JP3425965B2 - 枝管接続機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、使用済み高圧ガス容器
から残ガスを取り除き容器内を真空にする作業を自動で
行う残ガス放出・真空引き設備に利用できる枝管接続機
構に関する。

【０００２】

【従来の技術】シランガス等の各種のガスは高圧ガス容
器（以下、容器と略称する）に充填されて顧客に供給さ
れている。顧客は容器からガスを取り出して使用する
が、その際使用済の容器には多少のガスが残留してい
る。この後容器は製造元に回収されて再び使用に供され
るが、その際容器内を清浄な状態にする必要がある。

【０００３】従来この作業は、人手によって行われてい
た。すなわち、高圧ガス容器の残ガスを放出させ容器内
を真空に引くガス処理設備の管路と容器の容器弁とを袋
ナットを用いて接続した後、前記設備を運転して、容器
から残ガスを排気し、ついで高純度窒素ガス等の洗浄用
ガスの注入、放出を数回繰り返し、最後に容器内を真空
引きして、容器内を清浄な状態としていた。

【０００４】このように従来は、ガス処理設備の管路に
容器の容器弁を袋ナットを用いて接続するといった作業
を、人手によって一本づつ行わなければならないので、
前記作業に多くの手間がかかる問題があった。

【０００５】そして、この人手による高圧ガス容器の残
ガス放出・真空引き作業を自動化するためのガス処理設
備についても開発が行われてきている。この自動式のガ
ス処理装置としては、例えば、複数本の容器を直立した
状態で回転搬送するターンテーブルと、所定位置に移送
された容器の容器弁を開閉するための弁開閉装置と、容
器弁口金部に接続されるガス排出／導入用のホースの継
手部とこの継手部を押すための押圧機構とを有する枝管
接続機構とを具備した残ガス放出・真空引き設備が提案
されている。

【０００６】この残ガス放出・真空引き設備は、ターン
テーブルによって使用済み容器を回転搬送し、所定位置
まで搬送された容器の容器弁口金部にホースの継手を接
続するとともに、弁開閉装置により容器弁を開放し、残
存ガスを継手部からホースに排出し、さらにホースを通
して容器内の真空引き、純窒素ガス洗浄等の清浄化処理
を行い、その後に容器内を真空引きして容器弁を閉じ
る。このようにして１本の容器の処理が完了したなら
ば、ターンテーブルが回転し次の容器が作業処理位置に
送られ、同様の手順で残ガス処理が行われる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような残
ガス放出・真空引き設備を実用化するにあたり、いくつ
かの問題点がある。それらの問題の１つとして、容器弁
の口金部とホースの継手との接続がスムーズに行われな
いという問題がある。即ち、ターンテーブルにより所定
の作業処理位置に搬送された容器の容器弁口金部に、ホ
ースの継手部を前進させて接続する場合に、前進する継
手部が容器弁口金部に当り、容器が押されることによっ
て容器が傾き、その結果、容器弁口金部と継手部との相
対的な位置にずれを生じ、継手部と容器弁口金部との接
続不良を招くおそれがある。

【０００８】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、容器弁口金と継手との接続不良を解消し、高圧ガス
容器の残ガス放出・真空引き作業を自動化するための設
備を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の枝管接続機構
は、高圧ガス容器の容器弁に接続されるホースの継手部
が先端に取り付けられた従動機構とこの従動機構を押す
ためにこの従動機構の後方に設けられた押圧機構とを備
えた枝管接続機構本体と、この枝管接続機構本体を上下
動させる昇降手段とからなり、前記枝管接続機構本体を
前記昇降手段に、前記継手部を前進させて前記容器弁に
接続する際に前記高圧ガス容器が傾いた場合に、該継手
部の前進方向が該高圧ガス容器の傾斜に従って修正され
るように揺動可能に取り付けたものである。本発明にお
いて、前記枝管接続機構本体は、該枝管接続機構本体の
側方に設けられた軸を中心として揺動可能とされている
ことが好ましい。

【００１０】

【作用】本発明の枝管接続機構は、ホースの継手部が先
端に取り付けられた従動機構と、この従動機構を押すた
めにこの従動機構の後方に設けられた押圧機構とを備え
た枝管接続機構本体を、昇降手段に揺動可能に取り付け
た構成としたので、ホースの継手部を前進させて容器弁
口金部に接続する場合に、前進する継手部が容器弁口金
部に当って容器が僅かに傾いたとしても、枝管接続機構
本体が揺動することによって継手部の前進方向が容器の
傾斜に従うように修正され、容器弁口金部と継手部とが
確実に接続される。

