JP3201658B2 - 解凍機能付き冷蔵庫 - Google Patents

解凍機能付き冷蔵庫

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JP3201658B2
JP3201658B2 JP23770892A JP23770892A JP3201658B2 JP 3201658 B2 JP3201658 B2 JP 3201658B2 JP 23770892 A JP23770892 A JP 23770892A JP 23770892 A JP23770892 A JP 23770892A JP 3201658 B2 JP3201658 B2 JP 3201658B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、解凍機能付き冷蔵庫に
関し、特に、解凍時に庫内を温度制御して解凍を促進さ
せる解凍機能付き冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の解凍機能付き冷蔵庫とし
て、実開平3−36564号公報に開示されたものが知
られている。同公報に示すものは、解凍機能を作動させ
たときに庫内を加温し、プログラミングされた所定時間
だけ庫内温度が保存温度よりも高い所定温度となるよう
にし、かつ、この所定温度を段階的に低温化していって
解凍を促進させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の解凍機
能付き冷蔵庫においては、解凍温度を段階的に低温化し
ていくものの、解凍物が保存温度よりも高い温度にさら
される時間というものは当該解凍物の量に関わらず一定
であるため、量が少ないときや既に温度が上昇した半解
凍のものの場合には解凍物の温度が保存温度以上となる
のを避けられない。従って、ドリップの流出や発色が起
こり、品質が劣化する。解凍に応じて解凍温度の保持時
間を変更することも不可能ではないが、保持時間を調整
するのは熟練を要する。
【0004】また、有頭海老の場合はわずかの時間であ
っても保存温度以上にさらされると品質が劣化してしま
うため、解凍は保存温度以下で行なうことが好ましい。
しかしながら、上述した従来のものの場合は、当然のよ
うに保存温度以上として解凍の促進を図るため、品質の
劣化を招いてしまう。本発明は、上記課題にかんがみて
なされたもので、解凍物の量や解凍状態などにかかわら
ず、容易に最適な解凍を行なうことが可能な冷蔵庫の提
供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの手段として、請求項1に係る発明は、間接冷却され
る収納箱内に解凍用の庫内ファンが装備され、この庫内
ファンで収納箱内に空気を循環させることにより解凍物
の解凍を促進し、かつこの解凍時に前記収納箱内が所定
の目標温度となるように温度制御する解凍機能付き冷蔵
庫において、前記目標温度となる複数の解凍温度を設定
する温度設定手段と、この温度設定手段にて設定された
複数の解凍温度のいずれかを選択して前記目標温度とさ
せる選択手段とを具備し、かつ前記温度設定手段では、
前記複数の解凍温度が、当該冷蔵庫の通常の保存温度を
挟んだ上下に分かれて設定可能とされている構成として
ある。
【0006】
【作用】上記のように構成した請求項1にかかる発明に
おいては、解凍時における庫内の目標温度として、温度
設定手段が複数の解凍温度を設定してあり、解凍時に
は、設定されている複数の解凍温度のいずれかを選択手
段にて選択し、目標温度とさせる。すなわち、予め、温
度設定手段にて解凍物に合わせた複数の解凍温度を設定
しておき、解凍を行なう際に、選択手段にて解凍物に応
じた解凍温度を選択する。
【0007】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、解凍物に
よって最適となる解凍温度を設定しておけるので、解凍
時間を調整するなどの熟練を要する作業を必要とせず、
解凍物に合わせた解凍温度を選択するだけでドリップや
変色などを防止することが可能な解凍機能付き冷蔵庫を
提供することができる。
