体およびそ
の製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係るエチレンと芳香族含有ノル
ボルネン類とがランダム共重合されてなる環状オレフィ
ン系ランダム共重合体は、(a)エチレンと、下記式で
示されるエンド体[I-A]とエキソ体[I-B]とのモル比
([I-A]/[I-B])が80/20〜0/100である
異性体混合物としての下記一般式[I]で示される芳香
族含有ノルボルネン類とがランダム共重合されてなり、
(b)エチレンから導かれる構成単位が10〜95モル
%の量で存在し、該芳香族含有ノルボルネン類から導か
れる構成単位が90〜5モル%の量で存在し、(c)該
芳香族含有ノルボルネン類から導かれる構成単位が下記
一般式[II]で示される構造であり、(d)135℃、
デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.05〜10
dl/gであることを特徴としている。
【0008】
【化6】
【0009】(式中、pは0または1以上の整数であ
り、qおよびrは0、1または2であり、R1 〜R15
それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水
素基、、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびア
ルコキシ基であり、R5(またはR6 )とR9(またはR
7 )とは、炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合し
ていてもよく、また何の基も介さずに直接結合していて
もよい。
【0010】
【化7】
【0011】
【化8】
【0012】(式中、p、q、rおよびR1 〜R15は上
記一般式[I]と同じである。)また、本発明に係るエ
チレンと芳香族含有ノルボルネン類とがランダム共重合
されてなる環状オレフィン系ランダム共重合体の製造方
法は、(a)エチレンと、上記式で示されるエンド体
[I-A]とエキソ体[I-B]とのモル比([I-A]/[I-
B])が80/20〜0/100である異性体混合物と
しての上記一般式[I]で示される芳香族含有ノルボル
ネン類とを、(b)炭化水素溶媒中でまたは炭化水素溶
媒が存在しない条件下で、該炭化水素にまたは該芳香族
含有ノルボルネン類に可溶性のバナジウム化合物および
有機アルミニウムとからなる触媒の存在下に共重合させ
ることを特徴としている。
【0013】本発明によれば、耐熱性、機械的強度に優
れた環状オレフィン系ランダム共重合体が得られる。
【0014】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る環状オレフィ
ン系ランダム共重合体およびその製造方法について具体
的に説明する。本発明に係る環状オレフィン系ランダム
共重合体は、エチレンと、下記一般式[I]で示される
芳香族含有ノルボルネン類とがランダム共重合されてな
り、この芳香族含有ノルボルネン類は、下記式で示され
るエンド体[I-A]とエキソ体[I-B]とのモル比([I-
A]/[I-B])が80/20〜0/100である異性体
混合物として用いられる。
【0015】
【化9】
【0016】(式中、pは0または1以上の整数であ
り、qおよびrは0、1または2であり、R1 〜R15
それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水
素基、、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびア
ルコキシ基であり、R5(またはR6 )とR9(またはR
7 )とは、炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合し
ていてもよく、また何の基も介さずに直接結合していて
もよい。
【0017】
【化10】
【0018】ここで、上記一般式[I]において、pは
0または1以上の整数であり、好ましくは0〜3の整数
である。そして、R1〜R15は、それぞれ独立に、水素
原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水
素基、芳香族炭化水素基およびアルコキシ基よりなる群
から選ばれる原子もしくは基を表す。ハロゲン原子とし
ては、たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およ
びヨウ素原子が挙げられる。また、脂肪族炭化水素基と
しては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブ
チル基、アミル基、ヘキシル基などの原子数1〜6のア
ルキル基が挙げられる。脂環族炭化水素基としては、シ
クロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基などが挙げられる。芳香族炭化水素基
としてはアリール基、アラルキル基が挙げられ、具体的
にはフェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基、
