JP3197848B2 - 擁壁用ブロック及び該ブロックを用いた擁壁施工法 - Google Patents

擁壁用ブロック及び該ブロックを用いた擁壁施工法

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JP3197848B2
JP3197848B2 JP20090497A JP20090497A JP3197848B2 JP 3197848 B2 JP3197848 B2 JP 3197848B2 JP 20090497 A JP20090497 A JP 20090497A JP 20090497 A JP20090497 A JP 20090497A JP 3197848 B2 JP3197848 B2 JP 3197848B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピード土留めプ
レハブ工法に使用するコンクリートからなる擁壁用ブロ
ック及び該ブロックを用いた擁壁施工法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、道路側壁或いは河川の堤防などの
擁壁施工のスピード土留めプレハブ工法に使用する擁壁
用ブロックは、下部から上部になるに連れて壁面が後方
に傾斜した化粧面からなる前壁とその前壁の左右端から
垂直に後方に突設した左右の扶壁及び底版を有する大型
の箱状のブロックからなっている。
【0003】そして、この擁壁用ブロックを用いた一般
的な擁壁施工法は、擁壁用ブロック内及び擁壁用ブロッ
クと法面の間にコンクリートを打設する練り積みと、コ
ンクリートは打ち込まずに土砂を埋め戻す空積みが行わ
れている。
【0004】従来の練り積みによる擁壁施工法は、図4
及び図5に示すように、先ず、1段目の擁壁用ブロック
31を法面32前方の基礎33に据え付ける(図4
(1)参照)。次に、該擁壁用ブロック31と法面32
との間に裏型枠34を擁壁用ブロック31と平行に配設
し、その位置に支持するために法面32と裏型枠34の
間及び裏型枠34と擁壁用ブロック31との間に複数の
サポート35を挿着する。一方、擁壁用ブロック31の
水抜き孔36と裏型枠34の間に水抜きパイプ37を水
抜き孔36側を低くして連結する(図4(2)参照)。
この状態で擁壁用ブロック31内にコンクリートを胴込
めし、さらに裏型枠34との間にコンクリート38を打
設する(図4(3)参照)。該コンクリート38が硬化
した後に裏型枠34とサポート35を撤去する型枠脱型
を行った後に(図4(4)参照)、打設したコンクリー
ト38と法面32との間に裏込砕石39を投入する(図
4(5)参照)。以上の作業により擁壁用ブロック31
による1段目の擁壁の裏込めを完了する。この1段目擁
壁用ブロック31の上に2段目の擁壁用ブロック31a
をそれぞれの前壁の化粧面を揃えて据え付け(図4
(6)参照)、図5の(7)から(10)に示すよう
に、図4の(2)から(5)と同様の作業を繰返して2
段目の擁壁の裏込めを完了する。さらに同様の工法で上
段に順次擁壁用ブロック31を繰り返して積み上げてい
くことで所定高さのもたれ式擁壁を施工する。
【0005】一方、従来の空積み擁壁施工法は、法面前
方に擁壁用ブロックを据え付け、擁壁用ブロックの底版
上にカウンターウエイトとして土砂を胴込めし、かつ、
擁壁用ブロックと法面との間にコンクリートに代えて土
砂を埋め戻して施行する。
【0006】上述のような従来の擁壁用ブロック及び擁
壁施工法には、次のような問題点がある。擁壁用ブロッ
ク31と法面32との間の狭い作業スペースにおいて複
雑で面倒な裏型枠34を支持する作業を行わなければな
らず、作業能率が低かった。また、擁壁の施工現場は勾
配が急な法面32であり、特に裏型枠34を取り付ける
擁壁用ブロック31と法面32との間のスペースは、
岩、切土等の落下物により危険であった。また該擁壁用
ブロック31の積み段数が増加してくると、高所での作
業が多くなり、危険性が高かった。さらに、盛土法面で