【0008】
【実施例】以下、図面にもとづいて本発明の実施例を説
明する。図1は本発明の一実施例にかかる冷蔵庫の正面
図、図2は一部破断正面図、図3は一部破断上面図、図
4は図3におけるIV−IV矢視断面図である。図におい
て、冷蔵庫本体は断熱箱10と収納箱20とを備えてお
り、断熱箱10は外箱11の内壁と内箱12の外壁との
間に発泡ウレタン等の断熱材料13を充填して構成さ
れ、その前面には左右一対の開口14a,14bが形成
されるとともに当該開口14a,14bを開放及び閉塞
せしめる断熱扉15a,15bがヒンジにより開閉可能
に取り付けられている。なお、両開口14a,14b間
には支柱16が形成されている。
【0009】収納箱20は熱良導部材であるステンレス
などの金属板材により一面に開口部21を有する筺体状
に形成され、当該収納箱20は開口部21が断熱箱10
の開口14a,14bに共に望むように位置合わせして
断熱箱10の前壁内面外周縁部に固着して支持されてい
る。このとき、収納箱20の左右側壁22,23と上壁
24と底壁25と後壁26はそれぞれ断熱箱10におけ
る内箱12の内壁と所定の間隔を空けて保持され、当該
間隙は空気流循環通路Wを形成している。なお、底壁2
5には結露水を排水するためのドレン管26aが備えら
れている。二つの庫内ファン30a,30bはそれぞれ
ファンモータ31の回転軸心にファン32を固定して構
成され、右壁23に対面するように支持部材を介して左
側壁22に対して取り付けられている。また、当該庫内
ファン30a,30bの前面には空気流路を形成するた
めのカバー40が取り付けられており、同カバー40は
上記ファン32に面する部分に排気口41が形成される
とともに下部には吸入口42が形成されている。すなわ
ち、同カバー40の上辺の端部は上壁24に接し、断面
L字型として屈曲された左辺の端部は収納箱の左側壁2
2に接し、右辺の端部は収納箱20の後壁26に接し、
下辺は上記左側壁22と所定の間隙を空けて上記吸入口
42を形成している。
【0010】断熱箱10における収納箱20の左側壁2
2と面する壁部には冷却機構50のエバポレータ51が
その空気流路を上下方向に向けて固定され、かつ、当該
エバポレータ51と収納箱20の左側壁22との間に
は、上部に空気流通孔61が形成されるとともに同空気
流通孔61に送風ファン62を配設した遮蔽板60がそ
の上辺にて断熱箱10における内箱12の上壁より垂下
するように固定されている。同遮蔽板60の下辺と内箱
12における下壁との間には十分な間隙が形成され、当
該間隙からエバポレータ51の空気流路を介して上部の
空気流通孔61へ連通する空気冷却流路を形成してい
る。
【0011】室RM内では、上壁24に対して平行に、
かつ、わずかな距離を隔てて図5に示す結露水捕捉プレ
ート28がスペーサを兼ねる取付金具29を介して取り
付けられている。同結露水捕捉プレート28は薄板28
a,28bを微少距離だけ隔てて保持するように構成さ
れ、かつ、下側の薄板28bには多数の円形孔が形成さ
れている。また、図6に示す網棚33が支柱16と後壁
26とに支持されて二段に備えられている。さらに、底
については、右半分部分に図7に示す脚付きの網棚34
が置かれ、左半分部分に図8に示す断面コの字形の板棚
35が置かれている。なお、板棚35については真ん中
に孔35aが形成されており、指をかけて取り外し易い
ようにしてある。
【0012】冷却機構50は、図9に示すように、冷媒
を圧縮するコンプレッサ52と、同圧縮された圧縮冷媒
を空冷ファン53による空冷作用の下に凝縮するコンデ
ンサ54と、同凝縮された凝縮冷媒を除湿するドライヤ
55と、同除湿凝縮冷媒を低温低圧の冷媒に変換するキ
ャピラリチューブ56と、同低温低圧冷媒の気化熱によ
り冷却を行なうとともに同気化した冷媒を上記コンプレ
ッサ52に供給する上記エバポレータ51とにより構成
され、エバポレータ51以外は断熱箱10の左方に形成
された補助箱10aに収納されている。また、コンプレ
ッサ52の出力側とエバポレータ51の入力側との間に
はホットガス弁57が介在されており、このホットガス
弁57を開くとコンプレッサ52にて圧縮された高温の
