JP3117248B2 - オレフィンの重合方法 - Google Patents

オレフィンの重合方法

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JP3117248B2 JP03219455A JP21945591A JP3117248B2 JP 3117248 B2 JP3117248 B2 JP 3117248B2 JP 03219455 A JP03219455 A JP 03219455A JP 21945591 A JP21945591 A JP 21945591A JP 3117248 B2 JP3117248 B2 JP 3117248B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオレフィンの重合方法に
関する。詳しくは、触媒当り高収率でオレフィンを重合
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィンの重合触媒として、共役π電
子を有する基、特にシクロペンタジエンおよびその誘導
体を配位子として有するメタロセン化合物と、トリアル
キルアルミニウムと水の反応で得られるアルキルアルミ
ノキサンとを組合せたものが知られている。例えば、特
開昭58-19309にはビスシクロペンタジエニルジルコニウ
ムジクロリドと、メチルアルミノキサンを触媒とするオ
レフィンの重合方法が開示されている。また特開昭61-1
30314、特開昭61-264010、特開平1-301704および特開平
2-41303にはアイソタクチックポリ−α−オレフィンも
しくはシンジオタクチックポリ−α−オレフィンの製造
方法及びこれらの立体規則性ポリ−α−オレフィンを製
造するための重合触媒が開示されているが、開示されて
いる触媒系はいずれもアルミノキサンを助触媒とするも
のである。
【0003】一方、従来からアルミノキサンを使用しな
い均一系チーグラーナッタ触媒の研究も行われており、
この触媒は活性は低いものの、オレフィンに対して重合
活性があることがすでに知られている。この触媒の活性
種がカチオン性メタロセン化合物あるいはイオンペアー
形のメタロセン錯体であると考えられている。最近で
は、シクロペンタジエンまたはその誘導体を配位子とし
て有する単離されたカチオン性メタロセン化合物が、助
触媒としてのメチルアルミノキサンが共存しなくとも、
単独でオレフィンについて重合活性を有することが報告
されている。
【0004】例えば、R.F.JORDAN等はJ.Am.Chem.Soc.,
1986年 108巻7410-7411頁にテトラフェニルボランをア
ニオンとして有し、2つのシクロペンタジエニル基とメ
チル基を配位子として有するジルコニウムカチオン錯体
が、テトラヒドロフランのようなドナーを配位子とする
ことにより単離され、単離された錯体が塩化メチレン中
でエチレンの重合活性を有する事を報告している。
【0005】また、Turner等はJ.Am.Chem.Soc.,1989 年
111 巻2728-2729頁及び特表平1-501950、特表平1-50203
6にプロトンと反応することができる最低一つの置換基
を含むシクロペンタジエニル基もしくはその誘導体を配
位子として有する金属化合物と、プロトンを与えること
ができるカチオンを有する安定アニオンを供与する化合
物から形成されるイオンペアー型のメタロセン錯体がオ
レフィンの重合活性を有する事を報告している。
【0006】更に、Zambelli等はMaclomolecules, 1989
年22巻2186-2189 頁にシクロペンタジエニル基の誘導体
を配位子として有するジルコニウム化合物と、トリメチ
ルアルミニウムとフルオロジメチルアルミニウムを組合
せた触媒によりプロピレンが重合してアイソタクティッ
クポリプロピレンが得られることを報告しており、この
場合も活性種はイオンペアー形のメタロセン化合物であ
ると考えられている。さらにMarks らはLangmuir,1988
年4巻5号1212-1214 頁に、シクロペンタジエニル誘導
体を配位子として有するジメチルジルコニウム錯体を、
1000℃前後で熱処理して完全に脱水したアルミナ上に担
持した触媒がエチレンの重合活性を示す事を報告してい
る。この触媒系もカチオン性メタロセン化合物となって
いるものと考えられている。しかし、この方法では、エ
チレンに関する記述は見られるが、αーオレフィンに関
する記述はなされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開昭58-19309等に開
示されているメタロセン化合物とアルキルアルミノキサ
ンとの組合せ触媒によるオレフィンの重合方法は遷移金
属当たりの重合活性が高いという特徴がある。しかしこ
れらの方法でメタロセン化合物単位当りの重合活性が高
いのは高価なアルミノキサンを助触媒として大量に使用
