JP2781251B2 - 環状オレフィン系ランダム共重合体の製造方法 - Google Patents

環状オレフィン系ランダム共重合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、環状オレフィン系ランダム共重合体の製造
方法に関する。さらに詳細には、本発明は、不純物とし
て含まれるポリエチレン含量を低減させることができ、
しかも透明性に優れている環状オレフィン系ランダム共
重合体を製造できるような環状オレフィン系ランダム共
重合体の製造方法に関する。
発明の技術的背景 エチレンと特定な嵩高な環状オレフィンとからなる環
状オレフィン系ランダム共重合体は、光学的性質、機械
的性質、熱的性質などのバランスのとれた合成樹脂であ
り、たとえば光学メモリディスクや光学ファイバーなど
の光学材料の分野などに用いられる。
ところがこのような環状オレフィン系ランダム共重合
体から光学メモリディスクを製造すると、ごくわずかで
はあるが、読取りエラーが発生することがあった。本発
明者らは、環状オレフィン系ランダム共重合体から製造
される光学メモリディスクの読取りエラーを少なくすべ
く鋭意検討したところ、この読取りエラーの一部は、環
状オレフィン系ランダム共重合体中に不純物として含ま
れるポリエチレンに起因することを見出した。したがっ
て不純物として含まれるポリエチレン含量を低減せしめ
ることが可能であるような環状オレフィン系ランダム共
重合体の製造方法の出現が強く望まれている。
ところでこのような環状オレフィン系ランダム共重合
体は、従来エチレンと環状オレフィンとを、可溶性バナ
ジウム化合物および有機アルミニウム化合物から形成さ
れる触媒の存在下に、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水
素または上記環状オレフィンを溶媒として用いて共重合
させることにより製造されている。本発明者らは、不純
物として含まれるポリエチレンの含量が低減されしかも
透明性に優れた環状オレフィン系ランダム共重合体の製
造方法について鋭意検討したところ、有機アルミニウム
化合物として、特定の有機アルミニウム化合物を用いれ
ばよいことを見出して、本発明を完成させるに至った。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたも
のであって、不純物として含まれるポリエチレン含量を
低減させることができ、しかも透明性に優れた環状オレ
フィン系ランダム共重合体を効率よく製造しうるような
環状オレフィン系ランダム共重合体の製造方法を提供す
ることを目的としている。
発明の概要 本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体の製
造方法は、 (a)エチレンと、 (b)下記式[I]または[II] (式中、nは0または1であり、mは0または正の整数
であり、 R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子または炭化水素基であり、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形成し
ていてもよく、かつ該単環または多環は二重結合を有し
ていてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい)。
[式中、lは0または1以上の整数であり、mおよびn
は、0、1または2であり、R1〜R15はそれぞれ独立に
水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭
化水素基またはアルコキシ基であり、R5(またはR6)と
R9(またはR7)とは、炭素数1〜3のアルキレン基を介
して結合していてもよく、また何の基も介さずに直接結
合していてもよい。] で表わされる不飽和単量体からなる群から選ばれた少
なくとも1種の環状オレフィン、 とを、可溶性バナジウム化合物および有機アルミニウ
ム化合物から形成される触媒の存在下に、炭化水素系溶
媒中で、共重合させて環状オレフィン系ランダム共重合
体を生成させるに際して、 有機アルミニウム化合物として、 RnAlCl3-n (式中、nは1.35〜1.65であり、Rは炭素数4以上の直
鎖または分岐アルキル基である)で示される有機アルミ
ニウム化合物を用いることを特徴としている。
本発明によれば、エチレンと環状オレフィンとを共重
合するに際して、触媒としての有機アルミニウム化合物
として、RnAlCl3-n(式中、nは1.35〜1.65であり、R
は炭素数4以上の直鎖または分岐アルキル基である)で
示される有機アルミニウム化合物を用いているので、不
純物として含まれるポリエチレンの含量が低減され、か
つ透明性に優れた環状オレフィン系ランダム共重合体を
製造することができる。しかも重合器壁および重合体抜
き出し口付近にポリエチレンが付着することを効率よく
防止することができる。
発明の具体的説明 以下本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体
の製造方法について具体的に説明する。
本発明では、上記のような一般式[I]または一般式
[II]で示される環状オレフィン類と、エチレンとを、
炭化水素溶媒中あるいは上記環状オレフィンからなる液
相中で、該溶媒または該環状オレフィンに可溶性のバナ
