JP3195219B2 - 積層フイルム - Google Patents

積層フイルム

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JP3195219B2 JP03469996A JP3469996A JP3195219B2 JP 3195219 B2 JP3195219 B2 JP 3195219B2 JP 03469996 A JP03469996 A JP 03469996A JP 3469996 A JP3469996 A JP 3469996A JP 3195219 B2 JP3195219 B2 JP 3195219B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層フイルムに関
し、更に詳しくは巻取り性、易滑性、ハンドリング性等
に優れ、特に電磁変換特性、ドロップアウト、走行性、
耐久性に優れた磁気記録媒体のベースフイルムとして有
用な積層フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体の高密度化の進歩は
めざましく、例えば、強磁性金属薄膜を真空蒸着やスパ
ッタリング等の物理沈着法又はメッキ法により非磁性支
持体上に形成せしめた金属薄膜型磁気記録媒体、またメ
タル粉や酸化鉄粉等の針状磁性粉体を2μm以下に塗布
した薄層塗布型磁気記録媒体の開発実用化が進められて
いる。前者の例としては、例えば、Coの蒸着テープ
(特開昭54―147010号公報)、Co―Cr合金
からなる垂直磁気記録媒体(特開昭52―134706
号公報)が知られ、また後者の例としては、例えば、極
薄層塗布型磁気記録媒体による高密度磁気記録(電子通
信学会技術報告MR94―78(1995―02))等
が知られている。
【0003】従来の塗布型磁気記録媒体(磁性粉末を有
機高分子バインダーに混入させて非磁性支持体上に塗布
してなる磁気記録媒体)は記録密度が低く、記録波長も
長い為に、磁性層の厚みが2μm程度以上と厚いのに対
して、真空蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティ
ング等の薄膜形成手段によって形成される強磁性金属薄
膜は厚みが0.2μm以下と非常に薄く、また極薄層塗
布型の場合も、非磁性下地層を設けるものの、0.13
μmの厚みのものが提案され、非常に薄くなっている。
【0004】この為、上記の高密度磁気記録媒体におい
ては、非磁性支持体(ベースフイルム)の表面状態が磁
性層の表面性に大きな影響を及ぼし、特に金属薄膜型の
磁気記録媒体の場合には、非磁性支持体の表面状態がそ
のまま磁性層(磁気記録層)表面の凹凸として発現し、
それが記録・再生信号の雑音の原因となる。従って、非
磁性支持体の表面はできるだけ平滑であることが望まし
い。
【0005】一方、非磁性支持体(ベースフイルム)の
製膜、製膜工程での搬送、傷付き、巻取り、巻出しとい
ったハンドリングの観点からは、フイルム表面が平滑過
ぎると、フイルム―フイルム相互の滑り性が悪化し、ブ
ッキング現象が発生し、ロールに巻いたときの形状(ロ
ールフォーメーション)が悪化し、製品歩留りの低下、
ひいては製品の製造コストの上昇を来す。従って、製造
コストという観点では非磁性支持体(ベースフイルム)
の表面は出来るだけ粗いことが望ましい。
【0006】このように、非磁性支持体の表面は、電磁
変換特性の観点からは平滑であることが要求され、ハン
ドリング性、フイルムコストの観点からは粗いことが要
求される。
【0007】さらに金属薄膜型磁気記録媒体の場合に
は、実際に使用される時の重大な問題点として、金属薄
膜面の走行性がある。磁性体粉末を有機高分子バンダー
中に混入させてベースフイルムに塗布してなる塗布型磁
気記録媒体の場合には、該バインダー中に潤滑剤を分散
させて磁性層面の走行性を向上させることが出来るが、
金属薄膜型磁気記録媒体の場合には、この様な対策をと
ることができず、走行性を安定して保つのは非常に難し
く、特に高温高湿条件下の走行性が劣るなどの欠点を有
している。さらにこの場合には、繰り返し使用時の出力
値下が塗布型磁気記録媒体と比べて大きいという欠点も
存在する。
【0008】そこで、優れた品質の高密度磁気記録媒体
を製造するには、上記二律背反する性質を同時に満足さ
せることが必要とされる。
