JP2011052767A - 回転戻り止めナットおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転戻り止めの機能を十分に発揮し、取り外しも容易に行えるバランスの良い回転戻り止めナットおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】ナット2Aの端面21に回転戻り止めスプリング3を設置した回転戻り止めナット1Aであって、前記回転戻り止めスプリング3は前記ナット2Aのネジ山ピッチよりも僅かに細い線径の線材によって有効径よりも僅かに小さい内径を有する螺旋状に形成されており、回転戻り止めスプリング3の上端部を螺旋部31の外側に延出させて下方に折り曲げて端面21に固定することで固定端部32として構成し、下端部を前記ナット2Aの側面よりも外側に延出させて突出端部33として構成し、この突出端部33が内方向に押動されたときに前記回転戻り止めスプリング3を拡径する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ナットや内側にネジが切られていない座金状のナットの端面に回転戻り止めスプリングを設置した回転戻り止めナットおよびその製造方法に関するものである。
従来、ナットに回転戻り止め用のコイルスプリングを設置することにより振動等による回転戻りを防止するための回転戻り止めナットが提案されている。
例えば、特開2003−343536号公報によれば、ボルトのネジ部に螺合されるべきコイルスプリングと、上記コイルスプリングの外周を取り巻くように配置されて上記コイルスプリングの一方の端部を筒状部材に係止させる係止部とを備え、上記筒状部材は内周面が平坦な面になるように形成されている取り外し防止装置および弛み止め装置が提案されている(特許文献1)。この特許文献1によれば、弛み止め防止装置は、ボルトのネジ部に対して筒状部材が外力によって相対的に逆回転されるものとなっても、筒状部材は内周面が平坦な面であることによって、筒状部材の内周面とボルトのネジ部との係合が弱いため、ボルトのネジ部およびコイルスプリングに対して筒状部材が空回りする状態になり、上記コイルスプリングはボルトのネジ部に対して静止し続けるとされている。
特開2003−343536号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明においては、取り外し時にコイルスプリングの端部を筒状部材から破断させる必要があり、取り外し後には再使用することができないという問題がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、回転戻り止めの機能を十分に発揮し、取り外しも容易に行えるバランスの良い回転戻り止めナットおよびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係る回転戻り止めナットは、ナットの端面に回転戻り止めスプリングを設置した回転戻り止めナットであって、前記回転戻り止めスプリングは前記ナットのネジ山ピッチよりも僅かに細い線径の線材によって前記ナットの有効径よりも僅かに小さい内径を有する螺旋状に形成されており、前記回転戻り止めスプリングの上端部を螺旋部の外側に延出させて下方に折り曲げて前記ナット端面に固定することで固定端部として構成し、下端部を前記ナットの側面よりも外側に延出させて突出端部として構成し、この突出端部が内方向に押動されたときに前記回転戻り止めスプリングを拡径するものである。
本発明に係る回転戻り止めナットは、内側にネジが切られていないナットの端面に回転戻り止めスプリングを設置した回転戻り止めナットであって、前記回転戻り止めスプリングは螺合するボルトのネジ山ピッチよりも僅かに細い線径の線材によって前記ボルトの有効径よりも僅かに小さい内径を有する螺旋状に形成されており、前記回転戻り止めスプリングの上端部を螺旋部の外側に延出させて下方に折り曲げて前記ナット端面に固定することで固定端部として構成し、下端部を前記ナットの側面よりも外側に延出させて突出端部として構成し、この突出端部が内方向に押動されたときに前記回転戻り止めスプリングを拡径するものである。
