JP3200519B2 - サーマルプリンタにおける画質改善方法 - Google Patents

サーマルプリンタにおける画質改善方法

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JP3200519B2
JP3200519B2 JP15478094A JP15478094A JP3200519B2 JP 3200519 B2 JP3200519 B2 JP 3200519B2 JP 15478094 A JP15478094 A JP 15478094A JP 15478094 A JP15478094 A JP 15478094A JP 3200519 B2 JP3200519 B2 JP 3200519B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はサーマルプリンタにおけ
る画質改善方法に関するものである。特に、昇華型・溶
融型併用熱転写プリンタにおいて、溶融型インクリボン
を用いる場合の画質の改善に優れた効果を発揮するもの
である。
【0002】
【従来の技術】サーマルプリンタとして、熱転写プリン
タと感熱式プリンタがある。さらに、熱転写プリンタに
は、大きくわけて昇華型熱転写プリンタと溶融型熱転写
プリンタがある。
【0003】昇華型熱転写プリンタと溶融型熱転写プリ
ンタはサーマルヘッドが生じる熱エネルギによってイン
クリボンのインクを用紙に転写する原理において共通
し、サーマルヘッドは1ラインの長さにわたって多数の
加熱エレメントを有している。しかし、これら両形式の
熱転写プリンタは、階調制御の方法によって互いに異な
っている。
【0004】昇華型熱転写プリンタにおいては、1画素
は1ドットで構成され、各加熱エレメントには対応する
画素の階調値に応じた時間だけ電流が流される。加熱エ
レメントは、電流を流す時間に比例した熱エネルギを生
じる。この熱エネルギによって、インクリボンに塗布さ
れている昇華型インクが気体になる。このとき、気体に
なるインクの量は、熱エネルギ量、すなわち加熱エレメ
ントに電流を流す時間に比例する。気化されたインクは
用紙上に付着して凝固し、これによってプリントが行な
われることになる。
【0005】このように、昇華型熱転写においては、各
画素の階調制御は加熱エレメントに電流を流す時間を調
節することによって行なうことができる。したがって、
昇華型熱転写においては、たとえば、サーマルヘッドが
1mm長さあたりに12個の加熱エレメントを有してい
れば、1mm長さあたりに12画素という高解像度を維
持したまま階調制御を行なうことが可能であり、高い画
質を実現することができる。その反面、昇華型熱転写プ
リンタは、その価格やランニングコストが高価である。
【0006】これに対して、溶融型熱転写プリンタは、
その価格およびランニングコストが昇華型熱転写プリン
タに比べて安価である。従来の溶融型熱転写において
は、インクリボン上のインクが加熱エレメントによって
溶融さられ、その溶融インクが用紙上に写し絵のよう
に転写される。したがって、従来の溶融型熱転写におい
ては、加熱エレメントに電流を流す時間を調節すること
によって、1ドットのみを含む各画素の階調を変化させ
ることは困難であった。したがって、溶融型熱転写にお
いて階調を制御するために、たとえば、ディザパターン
が利用されている。
【0007】ディザパターンを利用して、たとえばモノ
クロームで64階調を表わす場合、8行8列のドットマ
トリクスで1つの画素を構成する。すなわち、1画素は
64ドットを含んでいる。このような画素において、イ
ンクを転写するドットの数を調節することによって、階
調を制御することができる。しかし、このように1つの
画素を多数のドットで表わして面積階調制御を行なう場
合、解像度が低下するので、写真などの自然画像データ
を高画質で再生することは困難である。また、原稿が網
点画像である場合、原稿の網点パターンと面積階調パタ
ーンが干渉してモアレ(干渉縞)が発生しやすいという
問題がある。したがって、溶融型熱転写プリンタは、写
真などの自然画像ではなくて、文字や明瞭な図形などを
含むビジネス文書をプリントするの適している。
【0008】このような状況下において、溶融型熱転写
における1画素の階調制御方法を改善することによっ
て、画質を向上させることが試みられてきた。また、近
年の加工技術の進歩に伴って、サーマルヘッドに含まれ
る加熱エレメントを極めて小さく形成することが可能に
なった。その結果、溶融型熱転写において、加熱エレメ
ントに通電する時間を変えることによって、用紙上に1
ドットとして転写されるインクの面積を変えることが可
能になった。1ドットとして転写されるインクの面積の
変化は局所的な面積階調変化であると考えられるが、こ
の局所的な面積階調は、本明細書において濃度階調に含
まれるものとする。このような局所的な面積階調を用い
て階調制御を行なう場合、1ドットとして転写されたイ
ンクの面積が大きくなった場合に、隣り合うドットが重
なる場合が生じ得る。このような隣り合うドットの重な
りを低減するための1つの方法が、特開昭63−120
667において開示されている。
【0009】図19において、特開昭63−12066
7に開示された溶融型熱転写方法によるドットパターン
の1例が示されている。この場合、1つの画素はただ1
つのドットを含んでいる。近年、非常に小さな寸法の加
熱エレメントを含むサーマルヘッドを利用することがで
きるので、加熱エレメントの発熱量を変えることによっ
て用紙に転写されるインクが占める面積をある範囲内で
制御することができる。特開昭63−120667にお
いては、ドットとして転写されるインクが隣接するドッ
ト間で重なりを生じることを少なくするために、インク
が転写されるべきドットは、以下に説明するように千鳥
状に配置されている。
【0010】図19において、主走査方向はサーマルヘ
ッドの加熱エレメントが並んでいる方向に平行である。
なお、副走査方向は、印刷されるべき用紙およびインク
シートが送られる方向である。すなわち、千鳥状のプリ
ント方式においては、主走査方向に沿った奇数番目のラ
インがプリントされるときには、そのライン内で主走査
