JP3196198B2 - 車両用シート回転装置 - Google Patents

車両用シート回転装置

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JP3196198B2
JP3196198B2 JP26478597A JP26478597A JP3196198B2 JP 3196198 B2 JP3196198 B2 JP 3196198B2 JP 26478597 A JP26478597 A JP 26478597A JP 26478597 A JP26478597 A JP 26478597A JP 3196198 B2 JP3196198 B2 JP 3196198B2
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久佳 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートを後向きに
転換可能とする車両用シート回転装置に関し、特にその
ガタ止め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平9−71163号公報に開示され
ているように、フロアに固定される固定板に、シートに
固定される回転板を回転自在に支承し、固定板の上面に
90゜間隔で4つの突起を設け、回転板の下面にシート
が前向きおよび後向きのとき上記突起に当接して固定板
に対する回転板のガタを防止する4つのスペーサを設け
た車両用シート回転装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来構造で
は、シートを前向きから後向きまたは後向きから前向き
へ回転させるとスペーサは180゜対称位置にある突起
まで移動するが、移動途中に90゜回転位置にある突起
に一旦当接するため回転が円滑に行えないという問題が
あった。そこで本発明は、シートが前向きおよび後向き
のときのガタを防止することができかつ、シートの前向
きから後向きまたは後向きから前向きへの回転が円滑に
行える車両用シート回転装置を提供することを課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる発明
は、フロアに固定される固定板に、シートに固定される
回転板を回転自在に支承し、これら固定板と回転板間に
は、固定板または回転板に設けられ、回転板の回転中心
に対して互いに180゜対称に位置する2つの弾性部材
と、回転板または固定板に設けられ、シートが前向きま
たは後向きのとき上記弾性部材に上下方向で当接する2
つの当接部材または当接部とよりなるガタ止め装置を、
複数組設けた車両用シート回転装置において、上記各ガ
タ止め装置をシートの前向きから後向きまたは後向きか
ら前向きへの回転途中で互いに当接しないように、径方
向に位置をずらして配設したことを特徴とする。上記当
接部材は固定板または回転板とは別体のもので、当接部
は固定板または回転板に一体成形したものであり、以下
当接部材または当接部材を「当接部材等」という。
【0005】上記構成によれば、シートが前向きおよび
後向きのときは各ガタ止め装置の弾性部材と当接部材等
が上下方向で当接しているため回転板のガタが防止され
る。またシートの前向きから後向きまたは後向きから前
向きへの回転途中では、ある1組のガタ止め装置と他の
ガタ止め装置の弾性部材は径方向でずれているため、各
ガタ止め装置が互いに当接してシートの円滑な回転を妨
げることはない。
【0006】請求項2にかかる発明は、フロアに固定さ
れる固定板に、シートに固定される回転板を回転自在に
支承し、これら固定板と回転板間には、固定板または回
転板に設けられ、回転板の回転中心に対して互いに18
0゜対称に位置する2つの弾性部材と、回転板または固
定板に設けられ、シートが前向きまたは後向きのとき上
記弾性部材に上下方向で当接する2つの当接部材等とよ
りなるガタ止め装置を、同一円周上に2組設けた車両用
シート回転装置において、上記2組のガタ止め装置のう
ち、1組のガタ止め装置は弾性部材を回転板に、当接部
材等を固定板にそれぞれ設け、また他の1組のガタ止め
