JP3201619U - 装身具 - Google Patents

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Abstract

【課題】装飾物を揺動するように身に付けることを手軽に実現するための補助具を有する装身具を提供する。【解決手段】装身具は、装飾物と、当該装飾物を揺動可能に支持する補助具とを備えた装身具であって、上記装飾物は、装飾物本体11と、装飾物本体11の背面に固定され、上記背面に略平行な水平軸を持つ水平軸部12を有し、上記補助具は、上記装飾物の背面に位置し、水平軸部12を上記水平軸回りに回転可能に支持する回転支持部22を有し、(1)回転支持部22の下方に設けられ、装飾物本体11の背面に当接する弾性手段23を有すること、または(2)回転支持部22の上方または下方に設けられ、装飾物本体11の背面に支持される弾性手段23を有すること、を特徴とするものである。【選択図】図3

Description

本考案は、宝石等の装飾物を揺動可能に設けた装身具に関するものである。
宝石や金銀等の装飾品は、光を反射することで輝き、見る人を魅了する。そして、装飾品が揺動することで、その輝きに微妙な変化が生じ、さらに美しさが増すため、装飾品が揺動しやすいようにした装身具が提案されている。
例えば、宝石に少なくとも1つの貫通孔が形成され、貫通孔に挿通されると共に装飾具本体に連結されて宝石を装飾具本体に揺動可能に支持する連結部を備えることで、宝石が揺動する装身具が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、ダイヤモンド等が揺動するように、ダイヤモンド等を回転可能に2点で支持するフレームを設けた装身具が提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2007−61336号 特許5424435号
上述の特許文献1および2で提案されている装身具においては、宝石あるいは宝石を支持した装飾体を揺動させるための回転軸を支持するための、宝石を支える台座やフレームを必ず設けなければならず、これらが装身具デザイン上の大きな制限となっていた。
また、使用者が既に保有する装飾物を揺動可能にしたい場合、その保有している装飾品に合せたデザインの台座やフレームをオーダーメードで注文する必要があることと、保有している装飾品に揺動させるための回転軸を設置しなければならず、コストや時間に制約が生じていた。
さらには、正面に位置する看者からみて、装飾体の正面を、宝石が最も美しく見える角度に自由に調整することができなかった。ここで、「装飾体の正面」とは、装飾体の看者に見せようとする側を示しており、特に平面である必要はない。
さらには、装飾体の揺動は、固定軸を基線とした上下方向の揺動に限定されており、左右方向、あるいは上下と左右を組み合わせた方向での揺動は不可能であった。
さらには、装飾体の揺動状態、特に揺動の振幅等を調整することが不可能であった。
本考案の請求項1に係る装身具は、装飾物と、当該装飾物を揺動可能に支持する補助具と、を備えた装身具であって、
上記装飾物は、装飾物本体と、当該装飾物本体の背面に固定され、上記背面に略平行な水平軸を持つ水平軸部を有し、
上記補助具は、当該装飾物の背面に位置し、
上記水平軸部を上記水平軸回りに回転可能に支持する回転支持部と、
上記回転支持部の下方に設けられ、弾性機構を備えた弾性手段と、
を有し、
上記弾性手段は、上記装飾物本体の背面に当接し、且つ上記装飾物本体の背面を押圧することを特徴とする。
本考案の請求項2に係る装身具は、装飾物と、当該装飾物を揺動可能に支持する補助具と、を備えた装身具であって、
上記装飾物は、装飾物本体と、当該装飾物本体の背面に固定され、上記背面に略平行な水平軸を持つ水平軸部を有し、
上記補助具は、当該装飾物の背面に位置し、
上記水平軸部を上記水平軸回りに回転可能に支持する回転支持部と、
上記回転支持部の上方または下方に設けられ、弾性機構を備えた弾性手段と、
を有し、
前記弾性手段は、上記装飾物本体の背面に支持されたことを特徴とする。
本考案の請求項3に係る装身具は、上記弾性手段の上記装飾物背面に対する当接位置または支持位置を変更する位置調整手段を有することを特徴とする。
