JP3197037B2 - 光ディスクの製造方法 - Google Patents

光ディスクの製造方法

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JP3197037B2
JP3197037B2 JP33620891A JP33620891A JP3197037B2 JP 3197037 B2 JP3197037 B2 JP 3197037B2 JP 33620891 A JP33620891 A JP 33620891A JP 33620891 A JP33620891 A JP 33620891A JP 3197037 B2 JP3197037 B2 JP 3197037B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録ディスク等
の光記録ディスクや、光学式ビデオディスク等の再生専
用型光ディスクなどの光ディスクを製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光ディスク、例えば、光磁気記録ディス
クは、ディスク基板上に情報担持部としての記録層を設
層して構成される。そして、ヒッカキ等による記録層の
機械的損傷を防止するため、両面記録タイプでは、一対
のディスク基板を記録層が内封されるようにして一体化
している。また、片面記録タイプでも、必要に応じて、
記録層を設けないディスク基板を保護板として用い、記
録層を設けたディスク基板と保護板とを一体化してい
る。
【0003】ところで、一対のディスク基板を一体化す
るには、通常、ホットメルト接着剤等の熱溶融型接着
剤、エポキシ接着剤、UV硬化型接着剤等の反応型接着
剤、感圧型接着剤すなわち粘着剤などが用いられる。デ
ィスク基板の一体化工程は、ディスク基板間にゴミが介
在してしまう等の光ディスクの汚染を防止するため、ク
リーンルームで作業を行なうことが好ましい。しかし、
ホットメルト接着剤を用いる場合、熱を必要とするた
め、クリーンルームでの利用は好ましくない。また、エ
ポキシ接着剤、UV硬化型接着剤を用いる場合、作業に
時間がかかり、しかも接着剤中の硬化剤や増感剤が記録
層等の情報担持部を腐食させてしまう恐れがある。
【0004】このような理由から、上述した弊害がな
く、しかもクリーンルームで作業をできる点で、粘着剤
を用いることが有利であり、例えば、本発明者らは、特
願平2−320104号、同2−320105号等にお
いて、一対のディスク基板を粘着シートを介して接着一
体化した光ディスクを提案している。これらの提案にお
ける粘着シートは、発泡体等の基材の両主面に粘着剤層
を有するものである。
【0005】粘着シートを貼付する際には、ディスク基
板と粘着シートとの間、あるいは対向する粘着シート間
に気泡が封入されることを防止する必要がある。粘着シ
ートの貼付を真空中で行なえば、気泡が封入されること
はなくなるが、真空中で貼付するためには例えば特開平
2−208841号公報に記載されているような複雑な
装置を用いる必要があるので、低コストにて量産するこ
とができない。
【0006】このため、常圧下での貼付において気泡の
封入を抑えることのできるラミネート法が一般に用いら
れている。ラミネート法は、ディスク基板の一端部から
ディスク基板中心を挟んで対向する他端の外周部へ向う
方向に、ゴムローラ等の貼付手段により粘着シートを押
し付けながら貼付する方法であるが、貼付の際に粘着シ
ートに張力が加わり、貼付後に粘着シートが復元する際
にディスク基板に反りが発生してしまう。このようなデ
ィスク基板を接着して光ディスクとした場合、基板の反
りのために歩留りが低下したり、記録や再生が困難とな
ってしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情からなされたものであり、ディスク基板同士の貼り合