【００１１】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の枝管接続機構
の一実施例を説明する。この実施例の枝管接続機構は、
高圧ガス容器の残ガス放出・真空引き設備に設けられて
いる。この高圧ガス容器の残ガス放出・真空引き設備
は、高圧ガス容器を取り扱う図１に示す容器取扱ユニッ
ト１と、高圧ガス容器の残ガスを放出させ容器内を真空
に引く図１１に示すガス処理部２とによって概略構成さ
れている。そして容器取扱ユニット１はさらに高圧ガス
容器を載せて回転するターンテーブル３と容器を固定す
るための容器支持機構４と高圧ガス容器の弁を開閉する
容器弁開閉機構５と高圧ガス容器が前記所定位置に送ら
れたときその容器弁と前記ガス処理部２とを接続する枝
管接続機構６とによって概略構成されている。

【００１２】前記ターンテーブル３は、図２に示すよう
に、円形の台７とこれを回転させるモータ８および減速
機９とによって構成されている。このターンテーブル３
の中央には、図３に示す、容器支持機構４が設けられて
いる。容器支持機構４は、前記台７の中心に立設された
支柱１０と容器本体用Ｖ受け１１とクランプ機構１２と
弁部受け１３とで概略構成されている。容器本体用Ｖ受
け１１は、図４に示すように、ほぼＶ字状の切り欠きが
形成された板状の物で、容器の本体部分の上部と下部に
当接するように支柱１０に取り付けられている。クラン
プ機構１２は、エアーシリンダ１５と、クランプ１６と
クランプ確認用エアリミットスイッチ１７とで概略構成
されている。このクランプ機構１２は、上下２箇所に設
けられた前記容器本体用Ｖ受け１１の間に設けられてお
り、エアーシリンダ１５が伸長されると、図４中矢印Ｙ
で示すように、クランプ１６が倒れて容器本体用Ｖ受け
１１との間に容器を挟んでこれを固定する。エアーシリ
ンダ１５とエアリミットスイッチ１７は図２に示すよう
に管路９０によって接続されており、前述のようにクラ
ンプ１６を倒してエアーシリンダ１５内の圧力が所定の
値以上になるとこれがエアリミットスイッチ１７によっ
て検知され、容器が固定されたことが確認されるように
なっている。弁部受け１３は、図５に示すように、容器
の弁部１８を保持するもので、上下に位置調整できるよ
うに設けられている。この弁部受け１３には、弁部１８
の安全弁２０の設けられた側がほとんど緩みなく入る凹
部９１が形成されている。そしてこの凹部９１に弁部１
８の安全弁２０側を挿入すると容器の容器弁口金部（以
下口金部と略称する）２１はターンテーブル３の径方向
外方に向くようになっている。

【００１３】前記容器弁開閉機構５は、図６に示すよう
に、前記ターンテーブル３の上方に設けられた梁部材２
２の下に連設された昇降ユニット２３に取り付けられて
いる。この容器弁開閉機構５は、図７に示すように、下
端に設けられた爪部材２４がセンターコンプライアンス
２５を介して回転駆動機構２６に接続されて成るもので
ある。爪部材２４は、容器の弁部１８のハンドル２９に
係合するように配置された複数の爪２７が板部２８から
下方に向けて突設されたものである。回転駆動機構２６
は爪部材２４を回転させるもので、電動式や空気圧式の
ものがある。これら回転駆動機構２６と爪部材２４との
間に介在されたセンターコンプライアンス２５は、回転
駆動機構２６の中心軸と爪部材２４の中心軸の位置が若
干ずれるのを許容するもので、弁部１８のハンドル２９
に対する爪部材２４の係合が円滑に行われるようにす
る。前記昇降ユニット２３の下端部には、図７に示すよ
うに、下降停止位置検出機構３１が取り付けられてい
る。この下降停止位置検出機構３１は、逆Ｌ字状の腕部
３２，３２の一方の下端に光電管３３、他方に発光素子
３４が設けられたものである。この下降停止位置検出機
構３１の光電管３３および発光素子３４は、容器弁開閉
機構５の爪２７が容器のハンドル２９に適切に係合した
時、容器の口金部２１の上端を検知する位置に設けられ
ている。