装置は弾性部材を固定板に、当接部材等を回転板にそれ
ぞれ設け、かつこれら2組のガタ止め装置の当接部材等
を、弾性部材より上下方向に長く形成するとともにシー
トの前向きから後向きまたは後向きから前向きへの回転
途中で互いに当接しないように相手側の上端部または下
端部を逃げる凹部を有する形状としたことを特徴とす
る。
【0007】上記構成によれば、シートが前向きおよび
後向きのときは各ガタ止め装置の弾性部材と当接部材等
が上下方向で当接しているため回転板のガタが防止され
る。またシートの前向きから後向きまたは後向きから前
向きへの回転途中では、両ガタ止め装置の弾性部材は上
下方向で離れており、両ガタ止め装置の当接部材等は相
手側の当接部材等の上端部または下端部を逃げる凹部を
有するため、各ガタ止め装置が互いに当接してシートの
円滑な回転を妨げることはない。また各ガタ止め装置は
同一円周上に配設されるため、シート回転装置全体の大
きさを小さくすることができる。
【0008】請求項3にかかる発明は、フロアに固定さ
れる固定板に、シートに固定される回転板を回転自在に
支承し、これら固定板と回転板間には、回転板に設けら
れ、回転板の回転中心に対して180゜対称に位置する
2つの上部フックと、固定板に設けられ、シートが前向
きまたは後向きのとき上記上部フックに上下方向で係合
する2つの下部フックとよりなる剥離防止装置を、同一
円周上に2組設けた車両用シート回転装置において、一
方の剥離防止装置はその上部フックを他方の剥離防止装
置の上部フックより上下方向に長く、また他方の剥離防
止装置はその下部フックを一方の剥離防止装置の下部フ
ックより上下方向に長く形成するとともに、固定板には
シートが前向きまたは後向きのとき上記一方の剥離防止
装置の上部フックに上下方向で当接するガタ止め用の弾
性部材を、また回転板にはシートが前向きまたは後向き
のとき上記他方の剥離防止装置の下部フックに当接する
ガタ止め用の弾性部材をそれぞれ設けたことを特徴とす
る。
【0009】上記構成によれば、シートが前向きおよび
後向きのときは各剥離防止装置の上部フックと下部フッ
クとが上下方向で係合しているため、回転板にシートベ
ルト荷重などがかかったときに回転板が固定板から剥離
するのが防止される。またシートが前向きおよび後向き
のときは一方の剥離防止装置の上部フックと固定板に設
けた弾性部材とが上下方向で当接し、他方の剥離防止装
置の下部フックと回転板に設けた弾性部材とが上下方向
で当接しているため回転板のガタが防止される。またシ
ートの前向きから後向きまたは後向きから前向きへの回
転途中では、他方の剥離防止装置の上部フックと回転板
に設けた弾性部材は上下方向で離れているため互いに当
接しない。一方の剥離防止装置の下部フックと回転板に
設けた弾性部材は上下方向で離れているため互いに当接
しない。したがってシートを円滑に回転することがで
き、かつ剥離防止装置の上部フックおよび下部フックを
ガタ止めとして利用したため、部品点数の増加を少なく
できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態につい
て説明する。図1に示すように、フロアに固定される固
定板1に、シートに固定される回転板2が回転自在に支
承されている。図2に示すように、固定板1の外周部1
1には、フロアに固定される座面111(図4,図5)
が形成され、外周部11の中央よりには外周部11より
一段高い第1環状部12が形成されている。第1環状部
12の中央よりにはさらに一段高い第2環状部13が形
成され、第2環状部13の中央よりには円形の開口14
が形成されている。また第1環状部12の上面には環状
溝15が形成されている。
【0011】回転板2の外周部21にはシートに固定さ
れる座面211(図4,図5)が形成され、外周部21
の中央よりには外周部21より一段低い環状部22が形
成され、環状部22の中央には円形の開口24が形成さ
れている。環状部22の下面には固定板1の環状溝15
と対向する第1環状溝25が形成され、環状部22の上
面には第1環状溝25の内側に第2環状溝26が形成さ
れている。固定板1の環状溝15と回転板2の第1環状
溝25との間には、図略の保持器によって等間隔に保持
