JP3200450U - 二連式ナット - Google Patents
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Abstract
【課題】ボルトの長さが足りなくて延長用のボルトを接続した場合に、振動により弛んで抜けてしまうことのない二連式ナットを提供する。【解決手段】二連式ナット100は、柱状体の本体に内周面が螺旋状の雌ネジとなるようにネジ穴200、201を2つ上底面から下底面まで貫通させ、ネジ穴200のうち一方に螺合させたボルトと直交して接するビスを通すために、本体の側面のうち正面側から奥に向かってビス穴210を空け、ネジ穴201のうち他方に螺合させたボルトと直交して接するビスを通すために、本体の側面のうち背面側から手前に向かってビス穴を空けた、ことを特徴とする。【選択図】図1
Description
本考案は、ナットを横に2つ連結した二連式ナットに関する。
建物などを建築する際に、柱や梁など建物の構造を支える躯体300を組み立てる。躯体300から吊り下げて設置する物がある場合などには、躯体300からボルト310を延ばして設置することがある。例えば、図6に示すように、ハンガー331で物を吊るす場合に、ハンガー331を付けたナット321をボルト310に装着していた。なお、長さが3メートル以内であれば、現場で切断してボルト310を設置していたが、3メートルを超える場合には、ボルト310の先に袋ナット150やターンバックルなどを使用してボルト311を接続し延長していた。
袋ナット150は、ネジ穴160が上下に貫通するが、内部の中心付近に突部170があり、一方側から反対側に抜けないようになっている。即ち、ネジ穴160に対し、上側からボルト310を嵌め込み、下側からボルト311を嵌め込むことで、両者を連結する。ボルト310もボルト311もそれぞれ袋ナット150の中心あたりまで入るが、袋ナット150が短いとボルト310、311が浅くしか入らないので、振動などで弛んで抜けてしまうこともあった。なお、特許文献1に示すように、2つのボルト体をターンバックルで連結する発明も公開されている。
袋ナットを使用した場合は、両方のボルトが奥まで入る範囲が限られているので、振動などで締まる方向よりも弛む方向に進んで抜けてしまう可能性がある。また、ターンバックルを使用した場合も、両方のボルトの軸は一直線上にあるので、ターンバックル自体が回転することで、一方に弛んで抜けてしまう可能性もある。
そこで、ボルトの長さが足りなくて延長用のボルトを接続した場合に、振動により弛んで抜けてしまうことのない二連式ナットを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本考案である二連式ナットは、柱状体の本体に内周面が螺旋状の雌ネジとなるようにネジ穴を2つ上底面から下底面まで貫通させた、ことを特徴とする。
また、本考案である二連式ナットは、前記ネジ穴のうち一方に螺合させたボルトと直交して接するビスを通すために、前記本体の側面のうち正面側から奥に向かってビス穴を空け、前記ネジ穴のうち他方に螺合させたボルトと直交して接するビスを通すために、前記本体の側面のうち背面側から手前に向かってビス穴を空けた、ことを特徴とする。
本考案によれば、ボルトの長さが足りなくて延長用のボルトを接続した場合でも、振動により弛んで抜けてしまうことがない。
以下に、本考案の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
まず、本考案である二連式ナットの構造について説明する。二連式ナット100は、柱状体の本体に内周面が螺旋状の雌ネジとなるようにネジ穴200、201を2つ上底面から下底面まで貫通させ、前記ネジ穴200のうち一方に螺合させたボルト310と直交して接するビス220を通すために、前記本体の側面のうち正面側から奥に向かってビス穴210を空け、前記ネジ穴201のうち他方に螺合させたボルト311と直交して接するビス221を通すために、前記本体の側面のうち背面側から手前に向かってビス穴211を空けた、ことを特徴とする。
図1は、二連式ナットの斜視図であり、図2(a)は、二連式ナットの正面図であり、図2(b)は、二連式ナットの平面図であり、図2(c)は、二連式ナットの側面図である。なお、二連式ナット100は、本体が柱状体であり、ネジ穴200、201が空いた面を底面とし、上底面と下底面の間を側面とする。また、側面のうち、ネジ穴200とネジ穴201が横に並ぶ広い側を正面側又は背面側とし、ネジ穴200とネジ穴201が前後に重なる狭い側を左側面側又は右側面側とする。また、一の側面と隣接する側面との間の辺を頂辺とする。