本考案の請求項4に係る装身具は、上記位置調整手段が、上記当接位置または支持位置を上記装飾物の中心または重心を含む鉛直軸に対して水平方向にずらす手段を有することを特徴とする。
本考案の請求項5に係る装身具は、上記弾性手段をL字形状とすることを特徴とする。
本考案の請求項6に係る装身具は、上記水平軸部の水平軸と上記回転支持部とのクリアランスを水平回転クリアランスとすることを特徴とする。
本考案の請求項7に係る装身具は、上記弾性手段が、上記装飾物本体の背面に遊びを持って支持されることを特徴とする。
本考案の請求項8に係る装身具は、上記弾性手段が、上記装飾物本体の背面と上記補助具との距離を調整する距離調整手段を有することを特徴とする。
本考案の請求項9に係る装身具は、上記弾性機構が、弾性力を調整する機構を有することを特徴とする。
近年においては、市販された装飾物を型どおりに身に付けるだけではなく、様々な工夫により、それぞれの個性を主張することが一般に行われるようになった。装飾物を揺動するように身に付けることは、そういった工夫のひとつと考えられるが、これまでは、装飾物を揺動させることは、誰もが簡単に行えることではなかった。また、正面に位置する看者から見て、装飾体の正面を、宝石が最も美しく見えるように、装飾物本体の位置を自由に変えることもできなかった。さらには、揺動の方向を自由に変えたり、揺動の状態、特に揺動の振幅を自由に変えることもできなかった。本考案は、こういった個性を発揮したいというニーズに応えるべく、考えられたものである。
本考案の装身具は、装飾物本体の背面に揺動機構を設けたことで、補助具をコンパクトにすることが可能となった。これにより、補助具が装飾物本体に隠れて、前方より見えにくくなり、あるいは完全に見えなくなり、したがって、装飾物本体と統一的なデザインにする必要が無いこと、また、正面に位置する看者からみて、装飾物の正面を、宝石が最も美しく見えるように、装飾物本体の位置を自由に変えることができることが大きな長所である。
さらには、装飾体の揺動を、水平軸を回転軸とした上下方向の揺動だけでなく、左右方向、あるいは上下と左右を組み合わせた方向での揺動に自由に調整することもできること、装飾体の揺動状態、特に揺動の振幅を、揺動方向とは任意に自由に調整することができることも大きな長所である。
揺動動作を達成するための具体的な主な構成としては、装飾物本体の背面に設けられた水平軸部と補助具に設けられた回転支持部からなる回転機構、および、補助具に設けられた弾性手段であり、これらの構成は、装飾物本体の背面に容易に設けることができる。すなわち、前述したように、揺動動作を達成するための機構が、前方から視認できなくなることで、装飾物の揺動機構として理想的な揺動機構が実現できる。なぜなら、装飾物はその外観、デザインに本質的な価値を有するため、もし、複雑な揺動機構が前方から視認されるのであれば、装飾物はその価値を失ってしまうことになる。
本考案における装身具は、揺動機構が前方から視認できないため、自由に揺動機構を設計可能であり、したがって、様々な揺動動作や、静止位置の調整等を実現できる。そのため、以下に示す多くの特長が得られる。
まず、第一に、装飾物の揺動を積極的に促し、リズミカルな揺動にすることで、装飾物の輝きをさらに魅力的にすることができる。具体的には、水平方向を回転軸とする上下方向の揺動だけでは無く、鉛直方向を回転軸とする左右方向の揺動も同時に行うことが可能となる。さらに、装飾物の静止位置だけではなく、弾性力を調整することで、揺動の振れ幅や周期等も自由に調整可能である。これらによって、装飾物の輝きの変化をさらに複雑で魅惑的なものとすることができる。
第二に、正面に位置する看者から見て、装飾物、すなわち、宝石等が最も美しく見えるように、装着者が自ら自由に調整することができる。すなわち、装飾物の静止位置(揺動の中立位置)を自由に調整可能であり、具体的には、水平方向を回転軸とする上下方向の角度や、鉛直方向を回転軸とする左右方向の角度を自由に調整可能である。
このように、第一の特長および第二の特長により、装飾物を使用する状況や装着者の気分等に応じて、最適な静止位置の調整や揺動状態の制御を装着者自らが自由に行えるようになった。