フェニルエチル基などが挙げられる。アルコキシ基とし
ては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙
げられる。
【0019】また上記式[I]において、R5(または
6)とR9(またはR7)とは、炭素数1〜3のアルキ
レン基を介して結合していてもよく、また何の基も介さ
ずに直接結合していてもよい。以下まず、このような芳
香族含有ノルボルネン類異性体混合物について説明す
る。
【0020】異性体混合物の製造方法 エンド体[I-A]とエキソ体[I-B]とのモル比([I-
A]/[I-B])が80/20〜0/100、好ましくは
70/30〜5/95であるような芳香族含有ノルボル
ネン類異性体混合物は、シクロペンタジエン類とオレフ
ィン類とのディールス・アルダー反応によって得ること
のできる、エンド体[I-A]を85モル%以上、多くの
場合には90モル%以上、さらに多くの場合には94モ
ル%以上の量で含む芳香族含有ノルボルネン類異性体混
合物を、後述するような固体酸と後述するような条件下
で接触させることによって、エンド体[I-A]をエキソ
体[I-B]に異性化することにより製造することができ
る。
【0021】本発明で用いられる芳香族含有ノルボルネ
ン類としては、具体的には、以下のような化合物が挙げ
られる。
【0022】
【化11】
【0023】
【化12】
【0024】
【化13】
【0025】上記のような芳香族含有ノルボルネン類異
性体混合物中のエンド体[I-A]をエキソ体[I-B]に異
性化する際に用いられる固体酸として、具体的には、シ
リカ-アルミナ(Al23 +SiO2 が主成分)、アル
ミナ(Al23 が主成分)、ゼオライト(Na2O+S
iO2+Al23 が主成分)、活性白土などが挙げられ
る。
【0026】また、上記以外の固体酸として、以下の酸
性金属酸化物または酸性金属硫化物があり、具体的に
は、Cr23 、P23 、TiO2 、Al23・xCr2
3 、Al23・CoO、Al23・MnO、Cr23
Fe23 、MoS、MoS2 、CrO3 、CrO2Cl
2 、MoO3 、V23 、WO2Cl2 などが挙げられ
る。
【0027】上記無機化合物以外に、固体酸としてアン
バーリスト15TM、アンバーライトXE-284TM、ナ
フィオン-HTMなどのスルホン酸基含有架橋ポリマーな
どの有機化合物が挙げられる。このような固体酸を用い
た芳香族含有ノルボルネン類異性体混合物中のエンド体
[I-A]のエキソ体[I-B]への異性化反応は、該エンド
体を固体酸と接触させることにより行なわれるが、その
際該エンド体をそのまま固体酸と接触させてもよく、ま
た該エンド体を有機溶媒の存在下に固体酸と接触させて
もよい。
【0028】このような有機溶媒としては、具体的に
は、シクロヘキサン、デカリン、ヘキサン、ベンゼン、
トルエン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタンなどが用い
られる。芳香族含有ノルボルネン類異性体混合物中のエ
ンド体[I-A]と固体酸との接触反応は、−5〜150
℃、好ましくは0〜50℃の温度で行なわれることが望
ましい。また反応時間は、反応温度および芳香族含有ノ
ルボルネン類の濃度によっても大きく異なるが、0.5
〜200時間、好ましくは1〜100時間程度であるこ
とが望ましい。
【0029】上記のような芳香族含有ノルボルネン類異
性体混合物中のエンド体[I-A]と固体酸との接触反応
は、回分式で行なうこともでき、また連続式で行なうこ
ともできる。芳香族含有ノルボルネン類異性体混合物中
のエンド体[I-A]と固体酸との接触反応を回分式で行
なう場合には、具体的には、たとえば下記のようにすれ
ばよい。
【0030】攪拌機を備えた反応槽に所定量の芳香族含
有ノルボルネン類、必要に応じて所定量の有機溶媒、そ
して固体酸を投入し、所定の温度で、所定時間攪拌す
る。その後、濾過法により固・液を分離し、さらに液相
中の芳香族含有ノルボルネン類と有機溶媒とを蒸留法に
より分離する。また、芳香族含有ノルボルネン類異性体
混合物中のエンド体[I-A]と固体酸との接触反応を連
続式で行なう場合には、具体的には、たとえば下記のよ
うにすればよい。
【0031】(i)上記回分式と同様の装置を用い、芳
香族含有ノルボルネン類または有機溶媒で希釈した芳香
族含有ノルボルネン類を反応槽へ連続的に供給し、反応
槽内に存在する固体酸と接触させ、連続的に芳香族含有
ノルボルネン類またはその有機溶媒希釈物を抜き出す方
法。 (ii)固体酸を充填した塔(またはカラム)の一方か
ら、芳香族含有ノルボルネン類または有機溶媒で希釈し
た芳香族含有ノルボルネン類を供給し、他方から連続的
に抜き出す方法。
【0032】(i)、(ii)法ともに、固体酸との接触
後の芳香族含有ノルボルネン類を有機溶媒から分離する
には、蒸留法を採用することができる。このようにして
芳香族含有ノルボルネン類異性体混合物中のエンド体
[I-A]を固体酸触媒と接触させると、エンド体[I-A]
はエキソ体[I-B]に異性化する。
【0033】エンド体[I-A]およびエキソ体[I-B]の
