JP3199007B2 - 車両用加速度検出装置 - Google Patents

車両用加速度検出装置

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JP3199007B2 JP33309697A JP33309697A JP3199007B2 JP 3199007 B2 JP3199007 B2 JP 3199007B2 JP 33309697 A JP33309697 A JP 33309697A JP 33309697 A JP33309697 A JP 33309697A JP 3199007 B2 JP3199007 B2 JP 3199007B2
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和宏 高取
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用の加速度
検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、車両用の加速度検出装置は、
自動変速機やトラクションコントロール等の制御装置に
用いられている。
【0003】このような加速度検出装置では、変速機の
出力軸に取付けられた歯車や出力軸に刻まれた歯に対向
して設置された回転センサ(車速センサ)より出力され
るパルス信号に基づいて、車両の加速度が演算され、例
えば今回のパルス周期と前回のパルス周期より設定され
たしきい値との比較を基に、また今回までの数パルス分
の周期の合計と前回までの数パルス分の周期の合計との
差を基に、急減速の判断が行われる(特願平9ー208
071号、特開平8ー15312号等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の加速度検出装置にあっては、加速度の演算、
急減速の判断が、1つあるいは所定数のパルス信号が出
力される毎になされるのであるが、これらは今回のデー
タと前回のデータとの1回の比較によって行われるた
め、必ずしも正確な演算データ、判断データは得にく
い。
【0005】そのため、精度を良くするために、繰り返
しデータの比較を行うことになって、急減速等の判断に
時間がかかってしまう。
【0006】また、この場合歯車等の歯数が少なけれ
ば、パルス周期が長くなることにより、それだけ急減速
等の判断が遅くなってしまうのである。
【0007】この発明は、このような問題点を解決でき
る車両用加速度検出装置を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、歯車を取
付けた軸もしくは歯を刻んだ軸の回転に基づき回転セン
サが出力するパルス信号に基づいて、車両の加速度を検
出する車両用加速度検出装置において、回転センサが出
力するパルス信号の周期を検出するパルス周期検出手段
と、所定条件におけるパルス周期を基準に順に所定の減
速度に相当するパルス周期を予測計算する予測計算手段
と、予測計算されたパルス周期と実際に検出されたパル
ス周期との差を積算する積算手段と、その積算値が所定
時間内に所定のしきい値を越えたことをもって、急減速
と判定する判定手段と、を備える。
【0009】第2の発明は、第1の発明において、予測
計算手段は、車両制動時に減速開始前のパルス周期を基
準となるパルス周期として設定して、パルス周期の予測
計算を開始する。
【0010】
【発明の効果】第1、第2の発明によれば、予測計算さ
れたパルス周期と実際に検出されたパルス周期との差の
積算値としきい値との比較によって、誤差を低減しつ
つ、急減速を速やかに検出できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0012】図1に示すように、10はエンジン、11
は自動変速機であって、エンジン10の出力は、自動変
速機11によって変速され、駆動軸12、図示しないデ
ィファレンシャルギヤを介してタイヤに伝達される。
【0013】この駆動軸12に取付けられた歯車13に
対向して車速センサ(回転センサ)14が設置される。
この場合、自動変速機11内に、その出力軸側に取付け
られた歯車あるいは軸に刻まれた歯に対向して車速セン
サ14が設置されるものでも良い。
【0014】車速センサ14は、磁気ピックアップによ
り構成され、図2のように歯車13に形成された等間隔
の歯が車速センサ14を通過するたびに、パルス信号を
加速度検出装置15に出力する。
【0015】加速度検出装置15は、車速センサ14か
らのパルス信号の周期を検出して、そのパルス周期に基
づき車速を検出する一方、そのパルス周期および図示し
ないブレーキペダルの踏み込みを検出するブレーキスイ
ッチ16のオン信号に基づき車両の急減速を検出する。
【0016】この場合、ブレーキスイッチ16のオン信
号に基づき基準のパルス周期を設定して、これを基準に
順に所定の減速度に相当するパルス周期(予測パルス周
期)を予測計算すると共に、予測計算したパルス周期と
実際に検出したパルス周期との差を積算する。そして、
この積算値が所定時間内に所定のしきい値を越えた場合
に、急減速と判定する。
【0017】なお、17は変速制御コントローラで、自
動変速機11の変速段およびトルクコンバータ18のロ
ックアップクラッチ19は、変速制御コントローラ17
によりエンジン10の運転状態、加速度検出装置15か
らの車速信号、急減速信号に基づいて制御される。
【0018】次に、加速度検出装置15による急減速の
検出を図3のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0019】図3のように、ブレーキスイッチ16がオ
ンすると、そのオン時点から実際にブレーキが効き始め
る所定時間(一定で良い)後を起点に、その直前に検出
した所定歯数ns(例えば3)枚分の周期の平均値を基
準周期tsとして設定すると共に、これを基準に順に所
定の減速度に相当する予測パルス周期ta(1),ta
(2),…,ta(n)を予測計算する。
【0020】この予測パルス周期ta(n)は次式により
算出される。ただし、Caは予測周期比例定数で、任意
に設定するが、車速等に応じて定めて良い。