ジウム化合物と特定の有機アルミニウム化合物とからな
る触媒の存在下に共重合させて、環状オレフィン系ラン
ダム共重合体を製造している。
本発明で用いられる上記式[I]で示される環状オレ
フィンとしては、具体的には、 ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン誘導体、 テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]−3−ドデセン誘
導体、 ヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,09.14]−4
−ヘプタデンセン誘導体、 オクタシクロ[8,8,0,12.9,14.7,111.18,113.16,
03.8,012.17]−5−ドコセン誘導体、 ペンタシクロ[6,6,1,13.6,02.7,09.14]−4−ヘキ
サデセン誘導体、 ヘプタシクロ−5−イコセン誘導体、 ヘプタシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体、 トリシクロ[4,3,0,12.5]−3−デセン誘導体、 トリシクロ[4,3,0,12.5]−3−ウンデセン誘導体、 ペンタシクロ[6,5,1,13.6,02.7,09.13]−4−ペン
タデセン誘導体、 ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、 ペンタシクロ[4,7,0,12.5,08.13,19.12]−3−ペン
タデセン誘導体、 ペンタシクロ[7,8,0,13.6,02.7,110.17,011.16,1
12.15]−4−エイコセン誘導体、 および ノナシクロ[9,10,1,1,4.7,03.8,02.10,012.21,1
13.20,014.19,115.18]−5−ペンタコセン誘導体が挙
げられる。
以下にこのような化合物の具体的な例を示す。
などのようなビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン誘導
体; などのテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]−3−ドデセ
ン誘導体; などのヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,09.14
−4−ヘプタデセン誘導体; などのオクタシクロ[8,8,0,12.9,14.7,111.18,113.16,
03.8,012.17]−5−ドコセン誘導体; などのペンタシクロ[6,6,1,13.6,02.7,09.14]−4−
ヘキサデセン誘導体; などのヘプタシクロ−5−イコセン誘導体あるいはヘプ
タシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体; などのトリシクロ[4,3,0,12.5]−3−デセン誘導体; などのトリシクロ[4,4,0,12.5]−3−ウンデセン誘導
体; などのペンタシクロ[6,5,1,13.6,02.7,09.13]−4−
ペンタデセン誘導体; などのジエン化合物; などのペンタシクロ[4,7,0,12.5,08.13,19.12]−3−
ペンタデセン誘導体; などのヘプタシクロ[7,8,0,13.6,02.7,110.17,011.16,
112.15]−4−エイコセン誘導体; などのノナシクロ[9,10,1,14.7,03.8,02.10,012.21,1
13.20,014.19,115.18]−5−ペンタコセン誘導体を挙
げることができる。
また本発明で用いられる上記式[II]で示される環状
オレフィンとしては、具体的には、下記のような化合物
が挙げられる。
を挙げることができる。
上記式[I]または[II]で示される環状オレフィン
は、シクロペンタジエン類と対応するオレフィン類とを
ディールス・アルダー反応させることにより容易に製造
することができる。
本発明では、エチレンと環状オレフィン類とを共重合
するに際して、可溶性バナジウム化合物および特定の有
機アルミニウム化合物から形成される触媒が用いられ
る。
バナジウム化合物としては、具体的には、一般式VO
(OR)aXbまたはV(OR)cXd(ただし、Rは炭化水素
基、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c
≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4)で表わされるバナ
ジウム化合物、あるいはこれらの電子供与体付加物が用
いられる。より具体的には、VOCl3、 VO(OC2H5)Cl2、 VO(OC2H52Cl、 VO(O−iso−C3H7)Cl2、 VO(O−n−C4H9)Cl2、 VO(OC2H5、VOBr2、VCl4、VOCl2、VO(O−n−C4H
9、 VCl3・2OC8H17OHなどのバナジウム化合物が用いられ
る。
また、該可溶性バナジウム触媒成分を調製する際に用
いられることのある電子供与体としては、アルコール、
フェノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機
酸または無水酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無