するからであり、そのため重合体の生産コストが高くな
るという問題があり、さらに重合後の生成重合体からア
ルミノキサンを除去することがたいへん困難で、ポリマ
ー中に触媒残が多量に残るという問題があった。
【0008】一方、R.F.JORDAN、TURNER等の方法ではア
ルキルアルミノキサンを使用せず、カチオン性のジルコ
ニウム錯体を触媒としているので上記したアルキルアル
ミノキサンに関する問題はなくなるが、これらの触媒系
はアルキルアルミノキサンを使用する触媒系に較べると
オレフィンについての重合活性が非常に小さく、しかも
α−オレフィンを重合させる事ができないものも多い。
【0009】チーグラー系の触媒を用いてオレフィンを
重合させる場合、有機金属化合物、特にアルキルアルミ
ニウム化合物でモノマーおよび/または溶媒を処理する
ことによりこれらに含まれている不純物を除去すること
が可能である。この方法をこれらイオンペアー系触媒を
用いる場合に応用することは可能であり、アルキルアル
ミニウムで処理されたモノマーおよび/または溶媒を用
いると、オレフィンについての重合活性がこれらの触媒
でもある程度向上するが、それでもアルキルアルミノキ
サンを助触媒として用いる組合せ触媒系と比較すると活
性が劣る。
【0010】またZambelli等の方法は前述のとおりトリ
メチルアルミニウムと弗化ジメチルアルミニウムとジル
コニウム錯体よりなる触媒系でプロピレンを重合触媒さ
せてアイソタクチックポリプロピレンを得る方法で、高
価なアルミノキサンを用いてはいない。しかしながら、
弗素含有有機金属化合物を用いており、また重合活性が
きわめて小さい。塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素
を反応溶媒として用いることによりその重合活性はやや
向上するがそれでもまだ低く、かつハロゲン化炭化水素
は毒性があるので好ましい溶媒とは言えない。
【0011】本発明者らは、遷移金属メタロセン化合物
と有機アルミニウム化合物とを炭化水素溶媒中で接触さ
せることにより、安定なメタロセン化合物溶液が得られ
ることを見いだし、上記問題を解決するためにこれらの
安定化されたメタロセン溶液を使用することを提案して
いる。
【0012】しかしながら、この方法で有機アルミニウ
ム化合物を過剰に用いたり、有機アルミニウムとメタロ
セン化合物を接触する前に有機アルミニウム化合物と助
触媒を接触させたりすると、有機アルミニウム化合物と
助触媒が反応して触媒活性が低下してしまうという問題
があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決してオレフィンを高活性に重合する方法について鋭
意検討したところ、特定の条件下でオレフィンを重合す
ることにより、高活性にポリオレフィンを製造する事が
できることを見いだし本発明を完成させるに到ったもの
である。即ち本発明は、下記一般式の化3あるいは化4
(式中AおよびBまたはA’およびB’は互いに同じか
あるいは異なるもので、中心原子に配位した炭素数5〜
50のシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオ
レニル基またはそれらの水素が炭素数1〜10の炭化水
素残基で置換した化合物を、Rは側鎖を有してもよい2
価の直鎖状炭化水素残基またはその直鎖の炭素原子が珪
素原子、ゲルマニウム原子もしくは錫原子で置換されて
いる残基を、Xは炭素原子数1〜10の炭化水素残基
を、Mはジルコニウム、チタン及びハフニウムから選ば
れた4価の金属原子を示す)
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】 で表される遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物と
の反応物と、カチオンとアニオンのイオン対から形成さ
れるイオン性化合物および親電子性化合物から選ばれた
該反応物と接触してイオン性化合物を形成する化合物と
からなる触媒を用いてオレフィンを重合する方法におい
て、該遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物との反
応物をオレフィンで処理した後に、重合条件下で該反応
物と接触してイオン性化合物を形成する化合物を加える
ことを特徴とするオレフィンの重合方法である。
【0016】本発明において、上記一般式の化3あるい
は化4で表される共役π電子を有する基を配位子として
有する遷移金属化合物としては、上記文献に記載された
化合物が例示できるが、異なる構造であっても共役π電
子を有する基を配位子として有する遷移金属化合物であ
ればよい。
【0017】式中、AおよびBまたはA’およびB’は
互いに同じか異なるもので、中心原子に配位した炭素数
5〜50のシクロペンタジエニル基、インデニル基、フ