【0021】 ta(n)=ts×{1+Ca×(n−1)} …(1) 次に、前記起点後、車速センサ14のパルス信号を基に
パルス周期を検出する毎に、予測パルス周期ta(n)と
実際に検出したパルス周期A(n)との差Tsを求め、こ
れを積算する。
【0022】この場合、予測パルス周期ta(n)、実際
に検出したパルス周期A(n)、その差Tsは図4のよう
に増加していく。
【0023】そして、その積算値が所定のしきい値を越
えた場合に急減速(急ブレーキ)と判定する。
【0024】なお、積算値が所定のしきい値を越えた場
合、その時点でこの検出制御を終了する。また、所定制
御時間内に積算値が所定のしきい値を越えない場合、急
減速にないと判定して、その時間経過時点でこの検出制
御を終了する。
【0025】ここで、減速開始直前のパルス周期を
0、減速開始後のパルス周期増加度をa、減速開始後
のパルス周期をA(n)=A0+naとして、A(n)が図5
のように増加していくとすると、従来例のように、例え
ば今回までの3パルス分の周期の合計と前回(3パルス
前)までの3パルス分の周期の合計との周期差を基に、
急減速の判断を行う場合(図7)、減速が開始される
と、今回の3パルス分の周期の合計 前回までの3
パルス分の周期の合計 1回目 3A0+a 3A0 2回目 3A0+3a 3A0 : : 9回目 3A0+24a 3A0+6a となり、周期差は となり、周期差18aに達すると、一定になる。
【0026】この場合、パルス周期増加度がaのときは
検知しないようにすると、しきい値Cb>18aを取
る。よって、しきい値Cbを可能な限り小さくすると、
例えばパルス周期増加度が5aの急減速にある場合、こ
のときの周期差は、 1回目 5a 2回目 15a 3回目 30a となり、3回目で周期差が初めてしきい値Cbを越える
ことになる。即ち、3回目になるまで急減速の判定を行
えない。
【0027】これに対して、本形態の場合、予測パルス
周期ta(n)=ts×{1+Ca×(n−1)}=A0
nb、b:任意定数とすると、パルス周期増加度がaの
ときは、 パルス周期 予測パルス周期 1回目 A0+a b 2回目 A0+2a 2b : : 13回目 A0+13a 13b となり、その差の積算値は となり、13回目が検出終了時間とすると、その積算値
は78(a−b)になるので、しきい値Cb>78(a
−b)となる。
【0028】この場合、例えばパルス周期増加度が5a
のときの積算値は、 1回目 (5a−b) 2回目 3(5a−b) 3回目 6(5a−b) となり、したがって1回目で積算値がしきい値Cbを越
えるようにすれば、即ち、78(a−b)<しきい値C
b=(5a−b)となるようにbを決めることで、1回
目から急減速の判定を行える。
【0029】このように積算値を用いることで、速やか
に急減速の判定を行うことができる。
【0030】一方、n回目のパルスの誤差(ピッチ誤
差)をCnとすると、従来例の場合、例えば9回目の周
期差は、 ={(A0+7a+C7)+(A0+8a+C8)+(A0+9a+C9)} −{(A0+a+C1)+(A0+2a+C2)+(A0+3a+C3)} =18a+(C7+C8+C9)−(C1+C2+C3) となる。
【0031】ここで、(C7+C8+C9)、(C1+C2
+C3)は、C’(累積ピッチ誤差)であるので、その
周期差に含まれる誤差の最悪値は、 =2C’ となる。
【0032】これに対して、本形態の場合、同時点(9
回目)の積算値は、 ={A1+A2+…+A9}−{ta(1)+ta(2)+…+ta(9)} =45a+(C1+C2+…+C9)−(45b+9C0) =45(a−b)+(C1+C2+…+C9)−9C0 となり、その積算値の誤差の最悪値は、 =(C1+C2+…+C9)+9C0 となる。
【0033】このC1+C2+…+C9は累積ピッチ誤差
C’であり、また基準周期A0は歯車13の歯数ns枚
分の周期の平均値として求めるので、歯車13の1回転
分の周期の平均値とすれば、C0=0となる。
【0034】したがって、積算値の誤差はC’となり、
誤差を低減できる。
【0035】特に、従来例の場合は、常に最悪値2C’
の可能性があるのに対して、この場合歯車13が1回転
すると、つまり歯車13が1回転したときに急減速の判
定を行うような場合には、C’=0になり、誤差に対し
て十分有利である。
【0036】なお、図7は、加速度検出装置15の急減
速の検出に基づき、変速制御コントローラ17がトルク
コンバータ18のロックアップクラッチ19の解放を制
御するときの制御例を示す。
【0037】ブレーキスイッチ16がオンすると、所定
時間後(演算開始時間経過)に周期差を積算していき、
積算値がしきい値を越えると、変速制御コントローラ1
7にロックアップクラッチ19のロックアップオフ(L
/O OFF)信号を出力する。この信号に基づき、変
速制御コントローラ17がロックアップクラッチ19の
ロックアップを解放する。
【0038】したがって、急制動時にエンジンストール
を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態を示す構成図である。
【図2】センサ部分の詳細図である。
【図3】検出のタイミングチャートである。
【図4】パルス周期、予測パルス周期の特性図である。
【図5】減速時のパルス周期の増加を示す特性図であ
る。
【図6】急減速の検出に基づくロックアップクラッチの
解放の制御フローチャートである。
【図7】従来例の検出の特性図である。
【符号の説明】
10 エンジン 11 自動変速機 12 駆動軸 13 歯車 14 車速センサ(回転センサ) 15 加速度検出装置 16 ブレーキスイッチ 17 変速制御コントローラ 18 トルクコンバータ 19 ロックアップクラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 繁 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−260816(JP,A) 特開 平6−324063(JP,A) 特開 昭59−196463(JP,A) 特開 昭59−116051(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 15/16 G01P 3/489