【００１４】前記枝管接続機構６は、図６に示すよう
に、前記容器弁開閉機構５と同じ梁部材２２に取り付け
られた昇降ユニット３６と、この昇降ユニット３６に揺
動可能に取り付けられた枝管接続機構本体６ａとから構
成されている。この枝管接続機構本体６ａは、図８に示
すように、後述するガス処理部２のホース４０を容器の
口金部２１に接続するためのもので、ガス処理部２のホ
ース４０に接続された継手３７が従動機構３８の先端側
に取り付けられ、この従動機構３８が押圧機構３９によ
って押されるようになっている。継手３７は、ガス流通
孔４１が穿設された継手本体４２の先端側外周にチャッ
ク４３を備えたカバー４４が取り付けられて成るもので
ある。継手本体４２の先端部４２ａは口金部２１の孔に
入る大きさに加工されており、この先端部４２ａの後ろ
には鍔部４４ａが形成されている。この鍔部４４ａの前
面には口金部２１の端面に当接するパッキン４５が取り
付けられている。この継手３７の後部には従動機構３８
が連接されている。

【００１５】従動機構３８は、前記昇降ユニット３６に
取り付けられた支持体４６の下面前部に設けられたレー
ル部材４９に前後動自在に支持された軸受け部材４７
に、摺動軸４８が前後動自在に設けられたものである。
この摺動軸４８の先端は前記継手本体４２の後端に緩く
挿入されている。また軸受け部材４７の先端と継手本体
４２とは、円周方向に沿って６本のコイルスプリング８
８が配置されてなるフローティング機構８７によって接
続されている。

【００１６】この従動機構３８の後方側には、押圧機構
３９が設けられている。押圧機構３９は、前記支持体４
６の下面中央部に取り付けられた軸受け部材５２に摺動
ロッド５３が前後動自在に挿入され、この摺動ロッド５
３がその後端に取り付けられたトグルリンク５４をピス
トン５５で動かすことによって前後動せしめるものであ
る。このトグルリンク５４の他端は、前記支持体４６の
後端に取り付けられたブロック５７に回動自在に固定さ
れている。このブロック５７の後部にはローラ５８が設
けられており、前記梁部材２２を支えている柱部材５９
に設けられたブロック６０にこのローラ５８が当接して
押圧機構３９の後退を防止している。このブロック６０
には板体７７を介してリミットスイッチ７８，７９が取
り付けられている。一方のリミットスイッチ７８はトグ
ルリンク５４が所定角度まで折れ曲がった状態を検知す
るように、他方のリミットスイッチ７９はトグルリンク
５４が伸びきった状態を検知するように設けられてい
る。

【００１７】これら従動機構３８と押圧機構３９とは、
それぞれ軸受け部材４７，５２を介して支持体４６の下
面側に連設されている。さらに、従動機構３８と押圧機
構３９とからなる枝管接続機構本体６ａを固定した支持
体４６は、図９に示すように昇降ユニット３６先端に固
定された取付板６１から下方に延出した吊下板６２に揺
動可能に吊着されている。また取付板６１と支持体４６
との間には４つのスプリング６３が介在されている。こ
の吊下板６２の下端部は、図１０に示すように、支持体
４６の両側面に固定された外装板６４の下端部にピン継
手６５を用いて回動可能に取り付けられている。支持体
４６はこのピン継手６５を軸として揺動する一方、４つ
のスプリング６３の反発力によって揺動範囲が規定さ
れ、所定範囲以上の大きな揺動の発生が防止されてい
る。これらのスプリング６３は、矩形をなす取付板６１
の各角部に固定されたボルト６６に緩挿された状態で取
り付けられている。

【００１８】この枝管接続機構６は、ホース４０の継手
３７が先端に取り付けられた従動機構３８と、この従動
機構３８を押すためにその後方に設けられた押圧機構３
９とからなる枝管接続機構本体６ａを、昇降ユニットに
揺動可能に取り付けたことにより、継手３７を前進させ
て口金部２１に接続する場合に、前進する継手の先端部
４２ａが口金部２１に当って容器が僅かに傾いたとして
も、枝管接続機構本体６ａが揺動することによって継手
３７の前進方向が容器の傾斜に従うように修正されるよ
うになっている。