は上部ほど勾配が緩くなるため、法面32の上部では裏
型枠34との間が広くなることが多く、サポート35を
施すことが困難であった。
【0007】裏型枠34の取り付けは、基本的には擁壁
用ブロック31と裏型枠34間及び裏型枠34と法面3
2間にサポート35を挿着して支持することから、擁壁
用ブロック31と裏型枠34間にコンクリート38を打
ち込んだ時に発生する衝撃や側圧により、擁壁用ブロッ
ク31が滑動または転倒してしまう危険性があった。一
方、このような危険性を防止し安全性を向上させるた
め、従来の擁壁用ブロック31は重量を大きくし安定さ
せる必要があった。さらに、裏型枠34を撤去するた
め、コンクリート38が硬化するまで次の作業をストッ
プしなければならず、上述の作業能率の低さと相まって
施工期間が長期化していた。
【0008】空積み擁壁施工法の場合、滑動や転倒を防
止するカウンターウェイトが必要であるため、擁壁用ブ
ロック内に埋め戻しの土砂を溜める底版が必要であり、
また擁壁用ブロックの部材厚を比較的厚くする必要があ
った。このため、擁壁用ブロック自体の重量が大きくな
る、換言すると、ブロックを形成するコンクリートの量
も大量でコストが増大する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題を解決し、擁壁施工の作業能率及び安全性を向上
できるスピード土留めプレハブ工法に使用する擁壁用ブ
ロック及びこの擁壁用ブロックを用いた擁壁施工法を提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段は、請求項1の発明では、擁壁用ブロックは、
上部が後方に傾斜した方形板状の前壁と、前壁後面の左
右から後方に突出する前壁に垂直な左右の扶壁と、左右
の扶壁の後端下部間に連結した補強梁とからなり、前
壁、扶壁及び補強梁はコンクリートにより薄型部材に形
成し、扶壁に大穴を前壁と平行に貫通させ、前壁の下端
部に水抜き孔を貫通し、左右の扶壁の後端面にはセパレ
ータ挿着用のインサート埋設用の複数の小孔を上下に形
成したことを特徴とする。
【0011】請求項2の発明では、擁壁用ブロックは、
左右の扶壁は前壁左右端から前壁の横長さの4分の1の
長さまでの中央よりの任意の位置に突設していることを
特徴とする請求項1の手段の擁壁用ブロックである。
【0012】請求項3の発明では、擁壁施工法は、法面
の前方に擁壁用ブロックを積載し、法面と擁壁用ブロッ
ク間に裏型枠を設置し、擁壁用ブロック及び擁壁用ブロ
ックと裏型枠間にコンクリートを打設し、裏型枠の法面
側に砕石を充填する擁壁ブロックの練り積みによる擁壁
施工法において、予め仮置場にて請求項1記載の擁壁用
ブロックの扶壁の小孔にインサートを埋設し、該インサ
ートと裏型枠とをセパレータで連結することにより該擁
壁用ブロックの後方において擁壁用ブロック前壁と平行
に裏型枠を配設し、擁壁用ブロック前壁の水抜き孔と該
水抜き孔より高所に位置する裏型枠の水抜き孔を水抜き
パイプで連結して仮組立体を形成し、法面の前方に裏込
砕石投入用空間を設けて該仮組立体を据え付け、擁壁用
ブロック内及び擁壁用ブロックと裏型枠間にコンクリー
トを打設して裏型枠を脱型することなく擁壁用ブロック
と裏型枠を一体化し、裏型枠と法面間に砕石を投入して
裏込めすることにより1段分の擁壁を積み上げ、該作業
を上段へ順次繰り返すことにより擁壁用ブロックを積み
上げることを特徴とする。
【0013】以下に上記手段の作用を説明する。請求項
1の手段の擁壁用ブロックは、前壁、扶壁及び補強梁
からなり、底版がない。従って、内部にコンクリートを
胴込し易く、練り積み擁壁に最適である。前壁、扶壁及
び補強梁をコンクリートにより薄型部材に形成している
が、胴込めコンクリートと擁壁用ブロックは一体化する
ので擁壁の強度に問題はない。擁壁用ブロックは各部を
薄型に成形し、かつ、底版を扶壁間の補強梁にしたこと
で、従来のものに比して大幅に軽量化できて取り扱いや
すく、かつ、原材料のコンクリートの必要量は大きく軽