圧縮冷媒がエバポレータ51に供給され、このエバポレ
ータ51を加熱する。なお、ホットガス弁57は通電時
に開き、非通電時に閉じる。
【0013】コンプレッサ52はコンプレッサモータ5
2aと同コンプレッサモータ52aの回転軸心に連結さ
れて駆動される圧縮機構52bとから構成されており、
同コンプレッサモータ(CM)52aは図10に示すよ
うに電気制御回路70によりその駆動を制御されてい
る。同電気制御回路70には、室RM内に配設されて庫
内温度Tを検出する温度センサThが接続されており、
当該電気制御回路70内のCPU71は検出された庫内
温度Tに基づき図11〜図13に示すフローチャートに
対応したプログラムを実行する。同電気制御回路70は
補助箱10a内に収納されており、この電気制御回路7
0には上記温度センサThとコンプレッサモータ52a
(CM)とともに、庫内ファン30a,30bと、この
庫内ファン30a,30bを作動させて解凍を実施させ
る押しボタン式の解凍スイッチSWと、解凍温度を選択
するセレクタ(SL)と、上記冷却機構50の空冷ファ
ン(F)53とホットガス弁(HV)57とが接続され
ている。なお、解凍スイッチSWとセレクタSLとは補
助箱10aの前面に配設されており、また、上記温度セ
ンサThは空気流循環通路W内に配設しても良い。
【0014】次に、上記構成からなる本実施例の動作を
説明する。冷蔵庫を据え付けた後、図示しない電源スイ
ッチを投入すると、CPU71は図11に示すメインプ
ログラムの実行を開始する。CPU71は、まず、ステ
ップ100にて初期設定を行なう。例えば、以降に利用
するフラグや変数に初期値を導入したり、機器の異常の
有無などを検出したりする。初期設定後、CPU71
は、ステップ110にて保存運転を開始する。保存運転
では、室RMの庫内温度Tが保存温度の上限温度T1と
下限温度B1との間で維持されるように冷却機構50の
運転を制御する。例えば、冷却機構50が作動していな
いときに庫内温度Tが上限温度T1より高ければ冷却機
構50を作動させ、逆に、冷却機構50が作動している
ときに庫内温度Tが下限温度B1より低ければ冷却機構
50を停止させる。そして、それ以外のときには現状を
維持させる。冷却時、室RMは外周の空気流循環通路W
を流れる冷気の冷熱で間接的に冷却され、高湿度に保持
されるため、表裏面で温度差の生じる壁面では結露し易
い。特に、上壁24では結露し易いが、結露して滴下す
ると結露水捕捉プレート28の上面に落ちるので後壁2
6の側に流下する。また、結露水捕捉プレート28にお
いて結露した水分は二枚の薄板28a,28bの間にて
捕捉され、低湿度となったときに蒸発する。
【0015】保存運転中は、このようにして庫内温度T
が図14の期間P1に示すように保存温度範囲内で上下
しつつ維持される。保存運転の処理では、当該処理を通
過するごとに上記処理を継続させており、CPU71は
所定の処理の実行を指示してステップ120の解凍ルー
チンを実行する。この解凍ルーチンでは、CPU71
は、ステップ200にて解凍スイッチSWの操作状況を
検出し、同解凍スイッチSWがオンからオフへと変化し
ていたら解凍の開始と判断する。いま、利用者が断熱扉
15a,15bを開き、棚33〜35上に冷凍塊を収容
したとする。断熱扉15a,15bをタイミングaにて
開くと、庫外の温かい空気が侵入するので庫内温度Tは
上昇し、タイミングbにて同断熱扉15a,15bを閉
じたとする。そして、収容した冷凍塊に応じて選択スイ
ッチSLにて解凍温度を選択する。例えば、大きな冷凍
塊であれば、解凍中に温めるくらいが解凍の促進に役立
つため、図14に示すように上限温度T1から下限温度
B1までの保存温度の範囲よりも高い範囲に設定した第
一の解凍温度を選択する。なお、第一の解凍温度は第一
の解凍上限温度TH1から第一の解凍下限温度TL1ま
での範囲となっている。
【0016】CPU71はステップ200にて解凍スイ
ッチSWがオンからオフへと変化したのを検知すると、
ステップ202にて上記選択スイッチSLの選択状況を
検知し、第一の解凍温度を選択しているものと判断する
とステップ204にて変数として用意されている解凍上
