JPH10202505A - 半導体基板用研磨布のドレッサーおよびその製造方法 - Google Patents

半導体基板用研磨布のドレッサーおよびその製造方法

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JPH10202505A
JPH10202505A JP966197A JP966197A JPH10202505A JP H10202505 A JPH10202505 A JP H10202505A JP 966197 A JP966197 A JP 966197A JP 966197 A JP966197 A JP 966197A JP H10202505 A JPH10202505 A JP H10202505A
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俊哉 木下
Motonori Tamura
元紀 田村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨布の目詰まりを除去し、研磨速度を安定
化し、品質および歩留まりの高い半導体製造を可能とす
る半導体基板用研磨布のドレッサーを提供する。 【解決手段】 炭化チタン、炭化ジルコニウムおよび炭
化クロムの内より選ばれた、少なくとも1種よりなる被
膜を有するダイヤモンド粒子1を、融点650℃〜12
00℃の合金を用いて、金属および/または合金からな
る支持部材3に、単層、ろう付けし、ダイヤモンド粒子
と前記ろう付け合金との界面に前記の金属炭化物層4が
形成されていることを特徴とする、半導体基板の平面化
研磨工程で使用される半導体基板用研磨布のドレッサー
である。好ましくは、前記金属炭化物被覆層は気相法に
より作製され、厚さ0.1〜10μmであり、ダイヤモ
ンド粒が、径50μm以上300μm以下であることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板の平面
化研磨工程で、研磨布の目詰まりや異物除去を行う際に
使用される半導体基板用研磨布のドレッサーに関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路を製造する所定の段階で、ウエ
ーハやウエーハ表面に導電体・誘電体層が形成された半
導体基板の表面を研磨することが必要である。半導体基
板は研磨されて、高い隆起や結晶格子損傷、引っかき
傷、粗さ等の表面欠陥、または埋もれた異物粒子が除去
される。この研磨工程は、半導体装置の信頼性および品
質を改良するために行われる。通常、この工程は、ウエ
ーハ上に種々の装置および集積回路を形成する間に行わ
れる。この研磨工程では、化学スラリーを導入すること
により、半導体表面に、より大きな研磨除去速度および
選択度を与えようとする。この研磨工程はしばしば、化
学的かつ機械的平面化(CMP:Chemical Mechanical
Planarization )と呼ばれる。一般に、CMP工程は、
薄くかつ平坦な半導体材料を制御された圧力および温度
下で、湿った研磨表面に対して保持し、かつ回転させる
工程を含む。
【0003】CMP工程では、例えば5〜300nm程
度の粒径を有するシリカ粒子を苛性ソーダ、アンモニア
およびアミン等のアルカリ溶液に懸濁させてpH9〜1
2程度にした化学スラリーとポリウレタン樹脂等からな
る研磨布が用いられる。研磨時には化学スラリーを流布
しながら、半導体基板を研磨布に当接させて相対回転さ
せることにより、研磨が行われる。そして研磨布のドレ
ッシング法としては、研磨布に水または化学スラリーを
流しながら、ダイヤモンド電着砥石またはブラッシ等を
用いたブラッシングにより、研磨布の内部の目詰まり、
異物の除去を行っていた。
【0004】CMP工程で使用されるドレッサーは、切
削や研削で使用される従来のダイヤモンド工具とは、次
の点で本質的に異なっている。切削工具ではダイヤモン
ドが少量脱落しても、ダイヤモンド脱落後の新生面に別
のダイヤモンドが残っていれば、切削能力の低下にはな
らないのに対して、CMPドレッサーでは脱落したダイ
ヤモンド砥粒が研磨布や半導体基板表面を傷つけるた
め、ダイヤモンドの脱落が少量でも許されない点であ
る。また、湿式で低い回転数で使用されるので、切削工
具で求められる耐熱性や極端な耐摩耗性は必要ない点で
ある。ダイヤモンド粒の脱落が問題になる従来のダイヤ
モンド工具としては、単粒の比較的大きなダイヤモンド
(一般的には直径1mm程度以上)を金属シャンクに接