また、本発明において、前記突出端部は、その突出された先端に最も近い前記ナットの角部よりも螺旋巻き方向へ越える位置に向けて前記螺旋部の接線方向に沿って延出される構成を採用してもよい。
さらに、本発明において、突出端部は、その先端を上方向へ湾曲状に曲げられた形状を備えてもよい。
本発明に係る回転戻り止めナットの製造方法は、雄ネジが形成された軸と角部が形成されたヘッドとを有するとともに、前記雄ネジの始まり位置を前記ヘッドの角部に合わせて形成し、かつ、前記雄ネジの始まり位置を基準として所定の前記角部を貫通するガイド貫通孔を形成した固定穴形成治具を使用し、ナットの端面に回転戻り止めスプリングを固定する回転戻り止めナットの製造方法であって、前記ナットを前記固定穴形成治具の前記ヘッドに接する位置あるいは接する手前まで螺進させて前記ヘッドの角部と前記ナットの角部が一致するように位置決めするスプリング固定穴位置決め工程と、前記ガイド貫通孔に穿孔具を挿入して前記ナットの端面に前記回転戻り止めスプリングを固定するための固定穴を穿孔するスプリング固定穴穿孔工程と、前記ナットを前記固定穴形成治具から取り外し、前記固定穴に前記回転戻り止めスプリングを挿入して固定するスプリング固定工程とからなる。
本発明によれば、回転戻り止めの機能を十分に発揮しつつ、ナットの取り外しも容易に行うことができる。
本発明に係る回転戻り止めナットの第1実施形態を示す斜視図である。 本第1実施形態の回転戻り止めナットをボルトに取り付けた状態を示す縦断面図である。 本第1実施形態の回転戻り止めナットを示す平面図である。 本第1実施形態の回転戻り止めナットの回転戻り止めスプリングが拡径したときの状態を示す平面図である。 本第1実施形態の回転戻り止めナットをソケットレンチに挿入した状態を示す平面拡大図である。 本第1実施形態の突出端部の突出位置を示す平面図である。 本発明に係る回転戻り止めナットの突出端部について異なる先端形状の例を示す全体斜視図である。 本発明に係る回転戻り止めナットの製造方法に用いられる固定穴形成治具を示す(a)平面図および(b)正面図である。 本発明に係る回転戻り止めナットの製造方法の(a)スプリング固定穴位置決め工程と、(b)スプリング固定穴穿孔工程と、(c)および(d)スプリング固定工程とを示す図である。 本発明に係る回転戻り止めナットの第2実施形態を示す全体斜視図である。 本第2実施形態の回転戻り止めナットの使用状態を示す側面図である。
以下、本発明に係る回転戻り止めナットの第1実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本第1実施形態の回転戻り止めナット1Aを示す斜視図である。
回転戻り止めナット1Aは、ナット2Aと、回転戻り止めスプリング3とから構成される。回転戻り止めスプリング3は、螺旋部31と、この螺旋部31の上端側に形成される固定端部32と、螺旋部31の下端側に形成される突出端部33とから構成される。以下、各構成について詳細に説明する。
ナット2Aは、JIS規格等で規定されている規格ナットを用いてよい。本第1実施形態では右ネジのネジ山24を有する六角ナットが用いられ、上端面21の角部22に回転戻り止めスプリング3を固定するための固定穴23が形成されている。なお、ナット2Aは、六角ナットに限定されるものではなく、四角、八角、十二角や丸型等、種々の規格ナットを採用してよい。また、ネジ山24を左ネジに形成してもよい。
回転戻り止めスプリング3は、ナット2Aのネジ山24ピッチよりも僅かに細い線材によって形成されている。また、回転戻り止めスプリング3の螺旋部31は、前記線材によりナット2Aの有効径よりも僅かに小さい内径を有する螺旋状に形成されている。本第1実施形態における回転戻り止めスプリング3は、ナット2Aのネジ山24ピッチとほぼ等しいピッチで、上端部から下端部にかけて時計回りの下降螺旋状に形成されている。なお、ナットが左ネジのネジ山の場合は、上端部から下端部にかけて反時計回りの下降螺旋状に形成される。
