JP3199495B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

冷蔵庫

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辰男 宮地
卓也 松本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫の合成樹脂によ
り一体形成された扉外板よりなる扉構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、冷蔵庫は、生活に対するゆとり指
向などから、家具の一部または、装飾面としての付加価
値指向より冷蔵庫の顔である扉の高品位化が進展してい
る。
【0003】その中でも、一体でスッキリ感をもたせた
合成樹脂からなる扉外板からなる断熱扉体においては、
外面を所望の色彩等で印刷したフィルム等を、所定温度
に加温した外面に押圧して転写する。または塗装を施し
て所望の色彩とした扉外板であった。例えば特開平2−
219975号公報に記載されている様な構成を採って
いた。この従来の詳細を図5〜図9で説明すると、1は
冷蔵庫本体、2は扉を示す。3は合成樹脂材にて射出成
形した扉外板、4はガスケット6を保持する扉枠、5は
扉外板3の表面に設けた扉枠の係止片7を有している支
持片で7′は側面3′に設けた支持片。7″は係止爪で
ある。8は扉枠の上端面に設置した扉内面板である。9
は扉外板と扉内面板との間に充填された発泡断熱材であ
り、本構成により断熱扉体を形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、図6及び図7の様に扉枠固定用の支持片を
扉外板の表面側に設けているため、表面に支持片との樹
脂収縮等によるヒケ(くぼみ)や、樹脂の流れ害によ
るウェルドラインが発生する樹脂材料の欠点を有してい
た。
【0005】また、これらの欠点を解消するため図5に
示す様に扉外板の表面の形状は、中央が両端より凸形状
とした円弧状に形成され、転写フィルム10等の熱転写
ローラ11による押圧力、熱転写加工後の熱収縮に対す
る応力対応を図っていた。このため扉外板の形状が規制
される、後加工処理でコストが非常に高くなるといっ
た、デザイン面,コスト面の欠点を有していた。
【0006】また扉枠は、扉外板の側面に密着されシー
ルされるものであるが、側面シールのみのため、扉枠取
付の傾き等が発生しやすく、発泡充填時に洩れが発生す
る。或いは手直しが必要といった組立上の欠点を有して
いた。
【0007】本発明は、従来の課題を解決するもので、
扉外板の表面に出るヒケ,ウェルドラインといった合成
樹脂品の欠点をなくし、後加工になる転写フィルム、塗
装を不要とする。更に発泡断熱材の洩れのない組立性に
優れた、低コストでデザイン効果の高い冷蔵庫の扉を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この上記目的を達成する
ために、本発明の第1の手段は、扉外板の側面周縁部に
扉枠挿着用の係止爪と支持片とを設け、扉枠挿着後、扉
内面板を扉枠の支持部に配設し、形成された空間部に発
泡断熱材を充填するとともに、側面の周縁部に設けた支
持片の端部は、他側面の支持片と縁切りして扉としたも
のである。
【0009】第2の手段は、扉外板の表面を連続する異
種形状としたものである。
【0010】第3の手段は、扉外板側面の周縁部に連続
して形成した支持片の平面部に径1mm以下の穴を設けた
ものである。
【0011】
【作用】本発明は、上記した構成による第1の手段で
は、扉枠を固定する支持片の端部を他側面の支持片と縁
切りすることにより金型上4側面の支持片を一体に形成
でき、扉外板の表面上に扉枠等の挿着用支持片(リブ)
を不要としたため、表面側は基材樹脂のみの均一面とな
り、ヒケ,ウェルドラインの発生はなく、外観品位に優
れた扉外板を提供出来る。
【0012】また、側面周縁部の係止爪下方に形成した
連続する逆L字形状の支持片により形成されるU字形空
間に扉枠を挿着固定しシールするため、発泡断熱材の洩
れのない組立性に優れた扉構造を提供出来る。
【0013】また、第2の手段では、円弧状の表面か
ら、連続する異種形状の扉外板の表面を形成出来るた
め、形によるデザイン面の選択拡大を図ることが出来
る。
【0014】また、第3の手段では、支持片の平面部に
径1mm以下の穴を設け発泡断熱材充填時のエアー抜きを
行うことで、充填性の優れた断熱扉体を提供出来る。
【0015】
【実施例】以下本発明の一実施例の冷蔵庫について、図
1〜図4を参照しながら説明する。101は冷蔵庫本体
で、前面開口部に上扉102、中扉102′、下扉10
2″を配設してある。扉は同一構造につき上扉102で
以後説明を行う。103はAl箔入りABS等で射出成
形された扉外板であり、4辺側面103′と表面10
3′′′により内面を開口する容器状に造られている。
【0016】112は側面103′の内周縁部103″
に設けた係止爪で113は、その下側に略逆L字状で連
続して形成され他側面と端部113′と縁切りされた支
持片で、係合部114を有している。
【0017】115は支持片113の平面部113″に
径1mm以下で多数設けた穴である。104は扉枠で、ガ
スケット106(図示せず)を保持する溝104″と、
前記係止爪112に対応する凹部104′と、係合部1
