JP3482328B2 - 半導体基板用研磨布のドレッサーおよびその製造方法 - Google Patents
半導体基板用研磨布のドレッサーおよびその製造方法Info
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Description
化研磨工程で、研磨布の目詰まりや異物除去を行う際に
使用されるドレッサーに関する。
磨速度を確保しつつ、しかも機械的歪などの欠陥が入ら
ない研磨法が要求される。従来の機械的研磨法において
は、砥粒の粒径や研磨荷重を大きくすることにより、研
磨速度を確保することが可能である。しかし、研磨によ
り、種々の欠陥が入り、研磨速度の確保と被研磨材を無
欠陥に保つことの両立は不可能であった。そこで、化学
的かつ機械的平面化(CMP:Chemical Mechanical Pl
anarization )と呼ばれる研磨法が考案された。この方
法は機械的研磨作用に化学的研磨作用を重畳して働かせ
ることにより、研磨速度の確保と被研磨材が無欠陥であ
ることの両立を可能としたものである。CMPは研磨速
度の確保と被研磨材が無欠陥であることの両立が必要で
ある、シリコンウエハーの仕上げポリッシング工程で広
く使用されている。また、近年では、デバイスの高集積
化に伴い集積回路を製造する所定の段階で、ウエーハや
ウエーハ表面に導電体・誘電体層が形成された半導体基
板の表面を研磨することが必要となってきた。通常、こ
の工程は、ウエーハ上に種々の装置および集積回路を形
成する間に行われる。この研磨工程では、シリコンウエ
ハーの仕上げポリッシング工程と同様に、研磨速度の確
保と無欠陥であることの両立が必要である。化学スラリ
ーを導入することにより、半導体表面に、より大きな研
磨除去速度および無欠陥性が与えられるCMPが行われ
る。一般に、CMP工程は、薄くかつ平坦な半導体材料
を制御された圧力および温度下で、湿った研磨表面に対
して保持し、かつ回転させる工程を含む。
00nm程度の粒径を有するシリカ粒子を苛性ソーダ、
アンモニアおよびアミン等のアルカリ溶液に懸濁させて
pH9〜12程度にした化学スラリーとポリウレタン樹
脂等からなる研磨布が用いられる。研磨時には化学スラ
リーを流布しながら、半導体基板を研磨布に当接させて
相対回転させることにより、研磨が行われる。そして研
磨布のドレッシング法としては、研磨布に水または化学
スラリーを流しながら、ダイヤモンド電着砥石またはブ
ラッシ等を用いたブラッシングにより、研磨布の内部の
目詰まり、異物の除去を行っていた。
削や研削で使用される従来の工具とは、次の点で本質的
に異なっている。切削工具では砥粒が少量脱落しても、
砥粒脱落後の新生面に別の砥粒が残っていれば、切削能
力の低下にはならないのに対して、CMPドレッサーで
は脱落した砥粒が研磨布や半導体基板表面を傷つけるた
め、砥粒の脱落が少量でも許されない点である。また、
湿式で低い回転数で使用されるので、切削工具で求めら
れる耐熱性や極端な耐摩耗性は必要ない点である。砥粒
の脱落が問題になる従来の工具としては、単粒の比較的
大きな砥粒(一般的には直径1mm程度以上)を金属保
持材に接合したバイトがある。しかし、CMP工程で使
用されるドレッサーとは、次の点で本質的に異なってい
る。従来のバイトでは、比較的大きな砥粒(一般的には
直径1mm程度以上)を単粒で接合するのに対して、C
MP工程で使用されるドレッサーは、比較的小さい(直
径30〜300μm)砥粒を単層で面状に接合してい
る。また、CMP工程で使用されるドレッサーは、湿式
で低い回転数で使用されるので、バイトで求められる耐
熱性や極端な耐摩耗性は必要ない点である。
シング法においては、ダイヤモンド粒をニッケル電着し
た砥石を用いたドレッシングを行っていた。ニッケルの
電着は、比較的容易に金属支持部材に適用できるので広
く用いられてきた。しかし、ダイヤモンドとの接合強度
が充分ではなく、しばしばダイヤモンド粒の脱落や欠損
が起こり、研磨布や半導体基板にキズを付ける原因とな
っていた。このため、ダイヤモンド粒の脱落のないドレ
ッサーが求められていた。
において、スクラッチ傷を最小限に抑え、歩留まりが高
く、安定した研磨速度が得られるドレッサーを提供する
ことを目的としている。また、砥粒としてはダイヤモン
ドを用いず、他のより安価な硬質砥粒を用いることによ
るコスト低減を目的にしている。
