JP3195287B2 - 内燃機関用ベルト伝動システム - Google Patents

内燃機関用ベルト伝動システム

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JP3195287B2
JP3195287B2 JP35907197A JP35907197A JP3195287B2 JP 3195287 B2 JP3195287 B2 JP 3195287B2 JP 35907197 A JP35907197 A JP 35907197A JP 35907197 A JP35907197 A JP 35907197A JP 3195287 B2 JP3195287 B2 JP 3195287B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H2007/0876Control or adjustment of actuators
    • F16H2007/0885Control or adjustment of actuators the tension being a function of engine running condition

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  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の始動
時、及び内燃機関による補機駆動時の回転力をベルトに
よって伝達する内燃機関用ベルト伝動システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の従来技術として、エンジンのク
ランク軸に取り付けられたクランクプーリと、エンジン
の周辺に配された各補機にそれぞれ取り付けられたプー
リと、始動用電動機に取り付けられたプーリとをベルト
で連結して、この始動用電動機によりベルトを介してエ
ンジンを始動させるとともに、エンジン始動後はエンジ
ンによってベルトを介して各補機を駆動するベルト伝動
システムが公知である(特開平8−14145号公報参
照)。しかしながら、始動用電動機によりベルトを介し
てエンジンを始動する時には大きな伝達トルクを必要と
するため、ベルトに高い初期張力を掛ける必要があり、
ベルトの耐久上好ましくないという問題が生じる。
【0003】なお、エンジンのクランク軸に取り付けら
れたクランクプーリと各補機にそれぞれ取り付けられた
プーリとをベルトで連結するとともに、エンジン始動時
には始動用電動機によりギヤを介して直接的にクランク
軸を駆動させてエンジンを始動させ、エンジン始動後は
エンジンによりベルトを介して各補機を駆動するといっ
た、一般的なベルト伝動システムにおいて、ベルトの初
期張力を低減するために、ベルトの緩み側にオートテン
ショナを入れる方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、始動用電動
機とその他の補機とを同一のベルトで連結した場合、始
動用電動機によるエンジン始動時とエンジンによる補機
駆動時とでベルトの張り側と緩み側との位置が変わるた
め、上述の一般的なベルト伝動システムの様に、単純に
補機駆動時のベルト緩み側にオートテンショナを入れる
考え方では対応できない。例えば、補機駆動時のベルト
最緩み側にオートテンショナを入れると、エンジン始動
時にはベルト張り側にオートテンショナが位置するた
め、オートテンショナの機能を果たさない。
【0005】また、始動用電動機によるエンジンの駆動
からエンジンによる補機の駆動に切り替わる時に、クラ
ンクプーリの回転が始動用電動機のプーリの回転に勝っ
て回転し始める状況が発生する。この様な状況では、そ
れまでベルトに掛かっていた大きな張力が略ゼロまで急
激に低下し、始動用電動機のプーリでベルトがスリップ
する恐れがある。その結果、ベルトが摩耗し、且つスリ
ップに伴う騒音を発生するといった新たな問題が発生す
る。なお、スリップが起こらないようにするために、例
えばベルトをかけた状態でプーリを引っ張ってベルトの
初期張力を大きくする方法が考えられるが、始動時のト
ルクを伝達するためには、従来にない過大な張力を付与
する必要がある。この際に、そのベルト張力が他の補機
に取り付けられたプーリにかかると、補機の軸及び軸
受、その支持構造の強度増が必要になり、補機の大型
化、高コスト化を引き起こすという問題が生じる。本発
