JP3201307B2 - 弦楽器奏法入力装置 - Google Patents

弦楽器奏法入力装置

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JP3201307B2
JP3201307B2 JP10679497A JP10679497A JP3201307B2 JP 3201307 B2 JP3201307 B2 JP 3201307B2 JP 10679497 A JP10679497 A JP 10679497A JP 10679497 A JP10679497 A JP 10679497A JP 3201307 B2 JP3201307 B2 JP 3201307B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弦楽器特有の奏法
を簡単に入力することが可能な弦楽器奏法入力装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、弦楽器特有の奏法を入力する装
置、たとえばギター特有の奏法であるスライドやチョー
キング等を入力する装置として、次のものが知られてい
る。
【0003】1)入力すべき奏法により生成される、ま
たは生成が予想されるピッチ変化の推移を、ユーザがマ
ウス等のポインチングデバイスを用いて表示装置上に描
画すると、このピッチ変化の推移と同様のピッチ変化と
なるような楽音情報(ピッチベンドデータ)を生成し
て、音源回路に出力して発音したり、演奏情報としてメ
モリに記憶したりする装置。
【0004】2)予めメモリに記憶された複数のピッチ
変化の推移(たとえば線形変化や曲線変化)が表示装置
上に表示され、その中からユーザが選択したピッチ変化
の推移を、たとえばドラッグ&ドロップにより表示装置
上の所定領域に貼り付け、必要があればその形状やスケ
ール等を変更すると、この表示されたピッチ変化の推移
に基づいて、上記1)の装置と同様に、ピッチベンドデ
ータを生成して、音源回路に出力して発音したり、演奏
情報としてメモリに記憶したりする装置。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の弦楽器奏法入力装置のうち1)の装置では、奏法に
一致するピッチ変化の推移を描画することは非常に困難
であり、2)の装置でも、多少描画をし易くなったもの
の、奏法に正確に一致するピッチ変化の推移を描画する
ことは依然として困難であった。
【0006】また、入力する奏法に応じてピッチベンド
センシティビティ(ピッチの変化範囲)を変更する必要
があるが、上記1)および2)の装置では、入力する奏
法を変更する度に、その奏法に応じたピッチベンドセン
シティビティ(たとえば、スライド奏法ではピッチ変化
が激しいため、2オクターブ程度とする一方、チョーキ
ング奏法ではピッチ変化があまり激しくないため、2半
音程度とする)をユーザがマニュアルで変更していたた
め、手間がかかっていた。
【0007】本発明は、上記点に鑑みてなされたもの
で、弦楽器特有の奏法を簡単に入力することが可能な弦
楽器奏法入力装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、弦楽器のフィンガーボードを表示する表示手
段と、該表示されたフィンガーボード上の始点となる
置を入力する入力手段と、該表示されたフィンガーボー
ド上で、前記入力された始点となる位置からの移動を指
示する指示手段と、前記入力された始点となる位置から
前記指示された移動位置までの移動距離および方向を計
測する計測手段と、該計測された移動距離および方向に
基づいて演奏情報を生成する演奏情報生成手段とを有す
ることを特徴とする。
【0009】これにより、入力手段により、表示された
フィンガーボード上の始点となる位置を入力し、指示手
段により、所望の方向に移動させるだけで、前記入力さ
れた始点となる位置から前記指示された移動位置までの
移動距離および方向に応じた演奏情報が生成されるの
で、弦楽器特有の奏法を簡単に入力することができる。