された複数のボール3が配設されており、回転板2が固
定板1に対して離間して回転するようになっている。
【0012】回転板2の開口24からは固定板1の第2
環状部13が若干突出しており、この突出した第2環状
部13に、回転板2を固定板1に対して離脱しないよう
に保持する保持板4が固定されている。保持板4の中央
には固定板1の開口14と同径の円形の開口44が形成
されている。また保持板4の下面には回転板2の第2環
状溝26と対向する環状溝46が形成されている。回転
板2の第2環状溝26と保持板4の環状溝46との間に
も、図略の保持器によって等間隔に保持された複数のボ
ール3が配設されており、回転板2が保持板4に対して
離間して回転するようになっている。
【0013】また固定板1と回転板2の間には、シート
が前向きおよび後向きのとき回転板2を固定板1に対し
てロックするロック装置5が設けられている。ロック装
置5は回転板2に回転操作可能に設けられた操作レバー
51と、操作レバー51に固着されて操作レバー51と
ともに回転する係止片52と、保持板4および回転板2
に形成され、係止片52が係脱するロック孔53,54
と、操作レバー51を係止片52がロック孔53,54
に係止する方向に付勢するスプリング55(図1)とで
構成されている。
【0014】図3(a)に示すように、回転板2の外周
部21の下面には、回転板2の回転中心に対して互いに
180゜対称に位置する2つの上部フック62Aが設け
られている。また図3(b)に示すように、この上部フ
ック62Aに対応して固定板1の外周部11の上面には
2つの下部フック61Aが設けられている。そしてこれ
ら2つの上部フック62Aと2つの下部フック61Aと
で1つの剥離防止装置が構成されている。上記剥離防止
装置に対して90゜ずれた位置において、図3(a)に
示すように、回転板2の外周部21の下面には、回転板
2の回転中心に対して互いに180゜対称位置に位置す
る2つの上部フック62Bが設けられている。また図3
(b)に示すように、この上部フック62Bに対応して
固定板1の外周部11の上面には2つの下部フック61
Bが設けられている。そしてこれら2つの上部フック6
2Bと2つの下部フック61Bとで、もう1つの剥離防
止装置が構成されている。
【0015】図4および図5に示すように上部フック6
2A,62Bの下部には内側にU字状に湾曲する係合部
621A,621Bが形成され、下部フック61A,6
1Bの上部には外側にU字状に湾曲する係合部611
A,611Bが形成されている。そしてシートが前向き
または後向きのとき上部フック62A,62Bと下部フ
ック61A,61Bとが互いに係合し、たとえば回転板
2に固定されたシートベルトに荷重がかかったときに回
転板2が固定板1から剥離するのが防止される。
【0016】図3(a)に示すように、回転板2の外周
部21の下面には、回転板2の回転中心に対して互いに
180゜対称に位置する、弾性部材としての2つの樹脂
ピース72Aが設けられている。また図3(b)に示す
ように、この2つの樹脂ピース72Aに対応して固定板
1の外周部11の上面には2つの当接部材71Aが設け
られている。そしてこれら2つの樹脂ピース72Aと2
つの当接部材71Aとで1つのガタ止め装置が構成され
ている。樹脂ピース72Aは上部フック62Aの外側に
位置し、当接部材71Aは下部フック61Aの外側に位
置する。上記ガタ止め装置に対して90゜ずれた位置に
おいて、図3(a)に示すように、回転板2の外周部2
1の下面には、回転板2の回転中心に対して互いに18
0゜対称に位置する、弾性部材としての2つの樹脂ピー
ス72Bが設けられている。また図3(b)に示すよう
に、この2つの樹脂ピース72Bに対応して固定板1の
外周部11の上面には2つの当接部材71Bが設けられ
ている。そしてこれら2つの樹脂ピース72Bと2つの
当接部材71Bとでもう1つのガタ止め装置が構成され
ている。樹脂ピース72Bは上部フック62Bの外側に
位置し、当接部材71Bは下部フック61Bの外側に位
置する。また一方のガタ止め装置を構成する樹脂ピース
72Aおよび当接部材71Aは図中1点鎖線で示す円周
i上に配設され、もう一方のガタ止め装置を構成する樹