第三に、水平方向の回転軸の位置を上下自由に設定することができるようになったため、どのような形状の装飾物にも適切な揺動動作を与えることができる。すなわち、これまでは、装飾物の重心位置よりも上部に水平方向の回転軸を設ける必要があったが、本考案においては、装飾物の重心位置よりも上部でも下部でも、自由に水平方向の回転軸を設けることが可能となった。一般に、装飾物では上部が大きく、下部にいくにしたがって小さくなる形状のものが多い。したがって、重心の位置は装飾物の上端近くに位置することが多く、従来においては、装飾物に適正な揺動を与えることが困難な場合が多かった。一方、本考案においては、どのような形状の装飾物にも容易に対応可能である。
第四に、揺動機構が前方より視認できないことで、装飾物に合ったオーダーメードのデザインを揺動機構に施す必要がなくなり、製造コストの低減や汎用化、装飾物のみならず揺動機構部の既製品化も可能となる。さらには、所有する装飾物を、あとからでも、気軽に揺動する装身具とすることができる。
本考案に係る装身具を構成する部品の(a)上面図と(b)側面図である。 本考案に係る装身具の斜視図であり、(a)は補助具のみの斜視図であり、(b)は装身具全体の斜視図である。 本考案に係る装身具の構成と動作を説明するための図である。 本考案に係る装身具の水平軸部の別の構成を表す図である。 本考案の実施の形態2に係る装身具の構成と動作を説明するための図である。 本考案の実施の形態3に係る装身具の構成と動作を説明するための図である。
本考案の装身具について、以下の実施に形態において、構成、使用方法および特長等を説明する。
なお、以下の説明は本考案に関する良好な一例を開示するものであり、本考案が各実施の形態に限定されるものではない。例えば、各実施の形態において開示する考案品の形状や構造等は、良好な一例を示すに過ぎず、その他の可能性を否定するものでは無い。
実施の形態1.
本考案に係る装身具は、宝石や金銀等に細工を施した装飾物本体を揺動可能にした装身具であり、特にネックレス、ブローチ、ピアス、イヤリング、ブレスレット等への使用に適したものであるが、他の種の装飾物にも本考案を適用することは勿論可能である。
<部品構成>
まず、装身具の構成について、図1を用いて説明する。
図1は、装身具を構成する部品の(a)上面図と(b)側面図である。
装身具は、装飾物1と、この装飾物を揺動可能に支持する補助具2とから構成される。そして、装飾物1は、装飾物本体11と、装飾物本体11の背面に固定され、背面に略平行な水平軸を持つ水平軸部12を有する。また、補助具2は、水平軸部12を水平軸回りに回転可能に支持する回転支持部22と、回転支持部22の下方に設けられ、上記装飾物本体11の背面に当接し、この背面を押圧する弾性手段23を主要な構成要素として有している。
水平軸部12は、本実施の形態においては、T字状の形状であり、装飾物本体11の背面に固定されている。固定方法については、どのような方法であっても良い。また、装飾物本体11の背面に水平軸部12が直接固定されても良いし、台座等を介して固定されても良い。
水平軸部12は、装飾物本体11の背面に略平行な水平軸を有しており、T字の上部が水平軸に相当する。
また、水平軸部12の水平方向の位置を規制するための水平位置規制部12aを設けても良い。
さらに、水平軸部12の水平軸の断面形状は、スムースな揺動を可能にするため、回転支持部22との摩擦抵抗を極力小さくすることが好ましく、このため円形に限定されるものではない。たとえば、下に尖った逆三角形形状や、中央に直線の穴があけられ、その穴に、水平軸部12とつながった軸が通っていて、自由に回転が可能な水平円柱形構造などでも良い。
補助具2は、全体として装飾物本体11と同程度の大きさであっても良いし、より小さな大きさであっても良い。補助具2の大きさは、全体のデザイン性を考慮して、自由に決めることができる。
補助具2の基部21の前面には、回転支持部22が設けられている。この回転支持部22には、水平軸部12の水平軸を挿入可能であり、これにより、装飾物1が、水平軸を回転軸として回転することが可能となる。したがって、回転支持部22の形状は、水平軸を挿入可能であれば、どのような形状であっても良い。ただし、上述したように、水平軸部12の水平軸と回転支持部22との摩擦抵抗は極力小さくすることが好ましく、それを考慮した形状が望ましい。