【0010】また、好ましくは、前記表示手段は、前記
指示された移動位置の動きに応じて表示態様を変更して
表示することを特徴とする。
【0011】これにより、指示された移動位置の動き、
すなわち入力する奏法に応じて表示態様が変更されるの
で、具体的には、たとえば、本発明をギターに適用し、
奏法としてチョーキングを入力するときには、弦が撓ん
で表示されるので、ユーザは、自分が今どの奏法を入力
しているかを視覚的に把握することができ、したがっ
て、奏法入力をより的確に行うことができる。
【0012】さらに、好ましくは、前記入力された始点
となる位置に対応する音高の楽音を発音する発音手段を
有し、前記演奏情報生成手段は、前記演奏情報として音
高情報を生成し、前記発音手段は、発音中の楽音の音高
を該生成された音高情報に応じて変化させることを特徴
とする。
【0013】これにより、発音中の楽音の音高、演奏
情報生成手段により生成された音高情報に応じて変化す
るので、ユーザは、自分が今どの奏法を入力しているか
を聴覚的に把握することができ、奏法入力をより的確に
行うことができる。
【0014】また、さらに、好ましくは、ピッチベンド
センシティビティを可変設定可能なピッチベンドセンシ
ティビティ設定手段と、前記計測手段により計測され
向に基づいてピッチベンドセンシティビティを生成す
るピッチベンドセンシティビティ生成手段とを有し、前
記ピッチベンドセンシティビティ設定手段は、設定中の
ピッチベンドセンシティビティを該生成されたピッチベ
ンドセンシティビティに設定変更することを特徴とす
る。
【0015】これにより、設定中のピッチベンドセンシ
ティビティが、ピッチベンドセンシティビティ生成手段
により生成されたピッチベンドセンシティビティに設定
変更されるので、ユーザは奏法に応じてピッチベンドセ
ンシティビティを変更する必要がなくなり、入力操作を
さらに容易に行うことができる。ユーザが初心者のとき
には、この効果は特に有効になる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の実施の一形態に係る弦楽
器奏法入力装置の概略構成を示すブロック図である。
【0018】同図に示すように、本実施の形態の弦楽器
奏法入力装置は、位置情報を入力するためのポインチン
グデバイスであるマウス1と、各種情報を入力するため
の複数のスイッチを備えたパネルスイッチ2と、マウス
1の操作状態を検出する操作状態検出回路3と、パネル
スイッチ2の各スイッチの押下状態を検出するスイッチ
検出回路4と、装置全体の制御を司るCPU5と、該C
PU5が実行する制御プログラムやテーブルデータ等を
記憶するROM6と、演奏データ、各種入力情報および
演算結果等を一時的に記憶するRAM7と、タイマ割込
み処理における割込み時間や各種時間を計時するタイマ
8と、各種情報等を表示する、たとえば大型液晶ディス
プレイ(LCD)若しくはCRT(Cathode Ray Tube)
ディスプレイおよび発光ダイオード(LED)等を備え
た表示装置9と、記憶媒体であるフロッピディスク(F
D)20をドライブするフロッピディスクドライブ(F
DD)10と、前記制御プログラムを含む各種アプリケ
ーションプログラムや各種データ等を記憶するハードデ
ィスク(図示せず)をドライブするハードディスクドラ
イブ(HDD)11と、前記制御プログラムを含む各種
アプリケーションプログラムや各種データ等を記憶する
コンパクトディスク−リード・オンリ・メモリ(CD−
ROM)21をドライブするCD−ROMドライブ(C
D−ROMD)12と、外部からのMIDI(Musical
Instrument Digital Interface)信号を入力したり、M
IDI信号として外部に出力したりするMIDIインタ
ーフェース(I/F)13と、通信ネットワーク101
を介して、たとえばサーバコンピュータ102とデータ
の送受信を行う通信インターフェース(I/F)14
と、マウス1を用いて入力された演奏情報や予め設定さ
れた演奏情報等に基づいて生成された演奏データを楽音
信号に変換する音源回路15と、該音源回路15からの