固定端部32は、回転戻り止めスプリング3の上端部を螺旋部31の外側に延出させて所定の位置で下方に折り曲げられ、ナット2Aの上端面21に固定されることにより形成されている。本第1実施形態においては、前記上端部を螺旋部31の略接線方向に沿って延出させて略垂直に下方へ折り曲げている。なお、この固定端部32の先端は、図2に示すように、螺旋部31がナット2Aのネジ山24のピッチの延長上にくる深さまで前記ナット2Aの固定穴23に挿入させる。そして、ナット2Aの側面25角部をプレス加工して内側に塑性変形させて圧着固定されている。なお、この固定方法は前記方法に限らず、適宜選択してよい。
なお、螺旋部31の巻き数は、多いほど回転戻りを防止するための締め付け力を増大させることになるが、巻き数が多すぎると固定端部32の垂下する部分が長くなり、締め付けたときに撓んでしまい、それに伴って戻り方向に回転してしまうという問題がある。また、材料費等の製造コストの面からもあまり巻き数は多くしたくない。そのため本第1実施形態の螺旋部31は、約二巻きする構成を採用しており、固定端部32の垂下部分の長さを極力短く形成している。なお、ナット2Aと回転戻り止めスプリング3との固定穴23や突出端部33の位置関係については、回転戻り止めナットの製造方法においてさらに詳述する。
突出端部33は、回転戻り止めスプリング3の下端部をナット2Aの側面25より外側に延出させて形成されており、突出端部33とナット2Aの上端面21とはわずかに離れており押動し易くなっている。本第1実施形態では、突出端部33とナット2Aの上端面21との間をピッチの約1/2ないしそれ以下の隙間として形成し、ボルトBの雄ネジと螺合するナット2Aの雌ネジの螺旋と連続的な螺旋構造を形成するようにしている。そして、前記突出端部33は延出されている方向と逆方向である内方向に押動されると回転戻り止めスプリング3の螺旋部31が拡径し、ボルトBの締め付けを緩められるようになっている。
なお、回転戻り止めスプリング3が拡径するか否かは、突出端部33がどのように押動されるかによって異なる。例えば、突出端部33が押動されていない状態の回転戻り止めスプリング3は、図3に示すように、ナット2Aと同心円状になっている。
ここで、図4に示すように、突出端部33が内方向に押動すると、回転戻り止めスプリング3は拡径する。一方、図示はしないが、突出端部33を延出されている方向に押動すると、回転戻り止めスプリング3は締め付けられて縮径する。
また、ソケットレンチ等のナット2Aを取り外す取り外し工具4により取り外し作業を行う場合には、図5に示すように、取り外し工具4の内側面から押圧を受ける。このとき突出端部33の先端34と取り外し工具4の内側面との接点Pでは、回転戻り止めスプリング3からの付勢力Fと、取り外し工具4の内側面から受ける反力Rと突出端部33の先端34と取り外し工具4の内側面との摩擦力fがバランスを保つことになる。
ここで、突出端部33を延出されている方向に押動しようとすると、当該突出端部33が取り外し工具4の内側面に進入する角度は小さい方がよい。しかし、接点Pにおける面に沿う方向の付勢力Fが大きくなり、突出端部33の先端34と取り外し工具4の内側面との摩擦力fが耐えられなくなって内側へ滑ってしまうという現象が起きる。すると、突出端部33は回転戻り止めスプリング3を縮径する方向に押動されてしまう。
したがって、本第1実施形態では、図6に示すように、突出端部33がナット2Aの外側に突出される先端34に最も近いナット2Aの角部22’を基準として、その角部22’を螺旋巻き方向へ越える位置Cに向けて、螺旋部31の接線方向に沿って延出されている。これにより、突出端部33を延出されている方向と逆側へ押動させることができる。なお、突出させる位置はCに限られず、各角部22,22,・・・を基準に図6の点線で描いたC1,C2,C3,C4のような位置に突出させてもよい。
また、本第1実施形態における突出端部33の先端34は、取り外し工具4への挿入時の抵抗力を低減させることや先端34との引っ掛かりを回避するために、図1に示すように、その先端34を上方向へ湾曲状に曲げられている。なお、突出端部33の先端34が曲げられる方向は上方向へ湾曲状のものに限定されるものではなく、図7に示すように回転方向へ湾曲される形状にしてもよい。