水物、アルコキシシランなどの含酸素電子供与体、アン
モニア、アミン、ニトリル、イソシアネートなどの含窒
素電子供与体などが挙げられる。より具体的には、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ペンタノール、ヘ
キサノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデシ
ルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコー
ル、フェニルエチルアルコール、クミルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、イソプロピルベンジルアルコー
ルなどの炭素数1〜18のアルコール類;フェノール、ク
レゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピル
フェノール、ノニルフェノール、クミルフェノール、ナ
フトールなどの低級アルキル基を有してよい炭素数6〜
20のフェノール類;アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノ
ン、ベンゾキノンなどの炭素数3〜15のケトン類;アセ
トアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデ
ヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアル
デヒドなどの炭素数2〜15のアルデヒド類;ギ酸メチ
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピ
ル、酢酸オクチル、酢酸シクロヒキシル、プロピオン酸
エチル、酢酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチ
ル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、ジクロ
ル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチ
ル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチ
ル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチ
ル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息
香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、
トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸
エチル、アニス酸メチル、マレイン酸n−ブチル、メチ
ルマロン酸ジイソブチル、シクロヘキセンカルボン酸ジ
n−ヘキシル、ナジック酸ジエチル、テトラヒドロフタ
ル酸ジイソソプロピル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
イソブチル、フタル酸ジn−ブチル、フタル酸ジ2−エ
チルヘキシル、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクト
ン、クマリン、フタリド、炭酸エチレンなどの炭素数2
〜30の有機酸エステル類;アセチルクロリド、ベンゾイ
ルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリドな
どの炭素数2〜15の酸ハライド類;メチルエーテル、エ
チルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテ
ル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソー
ル、ジフェニルエーテルなどの炭素数2〜20のエーテル
類;酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミドな
どの酸アミド類;メチルアミン、エチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、トリベンジ
ルアミン、アニリン、ピリジン、ピコリン、テトラメチ
レンジアミンなどのアミン類;アセトニトリル、ベンゾ
ニトリル、トルニトリルなどのニトリル類;ケイ酸エチ
ル、ジフェニルジメトキシシランなどのアルコキシシラ
ン類などを挙げることができる。これらの電子供与体
は、2種以上用いることができる。
有機アルミニウム化合物としては、 式 RnAlCl3-n (式中、nは1.35〜1.65であり、Rは炭素数4以上の直
鎖あるいは分岐アルキル基である)で示される有機アル
ミニウム化合物が用いられる。
nは、上述のように1.35〜1.65であるが、好ましくは
1.40〜1.60である。
上記式において、Rは上述のように炭素数4以上の直
鎖あるいは分岐アルキル基であるが、具体的には、ブチ
ル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル
基、n−オクチル基などが挙げられる。
このような有機アルミニウム化合物たとえばイソブチ
ルアルミニウムセスキクロリド(iBu1.5AlCl1.5)を用
いて、エチレンと上記式[I]または[II]で示される