方向に偶数番目(または奇数番目)のドットがプリント
され、偶数番目のラインがプリントされるときには、そ
のライン内の奇数番目(または偶数番目)のドットがプ
リントされる。このとき、1ライン内で1ドットおきに
マスクすることによって画像データが間引かれる。この
ように、インクが転写されるべきドットを千鳥状に配置
することにより、互いに隣接するドット間でインクの重
なりを小さくしながら、転写されるインクが占めるドッ
トの面積を大きくすることが可能となり、最大濃度を高
めることができる。なお、図19において、大きな丸印
は高濃度領域内のドットを表わし、周囲の小さな丸印は
低濃度の下地を表わすドットに対応している。
【0011】以上のように、千鳥状のプリント方式にお
いては、溶融型熱転写方式であっても、解像度をあまり
低下させることなく階調制御を行なうことが可能であ
る。ところで、感熱紙をサーマルヘッドで加熱すること
によってプリントする感熱式プリンタにおいても、溶融
型熱転写と同様にドットを千鳥状にプロットすることに
よって画質を改善し得ることが特開昭58−16175
に開示されている。しかし、ドットを千鳥状にプロット
することに関しては、基本的に感熱式プリンタも溶融型
熱転写の場合も同様であるので、感熱式プリンタについ
ての詳細な説明は省略する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、千鳥状
のプリント方式においては解像度をあまり低下させるこ
となく階調制御を行なうことが可能であるが、その千鳥
状プリント方式に起因するいくつかの問題が存在する。
【0013】その問題の1つは、画像の輪郭部や線図画
像に関するジャギーの問題である。すなわちこれは、画
像の輪郭や線がぎざぎざに表わされるという問題であ
る。
【0014】図20は、1つおきのドットがマスクされ
る千鳥状プリント方式ではなくて、すべてのドットがプ
リントされる通常のプリント方式によるドットパターン
の1例を示している。図19と図20の比較から明らか
なように、千鳥状のプリントにおいては、通常のプリン
トに比べて高濃度領域のエッジ部におけるぎざぎざが目
立っている。
【0015】千鳥状プリントにおけるもう1つの問題
は、網点画像をプリントした場合に、網点の周期パター
ンと千鳥状プリントの周期パターンが干渉してモアレと
呼ばれる干渉縞を生じやすいということである。千鳥状
プリント方式で網点画像をプリントした場合のモアレ
は、ディザパターンを用いる面積階調を行なうプリンタ
で網点画像をプリントした場合に比べれば低減される
が、千鳥状プリント方式を用いない昇華型熱転写の場合
にくらべれば目立つものである。
【0016】これらの先行技術の課題に鑑み、本発明の
1つの目的は、千鳥状プリントを利用する階調制御方法
において、ジャギーを低減させる方法を提供することで
ある。本発明のもう1つの目的は、千鳥状プリントを利
用する階調制御方法において、網点画像のモアレを低減
させる方法を提供することである。本発明のさらにもう
1つの目的は、昇華型・溶融型併用熱転写プリンタをイ
ンクリボンと用紙を特定するだけで溶融型熱転写プリン
タとして用いる場合に、千鳥状プリント方式においてジ
ャギーおよび/またはモアレを低減させる方法を提供す
ることである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様にお
いて、1ドットの濃度値をサーマルヘッドの加熱エレメ
ントに電流を流す時間によって制御するサーマルプリン
タにおける画質改善方法は、任意の隣接する2つの行の
画像データに関して、一方の行において奇数番目のドッ
トをマスクして偶数番目のドットのみをプロットし、他
方の行においては偶数番目のドットをマスクして奇数番
目のドットのみをプロットする千鳥状プリント方式にお
いて、注目しているドットの濃度データその注目ドッ
トに最近接している4つのドットのいずれかの濃度デー
との差が所定の値以上のときには、注目ドットがマス
クされるべきドットに該当していてもその注目ドットを
プロットすることを特徴としている。
【0018】本発明の第1の態様に関連する第2の態様
においては、注目ドットの濃度データが所定の高濃度値
以上であるという条件と、その注目ドットに最近接の4
つのドットのいずれかの濃度データが所定の低濃度値以
下であるという条件との少なくともいずれか一方の条件
が満たされているか否かを検知し、それらの少なくとも
いずれか一方の条件が満たされているときに、注目ドッ
トがマスクされるべきドットに該当していても注目ドッ
トをプロットすることを特徴としている。
【0019】本発明の第3の態様において、1ドットの
濃度値をサーマルヘッドの加熱エレメントに電流を流す
時間によって制御するサーマルプリンタにおける画質改
善方法は、任意の隣接する2つの行の画像データに関し
て、一方の行において奇数番目のドットをマスクして偶
数番目のドットのみをプロットし、他方の行においては
偶数番目のドットをマスクして奇数番目のドットのみを
プロットする千鳥状プリント方式において、注目してい
るドットを中心に含む3行3列のドットマトリクスにお
いて、中央の行に含まれる3つのドットの濃度データの
うちの最大値と上下の各行に含まれる3つのドットの濃
度データのうちの最小値とを比較して、大きいほうの濃
度値を注目ドットの濃度値としてプロットすることを特
徴としている。
【0020】本発明の第4の態様においては、1ドット
の濃度値をサーマルヘッドの加熱エレメントに電流を流
す時間によって制御するサーマルプリンタにおける画質
改善方法は、任意の隣接する2つの行の画像データに関
して、一方の行において奇数番目のドットをマスクして
偶数番目のドットのみをプロットし、他方の行において
は偶数番目のドットをマスクして奇数番目のドットのみ
をプロットする千鳥状プリント方式において、ドットの
濃度値についてヒストグラムを作成し、このヒストグラ
ムを用いて画像中の最低濃度値と下地中の所定濃度値と
を求め、注目しているドットの濃度データが画像中の最
低濃度値以上であるという条件と、注目ドットに最近接
している4つのドットのいずれかの濃度データが下地中
の所定濃度値以下であるという条件との少なくともいず
れか一方の条件が満たされているか否かを検知し、少な