【0009】この為の具体的方法として、フイルム表
面に特定の塗剤を塗布し、不連続皮膜を形成させる方法
(特公平3―80410号、特開昭60―180839
号、特開昭60―180838号、特開昭60―180
837号、特開昭56―16937号、特開昭58―6
8223号等)、フイルム表面に微細凹凸を有する連
続皮膜を塗布形成する方法(特開平5―194772
号、特開平5―210833号)、共押出し法等の技
術により表裏異面化する方法(特開平2―214657
号、特公平7―80282号)、又はととの組合
せによる方法(特開平3―73409号)等が提案され
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
不連続皮膜や微細凹凸を有する連続皮膜を塗布形成する
方法においては、フイルム―フイルム間の滑り、ブロッ
キングといった課題は解決できているが、ベースフイル
ムの製膜、製膜工程での搬送、傷付き、巻取り、巻出し
といったハンドリングの点では不十分であり、製品歩留
り、製品コストの観点で、高密度大容量磁気記録媒体用
ベースフイルムへの適用には問題がある。また従来の共
押出し技術或いは、共押出し技術と不連続皮膜或いは連
続皮膜の組合わせ技術においても、同様の問題を抱えて
いる。さらに金属薄膜型磁気記録媒体の場合は高温高湿
条件下の走行性と繰り返し使用時の出力低下の問題を抱
えたままである。
【0011】本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を
解消し、製膜工程での搬送性、耐傷付き性、巻取り性に
優れた積層フイルムを、さらにはこれら特性を有し、金
属薄膜型磁気記録媒体として用いた場合にも高温高湿条
件下の走行性と繰り返し使用時の出力保持に優れた、安
価な高密度磁気記録媒体用二軸配向積層フイルムを提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、第1に、実質的に粒子を含有しない熱可塑性
樹脂層Aの一方の表面に不活性粒子を含有する熱可塑
性樹脂層Bが積層され、そして該熱可塑性樹脂層Aのも
う一方の表面に平均粒径10〜50nm、体積形状係数
(f)0.1〜π/6の不活性粒子Cを含有する被覆層
Cが積層されている積層フイルムであって、該被覆層C
の表面が、該不活性粒子Cを核とする、高さが不活性
粒子Cの平均粒径の30%以上200%未満の微細突起
を200万〜2000万個/mm2の頻度で有し、さら
にフイルム長手方向に対し0±10度の方向で、高さ2
〜85nm、平均幅20〜500μmのうねり状突起を
4〜2500個/mm2の頻度で有することを特徴とす
る積層フイルムによって達成される。
【0013】本発明における熱可塑性樹脂としては、ポ
リエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹
脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポ
リビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等を例示するこ
とができる。これらのうちポリステル系樹脂、さらには
芳香族ポリエステルが好ましい。
【0014】この芳香族ポリエステルとしては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、
ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ―1,4―シ
クロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート等を好まし
くは例示することができる。これらのうち、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタレン
ジカルボキシレートが好ましい。
【0015】これらポリエステルは、ホモポリエステル
であっても、コポリエステルであっても良い。コポリエ
ステルの場合、例えばポリエチレンテレフタレート及び
ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート
の共重合成分としては、例えばジエチレングリコール、
プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘ
キサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポ
リエチレングリコール、1,4―シクロヘキサンジメタ
ノール、p―キシレングリコール等の他のジオール成
分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸(但し、ポリエチレン―2,6―ナフ
タレンジカルボキシレートの場合)、2,6―ナフタレ
ンジカルボン酸(但し、ポリエチレンテレフタレートの
場合)、5―ナトリウムスルホイソフタル酸等の他のジ
カルボン酸成分、p―オキシエトキシ安息香酸等のオキ
シカルボン酸成分等が挙げられる。これら共重合成分の
量は20モル%以下、更には10モル%以下であること
が好ましい。
【0016】さらに、トリメリット酸、ピロメリット酸
等の3官能以上の多官能化合物を共重合させることもで
きる。この場合ポリマーが実質的に線状である量、例え
ば2モル%以下共重合させるのがよい。
【0017】上記ポリエステルは、それ自体公知であ
り、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。
【0018】本発明において、二軸配向積層フイルムは
熱可塑性樹脂層Aと熱可塑性樹脂層Bとを有するが、層
Aと層Bの熱可塑性樹脂は同じでも違っていてもよい。
このうち同じ樹脂であることが好ましい。特に層Aと層
Bがポリエチレンテレフタレート又はポリエチレン―
2,6―ナフタレンジカルボキシレートからなるのが好
ましい。これらポリエステルとしては、o―クロロフェ
ノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘度
が約0.4〜0.9のものが好ましい。
【0019】本発明において熱可塑性樹脂層Aには粒子
が実質的に含有されていないことが必要である。ここ
で、粒子を実質的に含有しないとは、フイルム表面に突
起を形成するような外部添加粒子や内部析出粒子は含有
しないが、例えばポリエステルの重合に必須の触媒によ
って生じることのある、滑剤作用を実質的に奏さない極
々少量の粒子は含有しても良いことを意味する。
【0020】この熱可塑性樹脂層Aに、フイルム表面に
突起を形成するような外部添加粒子や内部添加粒子が含
有されている場合、該粒子の重なりによる粗大突起が生
じ、特に蒸着金属薄膜型磁気記録媒体として用いるとき
に、電磁変換特性の低下や、ドロップアウトの増加をも
たらす欠陥となってしまう。また、必要とされる表面突
起頻度を得るためには多量の粒子を含有させることにな
って、コストが高くなるという問題がある。
【0021】上記熱可塑性樹脂層Aには、例えば酸化防
止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等の他の添
加剤(表面突起を形成するような粒子は除く)を必要に
応じて含有することができる。
【0022】本発明における積層フイルムは、上述のよ
うに、実質的に粒子を含有しない熱可塑性樹脂層Aの一
方の表面に不活性粒子Bを含有する熱可塑性樹脂層Bが
積層されている必要がある。この不活性粒子Bは、層B
の表面に所望の表面粗さを形成すると共に、層Aの表
面、さらには被覆層Cの表面にうねり状突起を形成する
作用を奏する。不活性粒子Bを含有する熱可塑性樹脂層
Bが積層されていないと、ベースフイルムの表面が極め
て平坦になってしまう為にベースフイルムの製膜工程で
の搬送、傷付き、巻取り、巻出しといったハンドリング
性の悪化をきたし、またフイルム―フイルム相互の滑り
性の悪化によりブッキング現象が発生し、ロールに巻い
たときの形状(ロールフォーメーション)が悪化し、生
産性の悪化、製品歩留まり低下、ひいては製品の製造コ
ストの上昇をきたす。
【0023】この熱可塑性樹脂層Bの表面は、被覆層C
の表面よりも粗い表面粗さを有する。換言すると、熱可
塑性樹脂層Bの中心面平均粗さWRaB と被覆層Cの中
心面平均粗さWRaC とが下記式2
【0024】
【数2】WRaB >WRaC ……2 ここで、WRaB 、WRaC は熱可塑性樹脂層B、被覆
層Cのそれぞれの外側の表面で測定した非接触3次元中
心面平均粗さである。を満足する。WRaB はWRaC
よりも1nm以上、更に1.5nm以上大きいことが好
ましい。そして、この中心面平均粗さWRaB は2nm