【００１９】前記ガス処理部２は、図１１に示すよう
に、ホース４０によって枝管接続機構６と接続されたも
ので、ホース４０が連接された本管路６８と、この本管
路６８と除害装置６９を接続する放出管路７０と、前記
本管路６８と真空ポンプ７１を接続する真空管路７２と
によって概略構成されている。本管路６８の一端は純粋
窒素の供給源９２に接続されており、他端には連成形の
圧力計７４が接続されている。本管路６８のホース４０
が接続された部分より一端側の位置には窒素弁８１が設
けられている。また前記放出管路７０には放出弁８２が
設けられており、真空管路７２には真空弁８３が設けら
れている。これら弁８１，８２，８３は、作動用窒素管
路８４から電磁弁８１ａ，８２ａ，８３ａを介し供給さ
れる作動用窒素によって開閉されるようになっている。

【００２０】つぎに上記構成からなる高圧ガス容器の残
ガス放出・真空引き設備の動作を説明する。この設備で
高圧ガス容器の残ガスを処理するには、まずターンテー
ブル３上に容器を載せる。この時図５に示すように、容
器の弁部１８の安全弁２０側を容器支持機構４の弁部受
け１３の凹部９１に入れると共に、図４に示すように容
器の本体部分を容器本体用Ｖ受け１１に収めるようにす
る。この後、クランプ機構１２のエアーシリンダ１５を
伸長させてクランプ１６を倒し容器を固定する。このよ
うに容器が固定されたことは、エアーシリンダ１５内の
エア圧が所定値以上になったことをエアリミットスイッ
チ１７で検知することによって確認される。このように
して一本の容器をターンテーブル３に載せた後、図１２
に示すように５本の容器を載せ、更にターンテーブル３
を定められた角度回転させると、１本目の容器が図１２
中符号Ａで示す作業処理点に送られる。すると、容器弁
開閉機構５が降下され、これに追従して枝管接続機構本
体６ａが降下される。枝管接続機構本体６ａの降下は容
器弁開閉機構５よりも１パルス遅れて開始される。この
降下は、図７に示すように、容器弁開閉機構５側の昇降
ユニット２３に取り付けられた下降停止位置検出機構３
１によって容器弁のハンドル部２９の上端が検知され、
図８に示すように、爪部材２４の爪２７を容器の弁部１
８のハンドル２９に噛み合わせる。更に下降停止位置検
出機構３１によって容器弁の口金部２１の上端を検出
し、枝管接続機構６が降下して枝管接続機構本体６ａの
位置決めが完了する。

【００２１】上述のように容器弁開閉機構５および枝管
接続機構本体６ａの高さ位置が定まった後、枝管接続機
構６の継手本体４２と容器の口金部２１を接続する。ま
ず枝管接続機構６の押圧機構３９のピストン５５が伸長
して、トグルリンク５４が伸びる。すると押圧機構３９
の摺動ロッド５３が前進して従動機構３８を前進させ継
手３７の継手本体４２の先端部４２ａが口金部２１に軽
く挿入し、強く押される。継手本体４２は摺動軸４８と
継手本体４２との間に設けられたフローティング機構８
７によってその位置がある程度自由に動けるようになっ
ているので、継手本体４２の先端は口金部２１の孔内に
円滑に導かれる。また枝管接続機構本体６ａは昇降ユニ
ット３６に固定された取り付け板６１に揺動可能に吊着
されているので、継手３７を前進させて口金部２１に接
続する場合に、前進する継手３７の先端部４２ａが口金
部２１に当って容器が僅かに傾いたとしても、枝管接続
機構本体６ａが揺動することによって継手３７の前進方
向が容器の傾斜に従うように修正され、口金部２１に継
手３７の先端部４２ａが確実に挿入され強く押し付けら
れる。これにより口金部２１と枝管接続機構６との接続
が完了する。