くともいずれか一方の条件が満たされているときには、
注目ドットがマスクされるべきドットに該当していても
その注目ドットをプロットすることを特徴としている。
ここで、下地中の所定濃度値は、ヒストグラムから求め
られた最大濃度値であってもよく、または、下地中の最
頻度濃度値Pに濃度標準偏差σの3.5倍を加えたP+
3.5σであってもよい。
【0021】
【作用】本発明の第1の態様によれば、注目しているド
ットの濃度データその注目ドットに最近接している4
つのドットのいずれかの濃度データとの差が所定の値以
上のときには、注目ドットがマスクされるべきドットに
該当していてもプロットされるので、画像の輪郭部や線
図におけるジャギーを低減させることができる。
【0022】本発明の第2の態様によれば、注目ドット
の濃度データが所定の高濃度値以上であるという条件
と、その注目ドットに最近接する4つのドットのいずれ
かの濃度データが所定の低濃度値以下であるという条件
との少なくともいずれか一方の条件が満たされているか
否かを検知し、それらの少なくともいずれか一方の条件
が満たされているときに、注目ドットがマスクされるべ
きドットに該当していてもプロットされるので、さらに
きめ細かくジャギーを低減させることができる。
【0023】本発明の第3の態様によれば、注目してい
るドットを中心に含む3行3列のドットマトリクスにお
いて、中央の行に含まれる3つのドットの濃度データの
うちの最大値と上下の各行に含まれる3つのドットの濃
度データのうちの最小値とを比較し、大きいほうの濃度
値を注目ドットの濃度値としてプロットするので、網点
画像におけるモアレを低減させることができる。
【0024】本発明の第4の態様によれば、ドットの濃
度値についてヒストグラムを作成し、このヒストグラム
を用いて画像中の最低濃度値と下地中の所定濃度値とを
求め、注目しているドットの濃度データが画像中の最低
濃度値以上であるという条件と、注目ドットに最近接し
ている4つのドットのいずれかの濃度データが下地中の
所定濃度値以下であるという条件との少なくともいずれ
か一方の条件が満たされているか否かを検知し、少なく
ともいずれか一方の条件が満たされているときには、注
目ドットがマスクされるべきドットに該当していてもそ
の注目ドットをプロットするので、この場合にもジャギ
ーを低減させることができる。
【0025】
【実施例】図1において、本発明が適用される階調制御
方式において用いられ得るカラー熱転写プリンの主要
部の1例が概略的な斜視図で示されている。サーマルヘ
ッド1とプラテン2との間に用紙3とインクリボン4が
挟まれている。サーマルヘッド1は、インクリボン4を
用紙3に向けて押圧している。
【0026】サーマルヘッド1は1ライン分のドット数
に対応して直線状に配列された多数の加熱エレメントを
含んでいる。たとえば、最大のプリントサイズがA4サ
イズであれば、A4サイズの長さにわたって加熱エレメ
ントが整列されている。これらの整列された加熱エレメ
ントのピッチは、プリンタの解像力に対応している。た
とえば、1ミリ長さあたりに12ドットの解像力を有す
る場合、1ミリ長さあたりに12個の加熱エレメントが
配置されている。これらの加熱エレメントに電流が流さ
れるとき、インクリボン4上のインクが加熱エレメント
から生じた熱によって溶融されて用紙3上に転写され
る。インクリボン4は、周期的にイエロー、マゼンタ、
シアン(、ブラック)の3色(4色)のインクを含んで
いる。
【0027】本発明は主にカラー溶融熱転写における階
調制御に伴なう画質の劣化の防止を目的としているが、
この画質の改善方法は、昇華型・熱溶融型併用熱転写プ
リンタにおける溶融熱転写の階調制御において特に優れ
た画質の改善効果を発揮し得る。昇華型・溶融型併用熱
転写プリンタにおいて溶融型熱転写を行なう場合、昇華
型インクリボンカートリッジと溶融型インクリボンカー
トリッジの形を変えることによって両形式の選択を自動
的に行なうスイッチを設けることができる。
【0028】サーマルヘッド1内の加熱エレメントは、
パルスの発生部(図1において示されず)から出力され
たパルス幅に応じて発熱する。インクリボン4は、DC
モータ(図1において示されず)によって用紙3と同じ
速度で矢印A方向に巻取られる。用紙3は、その一端が
ドラム5にクランプされ、矢印Bによって示されたドラ
ム5の回転によってインクリボン4と同じ一定速度でサ
ーマルヘッド1とプラテン2との間を移動していく。用
紙3は、インクリボンの色の数に合わせて計3回(また
は4回)だけ往復し、それぞれの回においてイエロー、
マゼンタ、シアン(、ブラック)の各色が順に転写され
る。
【0029】図2はサーマルヘッドの内部構造を示す回
路図であり、図3は図2のサーマルヘッドを制御するた
めのタイミングチャートを示している。DADA IN
1〜20の信号として、CLOCK信号と同期してプ
リントデータ(“1”または“0”)が入力される。C
LOCK信号が120回発生された後に、LATCH信
号が有効にされる。このような制御によって、サーマル
ヘッド内にプリントデータが記憶される。次に、一定周
期の間にSTROE信号が有効にされる。これによっ
て、サーマルヘッド内に記憶されたプリントデータが
“1”である加熱エレメントが発熱する。以上の操作を
必要な回数だけ繰返すことによって、階調制御が可能と
なる。すなわち、ドットの濃度値を高くするには、加熱
エレメントの通電時間が長くされる(“1”の回数が増
やされる)。
【0030】しかし、昇華型インクの場合には各ドット
において加熱エレメントの通電時間に正確に比例した濃
度値を得ることが可能であるが、溶融型インクにおいて
は昇華型インクの場合のように多段階の階調を精度よく
表わすことは困難である。なぜならば、溶融型インクリ
ボンにおいては、ある所定の温度以上に温度が上昇しな
ければインクが溶融しないからである。したがって、階
調で256階調を表わそうとすれば、最高濃度をプリン
トするときにはドット径が非常に大きくなる。そこで、
本発明においては、すべてのドットをプロットすること
はしないで、マスクをかけることによって、プリントさ
れるべきドットの位置を制限する。すなわち、本発明に
おいては、原則として千鳥パターンに従ってドットがプ