ウ素、炭化ホウ素、炭化珪素または酸化アルミニウムよ
り選ばれた1種の硬質砥粒を、チタン、クロムまたはジ
ルコニウムより選ばれた1種以上を0.1〜30wt%
含む融点600℃〜1400℃、厚さが硬質砥粒の粒径
の0.2〜1.5倍の合金を用いて、金属および/また
は合金からなる支持部材に、単層で、真空中、600℃
〜1400℃でろう付けし、前記硬質砥粒とろう付け合
金との界面に前記チタン、クロムまたはジルコニウムよ
り選ばれた1種以上の金属の偏析層を形成することを特
徴とする、半導体基板用研磨布のドレッサーの製造方法
である。
ステンレス鋼で、支持部材片面にのみ硬質砥粒がろう付
けされたことを特徴とする半導体基板用研磨布のドレッ
サーである。また、前記立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ
素、炭化珪素または酸化アルミニウムの硬質砥粒が、径
30μm以上300μm以下であることを特徴とする。
基板用研磨布のドレッサーは、硬質砥粒の脱落によるス
クラッチ傷を最小限に抑えることができる。その結果、
加工精度が高く、歩留まりの高い半導体基板および半導
体の製造が可能となる。硬質砥粒とろう付け合金との接
合は、硬質砥粒とろう付け合金との界面にチタン、クロ
ムまたはジルコニウムより選ばれた1種以上の金属の偏
析層が形成されることで著しく接合強度が上昇する。本
発明者らは、ろう材として、チタン、クロムまたはジル
コニウムより選ばれた1種以上を0.1〜30wt%含
む融点600℃〜1400℃の合金を使用することによ
り、硬質砥粒とろう付け合金との界面に当該金属の偏析
層が形成されることを確認した。偏析層の形成は、ドレ
ッサー断面に存在する砥粒の走査型電子顕微鏡観察を行
い、走査型電子顕微鏡に付属するエネルギー分散型X線
分光法による元素分析を行い確認した。
ルコニウムより選ばれた1種以上を0.1〜30wt%
含む。0.1wt%より少ない含有量では立方晶窒化ホ
ウ素、炭化ホウ素、炭化珪素または酸化アルミニウムの
硬質砥粒−ろう付け合金の界面に、当該金属の偏析層が
形成されない。また、30wt%を超える含有量は必要
ない。
の合金とするのは、600℃未満のろう付け温度では、
接合強度が得られず、1400℃超のろう付け温度で
は、硬質砥粒または支持部材の劣化が起こるので好まし
くないからである。ろう付け合金の厚さは、硬質砥粒の
粒径の0.2〜1.5倍の厚さが適当である。薄すぎる
と硬質砥粒とろう付け合金との接合強度が低くなり、厚
すぎるとろう材と支持部材との剥離がおこりやすくな
る。
以下とすることが好ましい。30μm未満の硬質砥粒で
は充分な研磨速度が得られず、30μmから300μm
の範囲内であれば充分な研磨速度が得られる。また、3
0μm未満の微粒の硬質砥粒では凝集し易い傾向があ
り、凝集してクラスターを形成すると脱落し易くなり、
スクラッチ傷の原因となる。300μm超の粗粒の硬質
砥粒では、研磨時の応力集中が大きく脱落し易くなる。
支持部材片面にのみ硬質砥粒がろう付けされたものが好
ましい。フェライト系ステンレス鋼は加工が容易であ
る。さらに片面を硬質砥粒をろう付けしない面とするこ
とで、例えば磁石による着脱が可能になり、作業効率の
向上に大きく寄与できる。ろう付け条件を真空中とする
のは、チタン、ジルコニウム、クロムなどからなる被膜
の酸化を防ぐためであり、ろう付け温度を600℃〜1
400℃とするのは、600℃未満のろう付け温度で
は、ろう付け合金が溶融せず、ろう付けできないためで
あり、1400℃超のろう付け温度では、砥粒または支
持部材の劣化が起こるので好ましくないからである。
す表1のドレッサーNo.2から10に示したような粒径
の立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化珪素および酸化
アルミニウムなどの硬質砥粒を、フェライト系ステンレ
ス製基板に表1に記載のろう付け金属を用いて、10-5
Torrの真空中、表1に記載のろう付け温度で30分間保
持し、単層、ろう付けすることによって作製した。得ら
れたドレッサーを用いて、400枚の半導体ウエーハの
研磨実験を行った。ドレッシングは1回の研磨毎に、2
分間ドレッシングを行った。400枚研磨後に、脱落し
たダイヤモンド粒によるスクラッチ傷が発生したウエー
ハ数を調査した。また、使用した研磨布を用いて、2時
間および20時間研磨後のウエーハ研磨速度を調査し