わせが容易で、しかも反りの少ない光ディスクを製造で
きる方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(5)の本発明により達成される。 (1) 一対のディスク基板を有し、少なくとも一方の
ディスク基板に情報担持部が形成されており、この情報
担持部が内封されるように、前記一対のディスク基板の
内封面が2枚の粘着シートを介して接着一体化されてい
る光ディスクを製造する方法であって、前記粘着シート
として、基材の両主面に粘着剤層を有する粘着シートを
用い、前記一対のディスク基板のそれぞれの内封面に、
ディスク基板外周部の一端からディスク基板中心を挟ん
で対向する他端の外周部へ向う方向に粘着シートを貼付
し、次いで、一方のディスク基板の粘着シート貼付方向
と他方のディスク基板の粘着シート貼付方向とのなす角
度が0〜45°または135〜180°となるように前
記一対のディスク基板を接着する工程を有することを特
徴とする光ディスクの製造方法。 (2) 前記基材が、圧縮硬さ10kgf/cm2 以下の発泡
体である上記(1)に記載の光ディスクの製造方法。 (3) 少なくとも一方のディスク基板において、貼付
されている粘着シートの粘着剤層表面が粗面化されてい
る上記(1)または(2)に記載の光ディスクの製造方
法。 (4) それぞれ粘着シートが貼付された一対のディス
ク基板を、発泡体の緩衝材シートを介して接着する上記
(1)ないし(3)のいずれかに記載の光ディスクの製
造方法。 (5) 前記緩衝材シートの圧縮硬さが10kgf/cm2
下である上記(4)に記載の光ディスクの製造方法。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【作用】本発明では図1(a)に示されるように、上記
したラミネート法により各ディスク基板2に粘着シート
90を貼付する。粘着シート貼付後の各ディスク基板に
は、図1(b)に示されるように、粘着シート貼付方向
に粘着シート側が凹状である反りが発生しているが、本
発明では図1(c)に示されるように、一方のディスク
基板の粘着シート貼付方向と他方のディスク基板の粘着
シート貼付方向とのなす角度がほぼ平行となるか、ある
いはほぼ反平行となるように両ディスク基板を貼り合わ
せる。このため、各ディスク基板の反りが相殺され、反
りの殆どない光ディスクが得られる。
【0015】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0016】本発明により製造される光ディスクは、図
1(c)に示されるように、一対のディスク基板2、2
を有し、少なくとも一方のディスク基板に情報担持部が
形成されており、この情報担持部が内封されるように、
前記一対のディスク基板2、2の内封面が粘着シート9
0、90を介して接着一体化されている構成を有する。
【0017】各ディスク基板2の内封面側に存在する粘
着シート90は、いわゆるラミネート法により貼付され
る。ラミネート法では、図1(a)に示されるように、
ディスク基板2外周部の一端からディスク基板中心を挟
んで対向する他端の外周部へ向う方向(図中の粘着シー
ト貼付方向)に粘着シート90を貼付する。貼付する際
には、ディスク基板2の直径よりも軸方向長さが大きい
円筒状ないし円柱状の貼付手段11により、粘着シート
90をディスク基板2に押圧し、貼付手段11を図示す
るように回転させながら、貼付方向に相対的に移動させ
る。このようにして粘着シート90を貼付することによ
り、ディスク基板2と粘着シート90との間に気泡が封
入されることを防ぐことができる。なお、貼付手段11
には、通常、ゴムローラが用いられる。
【0018】このようなラミネート法では、粘着シート
90は貼付方向に延伸されながらディスク基板2に貼付
されていくが、貼付手段11からの力が作用しなくなる