水平軸部12に設けられた水平位置規制部12aは、回転支持部22に挿入された水平軸部12の横方向位置が大きく動かないように設けられている。水平軸部12の横方向位置は完全に規制する必要は無く、ある程度の動きを可能としても良い。それにより、装飾物本体11を横方向にも揺動させることができる。このため、水平位置規制部12aは必ずしも設置する必要はなく、無くても良い。
なお、水平位置規制部12aは、水平軸上に設ける他に、回転支持部22の外側に突起として設けても良い。したがって、回転支持部22に挿入された水平軸部12の横方向位置を規制できるのであれば、水平軸部12に設けても良いし、補助具2の基部21上に設けても良い。
回転支持部22の下方には、装飾物本体11の背面に当接するように弾性手段23が設けられている。なお、装飾物本体11の背面に台座等が設けられている場合には、弾性手段23はこの台座と当接することになる。したがって、装飾物本体11の背面に当接するとは、実質的に装飾物本体11の背面に当接することを意味する。
弾性手段23には、装飾物本体11の背面を押圧するための、ばね等の弾性機構23aが設けられている。図1においては、弾性機構23aを弾性手段23の先端に設けているが、必ずしも先端でなくても良く、弾性手段23の内側に設けて、弾性手段23の先端が装飾物本体11の背面を押圧できるようにしても良い。
さらに弾性機構23aの弾性体を変えることにより、装飾物本体11の背面を押圧する弾性力を変化させ、装飾物本体11の揺動状態を変化させることができる。たとえば、弾性機構23aの弾性体がばねの場合、ばね定数、ばねの長さや細さを変えることで、装飾物本体11の背面を押圧する弾性力を変化させることができ、これによって、装飾物本体11の揺動状態を、自由に装着者の好みのものに変えることができる。また、数種類の弾性機構23aを有する弾性手段23を提供することによって、装着者が、用途に応じて自由に揺動状態を選択することも可能である。
また、弾性手段23は、装飾物本体11の背面と当接する方向における、装飾体の静止位置、すなわち、装飾物本体11の背面と補助具2との距離を調整する手段である距離調整手段23bを有している。距離調整手段23bの構成としては、例えば、基部21に前面から背面に貫通する雌ねじを切り、弾性手段23をボルトにすれば良い。この構成により、背面からボルトを工具によって回転させてやることで距離の調整が可能となる。あるいは、当接部に雄ネジを切り、基部21の装飾体側から、ネジ込むことも可能であり、この場合は、距離調整手段23bを省略することができる。
さらに、弾性手段23は、直棒形状である必要はなく、たとえばL字形状にして、基部21の装飾体側から、ネシ込むこともできる。この場合の第一の利点は、弾性手段と装飾物本体11との接点の位置を、装飾物本体11の中心位置、あるいは、重心位置の鉛直軸から微妙に水平方向にずらすことによって、装飾体本体の揺動の仕方を、装着者の好みによって変えることができる点にある。この際には、水平軸部12の水平軸と回転支持部22とのクリアランスを大きめに取り、回転支持部22内において、水平軸が鉛直方向を回転軸とした回転が可能となるようにしておく。例えば、1°から10°程度の回転を可能となるようにしておく。このように水平軸が鉛直方向を回転軸とした回転が可能となるクリアランスを、ここでは、水平回転クリアランスと呼ぶ。水平軸部の水平軸と回転支持部とのクリアランスを水平回転クリアランスとすることで、水平方向を回転軸とした揺動だけではなく、鉛直方向を回転軸とした揺動も可能となる。これらの揺動状態は、装着者が装飾物を使用する状況や装着者の気分等に応じて、自由に変えることができる。
さらに、第二の利点は、装着者自身が、正面に位置する看者から見て、装飾体の正面を、宝石が最も美しく見える角度に自由に調整することができる点にある。
L字形状の当接部を用いる代わりに、基部21に、水平方向に並んだ複数の貫通穴を設け、直棒状の弾性手段23の固定位置を変えられるようにしても良いし、L字以外の形状を有する弾性手段を用いても良い。