以上15nm未満、更には3〜10nm、特に3〜7n
mであることが好ましい。
【0025】熱可塑性樹脂層Bの表面粗さWRaB が1
5nm以上では、被覆層Cの表面のうねり状突起の高
さ、平均幅が後述の要件を満たすのが難しく、また2n
m未満では搬送性等のハンドリング性、テープの走行性
等の点で不十分であり、好ましくない。さらにWRaB
がWRaC 以下では、その平坦性の故にベースフイルム
の製膜工程での搬送、傷付き、巻取り、巻出しといった
ハンドリング性の悪化をきたし、またフイルム―フイル
ム相互の滑り性の悪化によりブロッキング現象が発生
し、ロールに巻いたときの形状(ロールフォーメーショ
ン)が悪化し、生産性の悪化、製品歩留りの低下、ひい
ては製品の製造コストの上昇をきたすので好ましくな
い。
【0026】熱可塑性樹脂層Bに上記の表面特性を付与
し、かつ被覆層Cに特定のうねり状突起を発現させるに
は、不活性粒子Bの平均粒径dB は0.2〜1μm、更
に0.2〜0.8μm、特に0.2〜0.6μmである
ことが好ましい。この平均粒径dB は、不活性粒子Bが
単独粒子からなる場合にはこの平均粒径を、また大きさ
の違う2種以上の粒子からなる場合にはこれらのうち最
も大きい粒子の平均粒径を意味する。
【0027】この平均粒径dB を有する不活性粒子とし
ては、例えば(1)粒状ポリマー粒子(例えば架橋シリ
コーン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹脂、メ
ラミン―ホルムアルデヒド樹脂、芳香族ポリアミド樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋ポリ
エステル等)、(2)金属酸化物(例えば酸化アミルニ
ウム、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、
酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等)、(3)金属の炭酸塩
(例えば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)、
(4)金属の硫酸塩(例えば硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム等)、(5)炭素(例えばカーボンブラック、グラ
ファイト、ダイアモンド等)、及び(6)粘土鉱物(例
えばカオリン、クレー、ベントナイト等)が好ましく挙
げられる。これらのうち特に、架橋シリコーン樹脂粒
子、架橋ポリスチレン粒子、メラミン―ホルムアルデヒ
ド樹脂粒子、ポリアミドイミド樹脂粒子、酸化アルミニ
ウム(アルミナ)、二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化
ジルコニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ダイア
モンド及びカオリンが好ましく、とりわけ架橋シリコー
ン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子、アルミナ、二酸化
チタン、二酸化ケイ素及び炭酸カルシウムが好ましい。
【0028】さらに、2種以上の粒子からなる場合、第
2、第3の小さい粒子として、平均粒径が0.01μm
以上0.1μm以下の微細粒子、例えばコロイダルシリ
カ、α、γ、δ、θ等の結晶形態を有するアルミナ等の
微細粒子を好ましく用いることができる。また平均粒径
B を有する不活性粒子として例示した粒子種のうち平
均粒径が0.01μm以上0.1μm以下の微細粒子も
用いることができる。
【0029】この不活性粒子Bの含有量は0.001〜
5重量%、更には0.005〜1重量%、特に0.01
〜0.5重量%であることが好ましい。
【0030】本発明における積層フイルムは、上記熱可
塑性樹脂層Aのもう一方の表面に、平均粒径が10〜5
0nm、好ましくは12〜45nm、更に好ましくは1
5〜45nmで、体積形状係数が0.1〜π/6、好ま
しくは0.3〜π/6、更に好ましくは0.4〜π/6
の不活性粒子Cを、表面の微細突起が200万〜200
0万個/mm2 、好ましくは250万〜1800万個/
mm2 、更に好ましくは300万〜1500万個/mm
2 となる量含有する被覆層Cが積層されている必要があ