楽音信号に各種効果を付与するための効果回路16と、
該効果回路16からの楽音信号を音響に変換する、たと
えばアンプやスピーカ等のサウンドシステム17とによ
り構成されている。
【0019】上記構成要素3〜16は、バス18を介し
て相互に接続され、CPU5にはタイマ8が接続され、
MIDII/F13には他のMIDI機器100が接続
され、通信I/F14には通信ネットワーク101が接
続され、音源回路15には効果回路16が接続され、効
果回路16にはサウンドシステム17が接続されてい
る。
【0020】HDD11のハードディスクには、前述の
ように、CPU5が実行する制御プログラムも記憶で
き、ROM6に制御プログラムが記憶されていない場合
には、このハードディスクに制御プログラムを記憶させ
ておき、それをRAM7に読み込むことにより、ROM
6に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作を
CPU5にさせることができる。このようにすると、制
御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行え
る。
【0021】CD−ROMドライブ12のCD−ROM
21から読み出された制御プログラムや各種データは、
HDD11内のハードディスクにストアされる。これに
より、制御プログラムの新規インストールやバージョン
アップ等が容易に行える。なお、このCD−ROMドラ
イブ12以外にも、外部記憶装置として、光磁気ディス
ク(MO)装置等、様々な形態のメディアを利用するた
めの装置を設けるようにしてもよい。
【0022】通信I/F14は、上述のように、たとえ
ばLAN(Local Area Network)やインターネット、電
話回線等の通信ネットワーク101に接続されており、
該通信ネットワーク101を介して、サーバコンピュー
タ102に接続される。HDD11内のハードディスク
に上記各プログラムや各種パラメータが記憶されていな
い場合には、通信I/F14は、サーバコンピュータ1
02からプログラムやパラメータをダウンロードするた
めに用いられる。クライアントとなるコンピュータ(本
実施の形態では、弦楽器奏法入力装置)は、通信I/F
14および通信ネットワーク101を介してサーバコン
ピュータ102へとプログラムやパラメータのダウンロ
ードを要求するコマンドを送信する。サーバコンピュー
タ102は、このコマンドを受け、要求されたプログラ
ムやパラメータを、通信ネットワーク101を介してコ
ンピュータへと配信し、コンピュータが通信I/F14
を介して、これらプログラムやパラメータを受信してH
DD11内のハードディスクに蓄積することにより、ダ
ウンロードが完了する。
【0023】この他、外部コンピュータ等との間で直接
データのやりとりを行うためのインターフェースを備え
てもよい。
【0024】図2は、操作モードとして演奏情報入力モ
ードが選択されたときに、前記表示装置9に表示された
表示の一例を示す図であり、(a)は、演奏情報を入力
する前の状態を示す図であり、(b)は、演奏情報を入
力しているときの状態を示す図である。
【0025】本実施の形態では、演奏情報を入力する弦
楽器として、たとえばギターを使用し、スライドやチョ
ーキング等のギター特有の奏法に対応する演奏情報を入
力できるように構成されているため、(a)では、ギタ
ーのネック30の一部が表示されている。同図中、複数
個の縦バーfはフレットを示し、6本の横バーs1〜s
6は、それぞれ第1弦乃至第6弦を示し、ドット“●”
はポジションマークを示し、矢印“↑”はマウスカーソ
ルcを示している。
【0026】同図(b)では、チョーキング奏法を入力
しているときの状態が表示され、マウスカーソルcを、
チョーキングしたい楽音の位置(図示例では、第3弦s
3のフレットfk近傍)に合わせてクリックすると、そ
の楽音を発生させる演奏情報が生成され、音源回路15
に送出されて発音され、その位置からマウスカーソルc
をドラッグして上方向または下方向に移動させる(図示
