JP3197313B2 - オレフィンの重合触媒及びそれを用いたポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

オレフィンの重合触媒及びそれを用いたポリオレフィンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオレフィンの重合触媒と
それを用いたポリオレフィンの製造方法に関する。詳し
くは、特定の化合物を組み合わせたオレフィン重合触媒
を用いることで高活性にポリオレフィンを製造する方法
に関する。
【0002】
【従来技術】オレフィンの重合触媒として、共役π電子
を有する基、特にシクロペンタジエンおよびその誘導体
を配位子として有するメタロセン化合物と、トリアルキ
ルアルミニウムと水の反応で得られるアルキルアルミノ
キサンとを組合せたものが知られている。例えば、特開
昭58-19309にはビスシクロペンタジエニルジルコニウム
ジクロリドと、メチルアルミノキサンを触媒とするオレ
フィンの重合方法が開示されている。また特開昭61-130
314,特開昭61-264010 、特開平1-301704および特開平2-
41303 にはアイソタクチックポリ−α−オレフィンもし
くはシンジオタクチックポリ−α−オレフィンの製造方
法及びこれらの立体規則性ポリ−α−オレフィンを製造
するための重合触媒が開示されているが、開示されてい
る触媒系はいずれもアルミノキサンを助触媒とするもの
である。
【0003】一方、従来からアルミノキサンを使用しな
い均一系チーグラーナッタ触媒の研究も行われており、
主にメタロセン化合物とアルキルアルミニウム化合物よ
りなる触媒系が検討されてきた。この触媒系は活性は低
いものの、オレフィンに対して重合活性があることがす
でに知られている。この触媒の活性種がカチオン性メタ
ロセン化合物あるいはイオンペアー形のメタロセン錯体
であると考えられている。
【0004】最近では、シクロペンタジエンまたはその
誘導体を配位子として有する単離されたカチオン性メタ
ロセン化合物が、助触媒としてのメチルアルミノキサン
が共存しなくとも、単独でオレフィンについて重合活性
を有することが報告されている。例えば、R.F.JORDAN等
はJ.Am.Chem.Soc., 1986年 108巻7410-7411 頁にテトラ
フェニルボランをアニオンとして有し、2つのシクロペ
ンタジエニル基とメチル基を配位子として有するジルコ
ニウムカチオン錯体が、テトラヒドロフランのようなド
ナーを配位子とすることにより単離され、単離された錯
体が塩化メチレン中でエチレンの重合活性を有する事を
報告している。
【0005】また、Turner等はJ.Am.Chem.Soc.,1989 年
111 巻2728-2729 頁及び特表平1-501950, 特表平1-5020
36に置換基を含むシクロペンタジエニル基もしくはその
誘導体を配位子として有する最低一つのプロトンと反応
することができる遷移金属化合物と、プロトンを与える
ことができるカチオンを有する安定アニオンを供与する
化合物から形成されるイオンペアー型のメタロセン錯体
がオレフィンの重合活性を有する事を報告している。ま
た特開平3-179005、特開平3-179006、特開平3-207703、
特開平3-207704にもアルミノキサンを使用しないオレフ
ィンの重合方法が開示されている。
【0006】更に、Zambelli等はMaclomolecules, 1989
年22巻2186-2189 頁にシクロペンタジエニル基の誘導体
を配位子として有するジルコニウム化合物と、トリメチ
ルアルミニウムとフルオロジメチルアルミニウムを組合
せた触媒によりプロピレンが重合してアイソタクティッ
クポリプロピレンが得られることを報告しており、この
場合も活性種はイオンペアー形のメタロセン化合物であ
ると考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】メタロセン化合物とア
ルキルアルミノキサンとの組合せ触媒によるオレフィン
の重合方法は遷移金属当たりの重合活性が高いという特
徴がある。しかしこれらの方法でメタロセン化合物単位
当りの重合活性が高いのは高価なアルミノキサンを助触
媒として大量に使用するからであり、アルミノキサン単
位当りの活性ではあまり高いとは言えない。そのため重
合体の生産コストが高くなるという問題があり、さらに
重合後の生成重合体からアルミノキサンを除去すること
がたいへん困難で、ポリマー中に触媒残さが多量に残る
という問題があった。
【0008】一方、アルキルアルミノキサンを使用せ
ず、カチオン性のジルコニウム錯体を触媒としている方
法では上記したアルキルアルミノキサンに関する問題は
なくなるが、これらの触媒系はアルキルアルミノキサン