ロットされる。
【0031】図4において、本発明を実施するために熱
転写プリンタにおいて用いられる制御システムの一例が
概略的なブロック図で示されている。このシステムにお
いて、ホストコンピュータからプリンタへはSCSI
(小コンピュータシステムインタフェース)10によっ
て画像データが転送される。画像データは、イエロー、
マゼンタ、シアンの順で転送される。各色に関して1画
面全体のデータが転送された後に、次の色のデータが転
送される。ただし、本発明はモノクロームのプリントに
も適用可能であることはいうまでもない。画像データ
は、各色について8ビットである。プリンタ内のライン
バッファ11に1ライン分の画像データが記憶される。
【0032】また、この画像データの転送に同期した主
走査方向(加熱エレメントの並びの方向)の画像データ
のアドレスを作成するために、Xアドレスカウンタ12
が設けられている。このXアドレスカウンタ12の出力
は、ヘッドばらつき補正用ルックアップテーブル13の
アドレスに入力される。このヘッドばらつき補正用ルッ
クアップテーブル13には、ラインバッファ11からの
画像データも入力され、その画像データはサーマルヘッ
ドの各加熱エレメントの抵抗値に関するばらつきなどが
補正される。そして、補正された画像データは、マスク
・画質改善部15へ入力される。
【0033】マスク・画質改善部15においては、本発
明に従ってマスク処理や画質改善処理などが行なわれ
る。マスク・画質改善部15において種々の処理が行な
われた画像信号は、パルス発生部14に入力される。パ
ルス発生部14は、画像データの値に応じて、サーマル
ヘッドの加熱エレメントをオンにするタイミングを発生
するものである。パルス発生部14からのパルス信号
は、シフトレジスタ17に入力される。1ライン分のパ
ルス信号はシフトレジスタ17に入力された後に直接/
並列変換され、サーマルヘッドの加熱エレメントの数だ
け通電信号がラッチ回路18内に入力される。ラッチ回
路18は、Xアドレスカウンタ12から出力されたラッ
チ信号によってラッチされ、各々のドットに対応した通
電パルス信号は、画像データに応じてサーマルヘッド1
9内の加熱エレメントに通電させる。その通電時間に対
応して、サーマルヘッド19中の加熱エレメントの温度
が上昇し、溶融型インクリボン上のインクが溶けて用紙
上に転写される。
【0034】以上のように、本発明が適用される階調制
御方式における画質改善方法は、通常の熱転写プリンタ
の制御システム内へマスク・画質改善部を適切に組入れ
ることによって実現することができる。以下において、
主にこのマスク・画質改善部との関連において、本発明
による種々の実施例を説明する。
【0035】図5(A)において、本発明の第1の実施
例によるマスク・画質改善部15の主要部分がブロック
図で示されている。このマスク・画質改善部15におい
て、ラインメモリ15aおよび15bの各々によって画
像データが1ライン分づつ遅延させられる。すなわち、
2つのラインメモリ15aと15bを用いることによっ
て、主走査方向に沿った3ラインの画像データ中の副走
査方向に沿った同じ列中の3つのドットの画像データを
同時にバッファ部15cへ入力することができる。バッ
ファ部15cは、3つのラインの各々について3個のラ
ッチLを含んでいる。各々のラッチLは、8ビットで表
わされる1ドットの画像データをラッチすることができ
るので、ラッチされ得るドットは、図5(B)に示され
ているように、AからIまでの3行3列のマトリクス状
に配置された9つのドットである。この9つのドットに
関する画像データは、算術手段として働くデジタルシグ
ナルプロセッサ(以下「DSP」と略す)15dによっ
て読出すことが可能であり、DSPによって画質改善処
理された画像データは、図5(B)のマトリクス中の注
目している中央のドットEの画像データとして、図4中
のパルス発生部14に入力される。
【0036】図6は、DSPにおける画像改善処理の手
順を示すフローチャートである。まず、ステップS11
において、図5(B)中の注目しているドットEの濃度
データとそれに最近接している4つのドットであるB,
D,FおよびHの濃度データとの差(以下、「エッジ濃
度差」と称する)K,L,MおよびNが算出される。
【0037】次にステップS12において、それぞれの
エッジ濃度差K,L,MおよびNがある基準値Xと比較
される。そして、濃度エッジ差の1つでも基準値X以上
であれば、パルス発生部14へはドットEの濃度データ
がそのまま入力される。他方、もしすべてのエッジ濃度
差が基準値Xより小さければ、ステップS13に進む。
【0038】ステップS13において、ドットEが千鳥
状プリントにおいてマスクされるべき奇数行奇数列また
は偶数行偶数列に属する場合にはステップS14に進
み、ドットEの濃度データは0に設定される。すなわ
ち、ドットEはマスクされてプロットされないことにな
る。他方、ステップS13においてドットEが奇数行偶
数列または偶数行奇数列の位置にある場合には、パルス
発生部14へはドットEの画像データがそのまま出力さ
れる。
【0039】図7は、図6に示されているような処理を
経てプロットされたドットパターンの1例を示してい
る。図7と図19との比較からわかるように、図7にお
いては画像の輪郭部におけるジャギーが著しく低減され
ている。
【0040】以上のように、図6で示されているような
比較的簡単な処理よって顕著にジャギーを低減させ得る
ことがわかる。ところで、図6のステップS13におい
ては注目ドットEが奇数行奇数列または偶数行偶数列の
位置にあるときにマスクされるが、これとは逆に、注目
ドットEが奇数行偶数列または偶数行奇数列の位置にあ
るときにマスクされるようにしてもよいことはいうまで
もない。
【0041】図8を参照して、本発明の第2の実施例を
説明する。この第2の実施例は第1の実施例に類似して
いるが、DSPにおける処理方法が異なっている。図8
の処置方法のステップS21においては、図5(B)に
示されたドットマトリクス中の中央の注目ドットEの濃
度データが最大値の255(最も高い濃度値)であるか
否かが判断される。もしドットEの濃度データが最大値
であるならば、その濃度値255がそのままドットEの