例では、第5弦s5の位置まで移動させている)と、弦
は、そのマウスカーソルcの動き、すなわちチョーキン
グに応じて変形されるとともに、この弦の変形に一致す
るピッチベンドデータが音源回路15に送出されて、チ
ョーキング奏法を行ったときのように、発音中の楽音の
ピッチが変化する。
【0027】なお、弦の変形と同時に、マウスカーソル
cの移動軌跡を表示するようにしてもよい。
【0028】以上のように構成された弦楽器奏法入力装
置が実行する制御処理を、以下、図3〜8を参照して説
明する。
【0029】図3は、本実施の形態の弦楽器奏法入力装
置、特にCPU5が実行するメインルーチンの手順を示
すフローチャートである。
【0030】同図において、まず、たとえばRAM7の
クリアや各種ポートのクリア等の初期設定を行う(ステ
ップS1)。なお、RAM7のクリアには、各種フラグ
のリセット(“0”)も含まれている。したがって、ス
テップS17で後述する処理完了フラグFCOMPの初
期リセットもここで行われる。
【0031】次に、前記図2で説明したチョーキングの
入力を含む演奏情報入力処理サブルーチン(その詳細は
図4〜6を用いて後述する)を実行し(ステップS
2)、前記パネルスイッチ2のスイッチイベントに応じ
て、たとえば音色変更を行う等のその他処理を実行した
(ステップS3)後に、前記ステップS2に戻って、以
下、ステップS2およびS3の処理を繰り返す。
【0032】図4〜6は、上記演奏情報入力処理サブル
ーチンの詳細な手順を示すフローチャートである。
【0033】図4において、まず、ユーザがマウス1を
操作したか否かを判別し(ステップS11)、マウス1
を操作していないときには、直ちに本演奏情報入力処理
を終了する一方、マウス1を操作したときには、マウス
1で指定された位置に対応するノートナンバおよびノー
トオンを音源回路15に送信する(ステップS12)。
【0034】次に、ステップS12で指定された位置の
x,y軸座標(前記図2(a)参照)を、それぞれ初期
値x0,y0として前記RAM7のワークエリアに記憶
し(ステップS13)、20msec経過したか否かを
判別する(ステップS14)。
【0035】ステップS14で、20msec経過しな
いときには、20msec経過するまで待機する。この
ように、本演奏情報入力処理、すなわちメインルーチン
処理を20msec毎に行うようにした主な理由は、処
理時間を一定に保持するためと、マウスカーソルcが移
動する速さよりメインルーチンを1回回る速さの方が非
常に速くなって、同一データを何度も音源回路15に送
出することを防止するためである。
【0036】一方、ステップS14で、20msec経
過したときには、20msecタイマをセットしてスタ
ートさせる(ステップS15)。ここで、20msec
タイマは、RAM7のワークエリアに確保されたタイマ
領域を用いて、ソフトウェアによりカウント(たとえば
ダウンカウント)し、計時を行うものであり、このカウ
ントは、たとえば5msec毎に発生するタイマ割込み
処理(図示せず)中で行う。したがって、この場合に、
20msecタイマのセットとは、“4”をタイマ領域
に格納することを意味する。また、このタイマ割込み処
理では、音源回路15に送信された演奏情報(ノートナ
ンバ、ノートオン/オフ、ピッチベンドデータ等)に応
じて発音チャンネルを確保したり、音高を変更したりす
る等の発音処理も行われ、これにより、音源回路15は
実際に楽音信号を生成して効果回路16に出力する。
【0037】続くステップS16では、ユーザがマウス
1の操作を終了したか否かを判別し、終了したときに
は、後述するステップS24〜S31の処理を一度行っ
たことを“1”で示す処理完了フラグFCOMPをリセ
ットし(ステップS17)、現在発音中の楽音のノート
ナンバおよびノートオフ等を音源回路15に送信するノ
ートオフ処理を行う(ステップS18)。
【0038】なお、本実施の形態では、マウス1の操作
が終了すると直ちにノートオフ処理を行うようにした
が、これに限らず、マウス1の操作終了後所定時間経過
してからノートオフ処理を行うようにしてもよい。これ
