JP3199374U - 肘掛け付き椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】肘を背もたれ面よりも後方に継続的に置くようにすることで良い姿勢を長時間維持できる椅子を提供することを課題とする。【解決手段】座面を有する座板(10)と、背もたれ(20)と、肘掛け(30)とを有する肘掛け付き椅子(X)において、前記肘掛け(30)を、取り付け位置における前記背もたれ(20)前面幅方向中心位置よりも背面側に突出するとともに、当該前面幅方向中心位置よりも前面側には突出しないように構成する。【選択図】 図3

Description

本考案は、肘掛けの付いた椅子に関し、特に、姿勢を良くする構造を有するものに関する。
肘掛けは肘を休めるために使用することが一般的であるが、肘の位置は姿勢に大きく影響を与える。例えば、肘を肘掛け前方に置くように座ると、自ずと背中が前方に丸まり猫背のような姿勢となる。逆に肘を出来るだけ肘掛けの後方に置くようにすると肩が背もたれの位置に引っ張られ姿勢が良くなる。
ところで一般的な椅子では、肘掛けは背もたれ面よりも前方にあるために肘を掛ける位置に制限がある。これに対して、下記特許文献に記載された椅子は肘掛けを収納のために反転できるので、反転させた状態であればより後方へ肘を置くことができ、さらによい姿勢をとることができると考えられる。
実用新案登録第3160966号公報 実開平8−154777号公報
しかしながら、上記特許文献に記載の椅子の場合、使用者は姿勢を良くしようとして背もたれ面より肘を後方に置いても、背もたれ面の前方にも肘掛けが突出しているため、無意識に肘を楽な前方方向に動かしてしまい、長時間姿勢の良い状態で座り続けることは難しい。
本考案は、このような問題に鑑みて、肘を背もたれ面よりも後方に継続的に置くようにすることで良い姿勢を長時間維持できる椅子を提供することを課題とする。
を課題とする。
上記課題を解決するために、本考案は、次のような構成を有する。
請求項1に記載の考案は、座面と、背もたれと、肘掛けとを有する肘掛け付き椅子において、前記肘掛けは、取り付け位置における前記背もたれ前面幅方向中心位置よりも背面側に突出するとともに、当該前面幅方向中心位置よりも前面側には突出しないように構成したものである。
請求項2に記載の考案は、前記肘掛け付き椅子において、前記背もたれは、想定される使用者が腰掛けたときに、当該使用者の肩甲骨下端の位置よりも低く設定されるものである
請求項3に記載の考案は、前記肘掛け付き椅子において、前記背もたれは、想定される使用者が腰掛けたときに、当該使用者の肩甲骨下端の位置よりも高く設定されものである。
以上のような構成により、本考案は、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の考案は、使用者が肘掛けに肘を置く場合、必ず肘掛けの取り付け位置における背中面より後方に肘を置かなければならないので、肘を肘掛けに掛けて座れば胸郭が開いた姿勢のよい状態で腰掛けることができる。そして、背中位置より前方に肘を掛けることができないので、無意識に肘が前方に移動することがなく、長時間姿勢の良い状態を維持することができる。
請求項2に記載の考案は、肘を後方に位置づけたときに背面側に出っ張る肩甲骨が背もたれに邪魔されず、かつ、背骨上方が後方に移動することも背もたれに邪魔されないので、肘を肘掛けに掛けると背骨を反らした状態の姿勢を実現することができる。
請求項3に記載の考案は、肘を後方に位置づけたときに、肩甲骨及び背骨上方が後方に移動することが背もたれによって規制されるので、背骨を真っ直ぐな状態に維持した状態で、胸郭を開いた姿勢を実現することができる。
実施形態に係る肘掛け付き椅子の斜視図である。 実施形態に係る肘掛け付き椅子の側面図である。 実施形態に係る肘掛け付き椅子の使用状態を示す側面図である。 変形例に係る肘掛け付き椅子の斜視図である。 変形例に係る肘掛け付き椅子の使用状態を示す側面図である。