と、延伸された粘着シート90は復元しようとするた
め、図1(b)に示されるように、粘着シート貼付方向
断面において粘着シート側が凹状である反りが発生す
る。本発明では、各ディスク基板2に発生したこのよう
な反りを相殺するために、一方のディスク基板の粘着シ
ート貼付方向と他方のディスク基板の粘着シート貼付方
向とのなす角度が0〜45°または135〜180°、
好ましくは0〜15°または165〜180°となるよ
うに両ディスク基板を貼り合わせる。
【0019】本発明で用いる粘着シート90は、図2に
示されるように、基材91の両主面に、ディスク基板2
同士を接着するための粘着剤層9と、ディスク基板2と
粘着シート90とを接着するための第2の粘着剤層99
とを有し、基材91と粘着剤層9、99との間には、必
要に応じて下塗剤層等が設層される。
【0020】粘着シート90の形状は、通常、ディスク
状であり、寸法は、ディスク基板2の寸法等に応じて適
宜選択される。
【0021】粘着剤層9、99、基材91、下塗剤層等
の材質には特に制限がなく、通常の粘着シートや粘着剤
に用いられている材質はいずれも使用できる。
【0022】本発明では、粘着剤層9、99には、例え
ば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエ
ーテル系等の粘着剤を用いればよい。このような粘着剤
を用いることにより、クリーンルームでの作業が可能と
なり、加えて、1〜5kg/cm2程度の圧力でプレスするだ
けで接着できるため、作業が容易となり、かつ短時間で
接着できる。さらに、粘着剤には硬化剤や増感剤等が含
まれていないため、光磁気記録ディスクなどに用いられ
る腐食し易い記録層に対しても安全である。
【0023】このような粘着剤は、通常、ベースポリマ
ーと、粘着付与樹脂、軟化剤、充填剤、老化防止剤、架
橋剤等の各種添加剤とから構成される。使用する粘着剤
の比重は、通常、1.0〜1.3程度であり、粘着剤層
9、99の加圧後の厚さは、10〜100μm 程度が好
ましい。なお、粘着シート90の粘着剤層9、99の加
圧前の厚さは、通常10〜200μm 程度である。
【0024】基材91には、例えば、ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイ
ミド、セルロース、アセテート、4−フッ化エチレン、
エポキシ樹脂等を用いればよく、その厚さは、通常10
〜50μm 程度とする。
【0025】下塗剤層には、例えば、天然ゴム−MMA
グラフト、イソシアネートブレンド物、塩素化ポリプロ
ピレン等を用いればよく、その厚さは、通常1〜100
μm程度とする。
【0026】ところで、一方のディスク基板2の内封面
ないし接着面が変形し、凹凸が生じていると、プレスす
る際、他方のディスク基板2は前記凹凸に応じて変形す
ることがある。この場合、ディスクの機械的精度が低下
し、光ディスクを回転させる際、ディスクの面振れが大
きくなる。このような変形を避けるためには、少なくと
も一方の粘着シート90の基材91に、圧縮硬さ10kg
f/cm2 以下の発泡体を用いることが好ましい。発泡体の
基材91を用いることにより、一方のディスク基板2の
内封面ないし接着面に凸部や凹部が生じていても、粘着
シート90の基材91の前記凸部に対向する部分がへこ
むだけで、他方のディスク基板2は変形しない。この結
果、プレス機のディスク押圧面の面精度に近い機械的精
度の高い光ディスクが実現する。
【0027】ただし、圧縮硬さが10kgf/cm2 を超える
基材91を用いると、ディスク基板2の変形を十分に防
止できない。また、圧縮硬さがあまり小さすぎると基材
として用いることが困難である。このため、基材91の
圧縮硬さは0.1〜10kgf/cm2 、特に0.1〜5kgf/
cm2 であることが好ましい。
【0028】圧縮硬さは、JIS K 6767に示さ