る。この微細突起は、高さが不活性粒子Cの平均粒径の
30%以上200%未満、好ましくは40〜180%、
更に好ましくは50〜160%の突起である。
【0031】上記不活性粒子Cの平均粒径が10nm未
満では巻取性、走行耐久性の向上に効果がなく、一方5
0nmを超えると、電磁変換特性が悪化する。
【0032】上記不活性粒子Cの体積形状係数(f)は
下記式3
【0033】
【数3】f=V/ 3 ・・・・・・3 ここで、fは体積形状係数、Vは粒子の体積(μ
3)、Dは粒子の最大経(μm)である。で表わされ
るが、体積形状係数(f)がπ/6である形状は球(真
球)である。それ故、体積形状係数(f)が0.4〜π
/6のものは実質的に球ないし真球、ラグビーボールの
ような楕円球を含むものであり、これらが特に好まし
い。体積形状係数(f)が0.1未満の粒子、例えば薄
片状粒子では、製品スリット時の巻取り性の悪化及び磁
性層の磁気特性の低下をもたらすので好ましくない。
【0034】上記表面突起頻度が200万個/mm2
満では製品スリット時の捲取り性が悪く、また磁気記録
媒体としたときに、磁気ヘッドとの繰り返し接触による
出力の劣化度合い(スチル特性という)が大きく、実用
上問題がある。一方2000万個/mm2 を超えると、
電磁変換特性に悪影響を及ぼす。
【0035】また、上記微細突起の高さが不活性粒子C
の平均粒径の30%未満では、磁気記録媒体としたとき
に磁気ヘッドとの摩擦係数が高くなりすぎて、スチル特
性が悪化する。一方、この突起高さが不活性粒子Cの平
均粒径の200%以上であると、磁気記録媒体として用
いる場合、繰り返し走行耐久性が悪化してしまう。
【0036】上記不活性粒子Cの種類としては特に限定
されないが、塗液中で沈降しにくい、比較的低比重のも
のが好ましい。例えば、耐熱性ポリマー(例えば、架橋
シリコーン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリスチレ
ン、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、芳香族ポリアミ
ド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋ポリエステル、全
芳香族ポリエステル等)からなる粒子、二酸化ケイ素
(シリカ)、炭酸カルシウム等が好ましく挙げられる。
特に好ましくは架橋シリコーン樹脂、コア・シェル型有
機粒子(コア:架橋ポリスチレン、シェル:ポリメチル
メタクリレートなど)、シリカが挙げられる。
【0037】本発明における被覆層Cでは、不活性粒子
Cを固着させるのにバインダー樹脂を用いるが、このバ
インダー樹脂としては、例えば水性ポリエステル樹脂、
水性アクリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂等が好ましく
挙げられ、特に水性ポリエステル樹脂が好ましい。
【0038】この水性ポリエステル樹脂としては、酸成
分が例えばイソフタル酸、フタル酸、1,4―シクロヘ
キサンジカルボン酸、2,6―ナフタレンジカルボン
酸、4,4′―ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、
セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、コハク酸、5―N
aスルホイソフタル酸、2―Kスルホテレフタル酸、ト
リメリット酸、トリメシン酸、トリメリット酸モノカリ
ウム塩、P―ヒドロキシ安息香酸等の多価カルボン酸よ
りなり、グリコール成分が例えばエチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4
―ブタンジオール、1,6―ヘキサンジオール、1,4
―シクロヘキサンジメタノール、P―キシリレングリコ
ール、ジメチロールプロパン酸、ビスフェノールAのエ
チレンオキシド付加物等の多価ヒドロキシ化合物より主
としてなるポリエステル樹脂が好ましく例示でき、また
ポリエステル鎖にアクリル重合体鎖を結合させたグラフ
トポリマー又はブロックコポリマー、あるいは2種のポ
リマーがミクロな粒子内で特定の物理的構成(IPN、
コアシエル)を形成したアクリル変性ポリエステル樹脂
であってもよい。この水性ポリエステル樹脂としては、
水に溶解、乳化、微分散するタイプを自由に用いること
