JP3199436B2 - 高圧ガス容器の垂直位置決め機構 - Google Patents

高圧ガス容器の垂直位置決め機構

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高圧ガス容器を垂直に
保持するための垂直位置決め機構に関する。
【0002】
【従来の技術】シランガス等の各種のガスは高圧ガス容
器(以下、容器と略称する)に充填されて顧客に供給さ
れている。顧客は容器からガスを取り出して使用する
が、その際使用済の容器には多少のガスが残留してい
る。この後容器は製造元に回収されて再び使用に供され
るが、その際容器内を清浄な状態にする必要がある。
【0003】従来この作業は、人手によって行われてい
た。すなわち、容器の残ガスを放出させ容器内を真空に
引くガス処理設備の管路と容器の容器弁とを袋ナットを
用いて接続した後、前記設備を運転して、容器から残ガ
スを排気し、ついで高純度窒素ガス等の洗浄用ガスの注
入、放出を数回繰り返し、最後に容器内を真空引きし
て、容器内を清浄な状態としていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように従来は、ガ
ス処理設備が設けられた位置に容器を運び、当該設備の
管路に容器の容器弁を接続するといった作業を、人手に
よって一本づつ行わなければならないので、作業に多く
の手間がかかる問題があった。このような問題を解決す
るために容器の残ガス放出・真空引きの作業を自動化す
る設備も提案されている。この設備は、例えば、容器を
取り扱う容器取扱ユニットとこの容器の残ガスを放出さ
せ洗浄ガスで洗浄後容器内を真空に引くガス処理部とか
らなり、上記容器取扱ユニットが、容器を載せて回転す
るターンテーブルと、このターンテーブルに設けられた
容器支持機構と、ターンテーブルによって所定位置に送
られた上記容器の弁を開閉する容器弁開閉機構と、容器
が上記所定位置に送られたときその容器弁とガス処理部
とを接続する枝管接続機構とを備えたものである。
【0005】このような設備によれば、使用済みの容器
を連続的に洗浄処理することが可能となるが、このよう
な設備を実用化するにはいくつかの問題があった。その
問題のひとつとして、ターンテーブルに載せる容器をそ
の軸線を正確に垂直に向けた状態で連続的に搬送させる
のが困難な問題がある。即ちターンテーブル上に容器を
載せ、支持機構の弁部受けに容器の安全弁側を当接する
だけで容器を垂直に保持しようとすると、容器の位置ず
れを起こし易く安定性に欠け、容器の弁と容器弁開閉機
構との接続あるいは容器の容器弁口金部と上記枝管接続
機構との接続が円滑に行なえないという不都合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、高圧ガス容
器の垂直位置決め操作を容易に、かつ正確に行なうこと
ができる高圧ガス容器の垂直位置決め機構を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の高圧ガス容器の
垂直位置決め機構は、凹底型の高圧ガス容器を直立して
載置する台と、該高圧ガス容器の弁部をその安全弁と弁
箱の両側面に当接して支持する弁部支持部材とを備え、
上記台の上面に、先端部が高圧ガス容器の凹底中央に当
接して支持する突起を設けてなり、該突起の先端部を高
圧ガス容器の凹底中央に当接させて前記高圧ガス容器を
前記台から浮き上がった状態で支持するとともに、弁部
を上記弁部支持部材で支持することにより、高圧ガス容
器の軸線が垂直となるように保持されることを特徴とす
るものである。
【0007】
【作用】本発明の高圧ガス容器の垂直位置決め機構は、
凹底型の高圧ガス容器を直立して載置する台と、該高圧
ガス容器の弁部をその安全弁と弁箱の両側面に当接して
支持する弁部支持部材とを備え、上記台の上面に、先端
部が高圧ガス容器の凹底中央に当接して支持する突起を
設けてなり、該突起の先端部を高圧ガス容器の凹底中央
に当接させて前記高圧ガス容器を前記台から浮き上がっ
た状態で支持するとともに、弁部を上記弁部支持部材で
支持することにより、高圧ガス容器底部が正確に位置決
めされると共に弁部を包囲するように支持するので高圧
ガス容器をその軸線が垂直となるように正確かつ安定的
に保持することができる。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の高圧ガス容器
