JPH06185519A - もどり止めナット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボルトナットのもどり止め機構ボルトナット
のもどり止め機構 【構成】 ナットの内周ネジ部に接線位置にナット端面
に平行なタッピンネジ装着貫通ネジ穴をもうけこれにタ
ッピンネジをねじ込んでボルトのネジの谷部側面面を切
削して任意箇所で固定するようにしたもどり止め機構の
ナット

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はもどり止めのナットに
関するもので、すべての汎用ボルトのナット締め箇所に
用いられ確実でしかも簡易に着脱可能でナットのみの構
成に係るため安易に従来の使用場所に取り替え使用でき
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来からナットのもどり止めの開発は枚
挙に暇がなくそのどれもが何等かの欠点をもっている。
すなはち一旦締めると取り外し難いもの、長期の振動で
戻るもの、空間専有面積の大きいもの、コスト高のも
の、締め工数を要するもの等で決定的なものは皆無に近
い。本発明出願人の特許第１４３２４２７号（ウオーム
ギヤーによる締め付けボルト）においては上記を改良し
てウオームとホイールの思想で締め付けるものであった
が従来の使用場所にそのまま当該ナットをはめかえるに
は空間的に不可能な場合もあった。本発明はその点の改
良を行ったものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ボルトには工作せず、
ナット側のみの工作で行うを目的としているが単純にナ
ット側面よりボルト面に直角に止めネジで固定すること
は容易に考えられるがそれでは戻りの力に耐え得ない事
は明白である。本発明はボルトのネジリード角度に注目
し、止めネジでボルトネジの谷部をナット内径円の接線
方向で突っ張るようにすれば、角度のこじれで相当な抵
抗となりその目的は達しえるが、更に確実にするため止
めネジの先端をタッピンネジ形状にしてボルトネジ部で
しかも谷部の両側面を切削しウオームとホイールの状態
にすれば一層確実となると考えたものでそれにはボルト
の谷部をタッピンネジ下穴径近辺寸法とする適正タッピ
ンネジの設計と、ナット側面よりの穴あけタップ立て位
置関係を正確にする治具の設計と更に使用時の設定工数
を考慮することによって所期の目的の達成が可能となっ
たものである。

【０００４】この構想をＪＩＳ規格のタッピンネジで行
うと材質上切削性能がその下穴のみを設けた薄鉄板用で
あるためボルトネジ部の肉厚部には無能力でこの構想用
として切削性能をタップ材質のＳＫＨ材等にすると軸部
に剛性がなく、更にボルトネジピッチに適正なタッピン
グを選択することの困難もあり、また締め込に通常のプ
ラスネジ頭では力不足の欠点もあった。前者については
先端のみを青酸カリ焼きを施す等で解決し、また後者の
タッピンネジの特殊専用径のものをつくるについては、
同時に締め具の強度も改良の要あり六角穴付き止めネジ
の形状でタツピン機能のあるものが適正と考えられるが
もともとＪＩＳ規格および市場には存在しないゆえに設
計する必要が考えられた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】ボルトのネジ部の谷部の
断面がナットに組み込んだタッピングネジの下穴径に相
当するようボルトの各サイズによりタッピングネジ径を
設計するとともに、通常のタッピンネジは案内ネジ部を
設けないがこの場合設けて切削を容易にし且設定後はも
どり止めとして不可欠の機能を果たすこととなる。また
治具には、ばか穴としたのは生産能率からであるがＶブ
ロックを用いたのはナット斜面に穴あけする際のドリル
先端のすべりを防ぐためで、また左右からのそれぞれ穴
あけとタップ立ては１回締めによる精度と能率のためで
ある。更に重要なことはナット側に設けたタッピングネ
ジ案内ネジ穴位置がボルトの谷即ちナットの山位置で且
適正箇所に窓状に切り欠け破壊しえるものでなければな
いため、これに適正な当て金としてネジ姿の櫛歯ゲージ
を用いたものである。

【０００６】

【作用】ボルトネジ谷部に挿入されたタッピンネジはボ
ルトネジの谷部の両側面を切削してボルトネジ軸に直角
で谷径円の接線方向に進入し一方ネジ部はリード角で若
干傾いているから仮に貫通しなくても突っ張る形となり
しかもウオームとウオームホイールの構成でタッピンネ
ジの方からでないと戻る確率が無い。もっともタッピン
ネジのねじこみはナットのゆるみを防止する方向からし
めこむようにしている。なおボルトのネジ山部をかすめ
る程度で切削するよう位置ぎめしても軽振動のもどり止
めには有効であるが製作精度誤差も勘案すれば谷部への
挿入の方が製造性能共に確実性がたかい。