このように、弾性手段23の形状は目的に応じて自由に変えることができる。また、いくつかの形状、寸法の弾性手段23を提供することにより、装着者が装飾物本体11の揺動の仕方や宝石が正面に位置する看者から見える角度を自由に選択することも可能である。
以上のように、弾性手段23の基部21に対する取付け位置を変更できるようにしたり、弾性手段の形状をL字形状等の形状としたりすることで、弾性手段の装飾物背面に対する当接位置を自由に変更することができる。すなわち、当接位置を自由に変更する位置調整手段を設けることができる。
特に、この位置調整手段として、当接位置を装飾物の中心または重心を含む鉛直軸に対して水平方向にずらす手段を有することで、鉛直方向を回転軸とした揺動が可能となり、また、装飾体の正面を、宝石が最も美しく見える角度に自由に調整することができる。
また、補助具2に、装身具を身体に保持するために用いる保持部24を設けても良い。図1に示すように、基部21の上部にリング状の保持部24を設ければ、そこに紐やチェーンを通すことで、装身具をネックレスとして使用できる。あるいは、基部21の背面にクリップや安全ピン等を保持部24として設けることで、イヤリング、ピアス、ブローチ等として使用できる。
<全体構成>
図2に、装身具の全体構成を示す。図2(a)は補助具2のみの斜視図であり、(b)は装身具全体の斜視図である。このように、補助具2は、全体として装飾物本体11と同程度か、より小さい大きさであるため、前方からは、装飾物本体11に隠れて見えないので、装飾物本体11のデザインとの統一性を気にすることなく、補助具2を自由に設計できる。
<使用方法および動作>
図3を用いて、装身具の使用方法や揺動動作について説明する。
まず、距離調整手段23bを用いて、装飾物本体11の傾きを調整する。例えば、装飾物本体11が真直ぐ鉛直方向になるようにすることも可能であるし、正面に位置する看者から見て、装飾体の正面を、宝石が最も美しく見えるように、装飾物本体11を鉛直方向から角度をつけた静止位置に設定しても良い。また、たとえば、L字形状の弾性手段23を用いて、装飾体の中心あるいは重心より微妙に離れた位置に接点を設け、正面に位置する看者から見て、装飾体の正面を、宝石が最も美しく見えるように、装飾物本体11の静止位置を調整することも可能である。
次に、揺動動作について説明する。重力により、装飾物本体11には、矢印Tで示す方向に回転トルクが生じている。このトルクにより、装飾物本体11の背面は、常に弾性手段23に当接し、弾性手段23の弾性機構23aにより揺動する。この場合、弾性手段23の弾性機構23aの弾性力を変えることで、たとえば、ばねの場合はばね定数などを変えることで、揺動状態、特に揺動の振幅を微妙に調整することができる。
なお、水平軸部12の水平軸を回転支持部22に入れるためには、回転支持部22を取り外し可能とすれば良い。
あるいは、図4に示すように、水平軸部12の代わりに、2本のL字状の屈曲可能な金属等を用いて、水平軸部32としても良い。2本のL字状の屈曲可能な金属を矢印方向に押し縮めながら、回転支持部22に入れてやれば良い。
実施の形態2.
本実施の形態に係る装身具に関し、図5を用いて説明する。
実施の形態1において説明した装身具と異なる点は、弾性手段23が、装飾物本体11の背面に当接するのではなく、支持されていることである。例えば、図5に示すように、装飾物本体11の背面にフック13を設け、このフック13により、ばね等の弾性機構23cの一端が支持されている。
このような構成にすることによっても、実施の形態1と同様の揺動動作が実現できる。
なお、図5に示すように、例えば、ばね等の弾性機構23cの一端を大きめのリングとし、そのリングをフック13に挿入することで、弾性手段23を装飾物本体11の背面に遊びを持って支持されるようにすることができる。これにより、水平方向を回転軸とした揺動だけではなく、鉛直方向を回転軸とした揺動も行いやすくなる。
遊びの大きさとしては、水平軸が鉛直方向を回転軸とした回転が可能となるようにしておく。例えば、1°から10°程度の回転を可能となるようにしておく。
実施の形態3.
