JP3198566B2 - 針状砥粒及びその製造方法 - Google Patents

針状砥粒及びその製造方法

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正人 北島
肇 深見
昭充 神谷
伸司 相馬
幸二 西
昌宏 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、針状砥粒及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術における砥石のツルーイング
には、角錐形のダイヤモンド単石を取付けた単石ツルア
やロータリツルアが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように単石ツル
アをツルーイングに用いた場合、ダイヤモンド単石は、
角錐形であるので、ツルアの先端が摩耗するのに従って
砥石面との接触面積が変化するので、ツルーイングの自
動化が困難である。
【0004】又、ロータリツルアを用いた場合は、単石
ツルアを用いた場合と同程度の精度が得られない。この
発明は、上記のような従来の技術においてツルーイング
に用いられるツルアの欠点を解消したツルア及びツルア
砥粒の製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の針状砥粒は、
中心に金属素線、その周面に形成されたダイヤモンド気
相成長層、ダイヤモンド気相成長層の周面に形成され
ダイヤモンド気相成長層を補強するバックアップメタル
層から成る短寸線材で構成されている。
【0006】そしてその製造方法は、素線に対し、その
周面にダイヤモンドを気相成長させ、ダイヤモンド気相
成長層を形成し、更にダイヤモンド気相成長層の周面に
メタルパウダを焼結し、バックアップメタル層を形成
し、バックアップメタル層で補強された線材を適当な短
寸に切断する。更に好ましくは、ダイヤモンド気相成長
促進のため、ダイヤモンドを気相成長の前に、素線に対
し、予めメッキを施して、メッキ層で素線の周面上にダ
イヤモンド・ミクロンパウダを固着する。
【0007】
【作用】この発明の針状砥粒は、この発明の製造方法で
低価格で製造され、単石と同様のツルーイング精度が得
られ、しかも、ダイヤモンド気相成長層の上に形成され
たバックアップメタル層がダイヤモンド気相成長層を補
強し、その金属素線からの剥離を防止すると共に、砥粒
の先端が摩耗しても、砥石面との接触面積は、変化しな
いので、ツルーイングの自動化が容易に行える。
【0008】
【実施例】この発明の実施例における針状砥粒の製造方
法を図面に従って説明する。先ず、ダイヤモンドの気相
成長を促進するために、CVD装着内でダイヤモンドを
気相成長させても溶融しない融点、即ち800℃以上の
融点をもつ材料の素線、例えばニッケル等の金属素線1
に対し、ダイヤモンド・ミクロンパウダ2,2‥‥が浮
遊するメッキ槽のメッキ液中において、又はダイヤモン
ド・ミクロンパウダを散布した状態で電気メッキを施
す。それにより金属素線1を被覆するニッケルメッキ層
3で金属素線1の周面上にダイヤモンド・ミクロンパウ
ダ2,2‥‥が固着され、ダイヤモンド・ミクロンパウ
ダ付きの線材4が製造される。(ステップ1 図1参
照)
【0009】次に、CVD装置A内に前記線材4を固定
すると共に、炭素源とエッチングガスとを導入しなが
ら、線材4の周囲にプラズマを発生させることにより線
材4の周面にダイヤモンドを気相成長させ、ダイヤモン
ド気相成長層5を形成する。なお、プラズマは、膜成長
速度の速い直流プラズマが望ましいが、RFマイクロ波
燃焼方法等でもよい。
【0010】特にダイヤモンド・ミクロンパウダ付きの
線材4の場合には、ダイヤモンドの気相成長層が形成さ
れ易い。(ステップ2 図2参照)
【0011】ダイヤモンド気相成長層5が周面に形成さ
れた線材6(図3参照)をCVD装置A内から取り出
し、その線材6を芯線としてメタルパウダを焼結し、バ
ックアップメタル層7を形成する。(ステップ3 図4
参照)
【0012】バックアップメタル層7で補強された線材
6を適当な短寸に切断する。かくして、中心に金属素線
1、その周面に形成されたダイヤモンド気相成長層5、
ダイヤモンド気相成長層5の周面に形成されたバックア
ップメタル層7から構成された針状砥粒8ができる。
(ステップ4 図5参照)
【0013】前記の針状砥粒8を台金9に軸線方向にし