構造、あるいは異性体混合物中のエンド体[I-A]とエ
キソ体[I-B]とのモル比は、 1H-NMRあるいは13
-NMRを測定することによって決定することができ
る。このようなエンド体[I-A]とエキソ体[I-B]との
モル比([I-A]/[I-B])が80/20〜0/100
であるような芳香族含有ノルボルネン類の異性体混合物
は、シクロペンタジエン類とオレフィン類とのディール
ス・アルダー反応によっては直接には得ることができ
ず、エンド体[I-A]をエキソ体[I-B]に異性化するこ
とによって始めて得ることができる。
【0034】環状オレフィン系ランダム共重合体 本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体におい
て、エチレンから導かれる構成単位は、10〜95モル
%、好ましくは40〜85モル%の量で、また芳香族含
有ノルボルネン類から導かれる構成単位は90〜5モル
%、好ましくは60〜15モル%の量で存在しているこ
とが望ましい。
【0035】なお本発明に係る環状オレフィン系ランダ
ム共重合体においては、本発明の目的を損わない範囲
で、少量の他の共重合可能なモノマー、たとえば芳香族
含有ノルボルネン類以外のノルボルネン類、あるいはエ
チレン以外のα-オレフィンなどが、芳香族含有ノルボ
ルネン類から導かれる構成単位の10モル%以下の量で
共重合されていてもよい。
【0036】本発明に係る環状オレフィン系ランダム共
重合体において、芳香族含有ノルボルネン類から導かれ
る構成単位は、下記一般式[II]で示されるような構造
をとっている。
【0037】
【化14】
【0038】(式中、p、q、rおよびR1〜R15は前
記一般式[I]と同じである。)また本発明により得ら
れるエチレン・芳香族含有ノルボルネン類共重合体の1
35℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.
05〜10dl/gであることが好ましい。環状オレフィン系ランダム共重合体の製造 本発明に係る上記のような環状オレフィン系ランダム共
重合体は、上記のようなエンド体[I-A]とエキソ体[I
-B]とのモル比([I-A]/[I-B])が80/20〜0
/100であるような芳香族含有ノルボルネン類異性体
混合物と、エチレンとを、炭化水素溶媒中でまたは炭化
水素溶媒が存在しない条件下で、該溶媒にまたは該芳香
族含有ノルボルネン類に可溶性のバナジウム化合物と有
機アルミニウム化合物、好ましくはハロゲン含有有機ア
ルミニウム化合物とからなる触媒の存在下に共重合させ
ることによって製造することができる。
【0039】本発明に係る環状オレフィン系ランダム共
重合体を製造するに際して用いてもよい炭化水素溶媒と
しては、たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、灯
油のような脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素などを例示すること
ができる。これらの溶媒は、単独であるいは混合して用
いることができる。
【0040】本発明に係る環状オレフィン系ランダム共
重合体を製造するに際して用いられるバナジウム化合物
として、具体的には、 一般式 VO(OR)ab または V(OR)cd (ただし、Rは炭化水素基、Xはハロゲン、aは0≦a
≦3、bは0≦b≦3の数であり、2≦a+b≦3であ
る、cは0≦c≦4、dは0≦d≦4の数であり、3≦
c+d≦4である。)で表わされるバナジウム化合物、
あるいはこれらの電子供与体付加物が用いられる。
【0041】より具体的には、VOCl3 、VO(OC2
5)Cl2 、VO(OC25)2Cl、VO(O-iso-C3
7)Cl2 、VO(O-n-C49)Cl2、VO(OC
25)3 、VOBr2 、VCl4 、VOCl2 、VO(O
-n-C49)3 、VCl3 ・2OC816OHなどのバナ
ジウム化合物が用いられる。また、該可溶性バナジウム
触媒成分を調製する際に用いられることのある電子供与
体としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、
アルデヒド類、カルボン酸、有機酸または無機酸のエス
テル、エーテル類、酸アミド類、酸無水物、アルコキシ
シラン等の含酸素電子供与体;アンモニア、アミン類、
ニトリル、イソシアネート等の含窒素電子供与体などが
挙げられる。
【0042】より具体的には、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、オク
タノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、オ
レイルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、クミルアルコ
ール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素数1
〜18のアルコール類;フェノール、クレゾール、キシ
レノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ノ