14に対応した爪104を一体で形成している。取り付
けは、圧入挿入されて、挿着固定されている。108は
内面開口部を覆う扉内面板である。
【0018】扉外板103と扉枠104と扉内面板10
8間の空間に発泡充填された発泡断熱材109により扉
103を断熱構造体としている。
【0019】上記の構成により、扉外板103の表面1
03′′′は、支持片等が全くなく基材を均一厚さとで
きるためヒケ(くぼみ)、ウェルドラインといった樹脂
成形品の欠点が解消される。更にAl箔片の含有率1%
以上のABS材料の使用をも可能として新しい色彩選択
が可能となった。扉外板表面のデザイン面も支持片11
3より略下方であれば、異種の形に選択出来、デザイン
面の効果向上が図れる。
【0020】また、扉外板103内に挿入固着された扉
枠104は、内周縁部103″と支持片113の内面で
位置固定されると共に面圧接し、シールされている為、
扉枠の組立バラツキによる傾き等がなく発泡断熱材の充
填時に断熱材の洩れを発生させないため、外観品位が保
たれる。
【0021】また支持片113の平面部113″に穴1
15を設けている為、充填時のエアー抜きが施され充填
性に優れた断熱扉構造を提供している(穴15の径1mm
以下は、断熱セルの発泡径より小とし、洩れをなくすも
のである。)。
【0022】更に支持片113の端部113′が、他側
面の支持片113の長さa寸法の約2倍の長さb寸法で
4コーナ共縁切りする事により4側面の支持片を4側辺
金型割りすることで一体成形が可能となる。よって扉外
板と一体の支持片により側面が補強され、強度面に優れ
る扉外板103を提供できる。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、扉枠を
固定する支持片の端部を他側面の支持片と縁切りするこ
とにより金型上4側面の支持片を一体に形成でき、扉外
板の側面内周縁部に設けた係止爪と支持片により扉枠を
圧接挿着させ、扉外板の開口部を覆う扉内面板との空間
に発泡断熱材を充填させた扉としたことにより、扉外板
の表面側のリブ等によるヒケ,ウェルドラインといった
樹脂成形品の欠点を解消した外観品位に優れた扉体を提
供出来ると共に、側面を補強し強度面に優れた扉外板を
提供出来る。また、樹脂成形品の欠点をカバーする為の
後加工、転写フィルム、塗装を不要とした安価な扉を提
供出来る。更に、Al箔入りABS材での成形を可能と
し、新しい色彩選択をも可能と出来る。
【0024】また、扉外板の表面を連続する異種形状と
したことにより、扉外板の形状選択を広げてデザイン効
果を高めることが出来る。
【0025】更には、支持片と側面の内周縁で扉枠を圧
接挿着し、支持片に径1mm以下のエアー抜き用穴を設け
ている為、発泡断熱材の洩れのない充填性に優れた断熱
扉を提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部断面図
【図2】図3の実施例の断面B−Bを示す横断面図
【図3】実施例を示す扉外板の裏面斜視図
【図4】一実施例を示す冷蔵庫の外観図
【図5】従来例の転写フィルム仕様を示す斜視図
【図6】実施例の扉外板の裏面図
【図7】図6の要部Aの拡大図
【図8】従来例の要部断面図
【図9】従来例を示す冷蔵庫の外観図
【符号の説明】
102 扉 103 扉外板 103′ 側面 103″ 側面の内周縁部 103′′′ 表面 104 扉枠 104″ ガスケット挿入溝 108 扉内面板 109 発泡断熱材 112 係止爪 113 支持片 113′ 支持片の端部 113″ 支持片の平面部 115 穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−219975(JP,A) 特開 平4−110590(JP,A) 実開 昭57−125989(JP,U) 実開 平2−44681(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25D 23/02 304

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂よりなり、表面と4辺側面によ
    り内面を開口する容器状に一体成形し、側面の周縁部に
    係止爪と、対向方向に延出する略逆L字状の支持とを
    設けた扉外板と、この扉外板の内面開口を覆う扉内面板
    と、前記扉内面板の支持部と、ガスケット挿着溝を有
    し、前記係止爪と支持片で挿入固着される扉枠と、これ
    ら扉外板,扉内面板及び扉枠とで形成する空間に発泡断
    熱材を充填するとともに、側面の周縁部に設けた前記支
    持片の端部は、他側面の前記支持片と縁切りされてなる
    冷蔵庫。
  2. 【請求項2】 扉外板の表面を連続する異種形状とした
    請求項1記載の冷蔵庫。
  3. 【請求項3】 係止爪の下方に連続して形成した支持片
    の平面部に多数の1mm以下の径の穴を設けてなる請求項
    1または2記載の冷蔵庫。
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JP5532098B2 (ja) * 2012-09-24 2014-06-25 パナソニック株式会社 冷蔵庫用扉及びその製造方法
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