濃度値としてパルス発生部14へ入力される。ドットE
の濃度データが255未満ならば、ステップS22に進
む。
【0042】ステップS22において、注目ドットEに
最近接している4つのドットB,D,FおよびHの濃度
データが最小値の0(最も低い濃度値)であるかどうか
が判断される。4つのドットB,D,FおよびHのうち
の少なくとも1つが最小値の濃度データ0を有していれ
ば、注目ドットEの濃度データがそのままパルス発生部
14に入力される。なお、4つのドットB,D,Fおよ
びHのすべてが最小値0より大きな濃度データを有して
いれば、ステップS23に進む。
【0043】ステップS23およびS24は、図6中の
ステップS13およびS14と同様であり、第1実施例
と同様な千鳥状のマスク処理が行われる。
【0044】このような図8の実施例は、図6の実施例
に比べて、白地に淡い文字や線画がある場合や濃い下地
に濃い文字が表示される場合にジャギーを低減させるの
により効果がある。
【0045】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。この第3実施例も前述の第1と第2の実施例に類似
しているが、DSPにおける処理が異なっている。そし
て、前述の2つの実施例はプリント画像中のジャギーの
低減に関するものであったが、この第3の実施例はモア
レの低減に関するものである。
【0046】モアレの低減に有効なフィルタとして、メ
ディアンフィルタが知られている。メディアンフィルタ
は、その名が示すとおりに、注目ドットおよび周辺ドッ
トのメディアン値を出力するフィルタである。しかし、
メディアンフィルタはモアレの低減において効果を発揮
するが、そのフィルタによって細線が消失する傾向にあ
るという欠点がある。たとえば、濃度値0の下地に1ド
ット幅の横線(最高濃度値255を有するものとする)
が注目している中央の画素E(図5(B)を参照)を通
って存在している場合、その注目ドットEを中心に含む
3行3列の9つのドットに関する濃度データの値は
(0;0;0;255;255;255;0;0;0)
となり、そのメディアン値は0となって細線が消失して
しまう。また、メディアンフィルタはそのフィルタリン
グ処理に時間がかかるという欠点もある。図9は、モア
レを低減させる第3実施例によるDSPにおける処理手
順を示すフローチャートである。ステップS31におい
て、図5(B)に示された3行3列のドットパターンに
おける同一ライン上の3つのドットの濃度データが比較
される。3つのドットD,EおよびFを含む中央の行に
おいては、最大の濃度値がその行の代表濃度値Kとして
採用される。ドットA,BおよびCを含む上の行に関し
ては、最小の濃度値がその行を代表をする濃度値Jとし
て採用される。同様に、ドットG,HおよびIを含む下
の行においては、最小の濃度値がその行を代表する濃度
値Lとして採用される。そして、それら3つの代表濃度
値J,KおよびLのうちの最大値を注目ドットEの濃度
値として採用する。その後、ステップS32およびS3
3によって前述の千鳥状のマスク処理が施され、そのよ
うに処理された画像データは図4におけるパルス発生部
14へ入力される。このような第3実施例の処理を行な
うことによって、千鳥状のマスク処理が行なわれる場合
にも、網点画像のモアレを著しく低減することができ
る。
【0047】図10を参照して、図9の実施例の効果を
メディアンフィルタの効果と比較しつつさらに詳しく説
明する。図10(A1)の3行3列の濃度パターンにお
いて、上の行における最小濃度値は10であり、中央の
行における最大濃度値は25であり、そして下の行の最
小濃度値は20である。したがって、図10(A2)の
濃度パターンに示されているように、これら3つの上中
下の行の代表の濃度値はそれぞれ10,25および20
となる。したがって、図10(A3)の濃度パターンに
おいて示されているように、注目ドットEの濃度データ
として、10,25および20のうちの最大値である2
5が出力される。
【0048】図10(B1)の濃度パターンは、1ドッ
ト幅の縦線が中央のドットEを通過している場合を示し
ている。この濃度パターンをメディアンフィルタにかけ
れば、この縦の線は消失してしまう。しかし、図9の実
施例によれば、図10(B2)に示されているように、
上の行の代表濃度値Jは0となり、中央の行の代表濃度
値Kが25となり、そして下の行の代表濃度値Lが0と
なる。したがって、図10(B3)に示されているよう
に、注目ドットEの濃度値として、J,KおよびLのう
ちの最大値である25が出力される。
【0049】図10(C1)においては、中央のドット
Eを通過する1ドット幅の横線の濃度パターンが示され
ている。この濃度パターンにおいてもメディアン値は0
であるので、メディアンフィルタによってこの横線は消
失してしまう。しかし、図9の実施例によれば、図10
(C2)に示されているように、上中下のそれぞれの行
の代表濃度値はJ=0;K=25;L=0となる。した
がって、図10(C3)に示されているように、注目ド
ットEの濃度データとして、J,KおよびLのうちの最
大値である25が出力される。
【0050】図9と図10において、3つの行の代表濃
度値が互いに比較されたが、図11に示されているよう
に3つの列の代表濃度値を比較しても同様な効果を発揮
し得る。たとえば、図11(A1)に示された濃度パタ
ーンにおいて、左端の列における最小濃度値は図11
(A2)に示されているように10であり、中央の列に
おける最大濃度値は25であり、そして右端の列におけ
る最小濃度値は15である。したがって、図11(A
3)に示されているように、注目ドットEの濃度データ
として、3つの列の代表濃度値のうちの最大値である2
5が出力される。
【0051】図11(B1)の濃度パターンに示されて
いるように、中央のドットEを通過する1ドット幅の縦
線が存在する場合、図11(B2)の濃度パターンに示
されているように、左の列の代表濃度値が0であり、中
央の列の代表濃度値が25であり、そして右の列の代表
濃度値が0になる。したがって、図11(B3)のパタ
ーンに示されているように、注目ドットEの濃度データ
として、3つの列の最高濃度値である25が出力され