れるポリエチレンフォーム試験方法に従って測定すれば
よい。具体的には、まず、基材91と同質の長さl:
5.0cm、幅w:5.0cm、厚さh:約2.5cmの試験
片を作製する。次いで、所定の圧縮硬さ試験機を用い、
試験片を10mm/分の速度で、初めの厚さhの25%だ
け圧縮した後、20秒後の荷重P(kgf)を測定する。そ
して、下記式から圧縮硬さHを算出する。 式 H=P/wl
【0029】本発明で用いる発泡体は特に限定されない
が、発泡体プラスチックを用いることが好ましい。発泡
体プラスチックを用いると、プレスした際、ディスク基
板2の凸部に対向する部分がへこみ、プレス後も基材9
1がそのままの形状を保持するため、ディスクの変形が
より一層減少する。発泡体プラスチックとしては、例え
ば、ポリ塩化ビニル発泡体、ポリオレフィン発泡体、ポ
リエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)発泡体、ポリスチレン発
泡体、ポリウレタン発泡体、ABS発泡体、ポリビニル
アルコール(PVA)発泡体、酢酸繊維素発泡体、アク
リル系発泡体、エポキシ樹脂発泡体、フェノール樹脂発
泡体、ユリア樹脂発泡体、シリコーン発泡体等が挙げら
れ、所定の圧縮硬さのものを用いればよいが、シート加
工性や圧縮硬さ等の機械的特性の点で、ポリエチレン発
泡体、ポリウレタン発泡体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体(EVA)発泡体、ポリスチレン発泡体等が好適で
ある。なお、発泡体プラスチックの密度は、20〜10
0kg/m3 程度が好ましい。
【0030】発泡体を用いる場合、基材91の厚さは、
50〜500μm 、特に100〜400μm が好まし
い。厚さが前記範囲未満では、ディスク基板2の凹凸を
十分に吸収することが困難であり、前記範囲を超えると
ディスクの全厚が大きくなってしまう。
【0031】それぞれ粘着シート90が貼付された2枚
のディスク基板2を貼り合わせる際に、対向する粘着シ
ート90、90間に気泡が封入されることがあるので、
本発明では以下に示すような各方法により気泡の封入を
防ぐことが好ましい。
【0032】第1の方法では、粘着剤層9、すなわち、
他方の粘着シートと接着される粘着剤層の表面が粗面化
されている粘着シート90を用いる。この場合、このよ
うな粘着シート90は少なくとも一方のディスク基板2
だけに貼付されていればよい。すなわち、他方のディス
ク基板2に貼付された粘着シート90の粘着剤層9表面
は、平滑であってよい。
【0033】粘着剤層9の表面が粗面化されていれば、
対向する粘着シート間の空気は両ディスク基板を貼付す
る際にディスク基板の外周縁や内周縁から排出されるた
め、気泡の封入が防止される。粗面化の程度は特に限定
されないが、気泡の封入を効果的に防止するためには、
高低差が1μm 程度以上の凹凸を粘着剤層9の表面に設
けて粗面化することが好ましい。粘着剤層9の粗面化方
法は特に限定されないが、例えば、粘着剤層9用の離型
紙表面を粗面化しておけばよい。
【0034】第2の方法では、図2に示されるように、
粘着剤層9の少なくとも表面に、外周縁および/または
内周縁からディスク内部領域に対向する領域を経て、外
周縁および/または内周縁に至る溝97を複数形成す
る。この場合、溝97が基材91まで達し、基材91
に、部分的に粘着剤層9が形成されていてもよい。ま
た、ディスクと粘着シート90との接着用の第2の粘着
剤層99には溝97を形成しない。このような溝97を
形成した粘着剤層9を有する一対の粘着シート90、9
0を、それぞれ第2の粘着剤層99を介して一対のディ
スク基板の内封面に貼付する。なお、一対の粘着シート
90の粘着剤層9のそれぞれに溝97が形成されている
必要はなく、少なくとも一方の粘着シート90の粘着剤
層9に溝97が形成されていればよい。