により、楽音の余韻を表現することができ、より自然な
演奏情報入力を行うことができる。
【0039】そして、ユーザが本演奏情報入力処理の終
了を指示した否かを判別し(ステップS19)、ユーザ
が終了を指示したときには、本演奏情報入力処理を終了
する一方、ユーザが終了を指示しないときには、前記ス
テップS11に戻る。
【0040】一方、前記ステップS16で、ユーザがマ
ウス1の操作を終了せずに、ドラッグしてマウスカーソ
ルcを動かしたときには、このマウスカーソルcが指示
する現在位置のx,y座標x1,y1を検出し(図5の
ステップS20)、次式により、前記初期値x0,y0
からの移動距離Δx,Δyを算出する(ステップS2
1)。
【0041】Δx=x1−x0 Δy=y1−y0 続くステップS22では、前記処理完了フラグFCOM
Pが“0”か否かを判別し、FCOMP=0のとき、す
なわち次に説明するステップS24〜S31の処理をま
だ一度も行っていないときには、処理完了フラグFCO
MPをセット(“1”)し(ステップS23)、前記x
座標の移動距離Δxの絶対値|Δx|が前記y座標の移
動距離Δyの絶対値|Δy|より大きいか否かを判別す
る(ステップS24)。
【0042】ステップS24で、|Δx|>|Δy|の
とき、すなわちマウスカーソルcの移動方向がx軸寄り
のときには、ユーザはスライド奏法を入力したものとし
て、スライド奏法が入力されたことを“0”で示し、チ
ョーキング奏法が入力されたことを“1”で示す奏法フ
ラグFTYPEをリセットし(ステップS25)、初期
値x0に対応するフレット番号を、図7に示すx(x軸
方向の位置)−フレット番号テーブルを参照して求め、
初期フレット番号f0としてRAM7のワークエリアに
記憶する(ステップS26)。
【0043】ここで、フレット番号とは、前記図2
(a)において、y軸を0としてx軸の正方向のフレッ
トに順次付与した番号をいい、本実施の形態では、フレ
ットは全部で22個あるため、各フレットには1から2
2までの整数が付与されている。
【0044】続くステップS27では、ステップS34
を用いて後述する移動フレット数Δfの前回値Δfpを
リセットし、ステップS28では、ピッチベンドセンシ
ティビティ(ピッチの変化範囲)を1オクターブにして
音源回路15に送信した後に、図6のステップS32に
進む。
【0045】一方、前記ステップS24で、|Δx|≦
|Δy|のとき、すなわちマウスカーソルcの移動方向
がy軸寄りのときには、ユーザはチョーキング奏法を入
力したものとして、奏法フラグFTYPEをセットし
(ステップS29)、音源回路15に送信するピッチベ
ンドデータpitchの前回値pitchpをリセット
し(ステップS30)、ピッチベンドセンシティビティ
を2半音にして音源回路15に送信した後に、図6のス
テップS32に進む。
【0046】一方、前記ステップS22で、FCOMP
=1、すなわち、既に一度ステップS24〜S31の処
理を行っているときには、ステップS23〜S31をス
キップして、図6のステップS32に進む。
【0047】このように、本実施の形態では、処理完了
フラグFCOMPを採用して、最初の一度だけ、移動距
離Δx,Δyの大きい方を判別し、その軸方向の音高の
みを変更しているが、この判別処理を、キーオンからキ
ーオフまでのすべてのマウス1の動きに適用し、斜め方
向のマウス1の動きを規制するようにしてもよい。
【0048】ステップS32では、奏法フラグFTYP
Eの値が“0”であるか否かを判別し、FTYPE=0
のとき、すなわちスライド奏法が入力されたときには、
マウスカーソルcが指示する現在位置のx座標x1に対
応するフレット番号を、前記図7のx−フレット番号テ
ーブルを参照して求め、RAM7のワークエリアにフレ
ット番号f1として記憶する。
【0049】続くステップS34では、次式により、移
動フレット数Δfを算出する。
【0050】Δf=f1−f0 そして、移動フレット数Δfがその前回値Δfpに等し
いか否かを判別し(ステップS35)、Δf≠Δfpの
ときには、次式により、音源回路15に送信すべきピッ