図1に示すように、二連式ナット100は、ナットを横に2つ連結した構造である。本体は、主に金属製であり、金型等を使用して一体成形しても良いし、2つのナットを横に並べて接着剤で貼着する等して連結しても良い。本体には上底面から下底面まで2つのネジ穴200、201が貫通し、ネジ穴200、201の内周面には螺旋状に雌ネジが刻まれる。
本体の高さは、高ナットのように、ネジ穴200、201に通したボルトを保持するのに必要な長さにする。例えば、外径が約1.5cmで内径が約1cmの六角ナットの場合、六角柱の高さを約3cmにする等である。
本体を一体成形する場合は、正面側及び背面側を平面上にし、左側面側及び右側面側をナットの頂辺のように三角形状にしても良いし、平面状にしても良いし、湾曲状に丸めても良い。また、2つの六角ナットを連結する場合は、側面のうち平面の部分同士を接着又は溶接する。一のナットの正面側の頂辺と、他のナットの正面側の頂辺との間の凹部、及び背面側の同様の凹部を平面状に埋めても良い。
図2に示すように、本体の正面側にはビス穴210が空けられ、背面側にはビス穴211が空けられる。ビス穴210は、ネジ穴200の内周面に接し、ビス穴211は、ネジ穴201の内周面に接する。なお、ネジ穴200とビス穴210とは軸が直交する向きとなっており、ネジ穴201とビス穴211とも軸が直交する向きとなっている。
ビス穴210は、正面側から奥に向かって空けられるが、背面側には貫通させなくても良い。同様に、ビス穴211は、背面側から手前に向かって空けられるが、正面側には貫通させなくても良い。ビス穴210とビス穴211とは、近接すると間の強度が弱くなり、場合によっては繋がってしまうとも限らないので、同じ高さとならないように空けることが好ましい。なお、ビス穴210とビス穴211の一方だけでも構わない。
次に、二連式ナットの使用態様について説明する。図3は、二連式ナットの使用時の状況を示す図である。図4は、二連式ナットのボルト固定の状況を示す図である。
図3に示すように、例えば、躯体300から下方にボルト310を延びている場合に、ボルト310の長さよりも先の位置に配管を通すとする。ボルト310に二連式ナット100を介してボルト311を連結する。具体的には、二連式ナット100の一方のネジ穴200に対し、本体の上面から下面に貫通するようにボルト310を捻じ込み、他方のネジ穴201に対し、本体の下面から上面に貫通するようにフリーのボルト311を捻じ込む。
その上で、ボルト311の下部に吊ナット320が螺合される。なお、吊ナット320には、吊金具330が固定されており、吊金具330と配管を通すための配管受金具340とが留具350で接続される。
また、二連式ナット100とボルト310、311とをより強固に保持するために、本体のビス穴210、211にビス220、221を通す。ビス220、221は、一般的なネジを使用すれば良い。
図4に示すように、本体の正面側からビス220を捻じ込み、背面側からビス221を捻じ込む。ビス220は、ネジ穴200に螺合されたボルト310に接し、ビス221は、ネジ穴201に螺合されたボルト311に接する。ビス220とボルト310とは軸が直交する向きであり、ビス221とボルト311とも軸が直交する向きである。
ビス220がボルト310に接したときの摩擦力や、ボルト310に螺旋状に刻まれたネジの凹凸に掛かることによって、ボルト310が上下に移動しないように固定される。同様に、ビス221がボルト311に接したときの摩擦力や、ボルト311に螺旋状に刻まれたネジの凹凸に掛かることによって、ボルト311が上下に移動しないように固定される。すなわち、ビス220、221を通したことにより、ボルト310、311の回転が抑制される。
このように、二連式ナット100を使用すれば、ボルト310の長さが足りなくて延長用のボルト311を接続した場合でも、ボルト310は本体のネジ穴200を貫通しており、ボルト311はネジ穴201を貫通しているので、袋ナットのように捻じ込みが浅くなることはなく、振動により弛んで抜けてしまうことがない。
また、ボルト310とボルト311の軸が一直線上にないことから、ターンバックルのように二連式ナット100が勝手に一方のボルトの周りを回転して上方又は下方に移動してしまうこともない。さらに、ボルト310とボルト311の軸がずれていることから、一方のボルトを上方又は下方に移動させて高さを調整することも可能である。
次に、二連式ナットの応用例について説明する。図5は、二連式ナットの両ナットの縦位置をずらした場合を示す図である。