て鑞付けすると、ダイヤモンドツルア10が完成する。
(ステップ5 図6参照)
【0014】金属円板(コア)11の周縁に針状砥粒8を
半径方向放射状に配列してメタルボンドで固着すること
によりロータリツルア12を製造することもできる。(図
7参照)又、針状砥粒8をドレッサの砥粒として用いる
こともできる。
【0015】
【発明の効果】この発明の針状砥粒は、ダイヤモンド単
石と同様のツルーイング精度が得られ、しかも、砥粒の
先端が摩耗しても、砥石面との接触面積は、変化しない
ので、自動機にも使用し得る。そして、この発明の針状
砥粒の製造方法は、上記のような針状砥粒を低価格で製
造することができる。しかも、ダイヤモンド気相成長層
の上に形成されたバックアップメタル層により、ダイヤ
モンド気相成長層は補強され、金属素線からのダイヤモ
ンド気相成長層の剥離が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例における針状砥粒の第1中間
素材の断面図である。
【図2】この発明の実施例における針状砥粒の製造方法
に使用のCVD装置の概略構成図である。
【図3】この発明の実施例における針状砥粒の第2中間
素材の断面図である。
【図4】この発明の実施例における針状砥粒の第3中間
素材の断面図である。
【図5】この発明の実施例における針状砥粒の断面図で
ある。
【図6】この発明の実施例における針状砥粒を取付けた
ツルアの正面図である。
【図7】この発明の実施例における針状砥粒を取付けた
ロータリツルアの平面図である。
【符号の説明】
1 金属素線 2 ダイヤモンド・ミクロンパウダ 3 ニッケルメッキ層 4 ダイヤモンド・ミクロンパウダ付きの線材 5 ダイヤモンド気相成長層 6 ダイヤモンド気相成長層が形成された線材 7 バックアップメタル層 8 針状砥粒 9 台金 10 ダイヤモンドツルア 11 金属円板(コア) 12 ロータリツルア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相馬 伸司 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田 工機株式会社内 (72)発明者 西 幸二 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田 工機株式会社内 (72)発明者 吉田 昌宏 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田 工機株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−202277(JP,A) 特開 昭51−52592(JP,A) 特開 平3−60976(JP,A) 特開 昭51−81460(JP,A) 特開 昭59−214561(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24D 3/00 310 B24D 3/00 330 B24D 3/00 340 B24B 53/12 C09K 3/14 550

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心に金属素線、その周面に形成された
    ダイヤモンド気相成長層、ダイヤモンド気相成長層の周
    面に形成され、ダイヤモンド気相成長層を補強するバッ
    クアップメタル層から成る短寸線材で構成された針状砥
    粒。
  2. 【請求項2】 素線の周面にダイヤモンドを気相成長さ
    せ、ダイヤモンド気相成長層を形成し、更にダイヤモン
    ド気相成長層の周面にメタルパウダを焼結し、バックア
    ップメタル層を形成し、バックアップメタル層で補強さ
    れた線材を適当な短寸に切断することから構成された針
    状砥粒の製造方法。
  3. 【請求項3】 素線に対し、メッキを施して、メッキ層
    で素線の周面上にダイヤモンド・ミクロンパウダを固着
    し、その後その周面にダイヤモンドを気相成長させ、ダ
    イヤモンド気相成長層を形成し、更にダイヤモンド気相
    成長層の周面にメタルパウダを焼結し、バックアップメ
    タル層を形成し、バックアップメタル層で補強された線
    材を適当な短寸に切断することから構成された針状砥粒
    の製造方法。
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