脂ピース72Bおよび当接部材72Bは円周iより小径
の円周ii上に配設されている。
【0017】図4および図5に実線で示すように、シー
トが前向きまたは後向きのときは各ガタ止め装置の樹脂
ピース72A,72Bと当接部材71A,71Bが上下
方向で当接しており回転板2のガタを防止している。シ
ートの前向きから後向きまたは後向きから前向きへの回
転途中においては、図4に2点鎖線で示すように、小径
の円周ii側のガタ止め装置の樹脂ピース72Bは、大
径の円周i側のガタ止め装置の当接部材71Aの内側を
離れて通過する。また図5に2点鎖線で示すように、大
径の円周i側のガタ止め装置の樹脂ピース72Aは、小
径の円周ii側のガタ止め装置の当接部材71Bの外側
を離れて通過する。したがって各ガタ止め装置が互いに
当接することはなく、シートを円滑に回転することがで
きる。
【0018】なお、この第1の実施の形態では2つのガ
タ止め装置を半径の異なる円周上に90゜ずらして設け
たが、固定板1および回転板2の形状などに合わせて自
由にずらす角度を設定することができ、また3つ以上の
ガタ止め装置をそれぞれ半径の異なる円周上に角度をず
らして設けることにより、あらゆる方向のガタを防止す
ることができる。また当接部材を固定板1または回転板
2とは別部品として設けたが、固定板1または回転板2
に一体に当接部を形成することにより部品点数を削減す
ることができる。また剥離防止装置は、固定板1、回転
板2、保持板4の剛性を上げることにより省略すること
ができる。
【0019】つぎに本発明にかかる第2の実施の形態に
ついて説明する。なお、第1の実施の形態と同一の部品
には同一の符号をつけて説明を省略する。図6(a)に
示すように、回転板2の外周部21の下面には、回転板
2の回転中心に対して互いに180゜対称に位置する、
弾性部材としての2つの樹脂ピース82Aが設けられて
いる。また図6(b)に示すように、この2つの樹脂ピ
ース82Aに対応して固定板1上面の外周部11には2
つの当接部材81Aが設けられている。そしてこれら2
つの樹脂ピース82Aと2つの当接部材81Aとで1つ
のガタ止め装置が構成されている。樹脂ピース82Aは
上部フック62Aの外側に位置し、当接部材81Aは下
部フック61Aの外側に位置する。上記ガタ止め装置に
対して90゜ずれた位置において、図6(a)に示すよ
うに回転板2の外周部21の下面には、回転板2の回転
中心に対して互いに180゜対称に位置する2つの当接
部材82Bが設けられている。また図6(b)に示すよ
うに、この2つの当接部材82Bに対応して固定板1の
外周部11の上面には、弾性部材としての2つの樹脂ピ
ース81Bが設けられている。そしてこれら2つの当接
部材82Bと2つの樹脂ピース81Bとでもう1つのガ
タ止め装置が構成されている。当接部材82Bは上部フ
ック62Bの外側に位置し、樹脂ピース81Bは下部フ
ック61Bの外側に位置する。また各ガタ止め装置を構
成する樹脂ピース82A,81Bおよび当接部材82
B,81Aは同じ径の円周iii上に配設されている。
【0020】図7および図8に示すように、固定板1側
に設けられた一方のガタ止め装置の当接部材81Aは、
その上端部811Aと下端部812Aが内側に屈曲して
凹部813Aを形成するコ字形で、下端部812Aが固
定板1に溶接されている。回転板2側に設けられたもう
一方のガタ止め装置の当接部材82Bは、その下端部8
21Bと上端部822Bが外側に屈曲して凹部823B
を形成するコ字形で、上端部822Aが回転板2に溶接
されている。また当接部材81A,82Bは樹脂ピース
81A,82Bより上下方向に長く形成されている。
【0021】図7および図8に実線で示すように、シー
トが前向きおよび後向きのときは、一方のガタ止め装置
の樹脂ピース82Aと当接部材81Aが上下方向で当接
し、もう一方のガタ止め装置の当接部材82Bと樹脂ピ
ース81Bが上下方向で当接しており、回転板2のガタ
が防止されている。シートの前向きから後向きまたは後
向きから前向きへの回転途中においては、図7に2点鎖
線で示すように、固定板1側にある一方のガタ止め装置
の当接部材81Aはその凹部813Aで回転板2側にあ
る他方のガタ止め装置の当接部材82Bの下端部821