ルオレニル基またはそれらの水素が炭素数1〜10の炭
化水素残基で置換した化合物を、Rは側鎖を有してもよ
い2価の直鎖状炭化水素残基またはその直鎖の炭素原子
の一部または全部が珪素原子、ゲルマニウム原子もしく
は錫原子で置換されている残基を、Xは炭素原子数1〜
10の炭化水素残基を、Mはジルコニウム、チタン及びハ
フニウムから選ばれた4価の金属原子を表す。
【0018】AおよびBまたはA’およびB’で表され
る不飽和炭化水素残基としては炭素原子数5ないし50の
単環、あるいは多環の共役π電子を有する基が例示で
き、具体的にはシクロペタジエニルもしくはその一部ま
たは全部の水素が炭素原子数1ないし10の炭化水素残基
で置換したもの(ここで炭化水素残基はその末端が再び
そのシクロペンタジエン環に結合した構造であっても良
い。)、あるいはインデニル、フルオレニルなどの多環
芳香族炭化水素残基もしくはその水素の一部または全部
が炭素原子数1ないし10の炭化水素残基で置換したもの
などが例示される。
【0019】Rで表される2価の基としては下記一般式
化5で表されるメチレン基またはそのメチレン基の炭素
原子の一部または全部が珪素原子、ゲルマニウム原子、
もしくは錫原子で置換されたシリレン基、ゲルミレン
基、スタニレン基となっているものが例示される。
【0020】
【化5】−(R'2C)n −(R'2Si)m−(R'2Ge)p−(R'2Sn)q− (式中R’は水素原子または炭素原子数1ないし20の炭
化水素残基を表し2つのR’は同じでも異なっていても
良く、n、m、p、qは0ないし4の整数でかつ下記式
を満足させる整数を表す。)Xとしては炭素原子数1〜
10のアルキル基である。
【0021】本発明で使用する有機アルミニウム化合物
としては、ハロゲン原子、酸素原子、水素原子、アルキ
ル基、アルコキシ基、アリール基などの残基が配位して
おり、これらの配位子はそれぞれ同一でも良いし、異な
っていても良いが、そのうち少なくとも1つはアルキル
基であるものが例示される。
【0022】例えば、炭素原子数1ないし12のアルキル
残基が1ないし3個結合したアルキルアルミニウム化合
物、アルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニ
ウムハイドライド、アルキルアルミニウムアルコキシド
などが利用できる。具体的には、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミ
ニウム、トリブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、ジメチルアルミニ
ウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジ
イソプロピルアルミニウムクロライド、ジイソプロピル
アルミニウムイソプロポキシド、エチルアルミニウムジ
クロライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、
エチルアルミニウムジイソプロポキシド、イソブチルア
ルミニウムエトキシド等が挙げられる。これらのアルミ
ニウム化合物の中では特にトリアルキルアルミニウム化
合物が好ましい。
【0023】上記遷移金属化合物をこれらの有機金属化
合物で処理する方法については特に制限はなくこれらの
化合物をそのまま、あるいは溶媒に溶解させて両者を混
合すればよい。例えば遷移金属メタロセン化合物と有機
アルミニウム化合物を炭化水素溶媒中で接触させること
により反応物として容易に得られる。接触させる方法は
任意であり要するにこれらの化合物を混合すればよい。
この場合、遷移金属メタロセン化合物溶液が炭化水素溶
媒中に完全に溶解していなくても有機アルミニウム化合
物をさらに炭化水素溶媒中に添加することにより均一の
メタロセン化合物溶液が得られる。
【0024】これらを接触させるときの温度は特に限定
されないが通常は−20〜100 ℃の温度で行うことが好ま
しい。
【0025】ここで溶液中の遷移金属化合物に対する有
機アルミニウム化合物の使用割合としては、遷移金属原
子に対してアルミニウムが1〜1000モル倍、通常1〜50
0 モル倍が好ましい。もちろん、これ以上の過剰の有機
アルミニウムを用いても何等問題はないが、重合の効果
は変わらず、また後処理を強化する必要がある。
【0026】本発明で使用される炭化水素溶媒としては
例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、ノナン、デカン、ヘキサデカン、シク
ロペンタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素化合
物の他にベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ンなどの芳香族炭化水素化合物やジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン等のエーテル化合物あるいはエステル