【0035】このような粘着シートを用いれば、対向す
る粘着シート間の空気は両ディスク基板を接着する際に
ディスク基板の外周縁や内周縁から抜けるので、気泡の
封入が防止される。
【0036】粘着剤層9に溝97を形成する場合、溝9
7、97間のランド部95の粘着剤層9に対する比率
は、0.3以上であることが好ましい。ランド部95の
比率が前記範囲未満では、接着強度が不十分である。た
だし、あまり大きいと気泡封入防止効果が不十分となる
傾向にあるため、上記比率は0.3〜0.95、特に
0.5〜0.9であることが好ましい。なお、ランド部
95の比率とは、ランド部95の面積と溝97の面積の
合計に対するランド部95の面積の比率である。この場
合の各面積は、基材91に対する投影面積である。
【0037】粘着剤層9に形成する溝97の形状やパタ
ーン等には特に制限はなく、適宜選択すればよい。な
お、溝97を設けた場合、対向する粘着シート間には溝
97に由来する連通路が存在する。この連通路の断面形
状は、加圧前の溝97の断面形状から多少変形する場合
もある。
【0038】溝97の態様としては、具体的には、例え
ば、断面矩形の直線状の溝97を所定のピッチにて平行
に形成する態様が挙げられる。この場合、溝97は、図
3に示されるようにディスクの外周縁から外周縁および
内周縁から外周縁に形成される。このように溝97を直
線状とすることにより、粘着剤層9の形成が容易にな
り、しかも気泡除去能が向上する。また、溝97をそれ
ぞれ平行に形成することにより、ランド部95の比率や
後述する溝97のピッチ等の制御が容易になる。
【0039】なお、図示例の場合、溝97の幅をL1
溝97、97間のランド部95の幅をL2 とすると、前
記の粘着剤層9中のランド部95の比率は、L2 /(L
1 +L2 )で近似することができる。
【0040】また、溝97は、1cm当たり1本以上存在
すること、すなわち溝97のピッチは1cm以下であるこ
とが好ましい。ピッチが前記の範囲を超えると、ランド
部95の比率が大の場合、気泡の混入を防止することが
困難であり、ランド部95の比率が小の場合、ディスク
の機械的精度が悪化する。ただし、あまりピッチが小さ
すぎると溝97の形成が困難であるため、0.01〜1
cm、特に0.05〜0.2cmであることが好ましい。
【0041】また、ピッチが大きい場合、ランド部95
の比率を大として、光ディスクの機械的精度の低下を防
止することが好ましい。例えば、ピッチが0.1〜1cm
程度の場合には、ランド部95の比率を0.5以上、よ
り好ましくは0.5〜0.95にすることが好ましい。
なお、溝97のピッチは、通常、一定であるが、場合に
よっては異なっていてもよい。また、溝97の深さは、
通常、粘着剤層9の厚さの10%程度以上とすればよ
い。
【0042】また、一対の粘着シート90、90のそれ
ぞれの粘着剤層9、9に同一パターンの溝97を形成し
た場合、所定の角度をもって交叉するように一体化する
ことが好ましい。なお、交叉角度は、通常45〜90度
程度とすればよい。これによりディスクの機械的精度が
より一層向上する。
【0043】図4に、溝97の他の好ましい形状を示
す。同図は粘着剤層9の横断面図である。同図におい
て、溝97はディスク基板の内周縁と外周縁間に放射状
に形成される。この場合も前記のとおり、溝97の形状
を直線状とし、所定のピッチにて形成することが好まし
い。この場合の溝97は、ディスク基板の外周縁にて、
1cm当たり1本以上、より好ましくは1〜100本、特
に5〜20本存在することが好ましい。また、ランド部
95の比率は、直接算出してもよいが、ディスク基板の
内周縁のL2/(L1 +L2)と、外周縁のL2/(L1 +L
2 )との平均で近似的に表わしてもよい。このような放
射状の溝97を有する場合も前記と同様に、溝97のピ
ッチやランド部95の比率の制御を容易に行なうことが