減でき、コストを低下できる。扶壁に大穴を貫通して
いるので、コンクリートの流路ができ、擁壁用ブロック
と裏型枠との間へのコンクリートの打設が容易である。
前壁の下端部に水抜き孔を形成し、この水抜き孔と裏
型枠に形成した孔とをパイプで連結することで、裏型枠
の背後の裏込砕石からの水抜きを容易とする。さらに、
左右の扶壁の後端下部間に補強梁を連結したことから、
該擁壁用ブロックの剛性を保持することができ、またリ
フトによる運搬等を容易にすることができる。扶壁の
後端面にセパレータ挿着用のインサートを埋め込む複数
の小孔を上下に形成したので、小孔に埋め込んだインサ
ートとと裏型枠とを控え長さに合わせた長さのセパレー
タで連結することができる。従って、この擁壁用ブロッ
クは、請求項3に記載の擁壁施工法に最適である。
【0014】請求項2の手段の擁壁用ブロックは、扶壁
の位置は前壁の左右端から横長さの4分の1中央よりま
での適宜位置に設けているので、前壁を安定性よく支持
することができ、前壁左右端から適宜中央よりに寄って
いるので左右に隣接する擁壁用ブロックとの扶壁間に十
分なコンクリートが胴込でき左右の擁壁用ブロック同士
をより強固に一体化できる。扶壁の位置を前壁左右端か
ら横長さの4分の1中央寄りまでの位置と規定したの
は、それよりも中央よりであると擁壁用ブロックの安定
性が悪くなり、取扱に危険であることによる。
【0015】請求項3の手段の擁壁施工法は、予め擁
壁用ブロックに裏型枠及び水抜きパイプを取り付けた仮
組立体を安全な場所で形成して一体化しておき、この仮
組立体を擁壁施工法面の前方に設置してコンクリートを
打設し、かつ、裏込砕石を投入し、この作業を繰り返し
つつ順次積み上げていくことで擁壁を施工するものであ
る。従って、従来の擁壁施工法のような擁壁用ブロック
と法面との間の狭く危険なスペースあるいは高所での裏
型枠取り付け作業を省略することができ、安全に施工で
きる。裏型枠の取り付けは、擁壁用ブロックの扶壁の
小孔にインサートを埋設して該インサートと裏型枠とを
セパレータで連結するので、従来の擁壁施工法のような
擁壁用ブロックと裏型枠間及び裏型枠と法面間にサポー
トを施す面倒な作業を不要とする。従って、裏型枠と法
面との間隔が大きく、その間にサポートを嵌設すること
ができないような場所でも、裏型枠を設置することがで
きる。擁壁用ブロックと裏型枠とをセパレータで連結
し一体化することから、コンクリートを打ち込む時に発
生する衝撃や圧力が擁壁用ブロックと裏型枠双方に作用
して相殺し、擁壁用ブロックが滑動または転倒する方向
へ作用する力を低減することができる。このため安全性
が向上でき、さらに従来の擁壁用ブロックに安定のため
必要であった重量を減少することができる。裏型枠は
コンクリートと砕石との間に埋設して埋め捨てにするの
で、裏型枠撤去作業が省け作業性が向上する。また、コ
ンクリートが硬化していない状態でも裏込砕石を投入す
る作業が行えるので施工期間が短縮できる。ただし、裏
型枠に使用する材料は、無機質の耐腐食性のあるものと
し、埋め捨てのため安価なものとする。さらに、裏型枠
は擁壁用ブロックと一体化するためにセパレータを固定
する細工が必要であるので、加工が容易なものとする。
【0016】
【発明の実施の形態】図1〜図3に、発明の実施の一形
態を示す。図1の(a)は擁壁用ブロックの正面側から
見た斜視図で、(b)は(a)の擁壁用ブロックの背面
側から見た斜視図である。図2の(1)〜(3)及び図
3の(4)と(5)は番号順に図1の擁壁用ブロックを
用いた擁壁施工法の各工程を示す説明図である。
【0017】擁壁用ブロック1はコンクリート製で、図
1の(a)及び(b)に示すように、前壁2、左右一対
の扶壁3及び補強梁4からなる。前壁2は上方になるに
連れて後方に傾斜した長方形板状で、剛性を保持しつつ
軽量化を図るため上下端部5、6を比較的厚く、中央部
7を薄く形成する。また扶壁3は平行四辺形板状であっ
て、前壁2の左右端8から所定距離中央よりかつ左右端
8と平行な位置において前壁2と垂直でかつ後方に向け