ニルフェノール、クミルフェノール、ナフトールなどの
低級アルキル基を有してよい炭素数6〜20のフェノー
ル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾキ
ノンなどの炭素数3〜15のケトン類;アセトアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベン
ズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなど
の炭素数2〜15のアルデヒド類;ギ酸メチル、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オ
クタル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪
酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル
酢酸エチル、メタクリル酸メチル、ジクロル酢酸エチ
ル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘ
キサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エ
チル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オ
クチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、
安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチ
ル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス
酸メチル、マレイン酸n-ブチル、メチルマロン酸ジイ
ソブチル、シクロヘキセンカルボン酸ジn-ヘキシル、
ナジック酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジイソプロ
ピル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタ
ル酸ジn-ブチル、フタル酸ジ2-エチルヘキシル、γ-
ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、クマリン、フタ
リド、炭酸エチレンなどの炭素数2〜30の有機酸エス
テル類;アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トル
イル酸クロリド、アニス酸クロリドなどの炭素数2〜1
5の酸ハライド類;メチルエーテル、エチルエーテル、
イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエー
テルなどの炭素数2〜20のエーテル類;酢酸アミド、
安息香酸アミド、トルイル酸アミドなどの酸アミド類;
メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリブ
チルアミン、ピペリジン、トリベンジルアミン、アニリ
ン、ピリジン、ピコリン、テトラメチレンジアミンなど
のアミン類;アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニ
トリルなどのニトリル類;ケイ酸エチル、ジフェニルジ
メトキシシランなどのアルコキシシラン類などを挙げる
ことができる。これらの電子供与体は、2種以上用いる
ことができる。
【0043】また、本発明に係る環状オレフィン系ラン
ダム共重合体を製造するに際して用いられる有機アルミ
ニウム化合物触媒成分としては、少なくとも分子内に1
個のAl-炭素結合を有する化合物が用いられ、たとえ
ば、 一般式 R1 mAl(OR2)npq …[III] (ここでR1 およびR2 は炭素原子数、通常1〜15
個、好ましくは1〜4個を含む炭化水素基であり、互い
に同一でも異なっていてもよい。Xはハロゲン原子、m
は0≦m≦3、nは0≦n<3、pは0≦n<3、qは
0≦q<3の数であって、しかもm+n+p+q=3で
ある。)で表わされる有機アルミニウム化合物、あるい
は、 一般式 M1AlR1 4 …[IV] (ここでM1 はLi、Na、Kであり、R1 は上記一般
式[III]と同じである。)で表わされる第1族金属と
アルミニウムとの錯アルキル化物などを挙げることがで
きる。
【0044】上記の一般式[III]に属する有機アルミ
ニウム化合物としては、次のものを例示できる。 一般式 R1 mAl(OR2)3-m (ここでR1 およびR2 は上記一般式[III]と同じで
あり、mは好ましくは1.5≦m<3の数である。) 一般式 R1 mAlX3-m (ここでR1 は上記一般式[III]と同じであり、Xは
ハロゲン原子、mは好ましくは0<m<3である。) 一般式 R1 mAlH3-m (ここでR1 は上記一般式[III]と同じであり、mは
好ましくは2≦m<3である。) 一般式 R1 mAl(OR2)nq (ここでR1 およびR2 は上記一般式[III]と同じで
あり、Xはハロゲン原子、mは0<m≦3、nは0≦n