でき、気泡の封入を防止できる。
【0044】また、これらの他、粘着剤層9をランド部
95が散点状に存在するように形成してもよい。この場
合は、ランド部95の比率は0.3〜0.9、より好ま
しくは0.5〜0.8であることが好ましい。そして、
ランド部95は、1つが1〜1000mm2 、より好まし
くは10〜500mm2 程度の大きさで、0.03〜95
個/cm2、より好ましくは0.25〜9個/cm2程度存在す
ることが好ましい。なお、ランド部95の単位面積当た
りの個数が少ない場合、例えば0.03〜1個/cm2程度
の場合、粘着剤層9中のランド部95の比率は0.5〜
0.95より好ましくは0.7〜0.9であることが好
ましい。
【0045】なお、粘着剤層9の溝97の形状やパター
ンは、前記のものに限定されるものではなく、このほ
か、溝97の断面形状は、台形状、三角形状、半円状
等、溝97のパターンは、曲線状、折れ線状等何れでも
よく、さらに、溝97が非平行の場合、それぞれの溝9
7が互いにクロスしていてもよい。
【0046】また、一対の粘着シート90、90の粘着
剤層9に形成する溝97の形状やパターンは、同一であ
っても互いに異なっていてもよいが、作業が容易である
点で同一であることが好ましく、特に前記のとおり所定
の角度を付けることが好ましい。
【0047】このような粘着剤層9は、通常、グラビア
印刷等にて形成すればよい。そして、基材91の全面に
粘着剤を塗布し、粘着剤層9の表面のみに溝97を形成
するには、例えば、基材91および離型紙にあらかじめ
凹凸を形成しておけば、粘着剤層9の表面に基材91の
パターンどおりの溝97を形成することができる。
【0048】また、平滑な第2の粘着剤層99は、通常
の粘着シートの作製方法により形成すればよい。
【0049】粘着シート90がそれぞれ貼付された一対
のディスク基板2、2を一体化するには、両ディスク基
板を貼り合わせ1〜5kg/cm2程度の圧力にてプレスすれ
ばよい。
【0050】なお、本発明では、発泡体の緩衝材シート
を介して両ディスク基板を接着してもよい。この場合の
緩衝材シートの効果は、粘着シートの基材に発泡体を用
いる場合と同様である。緩衝材シートの材質は、上記し
た粘着シート用の発泡体と同様とすればよい。また、緩
衝材シートの厚さは、50〜500μm、特に100〜
400μm であることが好ましい。
【0051】本発明は、少なくとも一方のディスク基板
に情報担持部が形成されている光ディスクの製造に適用
される。なお、本明細書における情報担持部とは、再生
専用ディスクにおけるように情報を予め担持しているも
の、および記録・再生ディスクにおけるように情報を担
持させうる記録層の双方を指すものである。
【0052】本発明が好ましく適用される光磁気記録デ
ィスクの製造には、ディスク基板本体表面に、保護層、
中間層、情報担持部としての記録層、保護層、保護コー
ト等が順次設けられたディスク基板を用いる。ディスク
基板本体は、記録光および再生光に対して透明なもので
あり、通常、アクリル樹脂、ポリカーボネート、エポキ
シ樹脂、ポリオレフィン等の樹脂製とするが、必要に応
じガラス製としてもよい。ディスク基板本体の外径は、
通常50〜360mm程度であり、内径は、通常、15〜
35mm程度である。ディスク基板本体の製造は公知の各
種方法を用いればよく、例えば、射出成形等により、ト
ラッキングやアドレス用のためのピットあるいはグルー
ブ等の所定のパターンを同時に形成して製造される。あ
るいは、ディスク基板本体製造後に、2P法等によりグ
ルーブ等の所定のパターンを有する樹脂層を形成しても
よい。
【0053】中間層は、C/Nを向上させるために設け
られ、各種誘電体物質から形成されることが好ましく、
その層厚は30〜150nm程度であることが好ましい。
なお、このような中間層材質を記録層上の保護層に用い
ることもできる。
