JP3482322B2 - 半導体基板用研磨布のドレッサーおよびその製造方法 - Google Patents

半導体基板用研磨布のドレッサーおよびその製造方法

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JP3482322B2 JP15625997A JP15625997A JP3482322B2 JP 3482322 B2 JP3482322 B2 JP 3482322B2 JP 15625997 A JP15625997 A JP 15625997A JP 15625997 A JP15625997 A JP 15625997A JP 3482322 B2 JP3482322 B2 JP 3482322B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板の平面
化研磨工程で、研磨布の目詰まりや異物除去を行う際に
使用されるドレッサーに関する。
【0002】
【従来の技術】ウエーハのポリッシングにおいては、研
磨速度を確保しつつ、しかも機械的歪などの欠陥が入ら
ない研磨法が要求される。従来の機械的研磨法において
は、砥粒の粒径や研磨荷重を大きくすることにより、研
磨速度を確保することが可能である。しかし、研磨によ
り、種々の欠陥が入り、研磨速度の確保と被研磨材を無
欠陥に保つことの両立は不可能であった。そこで、化学
的かつ機械的平面化(CMP:Chemical Mechanical Pl
anarization )と呼ばれる研磨法が考案された。この方
法は機械的研磨作用に化学的研磨作用を重畳して働かせ
ることにより、研磨速度の確保と被研磨材が無欠陥であ
ることの両立を可能としたものである。CMPは研磨速
度の確保と被研磨材が無欠陥であることの両立が必要で
ある、シリコンウエハーの仕上げポリッシング工程で広
く使用されている。また、近年では、デバイスの高集積
化に伴い集積回路を製造する所定の段階で、ウエーハや
ウエーハ表面に導電体・誘電体層が形成された半導体基
板の表面を研磨することが必要となってきた。半導体基
板は研磨されて、高い隆起や結晶格子損傷、引っかき
傷、粗さ等の表面欠陥、または埋もれた異物粒子を除去
される。通常、この工程は、ウエーハ上に種々の装置お
よび集積回路を形成する間に行われる。この研磨工程で
は、シリコンウエハーの仕上げポリッシング工程と同様
に、研磨速度の確保と無欠陥であることの両立が必要で
ある。化学スラリーを導入することにより、半導体表面
に、より大きな研磨除去速度および無欠陥性が与えられ
る化学的かつ機械的平面化(CMP:Chemical Mechani
cal Planarization )が行われる。一般に、CMP工程
は、薄くかつ平坦な半導体材料を制御された圧力および
温度下で、湿った研磨表面に対して保持し、かつ回転さ
せる工程を含む。
【0003】CMP工程の1例としては、例えば5〜3
00nm程度の粒径を有するシリカ粒子を苛性ソーダ、
アンモニアおよびアミン等のアルカリ溶液に懸濁させて
pH9〜12程度にした化学スラリーとポリウレタン樹
脂等からなる研磨布が用いられる。研磨時には化学スラ
リーを流布しながら、半導体基板を研磨布に当接させて
相対回転させることにより、研磨が行われる。そして研
磨布のドレッシング法としては、研磨布に水または化学
スラリーを流しながら、ダイヤモンド電着砥石またはブ
ラッシ等を用いたブラッシングにより、研磨布の内部の
目詰まり、異物の除去を行っていた。
【0004】CMP工程で使用されるドレッサーは、切
削や研削で使用される従来のダイヤモンド工具とは、次
の点で本質的に異なっている。切削工具ではダイヤモン
ドが少量脱落しても、ダイヤモンド脱落後の新生面に別
のダイヤモンドが残っていれば、切削能力の低下にはな
らないのに対して、CMPドレッサーでは脱落したダイ
ヤモンド砥粒が研磨布や半導体基板表面を傷つけるた
め、ダイヤモンドの脱落が少量でも許されない点であ
る。また、湿式で低い回転数で使用されるので、切削工
具で求められる耐熱性や極端な耐摩耗性は必要ない点で
ある。ダイヤモンド粒の脱落が問題になる従来のダイヤ
モンド工具としては、単粒の比較的大きなダイヤモンド
(一般的には直径1mm程度以上)を金属保持材に接合
したダイヤモンドバイトがある。しかし、CMP工程で
使用されるドレッサーとは、次の点で本質的に異なって
いる。従来のダイヤモンドバイトでは、比較的大きなダ
イヤモンド(一般的には直径1mm程度以上)を単粒で