限温度TH0に第一の解凍上限温度TH1を設定し、ス
テップ206にて変数として用意されている解凍下限温
度TL0に第一の解凍下限温度TL1を設定する。解凍
上限温度TH0と解凍下限温度TL0を設定したら、ス
テップ207にて解凍促進手段である庫内ファン30
a,30bを作動させる。同庫内ファン30a,30b
は室RM内で図2に示すように排気口41のある左方か
ら右方へと空気を送風し、同空気は冷凍塊の表面に沿っ
て流れるときに熱交換して冷却されつつ同冷凍塊の冷熱
を奪う。冷却された空気は右方に流れていってから下向
きに流れ、底壁25に置かれた網棚34の下に流れ込む
と板棚35の側に引き込まれ、吸入口42からカバー4
0内に入って再度、排気口41から出ていく。なお、排
気口41から送り出された空気は結露水捕捉プレート2
8の上方にも入って右方に流れていくため、同結露水捕
捉プレート28上のスペースはダクトの機能も果たして
いる。
【0017】庫内ファン30a,30bを作動させた
後、CPU71はステップ208にて解凍温度制御ルー
チンを実行する。同解凍温度制御ルーチンでは、図13
に示すように、ステップ400にてタイマ用カウンタを
始動させる。本実施例においては、タイマはタイマ割り
込みにて駆動されるタイマ用カウントルーチンにてソフ
トウェア的に構成してあり、例えば、CPU71はステ
ップ400にてタイマカウント中を表すフラグをセット
するとともに変数として用意されているタイマ用カウン
タの値をクリアすると、所定時間毎に起動されるタイマ
カウント用ルーチンのステップ300では同フラグを参
照してタイマカウント中か否かを判断する。フラグがセ
ットされていればカウント中と判断してステップ302
にてタイマ用カウンタをアップさせるし、カウント中で
なければ何もせずにタイマ用カウントルーチンを終了す
る。従って、フラグがセットされていればタイマ割り込
みが起動される毎にタイマ用カウンタが増進し、計時す
ることができる。
【0018】CPU71はステップ402にて庫内温度
Tが解凍温度範囲内にあるか否かを判断するが、冷凍塊
を収容したときに断熱扉15a,15bを開けたため、
庫内温度Tは上昇しており、図14に示すように解凍温
度範囲を越えている。従って、CPU71はステップ4
04にて庫内温度Tが解凍温度範囲の解凍上限温度TH
0よりも高いか判断し、高いものと判断してステップ4
06にてコンプレッサモータ52aと空冷ファンとを作
動させて冷却を開始する。冷却運転を開始させた後、C
PU71はステップ408にて庫内温度Tが解凍温度範
囲の下限である解凍下限温度TL0よりも低いか否かを
判断し、低くなったらステップ410にて冷却運転を停
止させる。冷却運転と冷凍塊の冷熱とにより、庫内温度
Tは徐々に低下していき、タイミングcにて解凍上限温
度TH0より低くなり、更に、タイミングdにて解凍下
限温度TL0よりも低くなってCPU71は冷却運転を
停止させる。
【0019】冷却運転を終了したら、ステップ412に
てタイマ用カウンタの値を参照し、あらかじめ定めた所
定時間が満了したか否かを判断する。満了していなけれ
ばステップ402に戻り、庫内温度Tが解凍温度範囲内
であるか判断する。ここにおいて、ステップ410を終
了したときならば庫内温度Tは解凍下限温度TL0以下
であり、また、庫内ファン30a,30bが作動してい
ることにより庫内の空気が冷凍塊の表面で冷熱を奪うた
め、庫内温度Tは解凍温度範囲よりも低下していく。従
って、ステップ402では解凍温度範囲外であると判断
され、ステップ404では解凍上限温度以上ではないと
判断し、さらに、ステップ414にて解凍下限温度以下
であると判断してCPUはステップ416にてカウント
を停止させてタイマ用カウンタをクリアし、ステップ4
18にて加温運転を開始させる。なお、カウントを停止
させるためには、例えば上述したフラグをリセットさせ
る。
【0020】加温運転では、CPU71は空冷ファン5
3を止めたままコンプレッサモータ52aに通電してコ
ンプレッサ52を作動させるとともにホットガス弁57
を開く。すると、コンプレッサ52にて圧縮され、高温
