JP3198415B2 - コンバインの穀物排出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、コンバインの穀物排出装置に係るものであ
る。

（従来技術） 従来公知の、実開平１−121340号公報には、グレンタ
ンクと、該グレンタンク内の穀物を揚穀するに揚穀装置
と、該揚穀装置の上端に基部を取付けた排出オーガとか
らなるコンバインの穀物排出装置について記載されてい
る。

（発明が解決しようとする課題） 前記公知例のものの、排出オーガの旋回移動速度は、
常時一定であった。そのため、排出オーガを、軽トラッ
クのタンクの上方に臨ませるまでの位置合せ作業に、時
間が掛り過ぎた。

反面、排出オーガを動かして、軽トラックの荷台に平
均して積むときの動きは早過ぎ、排出オーガの穀物排出
口が軽トラックの荷台より外れることもあるという課題
があった。

本発明は、排出オーガの移動速度を、位置合せまでは
早く、積込時は遅く切替えることにより、作業性および
操作性を向上させたものである。

（発明の目的） 本発明の目的は、排出オーガの移動速度を作業に応じ
て切替え、作業性および操作性を向上させるようにした
ものである。

（課題を解決するための手段） よって本発明は、グレンタンク11と、該グレンタンク
11内の穀物を揚穀する揚穀装置12と、該揚穀装置12の上
端に基部を取付けた排出オーガ13とからなるものにおい
て、該排出オーガ13には穀物搬送作用を入切させる搬送
クラッチ機構15と、前記排出オーガ13を任意旋回させう
る旋回機構27とを設け、該旋回機構27と前記クラッチ機
構15とは、前記クラッチ機構15切のときは排出オーガ13
は早く移動し、前記クラッチ機構15入のときは排出オー
ガ13は遅く移動するように互いを関連的に結合したコン
バインの穀物排出装置としたものである。

（実施例） 本発明の実施例を図面により説明すると、１はコンバ
インの機体フレームであり、該機体フレーム１の下方位
置には走行装置２を設け、前記機体フレーム１の上方位
置には脱穀装置３を設け、前記機体フレーム１の前方位
置には刈取部４を設ける。

５は前記刈取部４の分草体、６は穀稈引起装置、７は
刈刃、８は株元側穀稈搬送装置、９は穂先側穀稈搬送装
置、10は前記脱穀装置３の一側部に設けた穀稈供給装置
である。

前記脱穀装置３の他側には、グレンタンク11を並設
し、グレンタンク11には該グレンタンク11内の穀物を揚
穀排出する揚穀装置12を設け、該揚穀装置12の上部には
放出オーガ13を設ける。

前記放出オーガ13は、公知構造のものであり、内部に
穀物搬送用の螺旋翼を設け、その先端には穀物排出口14
を形成する。前記放出オーガ13の基部は、前記穀物排出
口14が上下動自在および旋回自在となるように、前記揚
穀装置12に取付ける。

第２図は、前記放出オーガ13の作動を入切りするクラ
ッチ機構15を示したものであり、機体の所望位置に設け
たエンジンからの出力で回転する駆動プーリ16と受動プ
ーリ17の間にベルト18を掛け回し、該ベルト18に接離自
在にテンションクラッチローラ19を設けて構成する。

該テンションクラッチローラ19は排出クラッチ操作レ
バー20の操作によりベルト18に対して接離するように構
成されている。21は前記テンションクラッチローラ19を
取付けたアーム、22は前記テンションクラッチローラ19
がベルト18から離間するように付勢するバネ、23は前記
アーム21と前記排出クラッチ操作レバー20の間に設けた
操作ロッドである。

また、第６図において、24は軽トラック、25は軽トラ
ック25に設けたタンク、26は前記グレンタンク11の前側
に設けた運転席である。

しかして、第２図に示したように、排出クラッチ操作
レバー20の基部には、該レバー20の入切操作を検出する
入切検知スイッチ30を設け、該入切検知スイッチ30と前
記排出オーガ13を旋回移動させる旋回機構27とを、前記
クラッチ機構15切のときは排出オーガ13は早く移動し、
前記クラッチ機構15入のときは排出オーガ13は遅く移動
するように互いを関連的に結合する。

即ち、排出オーガ13の穀物排出口14を軽トラック24の
タンク25に位置合せするときは、前記クラッチ機構15が
切であり、このときの排出オーガ13の移動速度は高速に
切替えて作業能率を向上させ、排出オーガ13が穀物排出
中は、前記クラッチ機構15が入となっており、排出オー
ガ13の移動速度を低速に切替え、ゆっくりと穀物排出口
14を軽トラック24のタンク25上方を往復移動させて均一
に穀物を積み込む。