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に本実施形態に係る肘掛け付き椅子Xの斜視図を示し、図2に肘掛け付き椅子Xの側面図を示す。肘掛け付き椅子Xは、座板10、背もたれ20、肘掛け30、脚40を有する。座板10、脚40は一般な椅子と同じであり、ここでは座板40は長方形状のクッション材が上面に設けられることで座面を形成する板体から構成され、脚40は4本の略直方体の棒体により構成される。
背もたれ20は、脚40の後方の二本の上端から連続して座面上方に延びる二本の支柱21と、支柱21の上端面間に渡されるクッション材で覆われた細長い板体からなる横部材22とから構成される。横部材22の位置は想定される使用者が座ったときに、当該使用者の腰椎の上端くらいの高さになるように設定される。
肘掛け30は、背もたれ20の横部材22と一体に形成される横部材22の両側端部から後方に突出するように設けられる長方形状のクッション材で覆われた板体により形成される。肘掛け30は横部材22の前方には突出しないように設けられるので、肘掛けは使用者が背もたれ20の横部材22に背中を当接させたときの背骨近傍が当接する面から後方側に存在することとなる。
次に、以上のような構成を有する肘掛け付き椅子Xの作用について説明する。図3に肘掛け椅子Xに人が座った状態の側面図を示す。図に示すように肘掛け30が背もたれ20前面よりも後方に位置し、使用者は肘を掛けるために肘を背中よりも後ろに引かなければならないので、自然に胸郭が開き、背骨が後ろに反った状態となる。また、肘掛け付き椅子Xは、背もたれ20が低いので、背骨上方が背もたれ30に邪魔されることが無いので、背骨は後方側に自由に反ることが可能となる。そして、背もたれ20前面よりも前に肘掛け20が存在せず、無意識に肘を背中面よりも前に掛けることがないので、図3のような姿勢を継続的に維持することができる。
なお、上記実施形態では、背もたれ20の高さを腰椎の上端までとしているが、肩甲骨の当たらない程度の高さであれば、背骨を十分に後方に反ることが可能である。また、肩甲骨よりも上方に背もたれを伸延した場合は、異なる効果を得ることができる。図4に背もたれを高くした変形例に係る肘掛け付き椅子Yの斜視図を示し、図5に肘掛け付き椅子Yの使用状態を示す側面図を示す。肘掛け付き椅子Yは背もたれ20Aを一般的な肩までの高さのある背もたれとしたものである。図5に示すように、背もたれ20Aが高いので使用者の背骨は後方に反ることはできず真っ直ぐな状態となるが、背中よりも後方の位置で肘を肘掛け30に掛けることになる結果、背骨が真っ直ぐな状態で胸郭が開いた姿勢を維持することができる。このように背骨を真っ直ぐに維持した状態で胸郭を開いた姿勢は、背骨への負担が少ないので、背骨を傷めているような場合に好適である。
また、上記実施形態では肘掛け20は背もたれ30に固定されているが、肘掛け20を背もたれ30や座板10に対して上下方向に移動可能に固定し、所望の位置で固定できるように形成しもよく、さらに、左右の水平軸に対して回転可能にとして所望の回転位置で固定できるように形成してもよい。
さらに、上記実施形態では脚のある椅子を例示したが、脚の無い座椅子でも同様の構成を実現することができる。
X、Y 肘掛け付き椅子
10 座面
20 背もたれ
30、30A 肘掛け
40 脚

Claims (3)

  1. 座面と、背もたれと、肘掛けとを有する椅子において、
    前記肘掛けは、取り付け位置における前記背もたれ前面幅方向中心位置よりも背面側に突出するとともに、当該前面幅方向中心位置よりも前面側には突出しない肘掛け付き椅子。
  2. 前記背もたれは、想定される使用者が腰掛けたときに、当該使用者の肩甲骨下端の位置よりも低く設定される請求項1に記載の肘掛け付き椅子。
  3. 前記背もたれは、想定される使用者が腰掛けたときに、当該使用者の肩甲骨下端の位置よりも高くの設定される請求項1に記載の肘掛け付き椅子。
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