明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的
は、オートテンショナと始動用電動機を最適な位置に入
れることにより、内燃機関の始動と内燃機関による補機
駆動とを1本のベルトにより良好に行うことのできる内
燃機関用ベルト伝動システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】(請求項1の手段) 始動用電動機によって内燃機関を始動する時にベルト
に生じる緩みが最大となるベルト最緩み側にオートテン
ショナを配置している。これにより、内燃機関の始動時
にはオートテンショナによって所定のベルト張力が維
持され、始動トルクを伝達するために必要な張力をベル
ト張り側(始動用電動機のプーリと内燃機関のプーリ
の間)で得ることが可能となる。また、内燃機関によっ
てその他の補機を駆動する時に、内燃機関のプーリとオ
ートテンショナとの間でベルトの張り側にその他の補機
を配置している。これにより、内燃機関の始動時に最大
ベルト張力が他の補機の回転軸及び軸受にかかるのを防
止することができる。その結果、補機の回転軸及び軸受
の強度を必要以上に増加させる必要がなくなり、低コス
トなベルト伝動システムを提供することができる。
【0007】また、始動用電動機による内燃機関の始動
から内燃機関による補機の駆動に切り替わる際にも、始
動時のベルト最緩み側に設けられたオートテンショナに
よって所定のベルト張力が維持できるため、ベルト張力
の急激な低下がなく、始動用電動機のプーリでベルトが
スリップするのを防止できる。 (請求項2の手段) 請求項1に記載した内燃機関用ベルト伝動システムにお
いて、始動用電動機は、内燃機関によってその他の補機
を駆動する時に、自身に取り付けられたプーリが空転す
る機能を有している。これにより、内燃機関による補機
駆動時には、始動用電動機のプーリが空転するため、オ
ートテンショナの位置は、内燃機関のプーリに対しても
ベルト最緩み側となる。その結果、オートテンショナに
よって所定の張力が維持され、補機駆動時に必要なベル
ト張力をベルト張り側(内燃機関のプーリと補機のプー
リとの間)で得ることができる。
【0008】
【0009】
【0010】(請求項3の手段) 請求項1または2に記載した内燃機関用ベルト伝動シス
テムにおいて、オートテンショナを始動用電動機または
補機モジュールのプーリに隣接して配置することによ
り、始動用電動機または補機モジュールによる内燃機関
の始動から内燃機関による補機の駆動に切り替わる際
に、始動用電動機または補機モジュールのプーリと内燃
機関のプーリとの間のベルト張力を応答性良く所定の値
に維持することが可能となり、迅速にベルトのスリップ
を防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の内燃機関用ベルト
伝動システムを図面に基づいて説明する。 (第1実施例)図1はベルト伝動システムの構成を示す
正面図である。 (第1実施例の構成)本実施例のベルト伝動システム
は、図1に示す様に、エンジン1のクランク軸に取り付
けられたクランクプーリ2、各補機(補機A、補機B、
補機C)にそれぞれ取り付けられたプーリ3、4、5、
オートテンショナに取り付けられたアイドラプーリ6、
及び始動用電動機に取り付けられたプーリ7を有し、ク
ランクプーリ2から向かって左回り(図1の反時計回
り)に、プーリ3、プーリ4、プーリ5、アイドラプー
リ6、プーリ7の順に1本のベルト8が掛け渡されてい
る。なお、オートテンショナは、バネ力等によりベルト
8の緩み分に応じてアイドラプーリ6の位置が変位する
(図1の矢印方向)ことによりベルト張力を一定に保つ
ことができる。
【0012】(第1実施例の作動)エンジン始動時は、
始動用電動機のプーリ7が回転(図1で右回転)するこ
とにより、図1にてベルト8が右回りに駆動される。こ
れにより、プーリ7の回転力がベルト8を介してクラン
クプーリ2に伝達され、クランクプーリ2が回転してエ
ンジン1が始動する。この時、ベルト8は、プーリ7と
クランクプーリ2との間が張り側となり、伝達トルクに
よってプーリ5とプーリ7との間が最緩み側となる。補
機駆動時は、クランクプーリ2の回転によってベルト8
が右回りに駆動され、プーリ3、プーリ4、プーリ5、
アイドラプーリ6、及びプーリ7を回転させる。この
時、ベルト8は、クランクプーリ2とプーリ3との間が
張り側となり、伝達トルクによってプーリ7とクランク
プーリ2との間が最緩み側となる。
【0013】(第1実施例の効果)図2に各プーリにお