る。
【0052】図11(C1)の濃度パターンに示されて
いるように、中央のドットEを通過する1ドット幅の横
線が存在する場合においても、図11(C2)の濃度パ
ターンに示されているように、左の列の代表最小濃度値
が0であり、中央の列の代表最大濃度値が25であり、
そして右の列の代表最小濃度値が0になる。したがっ
て、図11(C3)のパターンに示されているように、
注目ドットEの濃度データとして、3つの列の最高濃度
値のうち最大の25が出力される。
【0053】さらに、本発明の第4の実施例について説
明する。第4実施例の基本的構成は第1ないし第3の実
施例に類似しているが、DSPにおける処理内容が変更
されている。第4実施例を詳細に説明する前に、この実
施例が望まれる理由について簡単に説明する。図9の実
施例においてプリント画像中のモアレが低減されること
を明らかにしたが、図12に示されているように比較的
特殊な濃度パターンにおいて図9のモアレ低減処理を行
なえば、本来なら注目ドットEの濃度データとして0が
出力されるのが望ましいにかかわらず25が出力され、
その結果として白い細線が消失したり、ある濃度の細線
が1ドット幅だけ太くなるという問題を生じることがあ
る。この第4実施例は、このような問題を解消し得るも
のである。
【0054】図13のフローチャートは、第4実施例に
よるDSPにおける処理手順を示している。ステップS
41において、図6のステップS11と同様に、エッジ
濃度差K,L,MおよびNが求められる。そしてステッ
プS42において、図6のステップS12と同様に、エ
ッジ濃度差K,L,MおよびNの少なくとも1つが所定
の値X以上であれば、注目ドットEの濃度データがその
まま図4のパルス発生部14に入力される。他方、エッ
ジ濃度差K,L,MおよびNのすべてが所定の値Xより
小さければステップS43に進む。
【0055】ステップS43において、注目ドットEの
濃度データが最大値の255であれば、その値が注目ド
ットEの濃度データとしてそのまま図4のパルス発生部
14へ入力される。他方、注目ドットEの濃度データが
255より小さければ、ステップS44へ進む。ステッ
プS44においては、図8のステップS22と同様に、
注目ドットEに最近接している4つのドットの濃度デー
タB,D,FおよびHのうちの少なくとも1つの値が0
であれば、注目ドットEの濃度データがそのまま図4の
パルス発生部14へ入力される。他方、4つの濃度デー
タB,D,FおよびHのすべての値が0より大きけれ
ば、ステップS45に進む。
【0056】ステップS45においては、図9のステッ
プS31と同様にモアレを低減するための処理が行なわ
れ、ステップS46とS47によって千鳥状のマスク処
理が行なわれる。このような図13に示された第4の実
施例による処理をDSPにおいて行なうことによって、
プリント画像中のジャギーおよびモアレが低減されかつ
1ドット幅の細線が消失したり太くなったりすることが
なく、さらに1ドット幅の白線が消失したり太くなるこ
ともない。すなわち、図12に示された種々の比較的特
殊な濃度パターンにおいても、注目ドットEの濃度デー
タとして0が出力され、1ドット幅の白線が消失したり
太くなることがない。
【0057】図14において、本発明の第5の実施例に
よる画質改善方法の手順が示されている。この第5実施
例においては、図15に示されているような多数のドッ
トの濃度分布を表わすヒストグラムが利用される。図1
5のヒストグラムにおいて、横軸は濃度値を表わし、縦
軸はドット数を表わしている。そして、この実施例にお
いては、図4中のマスク・画質改善部15はヒストグラ
ム用のメモリ(図示せず)を含んでいる。通常、画像や
文字を含む原稿の濃度分布をスキャナで分析した場合、
図15に示されているように濃度分布に2つの山が生じ
る。1つの山Sは下地の濃度分布を表わしており、もう
1つの山Tは画像や文字の濃度分布を表わしている。
【0058】図14のステップS51において、DSP
はヒストグラム用のメモリからヒストグラムを読出す。
次にステップS52において、読出されてヒストグラム
から下地濃度Sと画像濃度Tが算出される。
【0059】ステップS53において、Y値が下地濃度
の最大値Smaxに設定され、Z値が画像濃度の最小値
Tminに設定される。
【0060】ステップS54において、注目ドットEの
濃度データがZ値以上であれば、DSPは注目ドットE
の濃度データをそのまま出力する。他方、注目ドットE
の濃度データがZより小さければ、ステップS55へ進
む。
【0061】ステップS55において、4つの最近接ド
ットB,D,FおよびHを含む少なくとも1つの濃度デ
ータがY以下であれば、DSPは注目ドットEの濃度デ
ータをそのまま出力する。他方、4つの最近接ドット
B,D,FおよびHのすべての濃度データがYより大き
ければ、ステップS56とS57に進み、前述の千鳥状
マスク処理が行なわれる。
【0062】図14に示されているような画質改善方法
においては、下地がある濃度を有する原稿中の画像や文
字に関してもジャギーを低減させることができる。
【0063】図16において、本発明の第6の実施例を
説明するためのフローチャートが示されている。図16
の実施例は図14のものに類似しているが、図17に示
されているようなヒストグラムを利用する。図17のヒ
ストグラムは図15のものに類似しているが、濃度の分
布の山Sが最頻度濃度値Pを有している。
【0064】図16のステップS61において、DSP
はヒストグラム用メモリからヒストグラムを読出して平
滑化を行なう。次に、ステップS62において、平滑化
されたヒストグラムから下地の濃度分布S中の最頻度の
濃度値Pが算出される。
【0065】ステップS63において、最頻度の濃度P
を基準として正規分布が仮定され、その標準偏差σが算
出される。
【0066】ステップS64において、Y値として(P
+3.5σ)が設定され、Z値として画像濃度Tの最小
値Tminが設定される。
【0067】次に、ステップS65からS68におい
て、図14におけるステップS54からS57と同様に
ジャギー軽減と千鳥状マスクの処理が行なわれる。
【0068】図18において、本発明の第7の実施例に