第３図は、前記排出オーガ13の旋回機構27を示す油圧
機構図であり、31は油タンク、32は送油ポンプ、33は高
速切替バルブ、34は低速切替バルブ、35は前記低速切替
バルブ34の先に設けた固定絞り、36は排出オーガ旋回シ
リンダ、37は前記排出オーガ旋回シリンダ36の切替バル
ブ、38は排出オーガ上下シリンダ、39は前記排出オーガ
上下シリンダ38の切替バルブ、40は前記高速切替バルブ
33の高速移動切替ソレノイド、41は前記低速切替バルブ
34の低速移動切替ソレノイド、42は前記切替バルブ37の
左右ソレノイド、43は前記切替バルブ39の上下ソレノイ
ドである。

前記旋回機構27は前記排出オーガ旋回シリンダ36およ
び前記排出オーガ上下シリンダ38により構成し、排出オ
ーガ旋回シリンダ36および排出オーガ上下シリンダ38
と、低速切替バルブ34との間に送油を制限する固定絞り
35を設けて、前記低速切替バルブ34を開けると前記シリ
ンダ36、38の伸縮速度を遅くするように構成している
が、他の構成の油圧回路でもよく、また、前記排出オー
ガ13の旋回および上下を、モータの回転を利用し、該モ
ータの回転を電気的に制御してもよい。

第４図において、44はオーガ自動排出スイッチであ
り、該オーガ自動排出スイッチ44をオンにすると前記排
出オーガ13を予め設定されている位置まで自動的に移動
させる。45はオーガ自動収納スイッチであり、自動的に
収納する。46は前記オーガ自動排出スイッチ44またオー
ガ自動収納スイッチ45により排出オーガ13を自動的に移
動させている際に、これを停止させるスイッチである。
47は手動上げスイッチ、48は手動下げスイッチ、49は手
動右旋回スイッチ、50は手動左旋回スイッチ、51は制御
部である。

（作用） 次に作用を述べる。

機体を前進させ、分草体５により分草し、穀稈引起装
置６により穀稈を引起し、引起した穀稈の根元を刈刃７
により刈取り、株元側穀稈搬送装置８および穂先側穀稈
搬送装置９により刈取った穀稈を穀稈供給装置10に引継
ぎ、穀稈供給装置10により脱穀装置３の脱穀室に供給し
て脱穀し、脱穀した穀物はグレンタンク11に一時貯留
し、グレンタンク11内が一杯になると、圃場の畦にある
軽トラック24のタンク25に積み替える。

前記グレンタンク11には揚穀装置12が設けられ、該揚
穀装置12の上部には排出オーガ13が設けられているか
ら、オーガ自動排出スイッチ44または手動右旋回スイッ
チ49あるいは手動左旋回スイッチ50により旋回機構27を
作動させ、排出オーガ13の穀物排出口14を任意位置にあ
る軽トラック24のタンク25上方に位置させる。

次に、排出クラッチ操作レバー20を操作して、クラッ
チ機構15を入にすると、排出オーガ13内の螺旋翼が回転
し、排出オーガ13内の穀物は螺旋翼により搬送され、排
出オーガ13の先端の穀物排出口14から軽トラック24のタ
ンク25内に落下する。

この場合、軽トラック24のタンク25内に平均して穀物
を積載するように、穀物排出中に排出オーガ13を旋回機
構27により往復移動させることがあるが、このときの排
出オーガ13の移動速度が速いと、排出オーガ13の先端の
穀物排出口14は軽トラック24のタンク25上方位置より外
れることがある。反対に、排出オーガ13の穀物排出口14
を軽トラック24のタンク25に位置合せするときは、移動
速度が遅いと、作業能率が低下する。

本発明では、穀物排出中は、自動的に排出オーガ13の
移動速度を遅くするから、軽トラック24のタンク25内に
平均して穀物を積載する排出作業を容易に行なえる。

また、排出オーガ13が穀物排出していないときは、移
動速度を自動的に高速に切替えるから、穀物排出口14を
軽トラック24のタンク25に位置合せを素早く行なえ、ま
た、排出オーガ13を早く収納し、作業能率を向上させ
る。