の垂直位置決め機構の一実施例を説明する。この実施例
の高圧ガス容器の垂直位置決め機構は、高圧ガス容器の
残ガス放出・真空引き設備に設けられている。この残ガ
ス放出・真空引き設備は、高圧ガス容器を取り扱う図1
に示す容器取扱ユニット1と、高圧ガス容器の残ガスを
放出させ洗浄ガスを導入,排出を行ない更に高圧ガス容
器内を真空に引く図4に示すガス処理部2とによって概
略構成されている。そして容器取扱ユニット1は、さら
に高圧ガス容器を直立させて載置して回転するターンテ
ーブル3と、高圧ガス容器を固定するための容器支持機
構4と、高圧ガス容器の弁を開閉する容器弁開閉機構5
と、高圧ガス容器が所定位置に送られたときその枝管と
前記ガス処理部2とを接続する枝管接続機構6とによっ
て概略構成されている。
【0009】上記ターンテーブル3は、円形の台7とこ
れを回転させるモータ(図示略)および減速機(図示
略)とによって構成されている。ターンテーブル3の台
7上には、図2(A)に示す、突起7aが設けられてい
る。この突起7aは、容器が載せられるとき、先端部7
bが容器の凹底中央に当接して支持するような形状にな
っている。このとき、容器はターンテーブル3上から浮
き上がった状態で支持され、台7の上面と容器の底との
距離Lが1〜2mm程度とされる。このターンテーブル
3の中央には、容器支持機構4が設けられている。
【0010】上記容器支持機構4は、上記台7の中心に
立設された支柱10と、容器本体用V受け11と、クラ
ンプ機構12と、弁部支持部材13とで概略構成されて
いる。容器本体用V受け11は、図2(B)に示すよう
に、ほぼV字状の切り欠きが形成された板状の物で、容
器の本体部分の上部と下部に当接するように支柱10に
取り付けられている。クランプ機構12は、図2(B)
に示すように、エアーシリンダ15と、クランプ16と
クランプ確認用エアリミットスイッチ17とで概略構成
されている。このクランプ機構12は、上下2箇所に設
けられた前記容器本体用V受け11の間に設けられてお
り、エアーシリンダ15が伸長されると、図2(B)中
矢印Yで示すように、クランプ16が倒れて容器本体用
V受け11との間に容器を挟んでこれを固定する。エア
ーシリンダ15とエアリミットスイッチ17は管路(図
示略)によって接続されており、前述のようにクランプ
16を倒してエアーシリンダ15内の圧力が所定の値以
上になるとこれがエアリミットスイッチ17によって検
知され、容器が固定されたことが確認されるようになっ
ている。
【0011】弁部支持部材13は、図2(C)に示すよ
うに、弁部18の弁箱19の両側面と安全弁20に当接
して弁部18を支持するものであって、上下に位置調整
できるように設けられている。この弁部支持部材13に
は、凹部13aが形成されており、さらにこれの内側に
ライナー14が設けられ、弁箱19の安全弁20が設け
られた側がほとんど緩みなく入るようになっている。そ
してこのライナー14に弁箱19の安全弁20側を挿入
すると容器の容器弁口金部(以下口金部と略称する)2
1はターンテーブル3の径方向外方に向くようになって
いる。
【0012】上記容器弁開閉機構5は、図3に示すよう
に、上記ターンテーブル3の上方に設けられた梁部材2
2の下に連設された昇降ユニット23に取り付けられて
いる。この容器弁開閉機構5は、下端に設けられた爪部
材24がセンターコンプライアンス25を介して回転駆
動機構26に接続されてなるものである。爪部材24
は、容器のハンドル29に係合するように配置された複
数の爪27が板部28から下方に向けて突設されたもの
である。回転駆動機構26は爪部材24を回転させるも
ので、電動式や空気圧式のものがある。
【0013】上記昇降ユニット23の下端部には、下降
停止位置検出機構31が取り付けられている。この下降
停止位置検出機構31には、光電管および発光素子(図
示略)が設けられており、容器弁のハンドル29の位置
を検出し、容器弁開閉機構5の爪27はハンドル29に
適切に係合し、さらに容器弁の口金部21の上端を検知
するようになっている。
【0014】上記枝管接続機構6は、図3に示すよう
に、上記容器弁開閉機構5と同じ梁部材22の下に昇降
ユニット36を介して設けられている。この枝管接続機
構6は、後述するガス処理部2のホース40を容器弁の