【００２２】このように容器弁口金部２１への接続が完
了すると、図１１に示すガス処理部２による残ガス処理
が以下のように行われる。 まず真空管路７２の真空弁８３を開いて本管路６８
及びホース４０内を排気する。 この後、真空弁８３を閉じ、ついで容器弁開閉機構
５により容器の弁部１８を開き放出管路７０の放出弁８
２を開いて、容器内の残ガスを放出させる。 ついで放出弁８２を閉じ、本管路６８の窒素弁８１
を開いて容器に高純度窒素を注入する。 次に窒素弁８１を閉じて放出弁８２を開き、容器に
注入した高純度窒素を放出させる。 上記の工程を所定回数繰り返す。 放出弁８２を閉じて真空弁８３を開き容器内を真空
引する。 真空弁８３を閉じる。 以上のようにして、高純度窒素により容器を洗浄し、容
器内の真空引が完了した後、容器弁開閉機構５により容
器の弁部１８を閉じる。そしてこの後枝管接続機構６の
ピストン５５を駆動して口金部２１から継手本体４２を
外す。こうして１本の容器の処理が完了すると、ターン
テーブル３が回転し次の容器が作業処理点Ａに送られて
再び上述の手順で残ガス処理が行われる。

【００２３】この実施例の枝管接続機構６は、高圧ガス
容器を所定の位置にセットし押圧機構３９を動作させる
と、継手３７が高圧ガス容器の口金部２１に接続され
る。従ってこの実施例の枝管接続機構６によれば、ガス
処理設備のホース４０に容器の口金部２１を袋ナットを
用いて接続するといった作業が不要となり、高圧ガス容
器の残ガス放出・真空引き作業に要する人手を減らすこ
とができる。

【００２４】またこの実施例の枝管接続機構６では、ホ
ースの継手部が先端に取り付けられた従動機構と、この
従動機構を押す押圧機構とからなる枝管接続機構本体６
ａを昇降ユニット３６に揺動可能に取り付けた構成とし
たので、押圧機構を作動させて従動機構を押し、継手３
７を前進させて先端部４２ａを容器弁の口金部２１に接
続する場合に、前進する継手３７の先端部４２ａが口金
部２１に当って容器が僅かに傾いたとしても、枝管接続
機構本体６ａが揺動することによって継手３７の前進方
向が容器の傾斜に従うように修正され、口金部２１と継
手３７とが確実に接続される。従ってこの実施例の枝管
接続機構６によれば、高圧ガス容器の口金部２１に対す
る接続を確実に達成できる。

【００２５】なお、先の実施例では、昇降ユニット３６
に枝管接続機構本体６ａを揺動可能に取り付けるための
手段として、枝管接続機構本体６ａを固定した支持体４
６を、昇降ユニット３６に固定された取付板６１に吊着
するとともに、支持体４６と取付板６１との間にスプリ
ング６３を介在させて揺動可能に取り付けた構成とした
が、枝管接続機構本体６ａを揺動可能に取り付けるため
の手段はこれに限定されず、例えば昇降ユニット３６と
支持体４６とを引張りバネや油圧緩衝機構等で揺動可能
に接続することも可能である。さらに、この実施例で用
いた吊下げ式の昇降ユニット３６に代えて、据置式昇降
装置を使用しても良い。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明による枝管
接続機構は、高圧ガス容器の容器弁に接続されるホース
の継手部が先端に取り付けられた従動機構とこの従動機
構を押すためにこの従動機構の後方に設けられた押圧機
構とを備えた枝管接続機構本体と、この枝管接続機構本
体を上下動させる昇降手段とからなり、前記枝管接続機
構本体を前記昇降手段に揺動可能に取り付けたものなの
で、高圧ガス容器を所定の位置にセットし押圧機構を動
作させると、継手部が高圧ガス容器の口金部に接続され
る。従ってこの枝管接続機構によれば、ガス処理設備の
ホースに容器の口金部を袋ナットを用いて接続するとい
った作業が不要となり、高圧ガス容器の残ガス放出・真
空引き作業に要する人手を減らすことができる。

【００２７】また本発明による枝管接続機構では、枝管
接続機構本体が、昇降手段に揺動可能に取り付けられて
いるので、ホースの継手部を前進させて容器弁の口金部
に接続する場合に、前進する継手部が容器弁の口金部に
当って容器が僅かに傾いたとしても、枝管接続機構本体
が揺動することによって継手部の前進方向が容器の傾斜
に従うように修正され、口金部と継手部とが確実に接続
される。従って、この枝管接続機構によれば、高圧ガス
容器へのホース接続を迅速にかつ確実に達成できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の枝管接続機構が設けられた残ガス放出
・真空引き設備の容器取扱ユニットを示す図。