チベンドデータpitchを算出する(ステップS3
6)。
【0051】pitch=Δf×682 ここで、“682”は半音を示している。このように、
ピッチベンドデータpitchを半音毎に変化させるよ
うにしたのは、フレットfを有するギターの場合、スラ
イド奏法を行うとピッチは半音毎に変化するからであ
る。なお、“682”が半音を意味するのは、次の理由
による。
【0052】すなわち、ステップS36に処理が移行す
るときは、奏法フラグFTYPEが“0”、すなわちユ
ーザがスライド奏法を入力したときであるため、ピッチ
ベンドセンシティビティとしては、前述のように、1オ
クターブ(=12半音)が設定されている。そして、本
実施の形態では、ピッチベンドデータは14ビットデー
タ(10進数で表現した場合には、−8,192〜8,1
91)を採るように構成したので、8,191/12≒
682は半音に相当する。
【0053】一方、ピッチベンドセンシティビティに、
1オクターブでなく、たとえば2半音が設定されている
ときには、“4,096”が半音に相当する。このよう
に、ピッチベンドセンシティビティとは、ピッチベンド
データの感度を意味している。
【0054】次に、このピッチベンドデータpitch
を音源回路15に送信し(ステップS37)、移動フレ
ット数の前回値Δfpを、ステップS34で算出した今
回値Δfで更新した後に、前記図4のステップS14に
戻る。
【0055】一方、ステップS35で、Δf=Δfpの
ときには、何もせずにステップS14に戻る。
【0056】一方、前記ステップS32で、FTYPE
=1のとき、すなわちチョーキング奏法が入力されたと
きには、前記ステップS21で算出したy軸方向の移動
距離Δyの絶対値|Δy|に対応するピッチベンドデー
タを、図8に示すΔy−ピッチテーブルを参照して求
め、RAM7のワークエリアにピッチベンドデータpi
tchとして記憶する(ステップS39)。
【0057】続くステップS40では、ピッチベンドデ
ータpitchがその前回値pitchpに等しいか否
かを判別し、pitch≠pitchpのときには、ピ
ッチベンドデータpitchを音源回路15に送信し
(ステップS41)、前回値pitchpを今回値pi
tchによって更新した後に、前記図4のステップS1
4に戻る一方、pitch=pitchpのときには、
何もせずにステップS14に戻る。
【0058】以上説明したように、本実施の形態では、
ギター特有の奏法を入力するときには、その奏法を実際
にギター上で行うように、表示装置9上に表示されたギ
ターのネック30をマウスカーソルcでなぞるだけで入
力するように構成したので、ギター特有の奏法を簡単に
入力することができる。
【0059】また、マウスカーソルcの動きに合わせて
ギターの弦の表示が変化するとともに楽音も変化するの
で、ユーザは、自分が今どの奏法を入力しているかを視
覚的・聴覚的に確認することができる。
【0060】さらに、入力する奏法の種類に応じてピッ
チベンドセンシティビティを自動的に変更するようにし
たので、ユーザは奏法に応じてピッチベンドセンシティ
ビティを変更する必要がなくなり、入力操作を容易に行
うことができる。ユーザが初心者のときには、この効果
は特に有効になる。
【0061】なお、本実施の形態では、ピッチベンドセ
ンシティビティは、スライド奏法を入力するときには1
オクターブに設定され、チョーキング奏法を入力すると
きには2半音に設定されるが、設定値はこれに限る必要
はないことは云うまでもない。
【0062】また、本実施の形態では、スライド奏法と
チョーキング奏法のいずれか一方のみを独立して入力す
るようにしたが、両者を続けて入力できるようにしても
よい。すなわち、スライド奏法後のチョーキング奏法お
よびその逆のチョーキング奏法後のスライド奏法を入力
できるようにしてもよい。具体的には、最初の奏法が入
力されているときには、最初の奏法に対応する前記方法
により音高を変化させ、その奏法の入力(マウスカーソ
ルcの動き)が停止され、次の奏法の入力が開始された