【0054】保護層は、記録層の耐食性向上のために設
けられるものである。保護層は、記録層の上または下、
好ましくは上下両方に設けられる。保護層は、各種酸化
物、炭化物、窒化物、硫化物あるいはこれらの混合物や
ガラスからなる無機薄膜から構成されることが好まし
い。保護層の層厚は30〜300nm程度であることが耐
食性向上の点から好ましい。
【0055】保護層や中間層は、スパッタ法等の各種気
相成膜法等によって形成されることが好ましい。
【0056】記録層は、変調された熱ビームあるいは変
調された磁界により、情報が磁気的に記録されるもので
あり、記録情報は磁気−光変換して再生されるものであ
る。記録層は、光磁気記録が行なえるものであればその
材質に特に制限はないが、希土類金属元素を含有する合
金、特に希土類金属と遷移金属との合金を、スパッタ、
蒸着法、イオンプレーティング法等により、非晶質膜と
して形成したものであることが好ましい。記録層の層厚
は、通常、10〜500nm程度である。
【0057】保護コートは、耐食性や耐擦傷性の向上の
ために設けられるものであり、種々の有機系の物質から
構成されることが好ましいが、特に、放射線硬化型化合
物を、電子線、紫外線等の放射線により硬化させた物質
から構成されることが好ましい。保護コートの膜厚は、
通常、0.1〜100μm 程度であり、スピンナーコー
ト、グラビア塗布、スプレーコート、ディッピング等、
種々の公知の方法を組み合わせて設層すればよい。
【0058】両面記録型の光磁気記録ディスクでは、上
記したような構成を有するディスク基板を2枚用い、片
面記録型の光磁気記録ディスクでは、上記した構成を有
するディスク基板と、情報担持部を有しないディスク基
板(保護基板)とを用いる。
【0059】本発明では保護コートの全面が粘着剤層9
9により被覆されるため、記録層の腐食が防がれるが、
情報担持部が形成されていない保護基板側では、必ずし
も内封面の全面に粘着剤層を形成しなくてもよい。
【0060】この他、本発明は、情報担持部を有する光
学式ビデオディスク等の再生専用の光ディスクの製造に
も適用できる。
【0061】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0062】厚さ50μm のポリエチレンテレフタレー
ト製のディスク状の基材の一方の主面に、平滑な第2の
粘着剤層が形成され、他方の主面に、粗面化された表面
(高低差約2〜3μm )を有する粘着剤層が形成されて
いる粘着シートを用意した。各粘着剤層には、アクリル
酸アルキルエステルをベースポリマーとするアクリル系
粘着剤を用いた。なお、粘着剤は、JIS K 685
0で定められた剪断強度試験にてPC/PCで10kg/c
m2の剪断強度があり、温度60℃中にて2cm×2cmの面
積に200g荷重したクリープ試験で2時間ずれない保
持力を有していた。各粘着剤層の厚さは20μm とし
た。
【0063】次に、射出成形によりグルーブを同時形成
した一対のポリカーボネート製ディスク基板本体に、そ
れぞれ、順次、ガラス保護層、SiNx中間層、TbF
eCo記録層、SiNx保護層および紫外線硬化型樹脂
の保護コートを形成し、ディスク基板とした。ディスク
基板本体は、外径130mm、内径15mm、厚さ1.2mm
とし、保護層、中間層、記録層および保護層は、それぞ
れ、スパッタ法にて成膜した。
【0064】これら一対のディスク基板のそれぞれの保
護コートの表面に、図1(a)に示されるラミネート法
により、平滑な第2の粘着剤層を介して粘着シートを貼
付した。貼付手段11にはゴムローラを用いた。そし
て、粘着シートの貼付方向が平行となるように両ディス
ク基板を接着して一体化し、両面記録型の光磁気記録デ
ィスクサンプルNo. 1を作製した。また、比較のため
に、粘着シートの貼付方向が90°の角度をなすように
両ディスク基板を接着一体化し、比較用のサンプルNo.