接合するのに対して、CMP工程で使用されるドレッサ
ーは、比較的小さい(直径50〜300μm)ダイヤモ
ンドを単層で面状に接合している。また、CMP工程で
使用されるドレッサーは、湿式で低い回転数で使用され
るので、ダイヤモンドバイトで求められる耐熱性や極端
な耐摩耗性は必要ない点である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の研磨布のドレッ
シング法においては、ダイヤモンド粒をニッケル電着し
た砥石を用いたドレッシングを行っていた。ニッケルの
電着は、比較的容易に金属支持部材に適用できるので広
く用いられてきた。しかし、ダイヤモンドとの接合強度
が充分ではなく、しばしばダイヤモンド粒の脱落や欠損
が起こり、研磨布や半導体基板にキズを付ける原因とな
っていた。このため、ダイヤモンド粒の脱落のないドレ
ッサーが求められていた。
【0006】そこで、本発明は、研磨布のドレッシング
において、スクラッチ傷を最小限に抑え、歩留まり高
く、安定した研磨速度が得られるドレッサーを提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、チタン、ジル
コニウムおよびクロムの内より選ばれた、少なくとも1
種よりなり、気相法により作製され、厚さが0.1〜1
0μmである被膜を有するダイヤモンド粒子を、融点6
50℃〜1200℃、厚さがダイヤモンド粒径の0.2
〜1.5倍の合金を用いて、金属および/または合金か
らなる支持部材に、単層で、真空中、650℃〜120
0℃でろう付けし、前記ダイヤモンド粒子と前記合金と
の界面にチタン、ジルコニウムおよびクロムより選ばれ
た金属の炭化物層を形成することを特徴とする、半導体
基板の平面化研磨工程で使用される半導体基板用研磨布
のドレッサーの製造方法である。
【0008】好ましくは、前記金属炭化物被覆膜はイオ
ンプレーテイング法、真空蒸着法、スパッタリング法、
およびCVD法などの気相法により作製され、厚さ0.
1〜10μmであることを特徴とする。あるいは、ダイ
ヤモンド粒が、径50μm以上300μm以下であるこ
とを特徴とする半導体基板用研磨布のドレッサーであ
る。
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】本発明によって製作された半導体
基板用研磨布のドレッサーは、ダイヤモンド粒の脱落に
よるスクラッチ傷を最小限に抑えることができる。その
結果、加工精度が高く、歩留まりの高い半導体基板およ
び半導体の製造が可能となる。ダイヤモンドとろう付け
合金との接合は、ろう付け合金との界面に炭化チタン、
炭化ジルコニウム、炭化クロムなどからなる層が形成さ
れることで著しく接合強度が上昇する。本発明者らは、
チタン、ジルコニウムおよびクロムの内より選ばれた、
少なくとも1種よりなる被膜を有するダイヤモンド粒子
を使用することにより、ダイヤモンドとろう付け合金と
の界面に金属炭化物層が形成されることを確認した。界
面に金属炭化物層が形成されるためには、ダイヤモンド
粒子には、厚さ0.1μm以上のチタン、ジルコニウ
ム、クロムなどからなる被覆膜が必要となる。界面にお
ける金属炭化物層形成による接合強度向上は、チタン、
ジルコニウム、クロムなどからなる被覆層の厚さが10
μmあれば充分な効果がえられるので、10μm以内と
する。
【0011】ろう付け合金を融点650℃〜1200℃
の合金とするのは、650℃未満のろう付け温度では、
接合強度が得られず、1200℃超のろう付け温度で
は、ダイヤモンドの劣化が起こるので好ましくないから
である。ろう付け合金の厚さは、ダイヤモンド粒径の
0.2〜1.5倍の厚さが適当である。薄すぎるとダイ
ヤモンドとろう付け合金との接合強度が低くなり、厚す
ぎるとろう材と支持部材との剥離がおこりやすくなる。
【0012】ダイヤモンド粒の径は、50μm以上30
0μm以下とすることが好ましい。50μm未満のダイ
ヤモンドでは充分な研磨速度が得られず、300μmで
あれば充分な研磨速度が得られる。また、50μm未満
の微粒のダイヤモンドでは凝集し易い傾向があり、凝集
しクラスターを形成すると脱落し易くなり、スクラッチ
傷の原因となる。300μm超の粗粒のダイヤモンドで
は、研磨時の応力集中が大きく脱落し易くなる。
【0013】
【実施例1】イオンプレーテイング法を用いて、平均粒
径150μmのダイヤモンド粒上に厚さ2μmのチタン
と、厚さ2μmのクロムを別々に被覆した。そのチタン