時点で、次の奏法に対応する前記方法により音高を変化
させる。このとき、次の奏法による音高の変化は、最初
の奏法による最後の音高を基準として行うようにする。
【0063】また、本実施の形態では、マウスカーソル
cの動きを何の加工もせずにそのまま検出し、この検出
値に基づいてピッチベンドデータを生成するようにした
が、これに限らず、マウスカーソルcの動きをフィルタ
リングし、そのフィルタリング結果に基づいてピッチベ
ンドデータを生成するようにしてもよい。これにより、
特にチョーキング奏法を入力するときには、滑らかに変
化するピッチベンドデータを生成することができる。
【0064】さらに、本実施の形態では、生成したピッ
チベンドデータに応じて発音中の楽音の音高を変化させ
るようにしたが、これとともに、またはこれに代えて、
生成したピッチベンドデータ、キーオン/オフまたはピ
ッチベンドセンシティビティデータ等を、各イベントが
発生した時間データとともに、RAM7に記憶するよう
にしてもよい。
【0065】また、本実施の形態では、弦楽器としてギ
ターを例に挙げて説明したが、これに限らず、たとえば
ベースやバイオリン等の他の弦楽器に本発明を適用する
ようにしてもよい。
【0066】なお、本実施の形態では、ポインチングデ
バイスとして、マウス1を例に挙げて説明したが、これ
に限る必要はなく、たとえば、トラックボールやタブレ
ット+ペン等ポインチングデバイスの種類は問わない。
ポインチングデバイスとして、タブレット+ペンを採用
し、ペンが筆圧検出タイプのものであるときには、筆圧
に応じてベロシティを変更できるようにしてもよい。
【0067】また、開放弦の位置でマウス1を操作して
もピッチベンドデータが変化しないようにしてもよい。
【0068】さらに、フレットを通常と異なるマウス操
作、たとえば、マウス1に2つボタンがあるときには、
通常左側のボタンのみを使用するが、この場合の右ボタ
ンのクリックを行ったときに、ハーモニクスの音色に切
り換えて発音するようにしてもよい。このとき、第5フ
レット、第7フレット、第12フレット等のハーモニク
スが発生し易いフレットをマウス操作したしたときの
み、ハーモニクスの音色に切り換えて発音するようにし
てもよい。その他のハーモニクス音が発生し難いフレッ
トの場合に、ミュート音色に切り換えて発音するように
してもよい。
【0069】なお、本実施の形態では、本発明を弦楽器
奏法入力装置の形態で構成したが、これに限らず、パー
ソナルコンピュータとアプリケーションプログラムの形
態で構成することもできる。このアプリケーションプロ
グラムは、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等
の記憶媒体に記憶させ、パーソナルコンピュータに供給
するようにしてもよいし、ネットワークを介して供給す
るようにしてもよい。
【0070】また、本実施の形態では、図1に示すよう
に、本発明を音源装置(音源回路12、効果回路13お
よびサウンドシステム14)および弦楽器奏法入力装置
(CPU5)を内蔵した弦楽器奏法入力装置で実現した
が、これに限らず、それぞれ別体の装置で構成し、MI
DIインタフェースや各種ネットワーク等の通信手段を
用いて各装置を接続して本発明を実現するようにしても
よい。
【0071】さらに、本発明の適用装置としては、電子
楽器、ゲームやカラオケ等のアミューズメント機器、テ
レビジョン等の各種家電機器、パーソナルコンピュータ
に代表されるコンピュータ装置およびシステム等が考え
られる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明に依れば、力手段により、表示されたフィンガーボ
ード上の始点となる位置を入力し、指示手段により、
望の方向に移動させるだけで、前記入力された始点とな
る位置から前記指示された移動位置までの移動距離およ
び方向に応じた演奏情報が生成されるので、弦楽器特有
の奏法を簡単に入力することが可能となる効果を奏す
る。
【0073】また、請求項2記載の発明に依れば、指示
された移動位置の動き、すなわち入力する奏法に応じて