<3、qは0≦q<3の数であり、m+n+q=3であ
る。)で表わされるものなどを例示できる。
【0045】前記一般式[III]に属するアルミニウム
化合物において、より具体的には、トリエチルアミニウ
ム、トリブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミ
ニウム;トリイソプロペニルアルミニウムのようなトリ
アルケニルアルミニウム;ジエチルアルミニウムエトキ
シド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキ
ルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセス
キエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドな
どのアルキルアルミニウムセスキアルコキシドのほか
に、R1 2.5Al(OR2)0.5 などで表わされる平均組成
を有するような部分的にアルコキシ化されたアルキルア
ルミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチル
アルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド
のようなジアルキルアルミニウムハライド;エチルアル
ミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキク
ロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドのようなア
ルキルアルミニウムセスキハライド;エチルアルミニウ
ムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチ
ルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウム
ジハライドのような部分的にハロゲン化されたアルキル
アルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチ
ルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウム
ヒドリド;エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルア
ルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒ
ドリドのような部分的に水素化されたアルキルアルミニ
ウム;エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルア
ルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエト
キシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲ
ン化されたアルキルアルミニウムを例示できる。
【0046】また、上記一般式[III]に類似する化合
物たとえば酸素原子や窒素原子を介して、2以上のアル
ミニウムが結合した有機アルミニウム化合物であっても
よい。このような化合物として、具体的には、
【0047】
【化15】
【0048】などを例示できる。上記一般式[IV]に属
する化合物としては、LiAl(C25)4 、LiAl
(C715)4などを例示できる。これらの中では、特にア
ルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムジ
ハライドまたはこれらの混合物を用いるのが好ましい。
【0049】環状オレフィン系ランダム共重合体を製造
するに際して、エチレンと上記のような芳香族含有ノル
ボルネン類との共重合反応は連続法で行なわれることが
好ましい。その際に、重合反応系に供給される可溶性バ
ナジウム化合物の濃度は、通常、重合反応系内の可溶性
バナジウム化合物の濃度の10倍以下、好ましくは1〜
7倍、さらに好ましくは1〜5倍の範囲である。
【0050】また、重合反応系内のバナジウム原子に対
するアルミニウム原子の比(Al/V)は2以上、好ま
しくは2〜50、とくに好ましくは3〜20の範囲であ
る。該可溶性バナジウム化合物および該有機アルミニウ
ム化合物は、通常、それぞれ前記炭化水素溶媒または芳
香族含有ノルボルネン類で希釈して供給される。ここ
で、該可溶性バナジウム化合物は、前記濃度範囲に希釈
することが望ましいが、有機アルミニウム化合物は重合
反応系における濃度のたとえば50倍以下の任意の濃度
に調製して重合反応系に供給する方法が採用される。
【0051】また環状オレフィン系ランダム共重合体を
製造するに際して、共重合反応系内の可溶性バナジウム
化合物の濃度は、バナジウム原子として、通常は、0.
01〜5ミリモル/リットル、好ましくは0.05〜3
ミリモル/リットルの範囲である。このようなエチレン
と芳香族含有ノルボルネン類との共重合反応は、−50
〜100℃、好ましくは−30〜80℃、より好ましく
は−20〜60℃の温度で行なわれる。
