JP3195409U - 自転車用タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】安全な走行を維持できるだけの必要十分なグリップ力を確保しつつ、エナルギーロスを避けることができるオフロード走行用の自転車用タイヤを提供する。【解決手段】トレッド面2上に複数のブロック3が配置される自転車用タイヤ1において、ブロック3は、上面形状が多角形状であり、上面3aから底面にかけて、1つ以上の凹部5が設けられるものである。トレッド面2上に設けられるブロック3は、路面接触時に、荷重に伴う路面からの抗力によって、中央部5eが陥没し、凹部5が閉じられる。ブロック3の凹部5は、ブロック3上面の側周縁部付近から中央部5eにかけて、次第に深くなるように設けられている。【選択図】図1

Description

本考案は、転がり抵抗を低く抑えつつ、必要なグリップ力を増強する自転車用タイヤに関し、特に、オフロード走行用の自転車用タイヤに関する。
一般に、オフロード走行用の自転車において、安全かつ快適な走行が求められていることは言うまでもない。そこで、オフロード走行用の自転車用タイヤでは、荒れた路面でも十分なグリップ力を発揮できるように、トレッド面上に凸状のブロックが配置されて、表面が柔らかい路面に喰い込むように設計されていることが多い。凸状のブロックの高さや、ブロック間の間隔は、タイヤの種類毎に、使用目的に応じて、多種多様に設定されているが、悪路でのグリップ力を重視すればするほどブロックの高さが高く、かつ、ブロック間の間隔が広く設定される傾向にある。
しかし、ブロックを高くしたり、ブロック間の間隔を広く設定したりすると、転がり抵抗が増加し、体力の消耗が激しくなるといったエネルギーロスの問題が発生する。
一方で、ブロックを低くしたり、ブロック間の間隔を狭く設定したりすると、転がり抵抗は減少するので、エネルギーロスの問題は解消するが、一方で十分なグリップ力が得られなくなり、加速性、制動性及びコーナリング性が十分に得られなくなるといった問題がある。
このような事情から、タイヤの回転方向に対して先端が幅狭、後端が幅広である凸状のブロックを用いた自転車用タイヤが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。特許文献1に開示された自転車用タイヤでは、設置位置や設置方向をも工夫することで、自転車の操縦性や泥はけ性も高めている。
また、ブロックの設置位置だけではなく、ブロックに用いる素材を工夫した自転車用タイヤが知られている(例えば、特許文献2を参照。)。特許文献2に開示された自転車用タイヤでは、車輪の進行方向に対して並行にナイロン短繊維を使用したブロックを設けることで、車輪の進行方向に対しては変形しにくく、車輪の軸方向には変形しやすくし、コーナリング性等を向上させている。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示された自転車用タイヤでは、加速、制動又はコーナリング等の操縦者の積極的な操縦行為の有無が考慮されていないため、操縦者にとって、必ずしも、必要なタイミングで、グリップ性やエネルギーロスの回避が実現されるというものではない。
特開平5−162510号公報 特開平7−304306号公報
上記状況に鑑みて、本考案は、安全な走行を維持できるだけの必要十分なグリップ力を確保しつつ、エナルギーロスを避けることができるオフロード走行用の自転車用タイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本考案の自転車用タイヤは、トレッド面上に複数のブロックが配置される自転車用タイヤにおいて、ブロックは、上面形状が多角形状であり、上面から底面にかけて、1つ以上の凹部が設けられるものである。
また、本考案の自転車用タイヤは、トレッド面上に設けられるブロックが、路面接触時に、荷重に伴う路面からの抗力によって、中央部が陥没し、凹部が閉じられるものである。
本考案の自転車用タイヤは、ブロックの凹部が、ブロック上面の側周縁部付近から中央部にかけて、次第に深くなるように設けられている。
ブロックに凹部が設けられることで、加速、制動又はコーナリング等の操縦者による操縦行為があった時にだけブロックが変形してグリップ力を増強することが可能になる。