環状オレフィンとを共重合させると、イソブチルアルミ
ニウムジクロリド(iBuAlCl2)を触媒として用いてエチ
レンと上記環状オレフィンとを共重合させる場合と比較
して、得られる環状オレフィン系ランダム共重合体中に
含まれるポリエチレン含量が低減され、かつ該共重合体
から得られる成形体の透明性が向上する。しかも重合時
に重合器壁および共重合体抜き出し口付近に付着するポ
リエチレン量を著しく低減させることができる。
またたとえばiBu1.5AlCl1.5を触媒として用いてエチ
レンと上記環状オレフィンとを共重合させると、エチル
アルミニウムセスキクロリド(Et1.5AlCl1.5)を触媒と
して用いた場合と比較して、上記と同様に、得られる環
状オレフィン系ランダム共重合体中に含まれるポリエチ
レン含量が低減され、かつ該共重合体から得られる成形
体の透明性が向上する。しかも重合時に重合器壁および
共重合体抜き出し口付近に付着するポリエチレン量を著
しく低減させることができる。
なお本明細書においてポリエチレンとは、ポリエチレ
ン単独重合体のほか、エチレン含量が90モル%以上であ
るエチレンと上記環状オレフィンとの共重合体を含んで
意味している。
このように本発明によれば、有機アルミニウム化合物
触媒成分として、式RnAlCl3-n(式中、nは1.35〜1.65
であり、Rは炭素数4以上の直鎖または分岐アルキル基
である)で示される有機アルミニウム化合物を用いてい
るため、ポリエチレン含量が低減され、しかも透明性に
優れた環状オレフィン系ランダム共重合体を製造するこ
とができ、したがってこの共重合体から光学メモリディ
スクを製造した場合には、ディスク基板に起因する読取
りエラーを低減させることができる。
エチレンと上記のような環状オレフィンとを共重合さ
せるに際して、炭化水素溶媒を用いることもできる。こ
のような炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂
肪族炭化水素およびそのハロゲン誘導体;シクロヘキサ
ン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサンなど
の脂環族炭化水素およびそのハロゲン誘導体;ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素およびク
ロロベンゼンなどのハロゲン誘導体などが用いられる。
これら溶媒は混合して用いてもよい。
本発明では、エチレンと前記環状オレフィン(一般式
[I]または[II])の1種または2種以上が共重合さ
れるが、必要に応じて炭素数3以上のα−オレフィンが
共重合されていてもよく、このような炭素数3以上のα
−オレフィンとしては、たとえばプロピレン、1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコ
センなどの炭素原子数が3〜20のα−オレフィンを挙げ
ることができる。
また、本発明の目的を損わない範囲で必要に応じて他
の共重合可能な不飽和単量体成分を共重合させることも
できる。このような共重合可能な不飽和単量体として、
具体的には、生成するランダム共重合体中の前記環状オ
レフィン成分単位と等モル未満のシクロペンセン、シク
ロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、シクロオクテ
ンなどのシクロオレフィン、1,4−ヘキサジエン、4−
メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル、1,4−ヘキサ
ジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、
5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−
ノルボルネンなどの非共役ジエン類などを例示すること
ができる。
環状オレフィン系ランダム共重合体を製造するに際し
て、エチレンと上記のような環状オレフィン(一般式
[I]または一般式[II])との共重合反応は連続法で
行なうのが好ましい。その際に、重合反応系に供給され
る可溶性バナジウム化合物の濃度は、通常、重合反応系
内の可溶性のバナジウム化合物の濃度の10倍以下、好ま
しくは1〜7倍、さらに好ましくは1〜5倍の範囲であ
ることが望ましい。
本発明では、重合反応系内のバナジウム原子に対する
アルミニウム原子の比(Al/V)は、2以上、好ましくは
2〜50、とくに好ましくは3〜20の範囲であることが望
ましい。
該可溶性バナジウム化合物および該有機アルミニウム
化合物は、通常、それぞれ、前記炭化水素溶媒または前
記環状オレフィン類で希釈して供給される。ここで、該
可溶性バナジウム化合物は、前記濃度範囲に希釈するこ
とが望ましいが、有機アルミニウム化合物は重合反応系
における濃度のたとえば50倍以下の任意の濃度に調製し
て重合反応系に供給する方法が採用される。
また環状オレフィン系ランダム共重合体を製造するに
際して、共重合反応系内の可溶性バナジウム化合物の濃
度は、バナジウム原子として、通常は、0.01〜5グラム
原子/、好ましくは0.05〜3グラム原子/の範囲で
ある。
このようなエチレンとオレフィン類との共重合反応
は、−50〜100℃、好ましくは−30〜80℃、さらに好ま
しくは−20〜60℃の温度で行なわれる。