けるベルト張力の値を示す。エンジン始動時には、始動
用電動機のプーリ7に対してベルト8の最緩み側にオー
トテンショナのアイドラプーリ6を配することにより、
このオートテンショナによって一定の張力が維持され
て、始動トルクを伝動するために必要なベルト張力を張
り側(プーリ7とクランクプーリ2との間)で得ること
ができる。補機駆動時には、プーリ3、プーリ4、プー
リ5の後にアイドラプーリ6を配することにより、クラ
ンクプーリ2による補機駆動の最緩み側でオートテンシ
ョナがベルト張力を維持し、通常のサーペンタインレイ
アウトと同様のベルト伝動が可能となる。なお、この補
機駆動時には、始動用電動機が非通電となること、また
は始動用電動機に内蔵されたオーバランニングクラッチ
等により始動用電動機のプーリ7が空転するため、プー
リ7によるベルト張力の低下分は殆ど無視できる。
【0014】(第2実施例)図3はベルト伝動システム
の構成を示す正面図である。 (第2実施例の構成)本実施例のベルト伝動システム
は、エンジン1のクランク軸に取り付けられたクランク
プーリ2、各補機(補機A、補機B、補機C)にそれぞ
れ取り付けられたプーリ3、4、5、オートテンショナ
に取り付けられたアイドラプーリ6、及び補機モジュー
ルに取り付けられたプーリ9を有し、クランクプーリ2
から向かって左回り(図3の反時計回り)に、プーリ
3、プーリ4、プーリ5、アイドラプーリ6、プーリ9
の順に1本のベルト8が掛け渡されている。なお、補機
モジュールは、エンジン1を始動する始動機能と他の機
能(例えば発電機能)とを合わせ持った補機のことを言
う。なお、本実施例では、補機モジュールのプーリ9が
クランクプーリ2とアイドラプーリ6との間に配置され
ているため、エンジン1による補機駆動時には、補機モ
ジュールを駆動するためのトルク分だけプーリ9とクラ
ンクプーリ2との間でベルト張力が低下する。従って、
オーテンショナの設定張力は、エンジン始動時に必要な
ベルト張力より、補機モジュールを駆動するために必要
なトルク分以上の張力を増加しておく必要がある(図4
参照)。
【0015】(第2実施例の作動)エンジン始動時は、
補機モジュールのプーリ9が回転(図3で右回転)する
ことにより、図3にてベルト8が右回りに駆動される。
これにより、プーリ9の回転力がベルト8を介してクラ
ンクプーリ2に伝達され、クランクプーリ2が回転して
エンジン1が始動する。この時、ベルト8は、プーリ9
とクランクプーリ2との間が張り側となり、伝達トルク
によってプーリ5とプーリ9との間が最緩み側となる。
補機駆動時は、クランクプーリ2の回転によってベルト
8が右回りに駆動され、プーリ3、プーリ4、プーリ
5、アイドラプーリ6、及びプーリ9を回転させる。こ
の時、ベルト8は、クランクプーリ2とプーリ3との間
が張り側となり、伝達トルクによってプーリ9とクラン
クプーリ2との間が最緩み側となる。
【0016】(第2実施例の効果)図4に各プーリにお
けるベルト張力の値を示す。エンジン始動時には、補機
モジュールのプーリ9に対してベルト8の最緩み側にオ
ートテンショナのアイドラプーリ6を配することによ
り、このオートテンショナによって一定の張力が維持さ
れて、始動トルクを伝動するために必要なベルト張力を
張り側(プーリ9とクランクプーリ2との間)で得るこ
とができる。補機駆動時(発電時)には、プーリ3、プ
ーリ4、プーリ5の後にアイドラプーリ6を配すること
により、クランクプーリ2による補機駆動の緩み側でオ
ートテンショナがベルト張力を維持し、通常のサーペン
タインレイアウトと同様のベルト伝動が可能となる。な
お、この発電時には、通常の補機駆動と異なり、始動時
のトルク伝動を可能とするための配置から、補機モジュ
ールのプーリ9に対するベルト緩み側にアイドラプーリ
6を配置している。そのため、補機モジュールを駆動す
るために必要なトルク分だけベルト張力が低下するが、
上記の様に、予めオートテンショナの設定張力を大きく
しているため、問題なくベルト伝動が可能である。
【0017】(第3実施例)図5はベルト伝動システム
の構成を示す正面図である。 (第3実施例の構成)本実施例のベルト伝動システム
は、エンジン1のクランク軸に取り付けられたクランク
プーリ2、各補機(補機A、補機B、補機C)にそれぞ
れ取り付けられたプーリ3、4、5、オートテンショナ
に取り付けられたアイドラプーリ6、補機モジュールに
取り付けられたプーリ9、及び固定テンショナに取り付
けられた固定アイドラプーリ10を有し、クランクプー