すなわち、操縦行為時には、定速走行時に比べて、タイヤが路面に押し付けられる圧力が強くなるため、この圧力の大きさと方向性に応じて、ブロックが中央部方向へと押し潰され、荷重を受けたブロックは、中央付近が周縁部に比べてより深く陥没するような変形をし、ブロック上面の側周縁部は、操縦行為前に比べて相対的に立ち上がる形状に変形し、グリップ力を高めるのである。
また、ブロックの凹部が、ブロックの側周縁部付近から中央部にかけて、次第に深くなるように設けることにより、ブロックに圧力がかかった際に、凹部が隙間無く密着し、安定したグリップ性を得られるようになる。
本考案の自転車用タイヤのトレッド面上に設けられるブロックの凹部は、上面形状が、線状、多角形状、その他の幾何学的形状、或は、線状、多角形状、その他の幾何学的形状、の何れかの組み合わせ、で構成される。これにより、自転車の特徴や、走行場所、操縦者の特性に合わせて、凹部の形状を調整することが可能である。
本考案の自転車用タイヤのトレッド面上に設けられるブロックの凹部の中央部に設けられた側壁は、側壁面の端部から中心部にかけて湾曲しており、かつ、次第に深くなるように設けられる。これにより、凹部が閉じられた際のブロックの密着性を高めることができる。
本考案の自転車用タイヤは、トレッド面上に設けられるブロックの上面形状が多角形状であることが好ましいが、その他の幾何学的形状であっても良い。
本考案の自転車用タイヤにおけるブロックの上面形状が多角形状である場合は、正多角形であっても良いし、正多角形でなくても構わない。或は、ブロックの上面形状は、左右対称でも良いし非対称でも良い。或は、ブロックの上面形状は、前後対称でも良いし非対称でも良い。或は、ブロックの上面形状は、凹部の本数は多角形の辺の数と同じでも良いし、辺の数より多くても良いし、或は少なくても良い。
本考案の自転車用タイヤによれば、グリップ性を高め、かつエネルギーロスの少ない走行が可能になる効果を有する。
実施例1において荷重を受けていない状態のブロックの斜視図 実施例1において荷重を受けていない状態のブロックの平面図 実施例1において荷重を受けた状態のブロックの斜視図 実施例1において荷重を受けた状態のブロックの平面図 実施例1において荷重を受けていない状態のブロックの平面図及びその断面図 その他の実施例において荷重を受けていない状態のブロックの上面図。ブロックの上面形状が、(1)は三角形、(2)は五角形、(3)は六角形。
以下、本考案の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本考案の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
図1は、実施例1において荷重を受けていない状態のブロック3の斜視図を示し、図2は、実施例1において荷重を受けていない状態のブロック3の平面図を示している。
図1に示されるように、自転車用タイヤ1のトレッド面2には、四角錐台状のブロック3が設けられている。
図2に示されるように、ブロック3の上面3aは略四角形状であり、凹部5の上面形状は、端部5aと端部5dを結んだ線状の凹部と、端部5bと端部5cを結んだ線状の凹部とを、X字状に組み合わせたものである。
また、凹部5は、ブロック3の側周縁部3bから中央部5eにかけて次第に深くなる形状で設けられているため、端部(5a,5b,5c,5d)は最も浅く、2つの線状の凹部が交差している中央部5eは最も深い形状となっている。
ブロック3の凹部の中央部に設けられた側壁(5f,5g,5h,5i)は、湾曲して丸まった形状となっている。
図3は、実施例1において荷重を受けた状態のブロック3の斜視図を示し、図4は、実施例1において荷重を受けた状態のブロック3の平面図を示している。
図4に示されるように、荷重を受けたブロック3の上面は、荷重を受けていない図2の場合に比べて、凹部の隙間が無くなり、上面の四角形状が小さくなっている。これは、凹部のない通常の多角形状ブロックでは荷重を受けて変形する際に、周縁部のエッジが外側に広がってしまいがちであるところ、本考案の自転車用タイヤによると、荷重を受けた上面側周縁部の辺は外側から中央部へとしっかりと締まり、接地面のグリップを逃がさず保持されていることを示している。