となった凝縮冷媒がホットガス弁57を介してエバポレ
ータ51に入り、同エバポレータ51を加熱する。送風
ファン62は加熱されたエバポレータ51に空気流循環
通路W内の空気を送り込むため、空気流循環通路Wの空
気が加温され、室RM内を外周から加温する。なお、空
冷ファン53を止めておくのは、コンデンサ54を通過
する凝縮冷媒の温度低下を防いで効率的にエバポレータ
51を加熱するためである。また、加温運転としては室
RMにヒータを配設しておき、同ヒータに通電して加温
する構成としてもよい。
【0021】このようにして加温を開始した後、CPU
71はステップ420にて庫内温度Tが解凍温度範囲に
入ったか否か判断し、越えるまでこの判断を繰り返す。
加温を開始すると徐々に庫内温度Tは上昇していき、タ
イミングeにて解凍温度範囲の解凍下限温度TL0を越
えたらCPU71はステップ422にて加温運転を停止
する。解凍下限温度TL0を越えた時点で加温を停止さ
せるのは、加温停止直後でもエバポレータ51の余熱と
庫外からの侵入熱によって庫内温度Tが上昇するからで
ある。そして、ステップ422にて加温運転を停止させ
たら、ステップ400に戻り、タイマ用カウンタを再開
させ、ステップ402にて庫内温度Tが解凍温度の範囲
である解凍上限温度TH0と解凍下限温度TL0との間
にあるか否かを判断し、解凍温度の範囲内であれば再度
ステップ412にてタイマが満了したか否かの判断を繰
り返す。
【0022】以後、しばらくの間は庫内温度Tが解凍温
度範囲よりも高くなると冷却運転して庫内温度を下げ、
逆に解凍温度範囲よりも低くなると加温運転を行なうこ
とにより、庫内温度Tが第一の解凍温度範囲内に維持さ
れるように制御する。このような制御を実行していると
きにタイミングfにてタイマが予め設定されているtx
を計時したならばCPU71はタイマ満了と判断して解
凍温度制御ルーチンを終了し、解凍ルーチンにおけるス
テップ209にて解凍促進手段である庫内ファン30
a,30bを停止させ、当該解凍ルーチンを終了させて
メインプログラムに戻り、通常の保存運転を実行する。
【0023】すなわち、大きな冷凍塊のように保存温度
を越えた温度範囲に維持されても品質不良をきたさない
場合には、保存温度範囲よりも高い温度に設定されてい
る第一の解凍温度を選択し、かかる温度範囲を維持して
解凍を効率的に行うようにする。これに対し、例えば、
有頭海老であれば保存温度を越えた時間がわずかでも品
質の劣化を招くので、図14に示すように上限温度T1
から下限温度B1までの保存温度の範囲よりも低い範囲
に設定した第二の解凍温度を選択する。CPU71はス
テップ202にて上記選択スイッチSLの選択状況を検
知し、第二の解凍温度を選択しているものと判断すると
ステップ210にて変数として用意されている解凍上限
温度TH0に第二の解凍上限温度TH2を設定し、ステ
ップ212にて変数として用意されている解凍下限温度
TL0に第二の解凍下限温度TL2を設定する。そし
て、CPU71はステップ207にて解凍促進手段であ
る庫内ファン30a,30bを作動させ、ステップ20
8にて解凍温度制御ルーチンを実行する。
【0024】解凍温度制御ルーチンでは、上述したよう
に、ステップ400にてタイマ用カウンタを始動させ、
当初は庫内温度Tが解凍温度範囲よりも高いので冷却運
転を開始する。タイミングgで解凍温度範囲内となり、
タイミングhにて解凍下限温度TL0以下となると、C
PU71は冷却運転を停止させるが、解凍下限温度TL
0以下となると、上述したようにしてステップ416に
てタイマをクリアするとともにステップ418にて加温
運転を開始し、タイミングiにて庫内温度Tが解凍温度
範囲内に入ったら加温を終了させる。以後、しばらくの
間は庫内温度Tが解凍温度範囲よりも高くなると冷却運
転して庫内温度を下げ、逆に解凍温度範囲よりも低くな
ると加温運転を行なうことにより、庫内温度Tが第二の
解凍温度範囲内に維持されるように制御する。ここにお
いて、第二の解凍温度は保存温度の範囲より低く設定さ
れているので、解凍を短時間で終了させてしまうことは
できないが、有頭海老の冷凍塊が保存温度の範囲よりも
高い温度雰囲気下にさらされてしまうことはない。従っ