を使用する触媒系に較べるとオレフィンについての重合
活性が非常に小さい。さらにこれらの方法ではジクロロ
錯体をメチルリチウムやメチルグリニャール試薬などの
高価なアルキル化試薬を用いてアルキル化することによ
って得られるジメチル錯体等を用いる必要があり、かつ
アルキル化の収量の点でも問題があって、従って触媒の
生産コストが高くなると言う問題があった。さらにこれ
らのアルキル化メタロセン化合物は不安定な物が多く、
特に炭化水素溶媒などに溶解した溶液中では、極微量の
水分や酸素等の不純物あるいは光によって容易に分解し
てしまうので重合時にモノマーや溶媒中に含まれる不純
物を極力少なくしなければならない。
【0009】チーグラー系の触媒を用いてオレフィンを
重合させる場合、有機金属化合物、特にアルキルアルミ
ニウム化合物でモノマーおよび/または溶媒を処理する
ことによりこれらに含まれている不純物を除去すること
も可能である。この方法をこれらイオンペアー系触媒を
用いる場合に応用することは可能であり、アルキルアル
ミニウムで処理されたモノマーおよび/または溶媒を用
いると、オレフィンについての重合活性がこれらの触媒
でもある程度向上することが特開平3-179005、特開平3-
207704に示されている。
【0010】しかし、そのような方法でもアルキルアル
ミノキサンを助触媒として用いる組合せ触媒系と比較す
ると活性が劣る。またこれまでアルキルアルミノキサン
を用いないイオンペアー系触媒として知られている触媒
は少なくとも一つのシクロペンタジエニル誘導体を配位
子として有するメタロセン化合物を使用した物が殆どで
あり、比較的安定で安価に入手でき、合成のし易い遷移
金属−ヘテロ原子結合を有する遷移金属化合物がそのま
ま使用できて、なおかつオレフィンの重合が高活性にで
きることが望まれていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決して、メタロセン化合物以外の遷移金属化合物を用
いて高活性にポリオレフィンを製造する方法について鋭
意検討し本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明は下記一般式の化5ある
いは化6(式中、AおよびBはMと結合している酸素原
子を含む互いに同じか異なる配位子であり、A’および
B’はRで架橋された同じかまたは異なる、Mと結合し
ている酸素原子を含む配位子を、Rは2価の窒素原子、
酸素原子、珪素原子、燐原子または硫黄原子を含む残基
または側鎖を有してもよい直鎖状飽和炭化水素残基また
はその直鎖の炭素原子の一部または全部が珪素原子、ゲ
ルマニウム原子もしくは錫原子で置換されている残基
を、Mは周期律表第4族から選ばれる金属原子を、そし
てXはMと結合したハロゲン原子、炭素原子、窒素原
子、酸素原子、珪素原子、燐原子または硫黄原子を含む
配位子)で表される遷移金属化合物を
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】 周期律表第1族、2族、12族及び13族の金属の有機
金属化合物と反応させ次いでオレフィンと接触した後、
遷移金属化合物と有機金属化合物との反応物と反応
して安定アニオンとなる化合物と接触処理してなるオレ
フィンの重合触媒であり、また、本発明は上記触媒を用
いたポリオレフィンの製造方法である。
【0015】本発明において遷移金属化合物としては、
上記一般式の化5あるいは化6で表される遷移金属化合
物が例示できる。
【0016】AまたはBで表される配位子としてはOR'
、OSiR'3(R'は水素または炭素数1から20の炭化水素
またはそれらの内のいくつかがヘテロ原子と置換された
残基)で表される遷移金属原子Mと結合している配位子
が例示される。これらは互いに同じでも異なっていても
良い。
【0017】A’またはB’で表される配位子としては
OR' 、OSiR'3(R'は水素または炭素数1から20の炭化水
素またはそれらの内のいくつかがヘテロ原子と置換され
た残基)で表される遷移金属原子Mと結合している配位
子が例示される。これらは互いに同じでも異なっていて
も良い。ここでA’およびB’のR’がRにより架橋さ
れた構造を有するものである。
【0018】Rで表される2価の基としては-O- 、-S-
、-S-S- 、-SO-、-SO2- 、-CO-、-NR"- 、-PR"- 、-PO
R"-、-OSiR"2O- あるいは下記式化7で表されるメチレ
ン基またはそのメチレン基の炭素原子の一部または全部
が珪素原子、ゲルマニウム原子、もしくは錫原子で置換
されたシリレン基、ゲルミレン基、スタニレン基となっ
ているものが例示される。
【0019】