【0052】上記のような共重合反応を行なうに際して
の反応時間(連続式重合反応の場合は、重合反応混合物
の平均滞留時間)は、重合原料の種類、触媒成分の濃度
および温度によっても異なるが、通常は5分〜5時間、
好ましくは10分〜3時間である。また、共重合反応を
行なう際の圧力は、通常は0を超えて50kg/c
2 、好ましくは0を超えて20kg/cm2 である。
【0053】環状オレフィン系ランダム共重合体を製造
するに際して、エチレン/環状オレフィンのモル比は、
通常では95/5〜10/90、好ましくは40/60
〜85/15の範囲であることが望ましい。上記のよう
にしてエチレンと環状オレフィンとの共重合反応を行な
うと、環状オレフィン系ランダム共重合体の溶液が得ら
れる。このような共重合体溶液中に含まれる環状オレフ
ィン系ランダム共重合体の濃度は、通常、0.5〜40
重量%、好ましくは2.0〜30重量%の範囲にあり、
該生成共重合体溶液中には、触媒成分である可溶性バナ
ジウム化合物成分および有機アルミニウム化合物成分も
含まれている。
【0054】上記のようにして得られた環状オレフィン
系ランダム共重合体の溶液には、通常、脱灰からペレタ
イズに至る一連の処理が行なわれ、環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体のペレットが得られる。
【0055】
【発明の効果】本発明に係るエンド体[I-A]とエキソ
体[I-B]とのモル比([I-A]/[I-B])が80/2
0〜0/100であるような芳香族含有ノルボルネン類
異性体混合物と、エチレンとを共重合させて得られる環
状オレフィン系ランダム共重合体は、エチレンと芳香族
含有ノルボルネン類とが同一組成で共重合させてなる共
重合体の場合には、エンド体[I-A]が85モル%以上
多くの場合には90モル%以上、さらに多くの場合には
94モル%以上の量で存在する芳香族含有ノルボルネン
類異性体混合物とエチレンとを共重合させて得られる環
状オレフィン系ランダム共重合体と比較して、共重合反
応の際の芳香族含有ノルボルネン類の反応率が高くな
り、また共重合体の物性に関しては、ガラス転移点(T
g)が高く耐熱性が優れており、また曲げ弾性率(F
M)が大きく機械的強度に優れている。したがって同一
のガラス転移点(Tg)あるいは曲げ弾性率を得るため
には、本発明による芳香族含有ノルボルネン類異性体混
合物を用いれば、高価な芳香族含有ノルボルネン類の共
重合量を低減せしめることが可能となる。
【0056】また、本発明に係る環状オレフィン系ラン
ダム共重合体の製造方法によれば、上記のような環状オ
レフィン系ランダム共重合体を効率的に製造することが
できる。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。定量方法 1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン(MT
HF)異性体混合物中のエンド体[I-A]とエキソ体[I
-B]とのモル比([I-A]/[I-B])は、 1H-NMR
(CDCl3 中、室温、TMS基準)を測定し、得られ
たスペクトルにおけるオレフィンプロトンの吸収ピーク
の積分強度比に基づいて算出した。
【0058】1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフル
オレンの 1H-NMRを測定して得られたオレフィンプ
ロトンのケミカルシフトを第1表A、Bに示す。また1,
4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレンの13C-N
MRを測定して得られたカーボンのケミカルシフトを第
1表A、Bに示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】軟化温度の測定方法 実施例および比較例で得られたそれぞれの共重合体を厚
さ1mmのシート状に成形して得た軟化温度測定用サン
プルについて、デュポン社製サーモメカニカルアナライ
ザー(Thermomechanical Analyser)を用いて熱変形挙
動を測定した。すなわち、サンプル上に石英製針を乗
せ、この測定針に対して49gの加重をかけた状態でサ
ンプルを5℃/分の昇温速度で連続的に昇温し、測定針
がサンプル内に0.635mm侵入したときの温度を軟
化温度とした。(以下、「TMA軟化点」と記載す
る。)曲げ弾性率の測定方法 曲げ弾性率の測定は、23℃の温度で、ASTM-D7
90に記載の測定方法にしたがって行なった。
【0062】極限粘度の測定方法 極限粘度の測定は、135℃の温度で、デカリンを溶媒
として行なった。
【0063】
【参考例1】インデンとシクロペンタジエンとを、特公
昭46-14910号公報記載の方法によってディール
ス・アルダー反応させることにより、1,4-メタノ-1,4,4
a,9a-テトラヒドロフルオレン(以下、「MTHF」と
略記することがある。)を合成した。
【0064】得られたMTHFを 1H-NMRにより測
定し、エンド体およびエキソ体のモル比を測定した。エ
ンド体は87モル%、エキソ体は13モル%の量で存在