上記のような共重合反応を行なうに際しての反応時間
(連続式重合反応の場合は、重合反応混合物の平均滞留
時間)は、重合原料の種類、触媒成分の濃度および温度
によっても異なるが、通常は5分〜5時間、好ましくは
10分〜3時間の範囲である。また、共重合反応を行なう
際の圧力は、通常は0を超えて50kg/cm2、好ましくは0
を超えて20kg/cm2である。また共重合を行なうに際し
て、得られる共重合体の分子量を調整するため、水素の
などの分子量調節剤を有在させることもできる。
環状オレフィン系ランダム共重合体を製造するに際し
て、共重合反応に供給されるエチレン/環状オレフィン
のモル比は、通常85/15〜1/99、さらに好ましくは85/15
〜40/60の範囲であることが望ましい。
上記のようにしてエチレンと環状オレフィン類との共
重合反応を行なうと、環状オレフィン系ランダム共重合
体の溶液が得られる。このような共重合体溶液中に含ま
れる環状オレフィン系ランダム共重合体の濃度は、通
常、10〜300g/、好ましくは20〜200g/の範囲にあ
る。
このようにして得られる共重合体溶液は、常法に従っ
て処理され、環状オレフィン系ランダム共重合体が得ら
れる。
このようにして得られる環状オレフィン系ランダム共
重合体は非晶性ないし結晶性であるが、該環状オレフィ
ン系ランダム共重合体のうちではDSC融点を有さずかつ
X線回折による測定結果からも非結晶性の共重合体が好
適である。さらに、本発明の方法によって得られる環状
オレフィン系ランダム共重合体のエチレン/環状オレフ
ィンのモル比は、通常95/5〜30/70、好ましくは90/10〜
40/60の範囲である。また、該環状オレフィン系ランダ
ム共重合体のガラス転移点(Tg)は通常は10〜240℃、
好ましくは20〜200℃の範囲である。
発明の効果 本発明によれば、エチレンと環状オレフィンとを共重
合するに際して、触媒としての有機アルミニウム化合物
として、RnAlCl3-n(式中、nは1.35〜1.65であり、R
は炭素数4以上の直鎖または分岐アルキル基である)で
示される有機アルミニウム化合物を用いているので、不
純物として含まれるポリエチレンの含量が低減され、か
つ透明性に優れた環状オレフィン系ランダム共重合体を
製造することができる。しかも重合器壁および重合体抜
き出し口付近にポリエチレンが付着することを効率よく
防止することができる。
以下本発明を実施例によって説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
実施例1 撹拌翼を備えた容積1の重合器を用いて、連続的に
エチレンとテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]−3−ド
デセン (以下TCD−3と略)の共重合反応を行なった。すなわ
ち、重合器上部からTCD−3のシクロヘキサン溶液を、
重合器内でのTCD−3濃度が60g/となるように毎時0.4
、触媒としてVO(OC2H5)Cl2のシクロヘキサン溶液を
重合器内でのバナジウム濃度が0.5ミリモル/となる
ように毎時0.5(このときの供給バナジウム濃度は、
重合器中濃度の2.86倍である)、イソブチルアルミニウ
ムセスキクロリド(Al(i−C4H91.5Cl1.5)のシクロ
ヘキサン溶液を重合器内でのアルミニウム濃度が4.0ミ
リモル/となるように毎時0.4およびシクロヘキサ
ンを毎時0.7の速度でそれぞれ重合器内に連続的に供
給し、一方、重合器上部から、重合器内の重合液が常に
1になるように(すなわち平均滞留時間が0.5時間と
なるように)連続的に抜き出した。また、重合系にバブ
リング管を用いてエチレンを毎時20、窒素を毎時10
、水素を毎時0.5の速度で供給した。共重合反応
は、重合器外部にとりつけられたジャケットに冷媒を循
環させることにより10℃で行なった。上記条件で共重合
反応を行なうと、エチレン・TCD−3ランダム共重合体
を含む重合反応混合物が得られる。重合器上部から抜き
出した重合液に、シクロヘキサン/イソプロピルアルコ
ール(1/1)混合液を添加して重合反応を停止した。そ
の後、水1に対し濃塩酸5mlを添加した水溶液と重合
溶液を1対1の割合でホモミキサーを用い強撹拌下で接
触させ、触媒残渣を水槽へ移行させた。上記混合液を静
置し、水槽を除去後さらに蒸留水で2回水洗を行ない、
重合液を精製分離した。
なお、重合中の系内重合溶液の濁りの程度を観察した
が、茶かっ色の透明溶液であり、濁りはないと判断でき
た。また、上記連続重合反応を3時間行なった時点で、
重合器上部にある重合液抜き出し口付近にポリマー(ポ
リエチレン)は付着していないことが観察された。
得られた重合液を3倍量のアセトンと強撹拌下で接触
させ、固体部を濾過により採取し、アセトンで十分洗浄
した。その後、得られた固体部を40g/となるようにア
セトン中に投入し、60℃で2時間反応処理した。その
後、濾過により固体部を採取し、窒素流通下、130℃、3
50mmHgで24時間乾燥した。
以上のようにして、エチレン.TCD−3共重合体が毎時
70g(すなわち35g/)の速度で得られた。
13C−NMR分析で測定した共重合体のエチレン組成は5
9.0モル%、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]
は0.57dl/g、ヨウ素価は1.0であった。また、X線回折
による結晶化度は0%であった。