て突設している。該扶壁3が形成する平行四辺形の後端
面19は前壁2に平行にし、扶壁3の上下面9、10は
敷設したときに水平となる角度に設定する。さらに補強
梁4は四角柱状であり、剛性の保持及びリフト運搬など
を考慮し左右の扶壁3の後端下部間に連結した。以上の
構成であるので、擁壁用ブロック1には左右の扶壁の後
端を連設する補強梁4を有するが底版はなく、かつ、天
版はなく、従って上下方向は抜けている。
【0018】擁壁用ブロック1は練り積み擁壁用として
従来の擁壁用ブロックに比して壁厚が薄い。このため、
従来の擁壁用ブロックに比して大幅に軽量化されてい
る。また扶壁3の中央部にはそれぞれ2個の大穴11を
横方向に貫通させて胴込めコンクリートの流路を形成
し、コンクリートの打設を容易にしている。さらに前壁
2の下端部6付近の左右に水抜き孔12を形成し、裏込
砕石域に至る水抜きパイプを連結することで裏込砕石部
の水抜きを可能とした。さらに左右の扶壁3の後端面1
9にはセパレータ挿着用インサートを埋め込むための小
孔20をそれぞれ上中下の3か所に形成する。
【0019】複数の擁壁用ブロック1はそれぞれの前壁
2の前面の化粧面が同一面を形成するように上下左右に
積み重ねて擁壁とする。このように上下に積んだ一対の
擁壁用ブロック1間の係合力を向上させるため、前壁2
の下端部6のうち両扶壁3に挟まれた領域に下方に突出
した凸部13を形成し、一方前壁2の上端部5のうち両
扶壁3に挟まれた領域に下方に凹んだ凹部14を形成し
て、積み上げた時にこの凸部13と凹部14とが嵌合す
るようにする。また、扶壁3の上面9の後端側に上面9
と平行に下方に一段下がった下段部15を形成し、下面
10の後端側を前記下段部15と嵌合する形状の突出部
16となし、上下に積み上げた時に噛み合うようにす
る。また、扶壁3の下面10にロックキー(図示してい
ない)を突設し、上面9にロックキー嵌入孔17を形成
し、該擁壁用ブロック1を上下に積み重ねた状態でロッ
クキーとロックキー嵌入孔17とが嵌合して両ブロック
1の滑動防止を図っている。さらに、擁壁用ブロック1
を上下に積み重ねた状態において、上側の前壁2の下端
部6と下側の前壁2の上端部5とに1本の挿し筋を貫い
て挿入できるように挿し筋孔18(下端部6の挿し筋孔
は図示していない)を形成する。このように複数の係合
機構を付設することで擁壁用ブロック1の軽量化により
発生し易くなる滑動や転倒を防止している。
【0020】擁壁用ブロック1を用いた擁壁施工法の工
程を、図2の(1)〜(3)と図3の(4)と(5)に
番号順に示した。本施工法は、擁壁施工現場近くの安全
な場所において、図2の(1)に示すような擁壁用ブロ
ック1に裏型枠24と水抜きパイプ25を取り付けた仮
組立体21を予め形成する。具体的には、擁壁用ブロッ
ク1の扶壁3の後端面19の小孔20にインサート22
を埋設し、インサート22に裏型枠24の控え距離に合
わせたセパレータ23を取り付け、そのセパレータ23
の後端に裏型枠24を取り付け加工する。これにより擁
壁用ブロック1に裏型枠24を前壁2の化粧面と所定間
隔を開けて平行に取り付けることができる。また前壁2
下方の水抜き孔12と該水抜き孔12より上方に位置す
る裏型枠24に貫設した水抜き孔とを水抜きパイプ25
で連結し、裏込砕石部の水抜きを形成する。以上の作業
により、裏型枠24と水抜き付の擁壁用ブロック1であ
る仮組立体21が形成できる。
【0021】次に図2の(2)に示すように、仮組立体
21を法面26の前方に設けた基礎27に化粧面を前方
に向けて据え付ける。その後、図2の(3)に示すよう
に、擁壁用ブロック1内にコンクリートを胴込めし、か
つ、擁壁用ブロック1と裏型枠24の間にコンクリート
28を打設し、裏型枠24と法面26の間に裏込砕石2
9を投入する。この工程により擁壁用ブロック1の1段
分の擁壁が完成する。本施工法によれば裏型枠24を撤
去せず埋設して埋め捨てとする。このため従来の施工法
のような打設したコンクリートが硬化するまで裏込砕石