化合物も利用できる。用いる有機アルミニウム化合物と
反応しなければ塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素
化合物も使用できる。
【0027】本発明において、上記遷移金属化合物と有
機アルミニウム化合物との反応物と接触して安定アニオ
ンとなる化合物としては、カチオンとアニオンのイオン
対から形成されるイオン性化合物や親電子性の化合物が
挙げられる。
【0028】これらの化合物は通常、ルイス酸化合物と
して知られている化合物で、適当なルイス酸性を有して
おり、触媒として用いられる中性のメタロセン化合物と
反応して安定アニオンとなる性質を有することが必要
で、上記一般式の化3あるいは化4で表される遷移金属
化合物と反応して、該式中Xで示される基が電子対とし
てルイス酸化合物に移り、遷移金属カチオン化合物を生
成ならしめるものであり、ルイス酸自体あるいはイオン
対となったアニオンが生成した遷移金属カチオン化合物
に対して再結合したり、強く配位して重合活性を不活性
化しないものである。
【0029】イオン性化合物のカチオンの例としては、
カルボニウムカチオン、トロピリウムカチオン、オキソ
ニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウム
カチオン、アンモニウムカチオン等が挙げられる。
【0030】イオン性化合物のアニオンの例としては、
有機硼素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニ
オン、有機リン化合物アニオン、有機砒素化合物アニオ
ン、有機アンチモン化合物アニオン等であり、また、親
電子性化合物としてはハロゲン化金属や固体酸として知
られている金属酸化物等が挙げられる。
【0031】上記遷移金属化合物と有機アルミニウム化
合物との反応物に対するイオン性化合物の使用割合とし
ては0.1 〜100 モル倍、通常0.5 〜50モル倍であり、親
電子性化合物の場合には、1〜10000 モル倍、好ましく
は0.5 〜5000モル倍である。
【0032】本発明で重要なのは、遷移金属化合物と有
機アルミニウム化合物との反応物を安定アニオンとなる
化合物と接触させるに先だって、オレフィンとの接触を
優先させることである。この順序が異なると重合しても
活性が非常に低くなったりして、重合の再現性が無くな
る。ここで用いるオレフィンとしては重合で使用するオ
レフィンであってもなくても良いが、同一のオレフィン
を使用するのが一般的である。
【0033】また、接触させる条件としては特に制限は
なく、−20〜150 ℃の温度で、圧力は常圧〜50kg/cm2
でオレフィンと、遷移金属化合物と有機アルミニウム化
合物との反応物を接触させた後に、イオン性化合物を加
えれば良い。
【0034】具体的にはオレフィン雰囲気下に遷移金属
化合物と有機アルミニウム化合物との反応物を重合反応
槽に導入し、攪拌しながら、あるいは攪拌せずに、安定
アニオンとなる化合物を連続的にあるいは断続的に添加
することで上記条件は達成される。
【0035】また、オレフィン雰囲気下に安定アニオン
となる化合物を重合反応槽に導入し、攪拌しながら、あ
るいは攪拌せずに、オレフィン雰囲気に保たれた遷移金
属化合物と有機アルミニウムとの反応物を連続的にある
いは断続的に添加することでも上記条件は達成される。
【0036】さらに重合反応槽に、オレフィン雰囲気に
保たれた遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物との
反応物溶液および安定アニオンとなる化合物を連続的に
導入し、重合したポリオレフィンを連続的あるいは断続
的に重合反応槽から抜き出すことでも達成できる。
【0037】この触媒を用いたオレフィンの重合条件に
ついては特に制限はなく不活性媒体を用いる溶媒重合
法、或いは実質的に不活性媒体の存在しない塊状重合
法、気相重合法も利用できる。
【0038】また重合に用いられるオレフィンとしては
炭素数2〜25のオレフィンが例示され、具体的にはエチ
レン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-
1、ヘプテン-1、オクテン-1、ノネン-1、デセン-1、ウ
ンデセン-1、ドデセン-1、トリデセン-1、テトラデセン
-1、ペンタデセン-1、ヘキサデセン-1、オクタデセン-1
などの直鎖α−オレフィンの他に3-メチルブテン-1、4-
メチルペンテン-1、4,4-ジメチルペンテン-1等の分岐α
−オレフィンやシクロペンテン、シクロオクテン、ノル
ボルネン等の環状オレフィンやブタジエン、ペンタジエ
ン、ヘキサジエン、等のジエン類が例示され、これらは