よる画質改善方法のフローチャートが示されている。一
般に、サーマルヘッドは蓄熱補正部分を備えており、そ
れはラインメモリやDSPを含んでいる。蓄熱補正部
は、サーマルヘッドの同じ加熱エレメントに通電状態が
続いた場合に、プロットされたドットの濃度が蓄熱によ
って実際の濃度データより濃くなることを防止したり、
通電状態が続いた後に通電の停止後に余熱によってドッ
トがプロットされることを防止するために設けられる。
すなわち、1つ前のラインにおける同じ加熱エレメント
の通電時間を考慮して、現在プリントされるべきドット
のための加熱エレメントの通電時間が蓄熱補正によって
補正される。図18の実施例は、図4中のマスク・画質
改善部15に蓄熱補正を行なわしめることによって、従
来個別に設けられていた蓄熱補正部の省略を可能ならし
めるものである。
【0069】図18のステップS71からステップS7
6は、図16のステップS61からステップS66まで
と同様である。しかし、ステップS77においては、注
目画素Eの濃度データの1.25倍の値から前のライン
において同じ加熱エレメントによってプロットされたド
ットBの濃度データの0.25倍の値を引いた値を注目
ドットEの新たな濃度データとして設定する。その後、
ステップS78とS79において、前述の千鳥状マスク
処理が行なわれる。
【0070】本発明のさらに他の実施例においては、図
4に示されているような昇華/溶融切換スイッチ20が
設けられる。切換スイッチ20は、インクリボンのカー
トリッジの構造を検知して、そのインクリボンが溶融型
と昇華型のいずれのインクリボンであるかを検知する。
その検知されたインクリボンの種類に依存して、スイッ
チ20は溶融型プリントと昇華型プリントのいずれを選
択すべきかをマスク・画質改善部15に知らせる。つま
り、昇華型プリントが選択された場合には、プロットさ
れるドットの面積がその濃度に依存しないので隣接する
ドットの重なりを考慮する必要はなく、前述の千鳥状マ
スク処理が停止されてすべてのドットがプロットされ
る。他方、溶融型プリントが選択された場合、前述のい
ずれかの実施例で述べられたような画質改善処理が行な
われる。すなわち、溶融型・昇華型併用プリンタにおい
て、図4に示されているように昇華/溶融切換スイッチ
20を設けることによって、溶融型サーマルプリントが
行なわれる場合には、前述の画質改善処理によって画質
を改善することが可能であり、昇華型サーマルプリント
が選択されたときには千鳥状マスク処理が停止され、高
解像度の画質を得ることができる。
【0071】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、溶融型
サーマルプリンタにおいて千鳥状マスクを用いることに
よって階調制御を行なう場合には、画像の輪郭部や線画
におけるジャギーを低減させることができ、さらに網点
画像のモアレをも低減させることができる。また、この
発明において用いられるマスク・画質改善部は従来の蓄
熱補正に含まれる構成要素と同様なラインメモリやDS
Pを含んでいるので、従来の蓄熱補正部の省略が可能に
なり、ほとんどコストアップを生じることなく画質を改
善することができる。さらに、本発明によれば、昇華型
・溶融型併用熱転写プリンタにおいて、昇華型サーマル
プリントに比べて画質が劣る溶融型サーマルプリントに
おいて画質を改善させることができ、昇華型・溶融型併
用熱転写プリンタの利用価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱転写プリンタの主要部を示す概略的な斜視図
である。
【図2】サーマルヘッドの構造を示す回路図である。
【図3】図2のサーマルヘッドを制御するためのタイミ
ングチャートである。
【図4】本発明を実施するために熱転写プリントにおい
て用いられる制御システムを示すブロック図である。
【図5】図4中のマスク・画質改善部の主要部を示すブ
ロック図である。
【図6】本発明の1つの実施例において画質改善方法を
説明するためのフローチャートである。
【図7】図6の実施例による画質改善効果を示すドット
パターンである。
【図8】本発明のもう1つの実施例による画質改善方法
を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明のさらに他の実施例による画質改善方法
を説明するためのフローチャートである。
【図10】図9の実施例の効果を説明するための濃度パ
ターンを表わす図である。
【図11】図9の実施例による効果を説明するための濃
度パターンを表わす図である。
【図12】特殊な濃度分布を含むドットマトリクスを示
す図である。
【図13】本発明のさらに他の実施例による画質改善方
法を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明のさらに他の実施例による画質改善方
法を説明するためのフローチャートである。
【図15】図14の実施例において利用されるドットの
濃度分布を示すヒストグラムである。
【図16】本発明のさらに他の実施例による画質改善方
法を説明するためのフローチャートである。
【図17】図16の実施例において利用されるドットの
濃度分布を示すヒストグラムである。
【図18】本発明のさらに他の実施例による画質改善方
法を説明するためのフローチャートである。
【図19】従来の千鳥状マスク処理がされたドットパタ
ーンを示す図である。
【図20】すべてのドットがプロットされたドットパタ
ーンを示す図である。
【符号の説明】
1 サーマルヘッド 2 プラテン 3 用紙 4 インクリボン 5 ドラム 10 SCSI 11 ラインバッファ 12 Xアドレスカウンタ 13 ヘッドばらつき補正用ルックアップテーブル 14 パルス発生部 15 マスク・画質改善部 15a,15b ラインメモリ 15c バッファ部 15d DSP 16 ラインカウンタ 17 シフトレジスタ 18 ラッチ回路 19 サーマルヘッド 20 昇華型/溶融型切換スイッチ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−284175(JP,A) 特開 昭64−80556(JP,A) 特開 平5−305727(JP,A) 特開 平5−165951(JP,A) 実開 昭63−161738(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/355 - 2/36 B41J 2/485 B41J 2/52 H04N 1/40 G06T 1/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1ドットの濃度値をサーマルヘッドの加