2を作製した。なお、各サンプルを作製する際のプレス
圧力は1kg/cm2とした。加圧後の粘着剤層の厚さは、加
圧前とほぼ同じであった。
【0065】次に、各サンプルに対し下記の評価を行な
った。 (1)最大面振れ量 ディスクを1800rpm で回転させ、機械精度測定機O
DA02(新電子工業(株)製)を用いて、ディスク中
心から半径30〜60mmの範囲を5mm間隔で測定した。
各サンプルにつき測定数は3個とし、周方向の最大面振
れ量の平均値を求めた。面振れ量はフォーカシングサー
ボ時の光ピックアップの移動量であり、トラッキング用
グルーブが形成されたディスク基板本体の平坦度を示す
ものである。この値は、ISO規格では、外径130mm
の光磁気記録ディスクの場合±300μm 以下とされて
おり、小さい程好ましい。
【0066】この結果、サンプルNo. 1では最大面振れ
量が34.5μm であり、比較用のサンプルNo. 2では
200μm であった。
【0067】(2)反り量 最大面振れ量の測定データから、約180°の間隔で同
方向に生じる振れを数学的に抽出し、反り量とした。
【0068】この結果、サンプルNo. 1では反り量が1
4.4μm であり、比較用のサンプルNo. 2では170
μm であった。
【0069】なお、上記各サンプルは、80℃、80%
RHの環境中に2000時間保存した後でも初期に比べ
て信号の劣化がなかった。また、これらのサンプルは接
着強度も十分であった。
【0070】また、粘着剤層表面を粗面化する替わりに
各種の溝を形成して光磁気記録ディスクを作製した場合
でも上記と同様な結果が得られ、さらに、再生専用の両
面型光学式ビデオディスクを作製した場合でも上記と同
様な結果が得られた。
【0071】なお、上記各サンプルでは対向する粘着シ
ート間に気泡の封入はみられなかったが、表面平滑な粘
着剤層を有する粘着シートを作製し、この平滑な表面同
士を貼り合わせてサンプルを作製したところ、対向する
粘着シート間に直径1〜2cm程度の気泡が封入されてい
た。
【0072】以上の結果から本発明の効果が明らかであ
る。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、反りが少ない光ディス
クが得られる。このため、ディスクの面振れが小さく、
フォーカシングエラー等が発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)および(c)は、本発明の作用
効果の説明図である。
【図2】本発明に用いる粘着シートの1例が示される断
面図である。
【図3】粘着剤層9の横断面図である。
【図4】粘着剤層9の横断面図である。
【符号の説明】
11 貼付手段 2 ディスク基板 9 粘着剤層 90 粘着シート 91 基材 95 ランド部 97 溝 99 第2の粘着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/24 - 7/26 G11B 11/105

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のディスク基板を有し、少なくとも
    一方のディスク基板に情報担持部が形成されており、こ
    の情報担持部が内封されるように、前記一対のディスク
    基板の内封面が2枚の粘着シートを介して接着一体化さ
    れている光ディスクを製造する方法であって、 前記粘着シートとして、基材の両主面に粘着剤層を有す
    る粘着シートを用い、 前記一対のディスク基板のそれぞれの内封面に、ディス
    ク基板外周部の一端からディスク基板中心を挟んで対向
    する他端の外周部へ向う方向に粘着シートを貼付し、次
    いで、一方のディスク基板の粘着シート貼付方向と他方
    のディスク基板の粘着シート貼付方向とのなす角度が0
    〜45°または135〜180°となるように前記一対
    のディスク基板を接着する工程を有することを特徴とす
    る光ディスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記基材が、圧縮硬さ10kgf/cm2 以下
    の発泡体である請求項1に記載の光ディスクの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 少なくとも一方のディスク基板におい
    て、貼付されている粘着シートの粘着剤層表面が粗面化
    されている請求項1または2に記載の光ディスクの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 それぞれ粘着シートが貼付された一対の
    ディスク基板を、発泡体の緩衝材シートを介して接着す
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の光ディスクの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記緩衝材シートの圧縮硬さが10kgf/
    cm2 以下である請求項4に記載の光ディスクの製造方
    法。
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