合した工具用のドレッサーがある。しかし、CMP工程
で使用されるドレッサーとは、次の点で本質的に異なっ
ている。従来の工具用ドレッサーでは、比較的大きなダ
イヤモンド(一般的には直径1mm程度以上)を単粒で
接合するのに対して、CMP工程で使用されるドレッサ
ーは、比較的小さい(直径50〜300μm)ダイヤモ
ンドを単層で面状に接合している。また、CMP工程で
使用されるドレッサーは、湿式で低い回転数で使用され
るので、工具用ドレッサーで求められる耐熱性や極端な
耐摩耗性は必要ない点である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の研磨布のドレッ
シング法においては、ダイヤモンド粒をニッケル電着し
た砥石を用いたドレッシングを行っていた。ニッケルの
電着は、比較的容易に金属支持部材に適用できるので広
く用いられてきた。しかし、ダイヤモンドとの接合強度
が充分ではなく、しばしばダイヤモンド粒の脱落や欠損
が起こり、研磨布や半導体基板にキズを付ける原因とな
っていた。このため、ダイヤモンド粒の脱落のないドレ
ッサーが求められていた。
【0006】そこで、本発明は、研磨布のドレッシング
において、スクラッチ傷を最小限に抑え、歩留まり高
く、安定した研磨速度が得られる半導体基板用研磨布の
ドレッサーを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭化チタン、
炭化ジルコニウムおよび炭化クロムの内より選ばれた少
なくとも1種よりなる被膜を有するダイヤモンド粒子
を、融点650℃〜1200℃の合金を用いて、金属お
よび/または合金からなる支持部材に、単層、ろう付け
し、ダイヤモンド粒子と前記ろう付け合金との界面に前
記金属炭化物層が形成されていることを特徴とする、図
1に示された半導体基板の平面化研磨工程で使用される
半導体基板用研磨布のドレッサーである。
【0008】好ましくは、前記金属炭化物被覆膜は炭化
チタンよりなることを特徴とする。また、前記金属炭化
物被覆膜はイオンプレーティング法、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、およびCVD法などの気相法により作製
され、厚さ0.1〜10μmであることを特徴とする。
あるいは、ダイヤモンド粒が、径50μm以上300μ
m以下であることを特徴とする半導体基板用研磨布のド
レッサーである。
【0009】また、炭化チタン、炭化ジルコニウムおよ
び炭化クロムの内より選ばれた、少なくとも1種よりな
り、気相法により作製され、厚さが0.1〜10μmで
あることを特徴とする被膜を有するダイヤモンド粒子
を、融点650℃〜1200℃の合金を用いて、金属お
よび/または合金からなる支持部材に、単層、真空中で
ろう付けすることにより、半導体基板の平面化研磨工程
で使用される研磨布のドレッサーが製造できる。
【0010】
【作用】本発明によって製作された半導体基板用研磨布
のドレッサーは、ダイヤモンド粒の脱落によるスクラッ
チ傷を最小限に抑えることができる。その結果、加工精
度が高く、歩留まりの高い半導体製造が可能となる。ダ
イヤモンドとろう付け合金との接合は、ろう付け合金と
の界面に炭化チタン、炭化ジルコニウムおよび炭化クロ
ムなどよりなる層が形成されることで著しく接合強度が
上昇する。本発明者らは、炭化チタン、炭化ジルコニウ
ムおよび炭化クロムの内より選ばれた、少なくとも1種
よりなる被膜を有するダイヤモンド粒子を使用すること
により、ダイヤモンドとろう付け合金との界面に金属炭
化物層が形成されることを確認した。界面に金属炭化物
層が形成されるためには、ダイヤモンド粒子には、厚さ
0.1μm以上の炭化チタン、炭化ジルコニウムおよび
炭化クロムなどよりなる被覆膜が必要となる。界面にお
ける金属炭化物層形成による接合強度向上は、炭化チタ
ン、炭化ジルコニウムおよび炭化クロムなどよりなる被
覆層の厚さが10μmあれば充分な効果がえられるの
で、10μm以内とする。
【0011】ろう付け合金を融点650℃〜1200℃
の合金とするのは、650℃以下のろう付け温度では、
接合強度が得られず、1200℃以上のろう付け温度で
は、ダイヤモンドの劣化が起こるので好ましくないから
である。ろう付け合金の厚さは、ダイヤモンド粒径の
0.2〜1.5倍の厚さが適当である。薄すぎるとダイ
ヤモンドとろう付け合金との接合強度が低くなり、厚す
ぎるとろう材と支持部材との剥離がおこりやすくなる。
【0012】ダイヤモンド粒の径は、50μm以上30