ガラス転移温度Tgは、デュポン社製Dynamic Mechanic
al Analyser(DMA)により、損失弾性率E″を5℃/mm
の昇温速度で測定し、そのピーク温度から求めたところ
151℃であった。さらに融点Tmは、デュポン社製990タイ
プのDSCにより10℃/mmの昇温速度で−120℃〜400℃の範
囲で測定したところ、融解曲線(ピーク)は観察されな
かった。
また、共重合体中に含まれる微量のポリエチレンの量
を評価する手段として、得られた共重合体をシクロヘキ
サンに溶解させ、該ポリマー溶液の光線透過率をASTM D
1003−52に準拠した霞度(ヘイズ)計を用いて測定し
た。すなわち、共重合体1.0gをシクロヘキサン10mlに溶
解させ、光路長20mmの石英セルを用いて該溶液の光線透
過率(シクロヘキサン単独の光線透過率を100%とし
た)を測定したところ94%であった。
これらの結果を表1に示す。
実施例2〜5 表1に示した条件以外は、実施例1と同様にして、エ
チレンとTCD−3の共重合反応を行なった。
得られた結果を表1に示す。
なお、実施例4で用いた有機アルミニウム化合物であ
るiBu1.4AlCl1.6は、イソブチルアルミニウムジクロリ
ド(iBuAlCl2)とイソブチルアルミニウムセスキクロリ
ド(iBu1.5AlCl1.5)との2/8(モル比)の混合物をあら
かじめ調製して重合反応に用いた。また、実施例5のiB
u1.6AlCl1.4は、上記と同様にiBu1.5AlCl1.5/iBu2AlCl
=8/2(モル比)の混合物をあらかじめ調製して用い
た。
実施例6 共重合反応に供する環状オレフィンとして、TCD−3
の代りに、シクロペンタジエンとインデンとのディール
ス・アルダー反応付加物である1,4−メタノ−1,4,4a,9a
−テトラヒドロフルオレン(MTHFと略す)を用いる以外
は、実施例1と同様に共重合反応を行なった。
得られた結果を表1示す。
比較例1〜3 表1に示した条件以外は、実施例1と同様にしてエチ
レンとTCD−3の共重合反応を行なった。
得られた結果を表1に示す。
なお、比較例2および3で用いた有機アルミニウム化
合物であるiBu1.25AlCl1.75およびiBu1.75AlCl1.25は、
それぞれiBuAlCl2.0/iBu1.5AlCl1.5=5/5(モル比)、i
Bu1.5AlCl1.5/iBu2AlCl=5/5(モル比)の混合物をあら
かじめ調整して用いた。
フロントページの続き (72)発明者 南 修治 山口県玖珂郡和木町和木6丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−241912(JP,A) 特開 平2−51510(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/60 - 4/70 C08F 210/00 - 210/18 C08F 232/00 - 232/08 C08F 236/00 - 236/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)エチレンと、 (b)下記式[I]または[II] (式中、nは0または1であり、mは0または正の整数
    であり、 R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子
    または炭化水素基であり、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形成して
    いてもよく、かつ該単環または多環は二重結合を有して
    いてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン
    基を形成していてもよい)。 [式中、lは0または1以上の整数であり、mおよびn
    は、0、1または2であり、R1〜R15はそれぞれ独立に
    水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭
    化水素基またはアルコキシ基であり、R5(またはR6)と
    R9(またはR7)とは、炭素数1〜3のアルキレン基を介
    して結合していてもよく、また何の基も介さずに直接結
    合していてもよい。] で表わされる不飽和単量体からなる群から選ばれた少な
    くとも1種の環状オレフィン、 とを、可溶性バナジウム化合物および有機アルミニウム
    化合物から形成される触媒の存在下に、炭化水素系溶媒
    中または上記環状オレフィンからなる液相中で、共重合
    させて環状オレフィン系ランダム共重合体を生成させる
    に際して、 有機アルミニウム化合物として、 RnAlCl3-n (式中、nは1.35〜1.65であり、Rは炭素数4以上の直
    鎖または分岐アルキル基である)で示される有機アルミ
    ニウム化合物を用いることを特徴とする環状オレフィン
    系ランダム共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】Rがイソブチル基またはヘキシル基である
    有機アルミニウム化合物を用いる請求項第1項に記載の
    環状オレフィン系ランダム共重合体の製造方法。
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