リ2から向かって左回り(図5の反時計回り)に、プー
リ3、プーリ4、プーリ5、アイドラプーリ6、プーリ
9、固定アイドラプーリ10の順に1本のベルト8が掛
け渡されている。但し、固定アイドラプーリ10の回転
方向(図中に矢印で示す)とクランクプーリ2の回転方
向(図中に矢印で示す)とが反対となる様に、クランク
プーリ2と固定アイドラプーリ10との間でベルト8が
略S字状に掛け渡されている。また、オートテンショナ
の設定張力は、第2実施例の場合と同様に、補機モジュ
ールのプーリ9によるベルト張力の低下分以上、大きく
設定されている(図6参照)。
【0018】(第3実施例の作動)エンジン始動時は、
補機モジュールのプーリ9が回転(図5で右回転)する
ことにより、図5にてベルト8が右回りに駆動される。
これにより、プーリ9の回転力がベルト8を介してクラ
ンクプーリ2に伝達され、クランクプーリ2が回転して
エンジン1が始動する。この時、ベルト8は、プーリ9
とクランクプーリ2との間が張り側となり、伝達トルク
によってプーリ5とプーリ9との間が最緩み側となる。
補機駆動時は、クランクプーリ2の回転によってベルト
8が右回りに駆動され、プーリ3、プーリ4、プーリ
5、アイドラプーリ6、プーリ9、及び固定アイドラプ
ーリ10を回転させる。この時、ベルト8は、クランク
プーリ2とプーリ3との間が張り側となり、伝達トルク
によってプーリ9とクランクプーリ2との間が最緩み側
となる。
【0019】(第3実施例の効果)図6に各プーリにお
けるベルト張力の値を示す。エンジン始動時には、補機
モジュールのプーリ9に対してベルト8の最緩み側にオ
ートテンショナのアイドラプーリ6を配することによ
り、このオートテンショナによって一定の張力が維持さ
れて、始動トルクを伝動するために必要なベルト張力を
張り側(プーリ9とクランクプーリ2との間)で得るこ
とができる。補機駆動時(発電時)には、プーリ3、プ
ーリ4、プーリ5の後にアイドラプーリ6を配すること
により、クランクプーリ2による補機駆動の緩み側でオ
ートテンショナがベルト張力を維持し、通常のサーペン
タインレイアウトと同様のベルト伝動が可能となる。な
お、この発電時には、通常の補機駆動と異なり、始動時
のトルク伝動を可能とするための配置から、補機モジュ
ールのプーリ9に対するベルト緩み側にアイドラプーリ
6を配置している。そのため、補機モジュールを駆動す
るために必要なトルク分だけベルト張力が低下するが、
上記の様に、予めオートテンショナの設定張力を大きく
しているため、問題なくベルト伝動が可能である。
【0020】また、本実施例では、クランクプーリ2と
補機モジュールのプーリ9との間に固定アイドラプーリ
10を配置したことにより、クランクプーリ2に掛かる
ベルト8の巻角を大きくとることができ、より有効なベ
ルト伝動が可能となる。なお、固定アイドラプーリ10
をクランクプーリ2とプーリ3との間に配置することで
ベルト8の巻角を大きくとることもできるが、この場
合、駆動時間が始動時よりも長時間となる補機駆動時
に、高張力がかかる部分(クランクプーリ2とプーリ3
との間)でベルト8を逆曲げ状態(略S字状)に屈曲さ
せる必要があるため、ベルト8の耐久上不利である。従
って、クランクプーリ2と補機モジュールのプーリ9と
の間に固定アイドラプーリ10を配置した方がベルト8
の耐久上有利となる。
【0021】(第4実施例)図7はベルト伝動システム
の構成を示す正面図である。 (第4実施例の構成)本実施例のベルト伝動システム
は、エンジン1のクランク軸に取り付けられたクランク
プーリ2、補機Aと補機Bにそれぞれ取り付けられたプ
ーリ3、4、オートテンショナに取り付けられたアイド
ラプーリ6、補機モジュールに取り付けられたプーリ
9、及び補機Cに取り付けられたプーリ5を有し、クラ
ンクプーリ2から向かって左回り(図7の反時計回り)
に、プーリ3、プーリ4、アイドラプーリ6、プーリ
9、プーリ5の順に1本のベルト8が掛け渡されてい
る。但し、本実施例の補機Cは、補機A、及び補機Bよ
り軽負荷で、且つ補機Cに取り付けられたプーリ5の回
転方向(図中に矢印で示す)とクランクプーリ2の回転
方向(図中に矢印で示す)とが反対となる様に、クラン
クプーリ2とプーリ5との間でベルト8が略S字状に掛
け渡されている。また、オートテンショナの設定張力
は、補機モジュールのプーリ9と補機Cのプーリ5とに
よるベルト張力の低下分以上、大きく設定されている
(図8参照)。
【0022】(第4実施例の作動)エンジン始動時は、
補機モジュールのプーリ9が回転(図7で右回転)する