【０００７】

【実施例】ボルト１にナツト２をねじ込んで任意位置で
固定するについては、あらかじめナット２の内ネジの山
部で内径円に接線方向に貫通ネジ穴３を設けナットのネ
ジ山部は削り取られる形であるが更に一部内面に適正な
切り欠け破壊窓部４を形成させており、その位置に接触
するボルトネジの谷部の両側面５・５を貫通ネジ穴に装
着案内されたタッピンネジの先端６で切削してそのネジ
穴に誘導貫通してタッピンネジ側をウオーム、ボルトネ
シ側をウオームホイールの形となるが、万一その切削貫
通途上で停止してもタッピンネジとボルトネジのリード
角とのこじれで固定する形となる。タッピンネジの頭は
六角穴としてＬ型工具７で強力にし且埋め込み形式とす
れば、ナットが従来空間でなんら差し支えることなく賄
い得て便利である。なおボルト谷部へのタッピンネジ締
め込み位置はナットネジ山部位置で触診できるため、タ
ッピンネジ貫通位置を製作時にナット側で正確にすれば
よい。従って先ずタッピングネジ穴の下穴をあけるにつ
いてナット２面の傾斜角のためのドリルの先端のすべり
をなくする必要から１２０度Ｖブロック８にナット２面
を第４図ａまたはｂの形で圧着してＶブロックにあらか
じめ設けたタップ下穴径のドリル９のドリル案内穴９’
およびタッピンネジ径のタップ１０のタップ案内ばか穴
１０’をそれぞれ左右に設けておいて順次工作するがそ
の際の圧着位置決め以前にナットネジ姿櫛歯ゲージ１１
を挿入し、手作業又は空圧シリンダーＳ１で破線でしめ
すＸ状軌跡のシーケンス制御等いずれかでナットネジ山
に係合させた後空圧シリンダーＳ２により圧着してのち
工作する。なおタップ工作はドリル案内穴直前でストパ
ーが働いて逆転するように設定する。

【０００８】

【発明の効果】本発明はボルトナット締めの全分野でわ
ずか１工数の増加で信頼性のある締めこみができ産業へ
の貢献度合は頗大きい。

【０００９】

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１部切り欠け全体斜視図、第２図はタ
ッピンネジ案内ネジ穴を示すナットの縦断面図、第３図
は六角穴付き止めネジの側面図、第４図は本発明の製造
方法を示す斜視図である。

【００１０】

【符号の説明】

１．ボルト ２．ナツト ３．貫通ネジ穴 ４．
切り欠け破壊窓部 ５．ボルトネジの谷部の両側面 ６．タッピンネジの
先端 ７．Ｌ型工具 ８．１２０度Ｖブロック ９．タップ下穴径ドリル
９’ドリル案内穴 １０．タッピン径のタップ １０’タップ案内穴
１１．姿櫛歯ゲージ Ｘ．軌跡 Ｓ１・Ｓ２． 空圧シリンダー

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】六角ナットの任意のネジ山位置で、内径円
   内周の接線方向に貫通ネジ穴を設け、これにネジ込む形
   で先端高硬度のタッピンネジを着装して、このネジ穴の
   案内で更にねじ込んでナットのネジ山の破損切り欠け窓
   位置において係合するボルトネジ谷部の両サイドのネジ
   山側面をタッピンネジ先端部で切削して貫通し、ボルト
   の任意はめ合い位置で固定出来るようにしたもどり止め
   ナット。
2. 【請求項２】請求項１のナットの貫通ネジ穴位置をボル
   トネジ谷部位置に特定するため使用するタッピンネジの
   下穴径ドリル工作案内穴とそのタッッピンネジ用タップ
   工作案内ばか穴をそれぞれ左右に１直線上に設けた１２
   ０度Ｖブロック治具に六角ナットの１２０度を成す２面
   を圧着して順次ドリルおよびタップ作業を左右から行う
   に際して圧着以前にＶブロックに開閉自在に取り付けた
   ネジピッチ形状に一致した櫛歯姿ゲージをネジ面に挿入
   して当て金としタッピングネジのボルトネジ部に対する
   関係位置決めを行うようにしたもどり止めナットの製造
   方法。
3. 【請求項３】請求項１のタッピンネジの先端タッピング
   形状の六角穴付き止めネジ。