て、温度にデリケートな冷凍塊について解凍温度を低め
のものに設定しておくだけで品質の劣化を未然に防止す
ることができる。
【0025】そして、タイミングjにてタイマが予め設
定されているtxを計時したならばCPU71はタイマ
満了と判断して解凍温度制御ルーチンを終了し、解凍ル
ーチンにおけるステップ209にて解凍促進手段である
庫内ファン30a,30bを停止させ、当該解凍ルーチ
ンを終了させてメインプログラムに戻り、通常の保存運
転を実行する。なお、上記実施例においては、解凍温度
範囲として二つの温度範囲を設定してあるだけだが、保
存温度の範囲を選択することができるようにしたり、さ
らに別の温度範囲を選択できるようにしても良い。特
に、本実施例においては解凍温度制御ルーチンの実行前
に解凍上限温度TH0と解凍下限温度TL0の設定を行
い、以後は、この設定値に基づいて温度制御を実施して
いるため、解凍開始後には温度範囲を変更することがで
きない。しかし、選択スイッチSLの選択状況をタイマ
割り込みで定期的に検出し、この検出状況に基づいて解
凍上限温度TH0と解凍下限温度TL0の設定を行うよ
うにすれば、解凍開始後にも温度範囲を変更することが
できる。
【0026】また、上述した実施例においては、CPU
によるソフトウェア制御を利用しているが、同様の制御
をカムタイマTMやオン・オフ式の温度センサを使用し
たシーケンス制御でも実施できる。一方、上述した実施
例においては、収納箱20の外周における空気流循環通
路W内の空気を冷却して間接的に冷却しているが、ブラ
インを使用して収納箱20内を冷却してもよいし、さら
には、間接的な冷却ではなく、エバポレータ51を室R
M内に配設して冷却するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例にかかる冷蔵庫の正面図で
ある。
【図2】 同冷蔵庫の一部破断正面図である。
【図3】 同冷蔵庫の一部破断上面図である。
【図4】 同冷蔵庫の断面図である。
【図5】 結露水捕捉プレートの斜視図である。
【図6】 網棚の斜視図である。
【図7】 脚付きの網棚の斜視図である。
【図8】 板棚の斜視図である。
【図9】 冷却機構の構成を示す図である。
【図10】 電気制御回路のブロック図である。
【図11】 CPUが実行するプログラムに対応したフ
ローチャートである。
【図12】 CPUが実行するプログラムに対応したフ
ローチャートである。
【図13】 CPUが実行するプログラムに対応したフ
ローチャートである。
【図14】 温度制御による温度変化を示す図である。
【符号の説明】
10…断熱箱、20…収納箱、50…冷却機構、57…
ホットガス弁、70…電気制御回路、71…CPU、R
M…室、SL…選択スイッチ、T…庫内温度、TH1…
第一の解凍上限温度、TL1…第一の解凍下限温度、T
H2…第二の解凍上限温度、TL2…第二の解凍下限温
度、Th…温度センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25D 11/00 101 A23L 3/36 A23L 3/365 F25D 23/12 F25D 11/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 間接冷却される収納箱内に解凍用の庫内
    ファンが装備され、この庫内ファンで収納箱内に空気を
    循環させることにより解凍物の解凍を促進し、かつこの
    解凍時に前記収納箱内が所定の目標温度となるように温
    度制御する解凍機能付き冷蔵庫において、 前記目標温度となる複数の解凍温度を設定する温度設定
    手段と、 この温度設定手段にて設定された複数の解凍温度のいず
    れかを選択して前記目標温度とさせる選択手段とを具備
    し、 かつ前記温度設定手段では、前記複数の解凍温度が、当
    該冷蔵庫の通常の保存温度を挟んだ上下に分かれて設定
    可能とされていることを特徴とする解凍機能付き冷蔵
    庫。
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