口金部21に接続するためのもので、ガス処理部2のホ
ース40に接続された継手37が従動機構38の先端側
に取り付けられ、この従動機構38が押圧機構39によ
って押されるようになっている。
【0015】上記ガス処理部2は、図4に示すように、
ホース40によって枝管接続機構6と接続されたもの
で、ホース40が連接された本管路68と、この本管路
68と除害装置69とを接続する放出管路70と、上記
本管路68と真空ポンプ71とを接続する真空管路72
とによって概略構成されている。本管路68の一端は純
粋窒素の供給源92に接続されており、他端には連成形
の圧力計74が接続されている。本管路68のホース4
0が接続された部分より一端側の位置には窒素弁81が
設けられている。また上記放出管路70には放出弁82
が設けられており、真空管路72には真空弁83が設け
られている。これら弁81,82,83は、作動用窒素
管路84から電磁弁81a,82a,83aを介し供給
される作動用窒素によって開閉されるようになってい
る。
【0016】つぎに上記構成からなる高圧ガス容器の残
ガス放出・真空引き設備の動作を説明する。この設備で
高圧ガス容器の残ガスを処理するには、まず図2(A)
に示すように、ターンテーブル3上の突起7aに容器の
凹底中央を載せる。この時図2(C)に示すように、弁
箱19の安全弁20側を弁部支持部材13内側のライナ
ー14に挿入して、弁部支持部材13に弁箱19の両側
面と安全弁20側弁箱部を当接させると共に、図2
(B)に示すように容器の本体部分を容器本体用V受け
11に収めるようにする(容器の外径によっては接しな
いときもある)。このように、突起7aを容器の凹底中
央に当接するとともに、弁部を弁部支持部材13で支持
することにより、高圧ガス容器底部が正確に位置決めさ
れると共に弁部18を包囲するように支持するので高圧
ガス容器をその軸線Gが垂直となるように正確かつ安定
的に保持する。
【0017】この後、クランプ機構12のエアーシリン
ダ15を伸長させてクランプ16を倒し容器を固定す
る。このように容器が固定されたことは、エアーシリン
ダ15内のエア圧が所定値以上になったことをエアリミ
ットスイッチ17で検知することによって確認される。
このようにして容器をターンテーブル3に載せ、図5に
示すように5本の容器を載せ、更にターンテーブル3を
定められた角度回転させると、1本目の容器が図5中符
号Aで示す作業処理点に送られる。すると、容器弁開閉
機構5が降下して、図3に示すように爪部材24の爪2
7を容器弁のハンドル29に噛み合わせる。
【0018】これに追従して、枝管接続機構6が降下
し、継手37と容器弁の口金部21を接続する。このの
ち、図4に示すガス処理部2による残ガス処理が以下の
ように行われる。 まず真空管路72の真空弁83を開いて本管路68
及びホース40内を排気する。 この後、真空弁83を閉じ、ついで容器弁開閉機構
5により容器の弁部18を開き放出管路70の放出弁8
2を開いて、容器内の残ガスを放出させる。 ついで放出弁82を閉じ、本管路68の窒素弁81
を開いて容器に高純度窒素を洗浄ガスとして注入する。 次に窒素弁81を閉じて放出弁82を開き、容器に
注入した高純度窒素を放出させる。 上記の工程を所定回数繰り返して容器内を洗浄
する。 放出弁82を閉じて真空弁83を開き容器内を真空
引きする。 真空弁83を閉じる。 以上のようにして、高純度窒素により容器を洗浄し、容
器内の真空引きが完了した後、容器弁開閉機構5により
容器の弁部18を閉じる。この後枝管接続機構6の継手
37を口金部21から外す。こうして1本の容器の処理
が完了すると、ターンテーブル3が回転し次の容器が作
業処理点Aに送られて再び上述の手順で残ガス処理が行
われる。
【0019】本実施例の高圧ガス容器の垂直位置決め機
構は、凹底型の高圧ガス容器を直立して載置する台7
と、該高圧ガス容器の弁部18をその安全弁20側弁箱
と弁箱19の両側面に当接して支持する弁部支持部材1
3とを備え、上記台7の上面に、先端部7bが高圧ガス
容器の凹底中央に当接して支持する突起7aを設けてな
り、該突起7aの先端部7bを高圧ガス容器の凹底中央
に当接させて前記高圧ガス容器を台7から浮き上がった
状態で支持するとともに、弁部18を上記弁部支持部材
13で支持することにより、高圧ガス容器底部が正確に
位置決めされると共に弁部18を包囲するように支持す