していた。結果を第2表に示す。
【0065】
【参考例2】スチレンとシクロペンタジエンとを、参考
例1と同様にしてディールス・アルダー反応させること
によって、5-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エ
ン(以下、「Ph-BH」と略記することがある)を合成
した。得られたPh-BHを 1H-NMRにより測定し、
エンド体およびエキソ体のモル比を測定した。エンド体
は92モル%、エキソ体は8モル%の量で存在してい
た。
【0066】結果を第2表に示す。
【0067】
【合成例1】撹拌装置および還流冷却器を備えた30リ
ットルの反応槽に、参考例1で得られたMTHF1リッ
トルと、シクロヘキサン17リットルとを加えて撹拌し
た。得られた溶液にゼオライト(東ソー社製、ゼオラム
F-9、球状、1.8〜2.4mmφ、Na2O・Al23
・2.5SiO2)6kgを添加し、室温で6時間攪拌し
てエンド体のエキソ体への異性化反応を行なった。
【0068】反応終了後、反応混合物を濾過して触媒を
分離し、得られたMTHFのシクロヘキサン溶液を減圧
(50mmHg)下で蒸留してシクロヘキサンを留去
し、異性化されたMTHFを得た。得られたMTHFを
1H-NMRにより分析したところ、エンド体とエキソ
体とのモル比は41/59であった。結果を第2表に示
す。
【0069】
【合成例2】反応時間を3時間とした以外は、合成例1
と同様にしてMTHFの異性化反応を行なった。結果を
第2表に示す。
【0070】
【合成例3】触媒として、シリカ-アルミナ(品川白煉
瓦社製、セガードOW、粒状、0.5〜2mmφ、Al2
3・mSiO2・nH2O+Al(OH)3)を用い、シク
ロヘキサンおよび触媒の量をそれぞれ4.0リットルお
よび3kgに変更し、反応時間を96時間に代えた以外
は、合成例1と同様にして反応を行なった。結果を第2
表に示す。
【0071】
【合成例4】参考例2で得られたPh-BHを用いた以外
は、合成例1と同様にして反応を行なった。結果を第2
表に示す。
【0072】
【合成例5】合成例4において、反応時間を3時間に変
更した以外は合成例4と同様にして反応を行なった。結
果を第2表に示す。
【0073】
【合成例6】触媒として、合成例3で用いたシリカ-ア
ルミナを用い、反応時間を96時間とした以外は合成例
4と同様にして反応を行なった。 結果を第2表に示
す。
【0074】
【表3】
【0075】
【実施例1】撹拌装置を備えた内容積1リットルのガラ
ス製重合器に、重合器上部から連続的に合成例1で得ら
れたMTHFのシクロヘキサン溶液、触媒としてVO
(OC25)Cl2 のシクロヘキサン溶液およびエチルア
ルミニウムセスキクロリド(Al(C25)1.5Cl1.5
のシクロヘキサン溶液を、重合器内での濃度がそれぞれ
60g/リットル、0.5ミリモル/リットル、4.0ミ
リモル/リットルとなるように供給し、重合器上部から
エチレンを15リットル/時間、水素を0.5リットル
/時間の供給速度で供給した。一方、重合器上部から連
続的に重合器内の重合液の全量が1リットルとなり、平
均滞留時間が0.5時間になるように抜き出した。
【0076】重合反応は、重合器外部にそなえつけられ
た冷却ジャケットに冷媒を循環して重合温度を10℃と
して行なった。上記のような反応条件で共重合反応を行
なって、エチレン・MTHFランダム共重合体を含む重
合反応混合物を得た。重合反応は、重合器上部から抜き
出した重合液にイソプロピルアルコールを少量添加して
停止させた。その後、水1リットルに対し濃塩酸5ml
を添加した水溶液と重合液を1対1の割合でホモミキサ
ーを用いて強攪拌下で接触させ、触媒残渣を水相へ移行
させた。上記混合液を静置し、水相を除去後さらに蒸留
水で2回水洗を行い、重合液を精製分離した。
【0077】次にこの重合液に対して体積で約3倍のア
セトンが入ったミキサー中に反応停止後の重合液を強攪
拌下加えて共重合体を析出させ、さらに析出した共重合
体を濾過により溶液と分離した。得られた上記共重合体
を、その濃度が約50g/リットルになるようにアセト
ン中に分散させ、さらにその混合物をアセトンの沸点で
約2時間、加熱処理を行なった。処理後、濾過によりア
セトンから共重合体を分離し、120℃で24時間、減
圧乾燥を行なった。
【0078】得られたエチレンとMTHFの共重合体に
ついて13C-NMRを測定したところ、共重合体中のエ
チレン含有量は63.0モル%であった。また、極限粘
度[η]およびTMA軟化点は、それぞれ0.41dl
/gおよび178℃であった。結果を第4表に示す。さ
らに図1に、得られたエチレン・MTHF共重合体の芳
香族含有ノルボルネン含量(モル%)とTMA軟化点と
の関係を示し、また図2に該共重合体の芳香族含有ノル
ボルネン含量(モル%)と曲げ弾性率との関係を示す。
【0079】なお、得られた共重合体中に含まれるMT
HF単位のエンド体とエキソ体とのモル比を13C-NM
Rによって測定したところ、エンド体/エキソ体比は4
0/60であって、その値は重合前後でほとんど変化し
なかった。
【0080】
【実施例2〜8、比較例1〜2】第3表に示すような原