単独重合あるいは相互の共重合に用いることができる。
【0039】重合温度及び重合圧力としては、公知の方
法で用いられる一般的な条件で充分であり通常、温度は
−20〜150 ℃、圧力は常圧〜100 kg/cm2 である。
【0040】
【実施例】以下に実施例を示しさらに本発明を説明す
る。
【0041】実施例1 常法にしたがって合成したイソプロピルシクロペンタジ
エニル-1- フルオレンをリチウム化し、四塩化ジルコニ
ウムと反応することで得たイソプロピル(シクロペンタ
ジエニル-1- フルオレニル) ジルコニウムジクロリドを
メチルリチウムでメチル化して得られるイソプロピル
(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジルコニ
ウムジメチル2mgをトルエン10mlに溶解し、トリエチル
アルミニウム43mgを加え触媒成分とした。次いで、トル
エン1リットルを装入した容積2リットルのオートクレ
ーブに上記触媒成分を挿入した。
【0042】プロピレンを加えて3kg/cm2 ゲージとし
て、20℃に昇温してから、トリフェニルメタンテトラ
(ペンタフルオロフェニル)硼素12.8mgをトルエン10ml
に溶解した溶液をオートクレーブ中に加えて重合を開始
した。3kg/cm2 ゲージに保ちながら20℃で2時間重合
した。内容物を濾過、乾燥してポリマーを69g得た(こ
れは164kgポリプロピレン/ジルコニウム1gに相当す
る。)。また13C-NMR によればシンジオタクチックペン
タッド分率は0.88であり、135 ℃テトラリン溶液で測定
した極限粘度(以下、ηと記す)は1.13、1,2,4-トリク
ロロベンゼンで測定した重量平均分子量と数平均分子量
との比(以下、MW/MN と記す)は2.2 であった。
【0043】比較例1 イソプロピル(シクロペンタジエニル-1- フルオレニ
ル) ジルコニウムジメチル2mgをトルエン10mlに溶解
し、トリエチルアルミニウム43mgを加えた。さらにトリ
フェニルメタンテトラ(ペンタフルオロフェニル)硼素
12.8mgをトルエン10mlに溶解した溶液を加えて触媒成分
溶液とした。次いで、容積2リットルのオートクレーブ
にトルエン1リットル装入し、上記触媒成分を挿入し
た。
【0044】プロピレンを加えて3kg/cm2 ゲージと
し、20℃に昇温して実施例1と同様にしてプロピレンの
重合を行ったところ29.4gのポリマーを得た(これは68
kgポリプロピレン/ジルコニウム1gに相当する)。ポ
リマーのηは1.16、シンジオタクチックペンタッド分率
は0.88であり、MW/MN は2.2 であった。
【0045】実施例2 イソプロピル(シクロペンタジエニル-1- フルオレニ
ル) ジルコニウムジメチル1.5mg をトルエン10mlに溶解
し、トリエチルアルミニウム78mgを加え触媒成分とし
た。次いで、容積2リットルのオートクレーブにトルエ
ン1リットル装入し、上記触媒成分を挿入した。
【0046】プロピレンを加えて3kg/cm2 ゲージとし
て、20℃に昇温してから、トリフェニルメタンテトラ
(ペンタフルオロフェニル)硼素6.42mgをトルエン10ml
に溶解した溶液をオートクレーブ中に加えて重合を開始
した。3kg/cm2 ゲージに保ちながら20℃で1時間重合
した後にトリフェニルメタンテトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)硼素6.42mgを加えて、さらに1時間重合した。
ついで濾過、乾燥してポリマーを80g を得た(これは25
3kg ポリプロピレン/ジルコニウム1gに相当する)。
また、シンジオタクチックペンタッド分率は0.89であ
り、ηは1.21、MW/MN は2.2 であった。
【0047】比較例2 イソプロピル(シクロペンタジエニル-1- フルオレニ
ル) ジルコニウムジメチル2mgをトルエン10mlに溶解し
た溶液に、トリフェニルメタンテトラ(ペンタフルオロ
フェニル)硼素9.47mgをトルエン10mlに溶解した溶液を
加えて触媒成分溶液とした。次いで、容積2リットルの
オートクレーブにトルエン1リットル装入し、さらにト
リエチルアルミニウム43mgを加えた。
【0048】プロピレンを加えて3kg/cm2 ゲージとし
て、20℃に昇温してから、上記触媒成分溶液をオートク
レーブ中に加えて重合を開始し、実施例1と同様にして
プロピレンの重合を行ったところポリマーはまったく得
られなかった。
【0049】比較例3 トルエン1リットル装入した容積2リットルのオートク
レーブにトリフェニルメタンテトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)硼素9.47mgをトルエン10mlに溶解し、トリエチ
ルアルミニウム43mgを加えた。次いでプロピレンを加え
て3kg/cm2 ゲージとして、20℃に昇温してから、イソ