本実施の形態に係る装身具に関し、図6を用いて説明する。
実施の形態2において説明した装身具と異なる点は、水平軸部12や回転支持部22から構成される回転機構と、弾性手段23との位置関係が、上下逆転している点である。
このような構成にすることによっても、実施の形態1及び2と同様の揺動動作が実現できる。
なお、実施の形態2と同様に、図6に示すように、例えば、ばね等の弾性機構23dの一端を大きめのリングとし、そのリングをフック13に挿入することで、弾性手段23を装飾物本体11の背面に遊びを持って支持されるようにすることができる。これにより、水平方向を回転軸とした揺動だけではなく、鉛直方向を回転軸とした揺動も行いやすくなる。
遊びの大きさとしては、水平軸が鉛直方向を回転軸とした回転が可能となるようにしておく。例えば、1°から10°程度の回転を可能となるようにしておく。
さらには、ばね等の弾性機構23dの一端を、弾性機構23の軸方向に大きめの、あるいは小さめのリングとし、そのリングをフック13に挿入することで、正面に位置する看者から見た装飾物本体11の、静止状態での角度を自由に調整することもできる。
実施の形態2および3より、回転支持部の上方または下方に弾性機構を備えた弾性手段を設け、この弾性手段が装飾物本体の背面に支持されることで、回転支持部の位置を、装飾物の重心位置によらず、自由に設定可能となる。したがって、どのような形状の装飾物にも容易に対応できる。
<本考案の特長>
近年においては、市販された装飾物を型どおりに身に付けるだけではなく、様々な工夫により、それぞれの個性を主張することが一般に行われるようになった。装飾物を揺動するように身に付けることは、そういった工夫のひとつと考えられるが、これまでは、装飾物を揺動させることは、誰もが簡単に行えることではなかった。また、正面に位置する看者から見て、装飾体の正面を、宝石が最も美しく見えるように、装飾物本体の位置を自由に変えることもできなかった。さらには、揺動の方向を自由に変えたり、揺動の状態、特に揺動の振幅を自由に変えることもできなかった。本考案は、こういった個性を発揮したいというニーズに応えるべく、考えられたものである。
本考案の装身具は、装飾物本体の背面に揺動機構を設けたことで、補助具をコンパクトにすることが可能となった。これにより、補助具が装飾物本体に隠れて、前方より見えにくくなり、あるいは完全に見えなくなり、したがって、装飾物本体と統一的なデザインにする必要が無いこと、また、正面に位置する看者からみて、装飾物の正面を、宝石が最も美しく見えるように、装飾物本体の位置を自由に変えることができることが大きな長所である。
さらには、装飾体の揺動を、水平軸を回転軸とした上下方向の揺動だけでなく、左右方向、あるいは上下と左右を組み合わせた方向での揺動に自由に調整することもできること、装飾体の揺動状態、特に揺動の振幅を、揺動方向とは任意に自由に調整することができることも大きな長所である。
揺動動作を達成するための具体的な主な構成としては、装飾物本体の背面に設けられた水平軸部と補助具に設けられた回転支持部からなる回転機構、および、補助具に設けられた弾性手段であり、これらの構成は、装飾物本体の背面に容易に設けることができる。すなわち、前述したように、揺動動作を達成するための機構が、前方から視認できなくなることで、装飾物の揺動機構として理想的な揺動機構が実現できる。なぜなら、装飾物はその外観、デザインに本質的な価値を有するため、もし、複雑な揺動機構が前方から視認されるのであれば、装飾物はその価値を失ってしまうことになる。
本考案における装身具は、揺動機構が前方から視認できないため、自由に揺動機構を設計可能であり、したがって、様々な揺動動作や、静止位置の調整等を実現できる。そのため、以下に示す多くの特長が得られる。
まず、第一に、装飾物の揺動を積極的に促し、リズミカルな揺動にすることで、装飾物の輝きをさらに魅力的にすることができる。具体的には、水平方向を回転軸とする上下方向の揺動だけでは無く、鉛直方向を回転軸とする左右方向の揺動も同時に行うことが可能となる。さらに、装飾物の静止位置だけではなく、弾性力を調整することで、揺動の振れ幅や周期等も自由に調整可能である。これらによって、装飾物の輝きの変化をさらに複雑で魅惑的なものとすることができる。
第二に、正面に位置する看者から見て、装飾物、すなわち、宝石等が最も美しく見えるように、装着者が自ら自由に調整することができる。すなわち、装飾物の静止位置(揺動の中立位置)を調整可能であり、具体的には、水平方向を回転軸とする上下方向の角度や、鉛直方向を回転軸とする左右方向の角度を調整可能である。