投入作業を待つ必要はないので、施工期間の短縮化が図
れる。
【0022】1段分の擁壁用ブロック1の据え付け終了
後、図3の(4)に示すように、その上にさらに2段目
の仮組立体21aを化粧面を揃えて据え付ける。この状
態で2段目の仮組立体21aの裏型枠24aは、1段目
の仮組立体21の裏型枠24と同一面を形成する。その
後、擁壁用ブロック1、1aと裏型枠24、24aとの
間にコンクリート28aを打設し、裏型枠24、24a
と法面26との間に裏込砕石29aを充填することで2
段分の擁壁が完成する。このように同様の作業を順次上
段に繰り返すことで任意の高さの擁壁を施工できる。従
来どおり、1段目の擁壁用ブロック1の周囲にコンクリ
ートを打設したり、最上段(天端)に専用のブロックを
据え付けたりコンクリートを打ったりして擁壁は完成す
る。
【0023】上述の工程により擁壁を施工するので、使
用する裏型枠24、24aは以下に示す諸条件を具備す
ることが望ましい。無機質で耐腐食性である。本施工
法では裏型枠24、24aを埋設することから、裏型枠
24等が腐食してしまうと、そこに空間が発生し、擁壁
の転倒、滑動または沈下の恐れがあることによる。コ
ンクリート28の打設時の衝撃や圧力に対して強度があ
る。加工が容易である。本施工法では擁壁用ブロック
1に裏型枠24を取り付け一体化することから、裏型枠
24にセパレータ23を固定する細工が必要となること
による。軽量である。裏型枠24を軽量にすること
で、仮組立体21を吊り上げた状態の重心が擁壁用ブロ
ック1単体の場合の重心とあまり変わらず、吊り上げ据
え付ける作業において水平を保持し易い。また擁壁用ブ
ロック1のみを吊り上げるだけでも、裏型枠24の重量
によってセパレータ23が撓むこともない。さらに裏型
枠24の取り付け作業が容易になる。安価である。多
量に使用した裏型枠24を埋め捨てにすることによる。
【0024】以上、実施の一形態を紹介したが、本発明
に係る擁壁用ブロック及び擁壁施工法の実施はこれに限
るものではない。例えば、擁壁用ブロック1の化粧面に
額縁状、割石状、またはストライプ、粗面状等の模様を
形成するとよい。また、扶壁3の貫通させた大穴11
は、コンクリートの流路としての役割を果たすことがで
きれば、その形状は問わない。
【0025】
【発明の効果】以上説明したとおり、請求項1の発明の
擁壁用ブロックによれば、擁壁用ブロックは各部分を
薄型部材に形成し、底版を無くしたので、従来のものと
比較して大幅な軽量化を図ることができる。擁壁用ブロ
ックの軽量化は施工の容易性及び安全性をもたらし、原
材料費の低価格化を図ることができる。左右の扶壁の
後端面にはセパレータ装入用インサートを埋め込むため
の複数の小孔を上下に形成したので、小孔にインサート
を埋め込み、このインサートと裏型枠とに控え長さに合
わせたセパレータを連結することができる。従って、擁
壁用ブロックは請求項2に記載の擁壁施工法に使用する
擁壁用ブロックとして最適である。
【0026】請求項2の発明の擁壁用ブロックによれ
ば、左右に隣接する擁壁用ブロックとの扶壁間にコンク
リートを十分に充填する余地があるので、コンクリート
硬化時左右の擁壁用ブロック同士はより強固に一体化し
完成した擁壁の強度が増す。
【0027】請求項3に記載の擁壁施工法によれば、
裏型枠取り付け関連の作業等を予め安全な場所で行い仮
組立体を組み立て、この仮組立体を据えつけることで、
従来の擁壁施工法のような擁壁用ブロックと法面との間
の狭く危険なスペースあるいは高所での作業を省略する
ことができる。このため、迅速に施工でき、かつ、施工
の容易化、安全化及び施工期間の短縮化を図ることがで
きる。擁壁用ブロックと裏型枠とをセパレータで連結
し一体化することから、コンクリートを打設時に発生す
る衝撃や圧力が連結かつ対向する擁壁用ブロックと裏型
枠とに作用して相殺し、擁壁用ブロックが滑動または転
倒する方向へ作用する力を低減することができる。この
ため安全性が高く、かつ、従来の擁壁用ブロックに安定
化のために必要であった重量が減少できる。裏型枠は