ことにより、図7にてベルト8が右回りに駆動される。
これにより、プーリ9の回転力がベルト8を介してクラ
ンクプーリ2に伝達され、クランクプーリ2が回転して
エンジン1が始動する。この時、ベルト8は、プーリ9
とプーリ5との間が張り側となり、伝達トルクによって
プーリ4とプーリ9との間が最緩み側となる。補機駆動
時は、クランクプーリ2の回転によってベルト8が右回
りに駆動され、プーリ3、プーリ4、アイドラプーリ
6、プーリ9、及びプーリ5を回転させる。この時、ベ
ルト8は、クランクプーリ2とプーリ3との間が張り側
となり、伝達トルクによってプーリ5とクランクプーリ
2との間が最緩み側となる。
【0023】(第4実施例の効果)図8に各プーリにお
けるベルト張力の値を示す。エンジン始動時には、補機
モジュールのプーリ9に対してベルト8の最緩み側にオ
ートテンショナのアイドラプーリ6を配することによ
り、このオートテンショナによって一定の張力が維持さ
れて、始動トルクを伝動するために必要なベルト張力を
張り側(プーリ5とクランクプーリ2との間)で得るこ
とができる。補機駆動時(発電時)には、プーリ3及び
プーリ4の後にアイドラプーリ6を配することにより、
クランクプーリ2による補機駆動の緩み側でオートテン
ショナがベルト張力を維持し、通常のサーペンタインレ
イアウトと同様のベルト伝動が可能となる。なお、この
発電時には、通常の補機駆動と異なり、始動時のトルク
伝動を可能とするための配置から、補機モジュールのプ
ーリ9に対するベルト緩み側にアイドラプーリ6を配置
している。そのため、補機モジュールと補機Cを駆動す
るために必要なトルク分だけベルト張力が低下するが、
上記の様に予めオートテンショナの設定張力を大きくし
ているため、問題なくベルト伝動が可能である。
【0024】本実施例では、クランクプーリ2と補機モ
ジュールのプーリ9との間に補機Cのプーリ5を配置し
たことにより、クランクプーリ2に掛かるベルト8の巻
角を大きくとることができ、より有効なベルト伝動が可
能となる。なお、補機Cは、クランクプーリ2に掛かる
ベルト8の巻角を大きくとれる様に、クランクプーリ2
に回り込む様な配置を取る必要があり、エンジンブロッ
クに組み込まれる様な補機、例えばウォータポンプの様
なものが望ましい。また、アイドラプーリ6とクランク
プーリ2との間に補機モジュールのプーリ9と補機Cの
プーリ5とが配されているため、上述の各実施例に比べ
てオートテンショナの初期張力を大きくとる必要があ
る。従って、補機Cは、できるだけ軽負荷な補機とする
ことが望ましい。補機Cを軽負荷とする程、オートテン
ショナの初期張力を低減することができるため、ベルト
8の耐久上有利となる。
【0025】(第5実施例)図9はベルト伝動システム
の構成を示す正面図である。 (第5実施例の構成)本実施例のベルト伝動システム
は、エンジン1のクランク軸に取り付けられたクランク
プーリ2、補機Aに取り付けられたプーリ3、オートテ
ンショナに取り付けられたアイドラプーリ6、及び補機
モジュールに取り付けられたプーリ9を有し、クランク
プーリ2から向かって左回り(図9の反時計回り)に、
プーリ3、アイドラプーリ6、プーリ9の順に1本のベ
ルト8が掛け渡されている。オートテンショナの設定張
力は、補機モジュールのプーリ9によるベルト張力の低
下分以上、大きく設定されている(図10参照)。
【0026】(第5実施例の作動)エンジン始動時は、
補機モジュールのプーリ9が回転(図9で右回転)する
ことにより、図9にてベルト8が右回りに駆動される。
これにより、プーリ9の回転力がベルト8を介してクラ
ンクプーリ2に伝達され、クランクプーリ2が回転して
エンジン1が始動する。この時、ベルト8は、プーリ9
とクランクプーリ2との間が張り側となり、伝達トルク
によってプーリ3とプーリ9との間が最緩み側となる。
補機駆動時は、クランクプーリ2の回転によってベルト
8が右回りに駆動され、プーリ3、アイドラプーリ6、
及びプーリ9を回転させる。この時、ベルト8は、クラ
ンクプーリ2とプーリ3との間が張り側となり、伝達ト
ルクによってプーリ9とクランクプーリ2との間が最緩
み側となる。
【0027】(第5実施例の効果)図10に各プーリに
おけるベルト張力の値を示す。エンジン始動時には、補
機モジュールのプーリ9に対してベルト8の最緩み側に
オートテンショナのアイドラプーリ6を配することによ
り、このオートテンショナによって一定の張力が維持さ
れて、始動トルクを伝動するために必要なベルト張力を