次に、本発明に係る回転戻り止めナットの製造方法について説明する。本第1実施形態における回転戻り止めナットの製造方法は、図8に示すような固定穴形成治具5が用いられ、図9に示すように(a)スプリング固定穴位置決め工程と、(b)スプリング固定穴穿孔工程と、(c)スプリング固定工程を経て回転戻り止めナット1Aが製造される。
固定穴形成治具5は、雄ネジ51が形成された軸52と角部53が形成されたヘッド54とから構成されている。また、図8(b)に示すように、雄ネジ51の始まり位置は側面から見たときのヘッド54の角部53と一致するように形成されている。さらに、その雄ネジ51の始まり位置を基準として所定の角部53を貫通させた貫通孔55が形成されている。本第1実施形態では、雄ネジ51の始まり位置と一致された角部53に、前記回転戻り止めスプリング3の線材の直径よりも僅かに大きい直径を有する貫通孔55が形成されている。なお、前述した固定穴形成治具5は一例であって、このような治具を使わずに、他の方法を適宜選択してもよい。
そして、本第1実施形態の回転戻り止めナットの製造方法では、図9(a)に示すように、スプリング固定穴位置決め工程により、回転戻り止めスプリング3を設けるナット2Aの上端面21に固定穴23を穿孔する位置を決定する。具体的には、前記固定穴形成治具5にナット2Aを螺合させ、当該ナット2Aが前記固定穴形成治具5のヘッド54に接するか、あるいは接する手前の位置で、前記ヘッド54の角部53とナット2Aの角部22とが合致する位置までナット2Aを螺進させる。そして、固定穴形成治具5の貫通孔55の位置が固定穴23を穿孔する位置として決定する。
本第1実施形態のように固定穴23の近傍に突出端部33を形成する場合(図6における突出位置Cの場合)、基準となる角部22ないしその近傍に形成位置を決定した。
なお、例えば、図6の突出位置C2から突出させる場合には、前記基準となる角部22と180度反対位置にある角部22に貫通孔55が形成された固定穴形成治具5を準備し、前述と同様、ナット2Aとヘッド54とが接する位置ないしその手前において前記ヘッド54の角部53とナット2Aの角部22とを合致させ、その合致位置と正反対側にある貫通孔55の位置に固定穴23の形成位置を決定する。
続いて、次の図9(b)に示すように、スプリング固定穴穿孔工程では、固定穴形成治具5の貫通孔55に沿ってドリル等の穿孔具Dを挿入し、ナット2Aの上端面21の角部22に所定の深さまで固定穴23を穿孔する。本実施形態では、固定穴23の深さにより回転戻り止めスプリング3のピッチを考慮した位置合わせが確定する。
次に図9(c)に示すように、スプリング固定工程では、ナット2Aを固定穴形成治具5から取り外し、回転戻り止めスプリング3の固定端部32を螺旋部31がナット2Aのネジ山24のピッチの延長上にくる深さまで固定穴23に挿入して固定する。なお、本第1実施形態では、低コストと加工の容易さに優れているため、図9(d)に示すように、プレス機等を使って固定端部32が挿入された角部22の側面25を塑性変形させることにより圧着固定しているが、固定方法は特に限定されるものではなく、接着剤や溶接により固定してもよいし、固定穴23の径を線材の径よりも小さくすることにより嵌入させて固定してもよい。
本第1実施形態の回転戻り止めナットの製造方法によれば、固定穴23に挿入する固定端部32の長さと固定穴23の深さを一定にすることにより、螺旋部31がナット2Aのネジ山24に対して連続的な螺旋を描くようにすることができる。
次に、本第1実施形態の回転戻り止めナット1Aにおける各構成の作用について説明する。
回転戻り止めナット1Aは、工具等によってボルトBと締結される。回転戻り止めスプリング3の螺旋部31はナット2Aのネジ山24に連続するように延長上に配置されているため、回転戻り止めスプリング3がボルトBにも適切に螺合することができる。