コンクリートと砕石との間に埋設し撤去しない埋め捨て
であるので、裏型枠撤去作業が省け作業性が向上する。
さらにコンクリートが硬化していない状態でも裏込砕
石を充填する作業が行えることから、施工期間か短縮で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)はそれぞれ本発明の実施の一
形態に係る擁壁用ブロックを示す前面側から見た斜視図
及び背面側から見た斜視図である。
【図2】(1)ないし(3)は図1の擁壁用ブロックを
用いた本発明の擁壁施工法の前半の工程を示す説明図で
ある。
【図3】(4)と(5)は図2に続く本発明の擁壁施工
法の後半の工程を示す説明図である。
【図4】(1)ないし(6)は従来の擁壁施工法の前半
の工程を示す説明図である。
【図5】(7)ないし(10)は図4に続く従来の擁壁
施工法の後半の工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 擁壁用ブロック 1a 擁壁用ブロック 2 前壁 3 扶壁 4 補強梁 5 上端部 6 下端部 7 中央部 8 左右端 9 上面 10 下面 11 大穴 12 水抜き孔 13 凸部 14 凹部 15 下段部 16 突出部 17 ロックキー嵌入孔 18 挿し筋孔 19 後端面 20 小孔 21 仮組立体 21a 仮組立体 22 インサート 23 セパレータ 24 裏型枠 24a 裏型枠 25 水抜きパイプ 26 法面 27 基礎 28 コンクリート 28a コンクリート 29 裏込砕石 29a 裏込砕石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 29/02 302 E02D 29/02 309 E02D 29/02 312

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部が後方に傾斜した方形板状の前壁
    と、前壁後面の左右から後方に垂直に突設する左右の扶
    壁と、左右の扶壁の後端下部間に連結した補強梁とから
    なり、前壁、扶壁及び補強梁はコンクリートにより薄型
    部材に形成し、扶壁に大穴を前壁と平行に貫通させ、前
    壁の下端部に水抜き孔を貫通し、左右の扶壁の後端面に
    はセパレータ挿着用のインサート埋設用の複数の小孔を
    上下に形成したことを特徴とする擁壁用ブロック。
  2. 【請求項2】 左右の扶壁は前壁左右端から前壁の横長
    さの4分の1の長さまでの中央よりの任意の位置に突設
    していることを特徴とする請求項1記載の擁壁用ブロッ
    ク。
  3. 【請求項3】 法面の前方に擁壁用ブロックを積載し、
    法面と擁壁用ブロック間に裏型枠を設置し、擁壁用ブロ
    ック及び擁壁用ブロックと裏型枠間にコンクリートを打
    設し、裏型枠の法面側に砕石を充填する擁壁ブロックの
    練り積みによる擁壁施工法において、予め仮置場にて請
    求項1記載の擁壁用ブロックの扶壁の小孔にインサート
    を埋設し、該インサートと裏型枠とをセパレータで連結
    することにより該擁壁用ブロックの後方において擁壁用
    ブロック前壁と平行に裏型枠を配設し、擁壁用ブロック
    前壁の水抜き孔と該水抜き孔より高所に位置する裏型枠
    の水抜き孔を水抜きパイプで連結して仮組立体を形成
    し、法面の前方に裏込砕石投入用空間を設けて該仮組立
    体を据え付け、擁壁用ブロック内及び擁壁用ブロックと
    裏型枠間にコンクリートを打設して裏型枠を脱型するこ
    となく擁壁用ブロックと裏型枠を一体化し、裏型枠と法
    面間に砕石を投入して裏込めすることにより1段分の擁
    壁を積み上げ、該作業を上段へ順次繰り返すことにより
    擁壁用ブロックを積み上げることを特徴とする擁壁用ブ
    ロックを用いた擁壁施工法。
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