【化7】−(R"2C)n −(R"2Si)m−(R"2Ge)p−(R"2Sn)q− (式中R"は水素原子または炭素原子数1ないし20の炭化
水素残基を表し2つのR"は同じでも異なっていても良
く、n、m、p、qは0ないし4の整数でかつ次式1≦
n+m+p+q≦4を満足させる整数を表す。)
【0020】Xとしては弗素、塩素、臭素、沃素等のハ
ロゲン原子またはCR'3、CH2SiR'2、COR'、NR'2、OR' 、
OSiR'3、SiR'3 、GeR'3 、PR'2、POR'2 、SR' 、SOR'、
SO2R' (R'は水素または炭素数1から20の炭化水素また
はそれらのうちいくつかがヘテロ原子と置換された残
基)である。
【0021】また遷移金属化合物と有機金属化合物との
反応物と反応して安定アニオンとなる化合物としては、
カチオンとアニオンのイオン対から形成されるイオン性
化合物あるいは親電子性化合物であり、遷移金属化合物
と有機金属化合物の反応物と反応して重合活性種を形成
するものである。このうちイオン性化合物は、下記式化
8で表される。
【0022】
【化8】[Q]m [Y]m -
【0023】Qはイオン性化合物のカチオン成分であ
り、カルボニウムカチオン、トロピリウムカチオン、ア
ンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルフォ
ニウムカチオン、ホスフォニウムカチオン等が挙げられ
る。これらのカチオンの具体例としては、トリフェニル
カルボニウム、ジフェニルカルボニウム、シクロヘプタ
トリエニウム、トリブチルアンモニウム、N、Nージメ
チルアニリニウム、ジプロピルアンモニウム、ジシクロ
ヘキシルアンモニウム、トリフェニルホスホニウム、ト
リメチルホスホニウム、トリフェニルスルホニウム、ト
リフェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、ピ
リリウム等が挙げられる。
【0024】また、Yはイオン性化合物のアニオン成分
であり、ホウ素化合物アニオン、アルミニウム化合物ア
ニオン、ガリウム化合物アニオン、リン化合物アニオ
ン、砒素化合物アニオン、有機アンチモン化合物アニオ
ンなどが挙げられ、具体的にはテトラフェニルホウ素、
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、テトラ
フェニルアルミニウム、テトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)アルミニウム、テトラフェニルガリウム、テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリウム、ヘキサフ
ルオロリン、ヘキサフルオロ砒素、ヘキサフルオロアン
チモン等が挙げられる。
【0025】また、親電子性化合物としては、ルイス酸
化合物として知られるもののうち、遷移金属化合物と有
機金属化合物の反応物と反応して重合活性種を形成する
ものであり、種々のハロゲン化金属化合物や、固体酸と
して知られている金属酸化物等が挙げられる。具体的に
はハロゲン化マグネシウムやハロゲン化マンガン、アル
ミナやマグネシウムシリケート等の無機酸化物、さらに
はスメクタイト等の層間化合物を形成する酸化物等が例
示される。
【0026】これらの無機酸化物は通常有機溶媒に不溶
の化合物が多いのでその表面積が広いものが好ましく、
表面積の小さいものはさらに粉砕したり、一度溶解して
から再度析出させるなどの方法で合成して比表面積とし
て5m2/gないし 800m2/g以下の無機酸化物の化合物
を使用することが好ましい。
【0027】本発明で遷移金属化合物と反応させる有機
金属化合物は周期律表第1族、2族、12族および13族の
金属原子、中でも好ましくはアルミニウム、亜鉛または
マグネシウムにたいしてハロゲン原子、酸素原子もしく
は水素原子またはアルキル、アルコキシ、アリールなど
の残基が配位しており、配位子が複数個の場合、それら
は同一であっても異なっていてもよいが、そのうち少な
くとも1つはアルキル基であるものが例示される。例え
ば、炭素原子数1ないし12のアルキル残基が1個または
2個以上配位したアルキル金属化合物、上記アルキル残
基と他の原子または残基が配位したアルキル金属ハライ
ド、アルキル金属アルコキシドなどが例示される。中で
も炭素原子数が2以上のアルキル残基が少なくとも1個
配位したアルキルアルミニウム化合物が好適に用いられ
る。
【0028】金属原子がアルミニウムであるものについ
て好ましい有機金属化合物を例示すると、トリメチルア
ルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ-n- プロピ
ルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ
ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ト
リペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、
トリヘプチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウ
ム、トリデシルアルミニウム、イソプレニルアルミニウ
ム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピ
ルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウ
ムハイドライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジ
−n-プロピルアルミニウムクロライド、ジイソプロピル
アルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムク
ロライド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソプ
ロピルアルミニウムイソプロポキシド、エチルアルミニ
ウムセスキクロライド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロライド、イソブチルアルミニウムセスキクロライ
ド、エチルアルミニウムジクロライド、イソプロピルア
ルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジク
ロライド、エチルアルミニウムジイソプロポキシド等が
挙げられる。
【0029】遷移金属化合物を有機金属化合物で処理す
る方法としては特に制限はなく、両者を単に混合するだ
けでよい。通常遷移金属化合物は固体であり、有機金属
化合物は液状または固体が多いので炭化水素溶媒中で処
理するのが好ましい。炭化水素溶媒としては、例えば、
プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘ
キサンなどの飽和炭化水素化合物、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素化合物等が例示され
る。
【0030】この反応で生成する反応物の性質は今の所
明白にはなっておらず、反応物の構造はいまのところ明
らかではないが、アルキルメタロセン化合物とは異な
り、オレフィンの重合触媒として用いた場合に非常に高
活性の活性種となる。
【0031】遷移金属化合物に対する有機金属化合物の
使用割合としては1〜100000モル倍、通常1〜5000モル
倍である。処理温度は特に限定されないが、通常は−20
〜100 ℃の温度で行うことが好ましい。またこれらの混
合物を保存する時の温度も特に限定はされないが、同様
に−20〜100 ℃の温度で保存することが好ましい。処理
時間は特に限定する必要がなく、両者が溶液である場合
には均一に混合し終わった時点で良く、不溶物が存在す
る場合では、それらが溶媒に溶け終わった後ならばいつ
でも使用できる。もちろん上述のように、そのまま使用
時まで保存しておき、必要に応じて使用する事も可能で
ある。また、炭化水素溶媒中の反応物の濃度は前述のと
おりかなり高濃度にしても安定なので特に限定する必要
はないが、通常メタロセン化合物基準のモル濃度とし
て、10-7〜1 モル/リットル、好ましくは10-5〜0.1 モ
ル/リットルである。
【0032】上記の安定アニオンを形成する化合物の使
用量は、触媒に用いられる遷移金属化合物に対して 0.1
〜100000モル倍、通常 0.5〜10000 モル倍である。
【0033】本発明で重要な点は、はじめに遷移金属化
合物を有機金属化合物と反応させ、その後にこれらの安
定イオンを形成する化合物を接触させることである。こ
の順序が違っているとオレフィンは全く重合しないか、
重合しても活性が非常に低くなったりして重合の再現性
が悪い。
【0034】また遷移金属化合物を有機金属化合物で処
理して反応せしめて得られる反応物を、安定アニオンを
となる化合物と接触させるに先だって、オレフィンと接
触させておくことは本発明の好ましい実施態様である。
オレフィンと接触させておいて、次に安定アニオンとな
る化合物と接触させた触媒系を用いることにより重合は
スムースに進行し、また重合活性も向上する。
【0035】また、遷移金属化合物を有機金属化合物で
処理して反応せしめてえられる反応物と安定アニオンと
なる化合物を接触させる際に、安定アニオンとなる化合
物の全量を一括して加えるのではなく、少なくとも2回
以上に分割して添加することもできる。すなわち安定ア
ニオンとなる化合物の1部を重合を始める前に添加して