【図２】同残ガス放出・真空引き設備のターンテーブル
の部分とクランプ機構の構成を示す概略図。

【図３】同設備の容器支持機構を示す図。

【図４】同設備の容器支持機構の容器本体用Ｖ受けとク
ランプ機構を示す平面図。

【図５】同設備の容器支持機構の弁部受けを示す平面
図。

【図６】同設備の容器弁開閉機構と枝管接続機構とこれ
らを保持する昇降ユニットを示す図。

【図７】同設備の下降停止位置検出機構を示す正面図。

【図８】実施例の枝管接続機構を示す断面図。

【図９】同枝管接続機構の要部側面図。

【図１０】図９中のX-X線断面図。

【図１１】前記残ガス放出・真空引き設備のガス処理部
を示す系統図。

【図１２】同設備の容器取扱ユニットを示す平面図。

【符号の説明】

１……容器取扱ユニット、２……ガス処理部、３……タ
ーンテーブル、４……容器支持機構、５……容器弁開閉
機構、６……枝管接続機構、６ａ……枝管接続機構本
体、７……台、８……モータ、９……減速機、１０……
支柱、１１……容器本体用Ｖ受け、１２……クランプ機
構、１３……弁部受け、１５……エアーシリンダ、１６
……クランプ、１７……エアリミットスイッチ、１８…
…弁部、２０……安全弁、２１……容器弁口金部、２２
……梁部材、２３……昇降ユニット、２４……爪部材、
２５……センターコンプライアンス、２６……回転駆動
機構、２７……爪、２８……板部、２９……ハンドル、
３１……下降停止位置検出機構、３２……腕部、３３…
…光電管、３４……発光素子、３６……昇降ユニット、
３７……継手、３８……従動機構、３９……押圧機構、
４０……ホース、４１……ガス流通孔、４２……継手本
体、４２ａ……先端部、４３……チャック、４４……カ
バー、４４ａ……鍔部、４５……パッキン、４６……支
持体、４７……軸受け部材、４８……摺動軸、４９……
レール部材、５２……軸受け部材、５３……摺動ロッ
ド、５４……トグルリンク、５５……ピストン、５７…
…ブロック、５８……ローラ、５９……柱部材、６０…
…ブロック、６１……取付板、６２……吊下板、６３…
…スプリング、６４……外装板、６５……ピン継手、６
６……ボルト、６８……本管路、６９……除害装置、７
０……放出管路、７１……真空ポンプ、７２……真空管
路、７３……３角部材、７４……圧力計、７７……板
体、７８、７９……リミットスイッチ、８１……窒素
弁、８２……放出弁、８３……真空弁、８１ａ,８２ａ,
８３ａ……電磁弁、８４……作動用窒素管路、８７……
フローティング機構、８８……スプリング、９０……管
路、９１……凹部、９２……純粋窒素供給源。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 ▲しゅん▼一 福岡県北九州市小倉北区東港２丁目３番 １号 日本酸素株式会社 北九州工場内 (72)発明者 広見 健二 福岡県行橋市西泉３−10−12 (72)発明者 豊田 康夫 福岡県北九州市小倉北区上富野三丁目16 番８号 不二興産株式会社内 (56)参考文献 特開 平５−99400（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−180800（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−99100（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F17C 5/00 - 6/00 F17C 13/00

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 高圧ガス容器の容器弁に接続されるホー
   スの継手部が先端に取り付けられた従動機構とこの従動
   機構を押すためにこの従動機構の後方に設けられた押圧
   機構とを備えた枝管接続機構本体と、この枝管接続機構
   本体を上下動させる昇降手段とからなり、前記枝管接続
   機構本体が前記昇降手段に、前記継手部を前進させて前
   記容器弁に接続する際に前記高圧ガス容器が傾いた場合
   に、該継手部の前進方向が該高圧ガス容器の傾斜に従っ
   て修正されるように揺動可能に取り付けられたことを特
   徴とする枝管接続機構。
2. 【請求項２】 前記枝管接続機構本体は、該枝管接続機
   構本体の側方に設けられた軸を中心として揺動可能とさ
   れていることを特徴とする請求項１記載の枝管接続機
   構。