Bを逃げており、回転板2側にある他方のガタ止め装置
の当接部材82Bはその凹部823Bで固定板1側にあ
る一方のガタ止め装置の当接部材81Aの上端部811
Aを逃げている。また図8に2点鎖線で示すように、回
転板2側にある一方のガタ止め装置の樹脂ピース82A
は固定板1側にある他方のガタ止め装置の樹脂ピース8
1Bの上方を離れて通過する。したがって各ガタ止め装
置が互いに当接することはなく、シートを円滑に回転す
ることができる。なお、この第2の実施の形態では2つ
のガタ止め装置を90゜ずらして設けたが、固定板1お
よび回転板2の形状などに合わせて自由にずらす角度を
設定することができる。また当接部材を固定板1または
回転板2とは別部品として設けたが、固定板1または回
転板2に一体に当接部を形成することにより部品点数を
削減することができる。また当接部材の形状はコ字形と
したが、弾性部材と当接する相手側の当接部材の上端部
または下端部を、回転途中に逃げるための凹部を有する
形状であればよい。また剥離防止装置は、固定板1、回
転板2、保持板4の剛性を上げることにより省略するこ
とができる。
【0022】つぎに本発明にかかる第3の実施の形態に
ついて説明する。なお、第1の実施の形態と同一の部品
には同一の符号をつけて説明を省略する。図9〜図11
に示すように、一方の剥離防止装置の2つの上部フック
62Cが他方の剥離防止装置の2つの上部フック62B
より下方長く形成され、他方の剥離防止装置の2つの下
部フック61Dが一方の剥離防止装置の2つの下部フッ
ク61Aより上方長く形成されている。長いほうの上部
フック62Cに対応して固定板1には、弾性部材として
の2つの樹脂ピース91Aが短いほうの下部フック61
Aの先端と対向する位置に配設されている。また長いほ
うの下部フック61Dに対応して回転板2には、弾性部
材としての2つの樹脂ピース92Bが短いほうの上部フ
ック62Bの先端と対向する位置に配設されている。
【0023】シートが前向きまたは後向きのときは図1
0および図11に実線で示すように、長く形成された一
方の剥離防止装置の上部フック62Cの下端が、固定板
1に設けられた樹脂ピース91Aに上下方向で当接し、
長く形成されたもう一方の剥離防止装置の下部フック6
1Dの上端が、回転板2に設けられた樹脂ピース92B
に上下方向で当接しており、回転板2のガタが防止され
ている。シートの前向きから後向きまたは後向きから前
向きへの回転途中においては、図10に2点鎖線で示す
ように、回転板2に設けられた樹脂ピース92Bは短い
ほうの下部フック61Aの上方を通過し、短いほうの上
部フック62Bは固定板1に設けられた樹脂ピース91
Aの上方を通過する。したがってシートを円滑に回転す
ることができる。なお、この第2の実施の形態では2つ
の剥離防止装置を90゜ずらして設けたが、固定板1お
よび回転板2の形状などに合わせて自由にずらす角度を
設定することができる。また上部フックおよび下部フッ
クを固定板1または回転板2とは別部品として設けた
が、固定板1または回転板2に一体に形成することによ
り部品点数を削減することができる。
【0024】また第1〜3の実施の形態において、弾性
部材として樹脂ピースを用いたが、バネ板材を湾曲させ
てその中央部を突出させるように構成したものでもよ
い。また薄肉の樹脂板材を湾曲させてその中央をばね材
により突出させるように構成したものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる車両用シート回転装置全体の斜
視図である。
【図2】図1のE−E線に沿う断面図である。
【図3】(a)第1の実施の形態の回転板側のみの平面
図である。 (b)第1の実施の形態の固定板側のみの平面図であ
る。
【図4】図3のF−F線に沿う回転板と固定板組み立て
状態の断面図である。
【図5】図3のG−G線に沿う回転板と固定板組み立て
状態の断面図である。
【図6】(a)第2の実施の形態の回転板側のみの平面
図である。 (b)第2の実施の形態の固定板側のみの平面図であ
る。
【図7】図7のH−H線に沿う回転板と固定板組み立て
状態の断面図である。
【図8】図3のI−I線に沿う回転板と固定板組み立て