被覆ダイヤモンドとクロム被覆ダイヤモンドを用いて、
10−5Torrの真空中、850℃でろう付けを行い2種の
ドレッサーを作製した。
【0014】上記の本発明によるドレッサーおよびNi
電着の従来ドレッサーについて、400枚の半導体ウエ
ーハの研磨実験を行った。ドレッシングは1回の研磨毎
に、2分間ドレッシングを行った。その後、400枚研
磨後に、脱落したダイヤモンド粒によるスクラッチ傷が
発生したウエーハ数を調査した。また、5時間の研磨毎
のウエーハ研磨速度を調査した。400枚のウエーハの
研磨には約20時間を要した。ウエーハ表面傷およびダ
イヤモンド粒径は電子顕微鏡により観察した。
【0015】本発明によるドレッサーは、従来のドレッ
サーに比べて大幅にウエーハ表面のスクラッチ傷発生が
低下し、スクラッチ傷の発生したウエハーは従来ドレッ
サー9枚に対して、前記二種の発明品では0枚であっ
た。また、発明品において、400枚研磨後の研磨速度
の低下は見られなかった。これにより、高いスループッ
トと高い歩留まりの半導体基板製造が実現できた。
【0016】
【実施例2】イオンプレーテイング法を用いて、平均粒
径150μmのダイヤモンド粒上に厚さ2μmのチタン
と、厚さ2μmのクロムを別々に被覆した。そのチタン
被覆ダイヤモンドとクロム被覆ダイヤモンドを用いて、
10−5Torrの真空中、850℃でろう付けを行い2種の
ドレッサーを作製した。
【0017】上記の本発明によるドレッサーおよびNi
電着の従来ドレッサーについて、400枚のシリコンウ
エーハの研磨実験を行った。ドレッシングは10回の研
磨毎に、2分間ドレッシングを行った。その後、400
枚研磨後に、脱落したダイヤモンド粒によるスクラッチ
傷が発生したウエーハ数を調査した。また、5時間の研
磨毎のウエーハ研磨速度を調査した。400枚のウエー
ハの研磨には約30時間を要した。ウエーハ表面傷およ
びダイヤモンド粒径は電子顕微鏡により観察した。
【0018】本発明によるドレッサーは、従来のドレッ
サーに比べて大幅にウエーハ表面のスクラッチ傷発生が
低下し、スクラッチ傷の発生したウエハーは従来ドレッ
サー3枚に対して、前記二種の発明品では0枚であっ
た。また、発明品において、400枚研磨後の研磨速度
の低下は見られなかった。これにより、高いスループッ
トと高い歩留まりの半導体基板製造が実現できた。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、ダイヤモンド粒の脱落
による半導体基板のスクラッチ傷を最小限に抑えること
が可能になる。また、研磨布の目詰まりを除去し、研磨
布表面を常時新しい時と同様に保持できるため、研磨布
の使用時間に伴う研磨速度の低下も改善でき、加工精度
の高い半導体基板を高い歩留まりで製造できる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン、ジルコニウムおよびクロムの内
    より選ばれた、少なくとも1種よりなり、気相法により
    作製され、厚さが0.1〜10μmである被膜を有する
    ダイヤモンド粒子を、融点650℃〜1200℃、厚さ
    がダイヤモンド粒径の0.2〜1.5倍の合金を用い
    て、金属および/または合金からなる支持部材に、単層
    で、真空中、650℃〜1200℃でろう付けし、前記
    ダイヤモンド粒子と前記合金との界面にチタン、ジルコ
    ニウムおよびクロムより選ばれた金属の炭化物層を形成
    することを特徴とする、半導体基板の平面化研磨工程で
    使用される半導体基板用研磨布のドレッサーの製造方
  2. 【請求項2】 ダイヤモンド粒が、径50μm以上30
    0μm以下であることを特徴とする請求項第1項に記載
    の半導体基板用研磨布のドレッサーの製造方法
JP15625997A 1996-10-15 1997-06-13 半導体基板用研磨布のドレッサーおよびその製造方法 Expired - Lifetime JP3482322B2 (ja)

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KR1019997003204A KR100328108B1 (ko) 1996-10-15 1997-10-14 반도체 기판용 연마패드의 드레서, 그 제조방법 및 그것을 사용한 화학적 기계적 연마방법
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