料(芳香族含有ノルボルネン)を用いて、第3表に示す
ような条件下で、実施例1と同様にしてエチレンとMT
HFとの共重合を行なった。得られた結果を第4表に示
す。
【0081】また図1に得られたエチレン・MTHF共
重合体の芳香族含有ノルボルネン含量(モル%)とTM
A軟化点との関係を示し、図2に該重合体の芳香族含有
ノルボルネン含量(モル%)と曲げ弾性率との関係を示
す。
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】
【0084】
【実施例9〜11、比較例3】第5表に示すような原料
(Ph-BH)を用いて、第5表に示すような条件下で、
実施例1と同様にしてエチレンとPh-BHとの共重合を
行なった。得られた結果を第6表に示す。実施例9〜1
1で得られたエキソ体[I-B]含量の多いPh-BHを用
いた共重合体は、比較例3で得られた共重合体に比べ、
TMA軟化点、曲げ弾性率ともに向上していることがわ
かる。
【0085】
【表6】
【0086】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】各種のエンド体/エキソ体比を有する芳香族含
有ノルボルネン(ここでは、MTHF)類異性体混合物
とエチレンとを共重合させて得られるエチレン・芳香族
含有ノルボルネン(ここでは、MTHF)共重合体の芳
香族含有ノルボルネン含量(モル%)とTMA軟化点と
の関係を示す図である。
【図2】エチレン・芳香族含有ノルボルネン(ここで
は、MTHF)共重合体の芳香族含有ノルボルネン含量
(モル%)と曲げ弾性率との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 210/00 - 210/18 C08F 232/00 - 232/08 C08F 4/68 - 4/685

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)エチレンと、 下記式で示されるエンド体[I-A]とエキソ体[I-B]と
    のモル比([I-A]/[I-B])が80/20〜0/10
    0である異性体混合物としての下記一般式[I]で示さ
    れる芳香族含有ノルボルネン類とがランダム共重合され
    てなり、 (b)エチレンから導かれる構成単位が10〜95モル
    %の量で存在し、該芳香族含有ノルボルネン類から導か
    れる構成単位が90〜5モル%の量で存在し、 (c)該芳香族含有ノルボルネン類から導かれる構成単
    位が下記一般式[II]で示される構造であり、 (d)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]
    が0.05〜10dl/gであることを特徴とする、エ
    チレンと芳香族含有ノルボルネン類とがランダム共重合
    されてなる環状オレフィン系ランダム共重合体。 【化1】 (式中、pは0または1以上の整数であり、qおよびr
    は0、1または2であり、R1 〜R15はそれぞれ独立に
    水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、、脂環族
    炭化水素基、芳香族炭化水素基およびアルコキシ基であ
    り、R5(またはR6 )とR9(またはR7 )とは、炭素
    数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、
    また何の基も介さずに直接結合していてもよい。 【化2】 【化3】 (式中、p、q、rおよびR1 〜R15は上記一般式
    [I]と同じである。)
  2. 【請求項2】(a)エチレンと、 下記式で示されるエンド体[I-A]とエキソ体[I-B]と
    のモル比([I-A]/[I-B])が80/20〜0/10
    0である異性体混合物としての上記一般式[I]で示さ
    れる芳香族含有ノルボルネン類とを、 (b)炭化水素溶媒中でまたは炭化水素溶媒が存在しな
    い条件下で、該炭化水素にまたは該芳香族含有ノルボル
    ネン類に可溶性のバナジウム化合物および有機アルミニ
    ウムとからなる触媒の存在下に共重合させることを特徴
    とする、エチレンと該芳香族含有ノルボルネン類とがラ
    ンダム共重合されてなる環状オレフィン系ランダム共重
    合体の製造方法。 【化4】 (式中、pは0または1以上の整数であり、qおよびr
    は0、1または2であり、R1 〜R15はそれぞれ独立に
    水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、、脂環族
    炭化水素基、芳香族炭化水素基およびアルコキシ基であ
    り、R5(またはR6 )とR9(またはR7 )とは、炭素
    数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、
    また何の基も介さずに直接結合していてもよい。 【化5】
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