るので高圧ガス容器をその軸線Gが垂直となるように正
確かつ安定的に保持することができ、高圧ガス容器の残
ガス放出・真空引きの作業の自動化が実現できる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高圧ガス
容器の垂直位置決め機構は、凹底型の高圧ガス容器を直
立して載置する台と、該高圧ガス容器の弁部をその安全
弁側弁箱と弁箱の両側面に当接して支持する弁部支持部
材とを備え、上記台の上面に、先端部が高圧ガス容器の
凹底中央に当接して支持する突起を設けてなり、該突起
の先端部を高圧ガス容器の凹底中央に当接させて前記高
圧ガス容器を前記台から浮き上がった状態で支持する
ともに、弁部を上記弁部支持部材で支持することによ
り、高圧ガス容器底部が正確に位置決めされると共に弁
部を包囲するように支持するので高圧ガス容器をその軸
線が垂直となるように正確かつ安定的に保持することが
でき、高圧ガス容器の残ガス放出・真空引きの作業の自
動化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の高圧ガス容器の垂直位置決め機構が設
けられた高圧ガス容器の残ガス放出・真空引き設備の容
器取扱ユニットを示す図。
【図2】同設備の容器支持機構を示す図。
【図3】同設備の容器弁開閉機構と枝管接続機構とこれ
らを保持する昇降ユニットを示す図。
【図4】同設備のガス処理部を示す系統図。
【図5】同設備の容器取扱ユニットを示す平面図。
【符号の説明】
1……容器取扱ユニット、2……ガス処理部、3……タ
ーンテーブル、4……容器支持機構、5……容器弁開閉
機構、6……枝管接続機構、7……台、7a……突起、
7b……先端部、8……モータ、9……減速機、10…
…支柱、11……容器本体用V受け、12……クランプ
機構、13……弁部支持部材、13a……凹部、14…
…ライナー、15……エアーシリンダ、16……クラン
プ、17……エアリミットスイッチ、18……弁部、1
9……弁箱、20……安全弁、21……容器弁口金部、
22……梁部材、23……昇降ユニット、24……爪部
材、25……センターコンプライアンス、26……回転
駆動機構、27……爪、28……板部、29……ハンド
ル、31……下降停止位置検出機構、36……昇降ユニ
ット、37……継手、38……従動機構、39……押圧
機構、68……本管路、69……除害装置、70……放
出管路、71……真空ポンプ、72……真空管路、73
……3角部材、74……圧力計、78、79……リミッ
トスイッチ、81……窒素弁、82……放出弁、83…
…真空弁、84……作動用窒素管路、87……フローテ
ィング機構、88……スプリング、92……純粋窒素供
給源、G……軸線、L……距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 ▲しゅん▼一 福岡県北九州市小倉北区東港2丁目3番 1号 日本酸素株式会社 北九州工場内 (72)発明者 広見 健二 福岡県行橋市西泉3−10−12 (72)発明者 豊田 康夫 福岡県北九州市小倉北区上富野三丁目16 番8号 不二興産株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−92900(JP,A) 実開 平1−84000(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F17C 13/00 - 13/08 301

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹底型の高圧ガス容器を直立して載置す
    る台と、該高圧ガス容器の弁部をその安全弁と弁箱の両
    側面に当接して支持する弁部支持部材とを備え、上記台
    の上面に、先端部が高圧ガス容器の凹底中央に当接して
    支持する突起を設けてなり、該突起の先端部を高圧ガス
    容器の凹底中央に当接させて前記高圧ガス容器を前記台
    から浮き上がった状態で支持するとともに、弁部を上記
    弁部支持部材で支持することにより、高圧ガス容器の軸
    線が垂直となるように保持されることを特徴とする高圧
    ガス容器の垂直位置決め機構。
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