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯車を取付けた軸もしくは歯を刻んだ軸
    の回転に基づき回転センサが出力するパルス信号に基づ
    いて、車両の加速度を検出する車両用加速度検出装置に
    おいて、 回転センサが出力するパルス信号の周期を検出するパル
    ス周期検出手段と、 所定条件におけるパルス周期を基準に順に所定の減速度
    に相当するパルス周期を予測計算する予測計算手段と、 予測計算されたパルス周期と実際に検出されたパルス周
    期との差を積算する積算手段と、 その積算値が所定時間内に所定のしきい値を越えたこと
    をもって、急減速と判定する判定手段と、 を備えることを特徴とする車両用加速度検出装置。
  2. 【請求項2】 予測計算手段は、車両制動時に減速開始
    前のパルス周期を基準となるパルス周期として設定し
    て、パルス周期の予測計算を開始する請求項1に記載の
    車両用加速度検出装置。
JP33309697A 1997-12-03 1997-12-03 車両用加速度検出装置 Expired - Fee Related JP3199007B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100556639C (zh) * 2006-11-14 2009-11-04 聂磊 一种水泥渗水管的成型模具及成型工艺

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100556639C (zh) * 2006-11-14 2009-11-04 聂磊 一种水泥渗水管的成型模具及成型工艺

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