0μm以下とすることが好ましい。50μm以下のダイ
ヤモンドでは充分な研磨速度が得られず、300μmで
あれば充分な研磨速度が得られる。また、50μm以下
の微粒のダイヤモンドでは凝集し易い傾向があり、凝集
しクラスターを形成すると脱落し易くなり、スクラッチ
傷の原因となる。300μm以上の粗粒のダイヤモンド
は、研磨時の応力集中が大きく脱落し易くなるので、5
0μm以上300μm以下とする。
【0013】
【実施例】イオンプレーティング法を用いて、平均粒径
150μmのダイアモンド粒上に2μmの炭化チタンを
被覆した。その炭化チタン被覆ダイアモンドを用いて、
10−5Torrの真空中、850℃でろう付けを行いドレッ
サーを作製した。上記の発明したドレッサーおよびNi
電着の従来ドレッサーについて、400枚の半導体ウエ
ーハの研磨実験を行った。ドレッシングは1回の研磨毎
に、2分間ドレッシングを行った。その後、400枚研
磨後に、脱落したダイヤモンド粒によるスクラッチ傷が
発生したウエーハ数を調査した。また、一定時間研磨後
のウエーハ研磨速度を調査した。400枚のウエーハの
研磨には約20時間を要した。ウエーハ表面傷およびダ
イヤモンド粒径は電子顕微鏡により観察した。
【0014】本発明によるドレッサーは、従来のドレッ
サーに比べて大幅にウエーハ表面のスクラッチ傷発生が
低下し、スクラッチ傷の発生したウエーハは従来ドレッ
サー9枚に対して、発明品では0枚であった。また、発
明品において、400枚研磨後の研磨速度の低下は見ら
れなかった。そのため、高いスループットと高い歩留ま
りの半導体基板製造が実現できる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、ダイヤモンド粒の脱落
による半導体基板のスクラッチ傷を最小限に抑えること
が可能になる。また、研磨布の目詰まりを除去し、研磨
布表面を常時新しい時と同様に保持できるため、研磨布
の使用時間に伴う研磨速度の低下も改善でき、加工精度
の高い半導体基板を高い歩留まりで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体基板用研磨布のドレッサーの断
面模式図である。
【符号の説明】
1 ダイヤモンド粒 2 ろう材合金 3 支持部材 4 炭化チタン層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化チタン、炭化ジルコニウムおよび炭
    化クロムの内より選ばれた、少なくとも1種よりなる被
    膜を有するダイヤモンド粒子を、融点650℃〜120
    0℃の合金を用いて、金属および/または合金からなる
    支持部材に、単層、ろう付けし、ダイヤモンド粒子と前
    記ろう付け合金との界面に前記金属炭化物層が形成され
    ていることを特徴とする、半導体基板の平面化研磨工程
    で使用される半導体基板用研磨布のドレッサー。
  2. 【請求項2】 ダイヤモンド粒が、径50μm以上30
    0μm以下であることを特徴とする特許請求項第1項に
    記載の半導体基板用研磨布のドレッサー。
  3. 【請求項3】 炭化チタン、炭化ジルコニウムおよび炭
    化クロムの内より選ばれた、少なくとも1種よりなり、
    気相法により作製され、厚さが0.1〜10μmである
    ことを特徴とする被膜を有するダイヤモンド粒子を、融
    点650℃〜1200℃の合金を用いて、金属および/
    または合金からなる支持部材に、単層で、真空中、65
    0℃〜1200℃でろう付けすることを特徴とする、半
    導体基板の平面化研磨工程で使用される半導体基板用研
    磨布のドレッサー製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005288685A (ja) * 2004-03-10 2005-10-20 Read Co Ltd 研磨布用ドレッサー及びその製造方法
WO2007015821A1 (en) * 2005-07-21 2007-02-08 3M Innovative Properties Company Composite particle comprising an abrasive grit
CN108161778A (zh) * 2017-12-27 2018-06-15 汕头大学 一种金刚石磨头及其制备工艺

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