具体的に説明すると、本発明では、排出オーガ13内の
螺旋翼への回転伝達を入切するクラッチ機構15の排出ク
ラッチ操作レバー20に入切検知スイッチ30を取付けてい
るから、該入切検知スイッチ30により排出オーガ13が穀
物排出中であるか否かを検知する。

次に、入切検知スイッチ30は、穀物の排出していない
ときオフになり、自動的に高速切替バルブ33の高速移動
切替ソレノイド40をオンにし、自動的に旋回機構27の作
動を高速に切替える。

また、入切検知スイッチ30がオンになると、自動的に
低速切替バルブ34の低速移動切替ソレノイド41をオンに
し、前記低速切替バルブ34と旋回機構27である排出オー
ガ旋回シリンダ36および排出オーガ上下シリンダ38の間
には送油を制限する固定絞り35が設けられているから、
前記シリンダ36,38の伸縮速度を遅くして、排出オーガ1
3の移動速度を低速に切替える。

（効果） 前記公知例のものの、排出オーガの旋回移動速度は、
常時一定であった。そのため、排出オーガを、軽トラッ
クのタンクの上方に臨ませるまでの位置合せ作業に、時
間が掛り過ぎた。

反面、排出オーガを動かして、軽トラックの荷台に平
均して積むときの動きは早過ぎ、排出オーガの穀物排出
口が軽トラックの荷台より外れることもあるという課題
があった。

しかるに本発明は、グレンタンク11と、該グレンタン
ク11内の穀物を揚穀する揚穀装置12と、該揚穀装置12の
上端に基部を取付けた排出オーガ13とからなるものにお
いて、該排出オーガ13には穀物搬送作用を入切させる搬
送クラッチ機構15と、前記排出オーガ13を任意旋回させ
うる旋回機構27とを設け、該旋回機構27と前記クラッチ
機構15とは、前記クラッチ機構15切のときは排出オーガ
13は早く移動し、前記クラッチ機構15入のときは排出オ
ーガ13は遅く移動するように互いを関連的に結合したコ
ンバインの穀物排出装置としたものであるから、コンバ
インの近傍に配置された軽トラックの荷台上のタンクの
上部位置に前記排出オーガ13を旋回させる位置合せのと
き、および、排出作業終了後の収納するときは、素早く
移動させ、軽トラックの荷台上のタンクの上部位置で往
復動させながら均一に積込むときはゆっくり移動させる
ことができ、合理的な装置となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の側面図、第２図はクラッチ機構の側面
図、第３図は油圧機構図、第４図は制御回路図、第５図
はフロー図、第６図は作用状態平面図である。 符号の説明 １……機体フレーム、２……走行装置、３……脱穀装
置、４……刈取部、５……分草体、６……穀稈引起装
置、７……刈刃、８……株元側穀稈搬送装置、９……穂
先側穀稈搬送装置、10……穀稈供給装置、11……グレン
タンク、12……揚穀装置、13……排出オーガ、14……穀
物排出口、15……クラッチ機構、16……駆動プーリ、17
……受動プーリ、18……ベルト、19……テンションクラ
ッチローラ、20……排出クラッチ操作レバー、21……ア
ーム、22……バネ、23……操作ロッド、24……軽トラッ
ク、25……タンク、26……運転席、27……旋回機構、31
……油タンク、32……送油ポンプ、33……高速切替バル
ブ、34……低速切替バルブ、35……固定絞り、36……排
出オーガ旋回シリンダ、37……切替バルブ、38……排出
オーガ上下シリンダ、39……切替バルブ、40……高速移
動切替ソレノイド、41……低速移動切替ソレノイド、42
……左右ソレノイド、43……上下ソレノイド、44……オ
ーガ自動排出スイッチ、45……オーガ自動収納スイッ
チ、46……自動停止スイッチ、47……手動上げスイッ
チ、48……手動下げスイッチ、49……手動右旋回スイッ
チ、50……手動左旋回スイッチ、51……制御部。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】グレンタンク11と、該グレンタンク11内の
   穀物を揚穀する揚穀装置12と、該揚穀装置12の上端に基
   部を取付けた排出オーガ13とからなるものにおいて、該
   排出オーガ13には穀物搬送作用を入切させる搬送クラッ
   チ機構15と、前記排出オーガ13を任意旋回させうる旋回
   機構27とを設け、該旋回機構27と前記クラッチ機構15と
   は、前記クラッチ機構15切のときは排出オーガ13は早く
   移動し、前記クラッチ機構15入のときは排出オーガ13イ
   は遅く移動するように互いを関連的に結合したコンバイ
   ンの穀物排出装置。