このように、第一の特長および第二の特長により、装飾物を使用する状況や装着者の気分等に応じて、最適な静止位置の調整や揺動状態の制御を装着者自らが自由に行えるようになった。
第三に、水平方向の回転軸の位置を上下自由に設定することができるようになったため、どのような形状の装飾物にも適切な揺動動作を与えることができる。すなわち、これまでは、装飾物の重心位置(図3、図5、および図6に点線Aで示す位置)よりも上部に水平方向の回転軸を設ける必要があったが、本考案においては、装飾物の重心位置よりも上部でも下部でも、自由に水平方向の回転軸を設けることが可能となった。一般に、装飾物では上部が大きく、下部にいくにしたがって小さくなる形状のものが多い。したがって、重心の位置は装飾物の上端近くに位置することが多く、従来においては、装飾物に適正な揺動を与えることが困難な場合が多かった。一方、本考案においては、どのような形状の装飾物にも容易に対応可能である。
第四に、揺動機構が前方より視認できないことで、装飾物に合ったオーダーメードのデザインを揺動機構に施す必要がなくなり、製造コストの低減や汎用化、装飾物のみならず揺動機構部の既製品化も可能となる。さらには、所有する装飾物を、あとからでも、気軽に揺動する装身具とすることができる。
1、3 装飾物
11 装飾物本体
12、32 水平軸部
12a 水平位置規制部
2 補助具
21 基部
22 回転支持部
23 弾性手段
23a、23c、23d 弾性機構
23b 距離調整手段
24 保持部

Claims (9)

  1. 装飾物と、当該装飾物を揺動可能に支持する補助具と、を備えた装身具であって、
    上記装飾物は、装飾物本体と、当該装飾物本体の背面に固定され、上記背面に略平行な水平軸を持つ水平軸部を有し、
    上記補助具は、当該装飾物の背面に位置し、
    上記水平軸部を上記水平軸回りに回転可能に支持する回転支持部と、
    上記回転支持部の下方に設けられ、弾性機構を備えた弾性手段と、
    を有し、
    上記弾性手段は、上記装飾物本体の背面に当接し、且つ上記装飾物本体の背面を押圧する
    ことを特徴とする装身具。
  2. 装飾物と、当該装飾物を揺動可能に支持する補助具と、を備えた装身具であって、
    上記装飾物は、装飾物本体と、当該装飾物本体の背面に固定され、上記背面に略平行な水平軸を持つ水平軸部を有し、
    上記補助具は、当該装飾物の背面に位置し、
    上記水平軸部を上記水平軸回りに回転可能に支持する回転支持部と、
    上記回転支持部の上方または下方に設けられ、弾性機構を備えた弾性手段と、
    を有し、
    上記弾性手段は、上記装飾物本体の背面に支持された
    ことを特徴とする装身具。
  3. 上記弾性手段の上記装飾物背面に対する当接位置または支持位置を変更する位置調整手段を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の装身具。
  4. 上記位置調整手段は、上記当接位置または支持位置を上記装飾物の中心または重心を含む鉛直軸に対して水平方向にずらす手段を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の装身具。
  5. 上記弾性手段をL字形状とする
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の装身具。
  6. 上記水平軸部の水平軸と上記回転支持部とのクリアランスを水平回転クリアランスとする
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の装身具。
  7. 上記弾性手段は、上記装飾物本体の背面に遊びを持って支持される
    ことを特徴とする請求項2に記載の装身具。
  8. 上記弾性手段が、上記装飾物本体の背面と上記補助具との距離を調整する距離調整手段を有する
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の装身具。
  9. 上記弾性機構が、弾性力を調整する機構を有する
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の装身具。
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