た。400枚のウエーハの研磨には約20時間を要し
た。結果を表1に示す。ウエーハ表面傷および砥粒の粒
径は電子顕微鏡により観察した。
サー(比較例)に比べて大幅にウエーハ表面のスクラッ
チ傷発生が低下し、研磨速度の低下はなかった。これに
より、高いスループットと高い歩留まりの半導体基板製
造が実現できた。
レッサーNo.2から5に示したような粒径の立方晶窒化
ホウ素、炭化ホウ素、炭化珪素および酸化アルミニウム
などの硬質砥粒を、フェライト系ステンレス製基板に表
2に記載のろう付け金属を用いて、10-5Torrの真空
中、表2に記載のろう付け温度で30分間保持し、単
層、ろう付けすることにより作製した。得られたドレッ
サーを用いて、400枚のシリコンウエーハの研磨実験
を行った。ドレッシングは10回の研磨毎に、2分間ド
レッシングを行った。400枚研磨後に、脱落したダイ
ヤモンド粒によるスクラッチ傷が発生したウエーハ数を
調査した。また、使用した研磨布を用いて、3時間およ
び30時間研磨後のウエーハ研磨速度を調査した。40
0枚のウエーハの研磨には約30時間を要した。結果を
表2に示す。ウエーハ表面傷および砥粒の粒径は電子顕
微鏡により観察した。
サー(比較例)に比べて大幅にウエーハ表面のスクラッ
チ傷発生が低下し、研磨速度の低下はなかった。これに
より、高いスループットと高い歩留まりのシリコンウエ
ーハ製造が実現できた。
基板のスクラッチ傷を最小限に抑えることが可能になっ
た。また、研磨布の目詰まりを除去し、研磨布表面を常
時新しい時と同様に保持できるため、研磨布の使用時間
に伴う研磨速度の低下もなく、加工精度の高い半導体基
板を高い歩留まりで製造できた。
Claims (3)
- 【請求項1】 立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化珪
素または酸化アルミニウムより選ばれた1種の硬質砥粒
を、チタン、クロムまたはジルコニウムより選ばれた1
種以上を0.1〜30wt%含む融点600℃〜140
0℃、厚さが硬質砥粒の粒径の0.2〜1.5倍の合金
を用いて、金属および/または合金からなる支持部材
に、単層で、真空中、600℃〜1400℃でろう付け
し、前記硬質砥粒とろう付け合金との界面に前記チタ
ン、クロムまたはジルコニウムより選ばれた1種以上の
金属の偏析層を形成することを特徴とする、半導体基板
用研磨布のドレッサーの製造方法。 - 【請求項2】 支持部材がフェライト系ステンレス鋼
で、支持部材片面にのみ立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ
素、炭化珪素または酸化アルミニウムより選ばれた1種
の硬質砥粒がろう付けされたことを特徴とする請求項第
1項に記載の半導体基板用研磨布のドレッサーの製造方
法。 - 【請求項3】 立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化珪
素または酸化アルミニウムよりなる硬質砥粒が、径30
μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項
第1項又は第2項に記載の半導体基板用研磨布のドレッ
サーの製造方法。
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---|---|---|---|
JP30618597A JP3482328B2 (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 半導体基板用研磨布のドレッサーおよびその製造方法 |
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JPH11138417A JPH11138417A (ja) | 1999-05-25 |
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JP30618597A Expired - Fee Related JP3482328B2 (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 半導体基板用研磨布のドレッサーおよびその製造方法 |
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