状態の断面図である。
【図9】(a)第3の実施の形態の回転板側のみの平面
図である。 (b)第3の実施の形態の固定板側のみの平面図であ
る。
【図10】図11のJ−J線に沿う回転板と固定板組み
立て状態の断面図である。
【図11】図11のK−K線に沿う回転板と固定板組み
立て状態の断面図である。
【符号の説明】
1…固定板 2…回転板 61A,61B,61D…下部フック 62A,62B,62C…上部フック 71A,71B,81A,82B…当接部材 72A,72B,82A,81B,91A,91B…樹
脂ピース(弾性部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−338062(JP,A) 実開 平2−100934(JP,U) 実開 昭61−58127(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フロアに固定される固定板に、シートに固
    定される回転板を回転自在に支承し、これら固定板と回
    転板間には、固定板または回転板に設けられ、回転板の
    回転中心に対して互いに180゜対称に位置する2つの
    弾性部材と、回転板または固定板に設けられ、シートが
    前向きまたは後向きのとき上記弾性部材に上下方向で当
    接する2つの当接部材または当接部(以下「当接部材
    等」という)とよりなるガタ止め装置を、複数組設けた
    車両用シート回転装置において、 上記各ガタ止め装置をシートの前向きから後向きまたは
    後向きから前向きへの回転途中で互いに当接しないよう
    に、径方向に位置をずらして配設したことを特徴とする
    車両用シート回転装置。
  2. 【請求項2】フロアに固定される固定板に、シートに固
    定される回転板を回転自在に支承し、これら固定板と回
    転板間には、固定板または回転板に設けられ、回転板の
    回転中心に対して互いに180゜対称に位置する2つの
    弾性部材と、回転板または固定板に設けられ、シートが
    前向きまたは後向きのとき上記弾性部材に上下方向で当
    接する2つの当接部材等とよりなるガタ止め装置を、同
    一円周上に2組設けた車両用シート回転装置において、 上記2組のガタ止め装置のうち、1組のガタ止め装置は
    弾性部材を回転板に、当接部材等を固定板にそれぞれ設
    け、また他の1組のガタ止め装置は弾性部材を固定板
    に、当接部材等を回転板にそれぞれ設け、かつこれら2
    組のガタ止め装置の当接部材等を、弾性部材より上下方
    向に長く形成するとともにシートの前向きから後向きま
    たは後向きから前向きへの回転途中で互いに当接しない
    ように相手側の上端部または下端部を逃げる凹部を有す
    る形状としたことを特徴とする請求項1記載の車両用シ
    ート回転装置。
  3. 【請求項3】 フロアに固定される固定板に、シートに
    固定される回転板を回転自在に支承し、これら固定板と
    回転板間には、回転板に設けられ、回転板の回転中心に
    対して180゜対称に位置する2つの上部フックと、固
    定板に設けられ、シートが前向きまたは後向きのとき上
    記上部フックに上下方向で係合する2つの下部フックと
    よりなる剥離防止装置を、同一円周上に2組設けた車両
    用シート回転装置において、 一方の剥離防止装置はその上部フックを他方の剥離防止
    装置の上部フックより上下方向に長く、また他方の剥離
    防止装置はその下部フックを一方の剥離防止装置の下部
    フックより上下方向に長く形成するとともに、固定板に
    はシートが前向きまたは後向きのとき上記一方の剥離防
    止装置の上部フックに上下方向で当接するガタ止め用の
    弾性部材を、また回転板にはシートが前向きまたは後向
    きのとき上記他方の剥離防止装置の下部フックに当接す
    るガタ止め用の弾性部材をそれぞれ設けたことを特徴と
    する車両用シート回転装置。
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