このとき、回転戻り止めスプリング3がナット2Aの有効径より僅かに小さい内径に形成されているため、ナット2Aを締め付けていくとボルトBとの間に摩擦力が発生する。この摩擦力は、締め付ける際には回転戻り止めスプリング3を拡径させる方向に作用するため、締め付けの邪魔にならない。したがって、ナット2Aは軽い締め付け力でボルトBに締結することができる。
一方、ナット2Aが振動等により戻る方向に回転しようとすると、ボルトBと回転戻り止めスプリング3との間の摩擦力は取り付け時とは反対方向に働く。すなわち、回転戻り止めスプリング3は縮径する方向に作用する力を受け、回転戻り止めスプリング3がボルトBを締め付けて回転を阻害するため、回転戻りが防止される。
本第1実施形態の回転戻り止めナット1Aを取り外す場合には、ソケットレンチ等の取り外し工具4が用いられる。取り外し工具4を取り付けると、その内側面は突出端部33を延出されている方向とは逆方向へと押動する。なお、ここで用いる取り外し工具4は、一般的なソケットレンチでよく、特別な工具を必要としない。突出端部33を押動させながらナット2Aを把持可能なものであれば、スパナやメガネレンチ等であってもよい。
取り外し工具4によって押動された突出端部33は、回転戻り止めスプリング3の螺旋部31を拡径し、ボルトBと回転戻り止めスプリング3との間に隙間を形成する。
したがって、ナット2Aが戻り方向に回転されても、ボルトBと回転戻り止めスプリング3との間の摩擦力が弱められ、容易に取り外すことができる。
なお、突出端部33は、取り付けるときにおける本第1実施形態の回転戻り止めナット1Aのソケットレンチ等の取り付け具からの落下防止にもなる。すなわち、突出端部33と取り付け具とが互いに当接し合っているため、ナット2Aは取り付け具内に把持されて落下しない。
以上のような本第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
1.取り付け作業は従来のナットとほぼ変わらず、締め付け力が軽い。
2.振動等により戻る方向に回転力が生じても回転戻り止めスプリング3がボルトBを自動的に締め付けるため回転戻りしない。
3.取り外し作業にはソケットレンチ等の一般的な取り外し工具4を用いることができるため、誰でも簡単に作業することができる。
4.締結時のソケットレンチ等の取り付け工具からの脱落を防止することができる。
次に、本発明に係る回転戻り止めナットの第2実施形態について図面を用いて説明する。なお、本第2実施形態のうち、前述した第1実施形態の構成と同一若しくは相当する構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
図10は、本第2実施形態の回転戻り止めナット1Bを示す斜視図である。本第2実施形態の回転戻り止めナット1Bは、内側にネジが切られていない座金状のナット2Bと、回転戻り止めスプリング3とから構成されている。このナット2Bは、図11に示すように、雌ネジを有する一般的なナットNと締結されているボルトBに、更に締結することにより、先に締結された一般的なナットNの回転戻りを防止するものである。
本第2実施形態の回転戻り止めナット1Bに用いられる内側にネジが切られていない座金状のナット2Bは、中心にボルトBの雄ネジ外径よりも大きい穴が開いているが、内側にはネジが形成されていない。ネジを形成する必要がないので、座金のように薄くしてもよい。側面25の形状は特に限定されないが、本第2実施形態においては、先に取り付けられる一般的なナットNのものと等しい六角形に形成されている。いずれかの角部22近傍には固定穴23が設けられている。
本第2実施形態の回転戻り止めスプリング3は、螺旋部31と、この螺旋部31の上端部の固定端部32と、螺旋部31の下端部の突出端部33とから構成される。螺旋部31は、螺合するボルトBのネジ山ピッチよりも僅かに細い線径の線材によって、ボルトBの有効径よりも僅かに小さい内径を有する螺旋状に形成されている。回転戻り止めスプリング3の固定端部32は、ナット2Bの固定穴23に挿入されて固定される。
次に、本第2実施形態の回転戻り止めナット1Bの作用について説明する。