また、図3に示されるように、荷重を受けたブロック3の上面角部(4a,4b,4c,4d)は、荷重受けていない図1の場合に比べて、上方に向けて尖った形状となっている。このようなブロック3の変形が、荒れた路面に積極的に喰い込もうとするための有効な変化となり、グリップ力が増強されることになるのである。
そして、定速走行時は、低い転がり抵抗で車輪が回転するため、ブロック3に対して圧力がかかりにくいのに対し、加速、制動、コーナリングなど操縦者による操縦行為により大きな圧力がかかったときは、ブロック3は、瞬間的に大きな荷重を受けるため、ブロック3は変形し、グリップ力を増強させるのである。
図5は、実施例1において荷重を受けていない状態のブロック3の平面図及びその断面図を示している。断面図6aは、車輪軸に平行な断面図であり、断面図6bは、タイヤの回転方向に平行な断面図である。断面図6cは、ブロック3に設けられた凹部に沿った断面図である。断面図(6a,6b,6c)に示されるように、ブロック3は、上面側周縁部から底面側周縁部にかけて、側周縁部の辺が広くなるように傾斜が設けられた四角錐台状となっている。
図5のブロック3の平面図に示されるように、ブロック3は上方から見ると、X字状の凹部となっているが、断面図(6a,6b,6c)に示されるように、凹部の端部が設けられているブロック3の端部(5a,5b,5c,5d)付近では浅く、中央部5eにかけて次第に深くなっていく構造である。これは、ブロック3に荷重がかかった際に適切な角度でブロック3を密着させるためである。
(その他の実施例)
図6は、荷重を受けていない状態のブロックの平面図を示している。(1)は、上面形状が三角形、凹部が人字状となっているブロック31を設けており、(2)は、上面形状が五角形、凹部が人字状となっているブロック32を設けており、(3)は、上面形状が六角形、凹部がX字状となっているブロック33を設けており、(4)は、上面形状が四角形、凹部が人字状となっているブロック34を設けており、(5)は、上面形状が四角形、凹部がX字状となっているブロック35を設けている。
このように、使用する自転車や走行する場所、操縦者の体型、体力等、使用目的に応じて、設置するブロックの形状、凹部の数、凹部の深さ等を変更することが可能である。
本考案は、オフロード走行用の自転車用タイヤとして有用である。
1 自転車用タイヤ
2 トレッド面
3,31,32,33,34,35 ブロック
3a 上面
3b 側周縁部
4a,4b,4c,4d 角部
5,51,52 凹部
5a,5b,5c,5d 端部
5e 中央部
5f,5g,5h,5i 側壁
6a,6b,6c 断面図

Claims (5)

  1. トレッド面上に複数のブロックが配置される自転車用タイヤにおいて、
    前記ブロックは、上面から底面にかけて、1つ以上の凹部が設けられることを特徴とする自転車用タイヤ。
  2. 前記ブロックは、路面接触時に、荷重に伴う路面からの抗力によって、中央部が陥没し、前記凹部が閉じられることを特徴とする請求項1に記載の自転車用タイヤ。
  3. 前記ブロックの前記凹部は、
    前記ブロックの前記上面の側周縁部付近から前記上面の中央部にかけて、次第に深くなるように設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の自転車用タイヤ。
  4. 前記凹部の上面形状は、線状、多角形状、その他の幾何学的形状、或は、線状、多角形状、その他の幾何学的形状の何れかの組み合わせであって、
    前記凹部の中央部に設けられた側壁は、側壁面の端部から中心部にかけて湾曲しており、かつ、次第に深くなる、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の自転車用タイヤ。
  5. 前記ブロックの上面形状は、多角形状、或は、その他の幾何学的形状であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の自転車用タイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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