    熱エレメントに電流を流す時間によって制御するサーマ
    ルプリンタにおける画質改善方法であって、 任意の隣接する2つの行の画像データに関して、一方の
    行において奇数番目のドットをマスクして偶数番目のド
    ットのみをプロットし、他方の行においては偶数番目の
    ドットをマスクして奇数番目のドットのみをプロットす
    る千鳥状プリント方式において、 注目しているドットの濃度データ前記注目ドットに最
    近接している4つのドットのいずれかの濃度データとの
    差が所定の値以上のときには、前記注目ドットが前記マ
    スクされるべきドットに該当していてもその注目ドット
    をプロットすることを特徴とするサーマルプリンタにお
    ける画質改善方法。
  2. 【請求項2】 前記注目ドットの濃度データが所定の高
    濃度値以上であるという条件と、前記最近接の4つのド
    ットのいずれかの濃度データが所定の低濃度値以下であ
    るという条件との少なくともいずれか一方の条件が満た
    されているか否かを検知し、前記少なくともいずれか一
    方の条件が満たされているときには、前記注目ドットが
    前記マスクされるべきドットに該当していてもその注目
    ドットをプロットすることを特徴とする請求項1に記載
    のサーマルプリンタにおける画質改善方法。
  3. 【請求項3】 1ドットの濃度値をサーマルヘッドの加
    熱エレメントに電流を流す時間によって制御するサーマ
    ルプリンタにおける画質改善方法であって、 任意の隣接する2つの行の画像データに関して、一方の
    行において奇数番目のドットをマスクして偶数番目のド
    ットのみをプロットし、他方の行においては偶数番目の
    ドットをマスクして奇数番目のドットのみをプロットす
    る千鳥状プリント方式において、 注目しているドットを中心に含む3行3列のドットマト
    リクスにおいて、中央の行に含まれる3つのドットの濃
    度データのうちの最大値と上下の各行に含まれる3つの
    ドットの濃度データのうちの最小値とを比較して、大き
    いほうの濃度値を前記注目ドットの濃度値としてプロッ
    トすることを特徴とするサーマルプリンタにおける画質
    改善方法。
  4. 【請求項4】 前記注目ドットが前記マスクされるべき
    ドットに該当していないときに、 前記注目ドットを中心に含む3行3列のドットマトリク
    スにおいて、中央の行に含まれる3つのドットの濃度デ
    ータのうちの最大値と上下の各行に含まれる3つのドッ
    トの濃度データのうちの最小値とを比較して、大きいほ
    うの濃度値を前記注目ドットの濃度値としてプロットす
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のサーマル
    プリンタにおける画質改善方法。
  5. 【請求項5】 1ドットの濃度値をサーマルヘッドの加
    熱エレメントに電流を流す時間によって制御するサーマ
    ルプリンタにおける画質改善方法であって、 任意の隣接する2つの行の画像データに関して、一方の
    行において奇数番目のドットをマスクして偶数番目のド
    ットのみをプロットし、他方の行においては偶数番目の
    ドットをマスクして奇数番目のドットのみをプロットす
    る千鳥状プリント方式において、 ドットの濃度値についてヒストグラムを作成し、前記ヒ
    ストグラムを用いて画像中の最低濃度値と下地中の最高
    濃度値とを求め、注目しているドットの濃度データが前記画像中の最低濃
    度値以上であるという条件と、前記注目ドットに最近接
    している4つのドットのいずれかの濃度データが前記下
    地中の最高濃度値以下であるという条件との少なくとも
    いずれか一方の条件が満たされているか否かを検知し、
    前記少なくともいずれか一方の条件が満たされていると
    きには、前記注目ドットが前記マスクされるべきドット
    に該当していてもその注目ドットをプロットする ことを
    特徴とするサーマルプリンタにおける画質改善方法。
  6. 【請求項6】 1ドットの濃度値をサーマルヘッドの加
    熱エレメントに電流を流す時間によって制御するサーマ
    ルプリンタにおける画質改善方法であって、任意の隣接
    する2つの行の画像データに関して、一方の行において
    奇数番目のドットをマスクして偶数番目のドットのみを
    プロットし、他方の行においては偶数番目のドットをマ
    スクして奇数番目のドットのみをプロットする千鳥状プ
    リント方式において、 ドットの濃度値についてヒストグラムを作成し、前記ヒ
    ストグラムを用いて画 像中の最低濃度値と下地中の所定
    濃度値とを求め、 注目しているドットの濃度データが前記画像中の最低濃
    度値以上であるという条件と、前記注目ドットに最近接
    している4つのドットのいずれかの濃度データが前記下
    地中の前記所定濃度値以下であるという条件との少なく
    ともいずれか一方の条件が満たされているか否かを検知
    し、前記少なくともいずれか一方の条件が満たされてい
    るときには、前記注目ドットが前記マスクされるべきド
    ットに該当していてもその注目ドットをプロットし、 前記下地中の前記所定濃度値は前記ヒストグラムから求
    められた前記下地中の最頻度濃度値Pに濃度標準偏差σ
    の3.5倍を加えたP+3.5σであることを特徴とす
    るサーマルプリンタにおける画質改善方法。
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