本第2実施形態の回転戻り止めナット1Bは、一般的なナットNが締結されているボルトBに、ナット2Bの上端面21に接するまで締結する。このとき回転戻り止めスプリング3の螺旋部31は、ネジ山の役割を担い、ナット2Bと接する位置までボルトBを螺進する。
回転戻り止めスプリング3は、第1実施形態と同様に、締結時には拡径する方向の作用力を受けて締結の妨げとならないが、逆回転させて戻ろうとするとボルトBを締め付ける方向の作用力を受けて回転戻りを防止し、これにより先に締結されている一般的なナットNの回転戻りを防止することができる。
以上のような本第2実施形態によれば、既に締結している一般的なナットNに、後付で回転戻り止め効果を与えることができるし、低コストで高い緩み止め効果を発揮させられる。
1A,1B 回転戻り止めナット
2A ナット
2B 内側にネジが切られていない座金状のナット
3 回転戻り止めスプリング
4 取り外し工具
5 固定穴形成治具
21 上端面
22 角部
23 固定穴
24 ネジ山
25 側面
31 螺旋部
32 固定端部
33 突出端部
34 先端
51 雄ネジ
52 軸
53 角部
54 ヘッド
55 貫通孔
B ボルト
C,C1,C2,C3,C4 突出位置
D 穿孔具
N 一般的なナット

Claims (5)

  1. ナットの端面に回転戻り止めスプリングを設置した回転戻り止めナットであって、
    前記回転戻り止めスプリングは前記ナットのネジ山ピッチよりも僅かに細い線径の線材によって前記ナットの有効径よりも僅かに小さい内径を有する螺旋状に形成されており、
    前記回転戻り止めスプリングの上端部を螺旋部の外側に延出させて下方に折り曲げて前記ナット端面に固定することで固定端部として構成し、下端部を前記ナットの側面よりも外側に延出させて突出端部として構成し、この突出端部が内方向に押動されたときに前記回転戻り止めスプリングを拡径する回転戻り止めナット。
  2. 内側にネジが切られていないナットの端面に回転戻り止めスプリングを設置した回転戻り止めナットであって、
    前記回転戻り止めスプリングは螺合するボルトのネジ山ピッチよりも僅かに細い線径の線材によって前記ボルトの有効径よりも僅かに小さい内径を有する螺旋状に形成されており、
    前記回転戻り止めスプリングの上端部を螺旋部の外側に延出させて下方に折り曲げて前記ナット端面に固定することで固定端部として構成し、下端部を前記ナットの側面よりも外側に延出させて突出端部として構成し、この突出端部が内方向に押動されたときに前記回転戻り止めスプリングを拡径する回転戻り止めナット。
  3. 請求項1または請求項2において、前記突出端部は、その突出された先端に最も近い前記ナットの角部よりも螺旋巻き方向へ越える位置に向けて前記螺旋部の接線方向に沿って延出されている回転戻り止めナット。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、突出端部は、その先端を上方向へ湾曲状に曲げられている回転戻り止めナット。
  5. 雄ネジが形成された軸と角部が形成されたヘッドとを有するとともに、前記雄ネジの始まり位置を前記ヘッドの角部に合わせて形成し、かつ、前記雄ネジの始まり位置を基準として所定の前記角部を貫通するガイド貫通孔を形成した固定穴形成治具を使用し、ナットの端面に回転戻り止めスプリングを固定する回転戻り止めナットの製造方法であって、
    前記ナットを前記固定穴形成治具の前記ヘッドに接する位置あるいは接する手前まで螺進させて前記ヘッドの角部と前記ナットの角部が一致するように位置決めするスプリング固定穴位置決め工程と、
    前記ガイド貫通孔に穿孔具を挿入して前記ナットの端面に前記回転戻り止めスプリングを固定するための固定穴を穿孔するスプリング固定穴穿孔工程と、
    前記ナットを前記固定穴形成治具から取り外し、前記固定穴に前記回転戻り止めスプリングを挿入して固定するスプリング固定工程と
    からなる回転戻り止めナットの製造方法。
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