張り側(プーリ5とクランクプーリ2との間)で得るこ
とができる。補機駆動時(発電時)には、プーリ3の後
にアイドラプーリ6を配することにより、クランクプー
リ2による補機駆動の緩み側でオートテンショナがベル
ト張力を維持し、通常のサーペンタインレイアウトと同
様のベルト伝動が可能となる。なお、この発電時には、
通常の補機駆動と異なり、始動時のトルク伝動を可能と
するための配置から、補機モジュールのプーリ9に対す
るベルト緩み側にアイドラプーリ6を配置している。そ
のため、補機モジュールを駆動するために必要なトルク
分だけベルト張力が低下するが、上記の様に予めオート
テンショナの設定張力を大きくしているため、問題なく
ベルト伝動が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベルト伝動システムの構成を示す正面図である
(第1実施例)。
【図2】各プーリにおけるベルト張力の値を示すグラフ
である。
【図3】ベルト伝動システムの構成を示す正面図である
(第2実施例)。
【図4】各プーリにおけるベルト張力の値を示すグラフ
である。
【図5】ベルト伝動システムの構成を示す正面図である
(第3実施例)。
【図6】各プーリにおけるベルト張力の値を示すグラフ
である。
【図7】ベルト伝動システムの構成を示す正面図である
(第4実施例)。
【図8】各プーリにおけるベルト張力の値を示すグラフ
である。
【図9】ベルト伝動システムの構成を示す正面図である
(第5実施例)。
【図10】各プーリにおけるベルト張力の値を示すグラ
フである。
【符号の説明】 1 エンジン(内燃機関) 2 クランクプーリ 3 補機Aのプーリ 4 補機Bのプーリ 5 補機Cのプーリ 6 オートテンショナのアイドラプーリ(可動プーリ) 7 始動用電動機のプーリ 8 ベルト 9 補機モジュールのプーリ 10 固定アイドラプーリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 勝 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (72)発明者 黒精 美考 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15 号 バンドー化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−280331(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 67/06 F02N 11/00 F02N 11/04 F02N 11/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関、始動用電動機、及びこの始動用
    電動機以外のその他の補機を有し、 これらにそれぞれ取り付けられたプーリと、 各プーリ間に掛け渡されたベルトとを備え、 このベルト伝動により、前記始動用電動機の始動回転力
    を前記内燃機関に伝達し、その内燃機関に生じる回転動
    力を前記補機に伝達する内燃機関用ベルト伝動システム
    であって、 前記始動用電動機によって前記内燃機関を始動する時
    に、前記ベルトに生じる緩みが最大となるベルト最緩み
    側にベルト張力を調整するオートテンショナを配置し、 前記内燃機関によって前記その他の補機を駆動する時
    に、前記内燃機関のプーリと前記オートテンショナとの
    間で前記ベルトの張り側に前記その他の補機を配置した
    ことを特徴とする内燃機関用ベルト伝動システム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した内燃機関用ベルト伝動
    システムにおいて、 前記始動用電動機は、前記内燃機関によって前記その他
    の補機を駆動する時に、自身に取り付けられたプーリが
    空転する機能を有していることを特徴とする内燃機関用
    ベルト伝動システム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載した内燃機関用ベ
    ルト伝動システムにおいて、 前記オートテンショナは、前記始動用電動機または前記
    補機モジュールに取り付けられたプーリに隣接して配置
    されていることを特徴とする内燃機関用ベルト伝動シス
    テム。
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