重合を開始し、反応中に残量を適当な間隔をおいて更に
追加していくか、あるいは連続的に添加していくことで
ある。このようにすることにより重合を長時間安定に行
うことが可能となる。
【0036】また、本発明においては、得られるポリオ
レフィンの分子量を調整するために通常チーグラー系触
媒で使用されている水素を用いることができる。さらに
オレフィンの重合に際して内部オレフィンを存在させる
事によっても生成するポリオレフィンの分子量の制御を
行うことができる。ここで用いる内部オレフィンとして
は下記一般式化9、化10または化11で表わされる炭素原
子数4ないし20の不飽和炭化水素が好ましい。
【0037】
【化9】R1−CH=CH−R2 (式中、R1およびR2はそれぞれ炭素原子数1ないし
17のアルキル炭化水素残基を表し、R1とR2とが結合
して環状になっていてもよい。)
【0038】
【化10】R3−CH=CH−R4−HC=CH−R5 (式中、R3およびR5はそれぞれ炭素原子数1ないし
14のアルキル炭化水素残基を表し、両者が結合して環状
になっていてもよい。R4は炭素原子数1ないし14のア
ルキレン炭化水素残基を表す)
【0039】
【化11】 (式中、R7およびR8は炭素原子数1ないし14のアル
キレン炭化水素残基、R6は炭素原子数1ないし14のア
ルキル炭化水素残基を表す)
【0040】内部オレフィンの例としては具体的には2-
ブテン、2-ペンテン、2-ヘキセンなどの直鎖内部オレフ
ィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテ
ン、ノルボルネン等の環状オレフィン、5-メチレン-2-
ノルボルネン、5-エチリデンノルボル等のジエンが挙げ
られる。
【0041】本発明における触媒成分を用いて触媒の調
製や重合あるいは処理に際し利用する溶剤としては、例
えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロペ
ンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシク
ロヘキサンなどの飽和炭化水素化合物、ベンゼン、トル
エン、キシレンなどの芳香族炭化水素化合物、さらに塩
化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素化
合物も利用できる。また溶剤自体が生成した遷移金属カ
チオン化合物に対して結合したり、強く配位して重合活
性を不活性化しないならば、エーテルやニトリル、エス
テル化合物等も使用することができる。
【0042】この触媒成分を用いたオレフィンの重合条
件については特に制限はなく不活性媒体を用いる溶媒重
合法、或いは実質的に不活性媒体の存在しない塊状重合
法、気相重合法も利用できる。
【0043】また重合に用いられるオレフィンとしては
炭素数2 〜25のオレフィンが例示され、具体的にはエチ
レン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-
1、ヘプテン-1、オクテン-1、ノネン-1、デセン-1、ウ
ンデセン-1、ドデセン-1、トリデセン-1、テトラデセン
-1、ペンタデセン-1、ヘキサデセン-1、オクタデセン-1
などの直鎖オレフィンの他に3-メチルブテン-1、4-メチ
ルペンテン-1、4,4-ジメチルペンテン-1等の分岐オレフ
ィンやシクロペンテン、シクロオクテン、ノルボルネン
等の環状オレフィンが例示され、これらのオレフィンを
単独重合あるいは相互の混合オレフィンを共重合させる
ことができ、また必要に応じてジエンを共重合させるこ
ともできる。またさらに、この重合系ではスチレンのよ
うな芳香族オレフィンの重合も可能であり、芳香族オレ
フィン単独あるいは上記オレフィンとの共重合も行うこ
とができる。
【0044】重合温度および重合圧力としては、公知の
方法で用いられる一般的な条件が用いられ、重合温度と
しては−20〜150 ℃、重合圧力は常圧〜100kg/cm2 で行
うことができる。
【0045】
【実施例】以下に実施例を示しさらに本発明を説明す
る。
【0046】実施例1 容積2リットルのオートクレーブにトルエン1リットル
を装入し、ついでプロピレンを圧力が2kg/cm2・G に達
するまで加えた後、脱圧する操作を3回繰り返しトルエ
ンをプロピレンで置換した。2,2'- チオビス(4-メチル
-6-t- ブチルフェノキシ)チタニウムジクロリド5mgを
トルエン20mlに溶解し、これにトリイソブチルアルミニ
ウム 0.165gを加えて混合し、上記オートクレーブに装
入し、プロピレンを20℃で3kg/cm2・G となるように加
え、次いでトリフェニルメタンテトラ(ペンタフルオロ
フェニル)ほう素20mgをトルエン20mlに溶解したものを