プロピル(シクロペンタジエニル-1- フルオレニル) ジ
ルコニウムジメチル2mgをトルエン10mlに溶解した溶液
をオートクレーブ中に加えて重合を開始し実施例1と同
様にしてプロピレンの重合を行ったところポリマーはま
ったく得られなかった。
【0050】実施例3 イソプロピル(シクロペンタジエニル-1- フルオレニ
ル) ジルコニウムジメチルの代わりにエチレンビステト
ラヒドロインデニルジルコニウムジメチル2.5mg とトリ
エチルアルミニウム76mgをトルエン10mlに溶解し触媒成
分とした。次いでトルエン1リットル装入した容積2リ
ットルのオートクレーブに上記触媒成分を挿入した。
【0051】プロピレンを加えて3kg/cm2 ゲージとし
て、20℃に昇温してから、トリフェニルメタンテトラ
(ペンタフルオロフェニル)硼素9.47mgをトルエン10ml
に溶解した。溶液をオートクレーブ中に加えて重合を開
始し、実施例1と同様にしてプロピレンの重合を行った
ところ60gのポリマーを得た(これは111kg ポリプロピ
レン/ジルコニウム1gに相当する)。ポリマーのηは
0.70、アイソタクチックペンタッド分率は0.92であり、
MW/MN は2.2であった。
【0052】実施例4 トリエチルアルミニウムに変えトリイソブチルアルミニ
ウムを74mg用いた他は実施例1と同様にして触媒成分溶
液を調製し、トルエン1リットル装入した容積2リット
ルのオートクレーブに挿入した。
【0053】プロピレンを加えて3kg/cm2 ゲージとし
て、20℃に昇温してから、トリフェニルメタンテトラ
(ペンタフルオロフェニル)硼素12.8mgをトルエン10ml
に溶解した溶液をオートクレーブ中に加えて重合を開始
し、実施例1と同様にしてプロピレンの重合を行ったと
ころ44gのポリマーを得た。ポリマーのηは1.18、シン
ジオタクチックペンタッド分率は0.88であり、MW/MN は
2.3であった。
【0054】実施例5 トリフェニルメタンテトラ(ペンタフルオロフェニル)
硼素に変えトリス(ペンタフルオロフェニル)硼素25mg
を用いた他は実施例1と同様にしてプロピレンの重合を
行ったところ35gのポリマーを得た。ポリマーのηは1.
12、シンジオタクチックペンタッド分率は0.86であり、
MW/MN は2.3 であった。
【0055】
【発明の効果】本発明の方法を実施することにより安定
に重合が行え、また触媒当たり高活性でポリオレフィン
を得ることが期待でき工業的に極めて価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフロー図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−207704(JP,A) 特開 平3−179005(JP,A) 特開 平4−258610(JP,A) 特開 平5−43618(JP,A) 特開 平6−220115(JP,A) 特表 平5−505838(JP,A) 国際公開92/1723(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/60 - 4/70

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式の化1あるいは化2(式中Aお
    よびBまたはA’およびB’は互いに同じかあるいは異
    なるもので、中心原子に配位した炭素数5〜50のシク
    ロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基ま
    たはそれらの水素が炭素数1〜10の炭化水素残基で置
    換した化合物を、Rは側鎖を有してもよい2価の直鎖状
    炭化水素残基またはその直鎖の炭素原子が珪素原子、ゲ
    ルマニウム原子もしくは錫原子で置換されている残基
    を、Xは炭素原子数1〜10の炭化水素残基を、Mは
    ルコニウム、チタン及びハフニウムから選ばれた4価の
    金属原子を示す) 【化1】 【化2】 で表される遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物と
    の反応物と、カチオンとアニオンのイオン対から形成さ
    れるイオン性化合物および親電子性化合物から選ばれた
    該反応物と接触して安定アニオンとなる化合物とからな
    る触媒を用いてオレフィンを重合する方法において、該
    遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物との反応物を
    オレフィンで処理した後に、重合条件下で該反応物と接
    触して安定アニオンとなる化合物を加えることを特徴と
    するオレフィンの重合方法。
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