図5に示すように、ナット110とナット111を横に連結した二連式ナット101の場合に、ナット110とナット111の上端の位置を合わせずに一方を上方又は下方にずらした位置で連結させても良い。また、ナット110とナット111の高さが異なるようにしても良い。例えば、ナット110は、ナット111よりもズレ120の分だけ上方の位置とし、ナット111は、ナット110よりズレ121の分だけ下方の位置となるように連結する。
その他の例として、ナットを横に3つ以上連結した複連式ナットにしても良い。また、一のネジ穴と他のネジ穴の内径を別の大きさにしても良い。ネジ穴の間隔は任意であり、3つ以上の場合でも等間隔にしなくても良い。さらに、一のナットをL字型やT字型にすることにより、上下の縦方向だけでなく、左右又は前後の横方向などに対応可能としても良い。
以上、本考案の実施例を述べたが、これらに限定されるものではない。
100、101:二連式ナット
110、111:ナット
120、121:ズレ
150:袋ナット
160:ネジ穴
170:突部
200、201:ネジ穴
210、211:ビス穴
220、221:ビス
300:躯体
310、311:ボルト
320:吊ナット
321:ナット
330:吊金具
331:ハンガー
340:配管受金具
350:留具
110、111:ナット
120、121:ズレ
150:袋ナット
160:ネジ穴
170:突部
200、201:ネジ穴
210、211:ビス穴
220、221:ビス
300:躯体
310、311:ボルト
320:吊ナット
321:ナット
330:吊金具
331:ハンガー
340:配管受金具
350:留具
Claims (1)
- 柱状体の本体に内周面が螺旋状の雌ネジとなるようにネジ穴200、201を2つ上底面から下底面まで貫通させ、
前記ネジ穴200のうち一方に螺合させたボルト310と直交して接するビス220を通すために、前記本体の側面のうち正面側から奥に向かってビス穴210を空け、
前記ネジ穴201のうち他方に螺合させたボルト311と直交して接するビス221を通すために、前記本体の側面のうち背面側から手前に向かってビス穴211を空けた、
ことを特徴とする二連式ナット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015003875U JP3200450U (ja) | 2015-07-31 | 2015-07-31 | 二連式ナット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015003875U JP3200450U (ja) | 2015-07-31 | 2015-07-31 | 二連式ナット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3200450U true JP3200450U (ja) | 2015-10-22 |
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ID=54477484
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015003875U Expired - Fee Related JP3200450U (ja) | 2015-07-31 | 2015-07-31 | 二連式ナット |
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JP (1) | JP3200450U (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0243504U (ja) * | 1988-09-16 | 1990-03-26 | ||
JPH06185519A (ja) * | 1992-09-29 | 1994-07-05 | Shigezo Tatsumi | もどり止めナット |
JP2011043168A (ja) * | 2009-08-19 | 2011-03-03 | Daiwa Kk | ナットの緩み止め機構 |
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2015
- 2015-07-31 JP JP2015003875U patent/JP3200450U/ja not_active Expired - Fee Related
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