圧入し、プロピレンを導入しながら20℃、3kg/cm2・G
で1時間重合した。
【0047】重合後プロピレンをパージし、内容物を濾
過、乾燥してポリマー60gを得た。触媒中のチタン1g
当りのポリプロピレン生成量は130kg であった。またポ
リマーの135 ℃テトラリン溶液で測定した極限粘度
(η)は7.2 であり、13C-NMR によればポリマーはアタ
クチック構造であった。
【0048】比較例1 トリイソブチルアルミニウムを用いることなく実施例1
と同様にプロピレンの重合を行ったがポリマーは全く得
られなかった。
【0049】実施例2 プロピレンの代わりにエチレンを用いて重合圧力を8kg
/cm2・G とした他は実施例1と同様にしてエチレンの重
合を行ったところ90gのポリマーを得た。触媒中のチタ
ン1g当りのポリエチレン生成量は 195kgであった。
【0050】比較例2 トリイソブチルアルミニウムを用いることなく実施例2
と同様にエチレンの重合を行ったがポリマーは全く得ら
れなかった。
【0051】実施例3 2,2'- チオビス(4-メチル-6-t- ブチルフェノキシ)チ
タニウムジクロリド5mgの代わりに2,2'- チオビス(4-
メチル-6-t- ブチルフェノキシ)チタニウムプロポキシ
ド5mgを用いた他は実施例2と同様にしてエチレンの重
合を行ったところ 135gのポリマーを得た。
【0052】実施例4 2,2'- チオビス(4-メチル-6-t- ブチルフェノキシ)チ
タニウムジクロリド5mgの代わりにテトラブトキシチタ
ニウム5mgを用いた他は実施例2と同様にしてエチレン
の重合を行ったところ20gのポリマーを得た。
【0053】
【発明の効果】本発明の方法を実施することにより、安
価な触媒を用いて触媒当り高活性でポリオレフィンを得
ることができ、工業的に価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフローチャート図
である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式の化1あるいは化2(式中、A
    およびBはMと結合している酸素原子を含む互いに同じ
    か異なる配位子であり、A’およびB’はRで架橋され
    た同じかまたは異なる、Mと結合している酸素原子を含
    む配位子を、Rは2価の窒素原子、酸素原子、珪素原
    子、燐原子または硫黄原子を含む残基または側鎖を有し
    てもよい直鎖状飽和炭化水素残基またはその直鎖の炭素
    原子の一部または全部が珪素原子、ゲルマニウム原子も
    しくは錫原子で置換されている残基を、Mは周期律表第
    4族から選ばれる金属原子を、そしてXはMと結合した
    ハロゲン原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、珪素原
    子、燐原子または硫黄原子を含む配位子)で表される遷
    移金属化合物を 【化1】 【化2】 周期律表第1族、2族、12族及び13族の金属の有機
    金属化合物と反応させ次いでオレフィンと接触した後、
    遷移金属化合物と有機金属化合物との反応物と反応
    して安定アニオンとなる化合物と接触処理してなるオレ
    フィンの重合触媒。
  2. 【請求項2】下記一般式の化3あるいは化4(式中、A
    およびBはMと結合している酸素原子を含む互いに同じ
    か異なる配位子であり、A’およびB’はRで架橋され
    た同じかまたは異なる、Mと結合している酸素原子を含
    む配位子を、Rは2価の窒素原子、酸素原子、珪素原
    子、燐原子または硫黄原子を含む残基または側鎖を有し
    てもよい直鎖状飽和炭化水素残基またはその直鎖の炭素
    原子の一部または全部が珪素原子、ゲルマニウム原子も
    しくは錫原子で置換されている残基を、Mは周期律表第
    4族から選ばれる金属原子を、そしてXはMと結合した
    ハロゲン原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、珪素原
    子、燐原子または硫黄原子を含む配位子)で表される遷
    移金属化合物を 【化3】 【化4】 周期律表第1族、2族、12族及び13族の金属の有機
    金属化合物と反応させ次いでオレフィンと接触した後、
    遷移金属化合物と有機金属化合物との反応物と反応
    して安定アニオンとなる化合物と接触処理してなるオレ
    フィン重合触媒を用いてオレフィンを重合することを特
    徴とするポリオレフィンの製造方法。
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