表示態様が変更されるので、ユーザは、自分が今どの奏
法を入力しているかを視覚的に把握することができ、し
たがって、奏法入力をより的確に行うことができる。
【0074】さらに、請求項3記載の発明に依れば、発
音中の楽音の音高、演奏情報生成手段により生成され
た音高情報に応じて変化するので、ユーザは、自分が今
どの奏法を入力しているかを聴覚的に把握することがで
き、奏法入力をより的確に行うことができる。
【0075】また、さらに、請求項4記載の発明に依れ
ば、設定中のピッチベンドセンシティビティが、ピッチ
ベンドセンシティビティ生成手段により生成されたピッ
チベンドセンシティビティに設定変更されるので、ユー
ザは奏法に応じてピッチベンドセンシティビティを変更
する必要がなくなり、入力操作をさらに容易に行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る弦楽器奏法入力装
置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1の表示装置に表示された表示の一例を示す
図である。
【図3】図1の弦楽器奏法入力装置、特にCPUが実行
するメインルーチンの手順を示すフローチャートであ
る。
【図4】図3の演奏情報入力処理サブルーチンの詳細な
手順を示すフローチャートである。
【図5】図3の演奏情報入力処理サブルーチンの詳細な
手順を示すフローチャートである。
【図6】図3の演奏情報入力処理サブルーチンの詳細な
手順を示すフローチャートである。
【図7】x−フレット番号テーブルの一例を示す図であ
る。
【図8】Δy−ピッチテーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 マウス(入力手段、指示手段) 5 CPU(計測手段、演奏情報生成手段、ピッチベン
ドセンシティビティ生成 手段、ピッチベンドセンシティビティ設定手段) 7 RAM(ピッチベンドセンシティビティ設定手段) 9 表示装置(表示手段) 15 音源回路(発音手段)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弦楽器のフィンガーボードを表示する表
    示手段と、 該表示されたフィンガーボード上の始点となる位置を
    力する入力手段と、該表示されたフィンガーボード上で、前記入力された始
    点となる位置からの移動を指示する指示手段と、 前記入力された始点となる位置から前記指示された移動
    位置までの 移動距離および方向を計測する計測手段と、 該計測された移動距離および方向に基づいて演奏情報を
    生成する演奏情報生成手段とを有することを特徴とする
    弦楽器奏法入力装置。
  2. 【請求項2】 前記表示手段は、前記指示された移動
    置の動きに応じて表示態様を変更して表示することを特
    徴とする請求項1記載の弦楽器奏法入力装置。
  3. 【請求項3】 前記入力された始点となる位置に対応す
    る音高の楽音を発音する発音手段を有し、 前記演奏情報生成手段は、前記演奏情報として音高情報
    を生成し、 前記発音手段は、発音中の楽音の音高を該生成された音
    高情報に応じて変化させることを特徴とする請求項1ま
    たは2のいずれかに記載の弦楽器奏法入力装置。
  4. 【請求項4】 ピッチベンドセンシティビティを可変設
    定可能なピッチベンドセンシティビティ設定手段と、 前記計測手段により計測された方向に基づいてピッチベ
    ンドセンシティビティを生成するピッチベンドセンシテ
    ィビティ生成手段とを有し、 前記ピッチベンドセンシティビティ設定手段は、設定中
    のピッチベンドセンシティビティを該生成されたピッチ
    ベンドセンシティビティに設定変更することを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の弦楽器奏法入力装
    置。
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