ができ、またこれらは親水性を付与するため分子内に例
えばスルホン酸塩基、カルボン酸塩基、ポリエーテル単
位等が導入されていてもよい。
【0039】本発明における被覆層Cは、その表面に上
述した微細突起のほかに、フイルム長手方向に対し0±
10度の方向に測定した粗さプロファイルにおいて高さ
2〜85nm、好ましくは2〜50nm、更に好ましく
は2〜25nm、平均幅20〜500μm、好ましくは
20〜300μm、更に好ましくは20〜200μmの
うねり状突起が4〜2500個/mm2 、好ましくは9
〜1600個/mm2、更に好ましくは16〜900個
/mm2 の頻度で存在する表面特性を有する。
【0040】このうねり状突起は高さが2nm未満、ま
たは幅が500μmを超えると、あるいは頻度が4個/
mm2 未満であると製膜工程での搬送、フイルムの傷付
き、製品ロールの巻姿、フイルム―フイルム間のブロッ
キング現象、また金属薄膜型磁気記録用として用いられ
た場合の高温高湿条件下のテープの走行性といった点で
不十分である。
【0041】一方、うねり状突起の高さが85μmを超
えるあるいは頻度が2000個/mm2 を超えると電磁
変換特性に支障をきたし、高密度磁気記録媒体用ベース
フイルムとしては適さない。またうねり状突起の平均幅
が20μm未満ではうねり状突起の高さが25nm以下
の領域で、製膜工程での搬送性、テープの走行性の点が
不十分となる。
【0042】なお、うねり状突起の測定方向はフイルム
長手方向に対し0±10度の方向とするが、これは本発
明によるベースフイルムを用いた高密度磁気記録テープ
が適用される磁気記録システムのテープ上を磁気ヘッド
がスキャンするトラックと同じ方向に合せることによ
る。
【0043】被覆層Cでのうねり状突起は、その形成方
法によって制約を受けるものでないが、熱可塑性樹脂層
B中に含有せしめた不活性粒子Bの延伸に伴う層Aの突
き上げ作用、さらには層Aの表面に形成されたうねり状
突起による作用によるのが好ましい。
【0044】この突き上げ作用をより効率よく発現させ
るには、該不活性粒子Bの平均粒径と熱可塑性樹脂層A
の厚さとが特定の関係を満たすようにするのが好まし
い。すなわち、不活性粒子Bは単独粒子又は大きさの違
う2種以上の粒子からなるが、単独粒子の平均粒径又は
2種以上の粒子のうち最も大きい粒子の平均粒径をdB
(μm)とし、層Aの厚さをtA (μm)とすると、下
記式1
【0045】
【数4】4≦tA /dB ≦40 ……1 を満足するようにするのが好ましい。このtA /dB
4〜25、更には4〜16、特に4〜8であるのが好ま
しい。
【0046】前記うねり状突起は、特に高密度磁気記録
媒体の表面上の波長(1.0μm未満)対比で非常に長
い幅或いは周期を有し、被覆層Cが含有する微細不活性
粒子Cに基づく突起の高さと同等かそれより低い為に、
電磁変換特性に悪影響を与えること無く、被覆層Cの微
細粒子Cによる突起と、長期間のうねりと、熱可塑性樹
脂層Bの粗面の三者の相乗効果により、従来の高密度磁
気記録媒体用ベースフイルムが抱えていた課題を一挙に
解決するものである。
【0047】本発明における被覆層Cは、さらに、その
表面粗さが、中心面平均粗さ(WRaC )で10nm以
下、更には5nm以下、特に2nm以下、就中1nm以
下であることが好ましい。この表面粗さが粗れすぎる
と、電磁変換特性等が低下し、好ましくない。
【0048】本発明において積層フイルムの全厚みは、
通常2.5〜20μm、好ましくは3.0〜10μm、
更に好ましくは4.0〜10μmである。熱可塑性樹脂
層Aと熱可塑性樹脂層Bとの層厚構成は、層Aの表面に
うねり状突起が生じるように、層Bに添加する不活性粒
子Bの平均粒径dB と層Aの層厚tA とから好適な厚み
に設定される。層Aの厚さtA は0.8μm以上である
こと、また層Bの厚さtB は不活性粒子Bの前記平均粒
径dB の1/2倍以上(μm)であることが好ましい。
また、被覆層Cの厚みは、不活性粒子Cの平均粒径の1
/100倍以上平均粒径(倍)未満であることが好まし
く、更に好ましくは該平均粒径の2/100倍以上80
/100倍未満、特に好ましくは該平均粒径の3/10
0倍以上50/100倍未満である。
【0049】本発明の積層フイルムは、従来から知られ
ている或いは当業界に蓄積されている方法で製造するこ
とができる。そのうち、熱可塑性樹脂粒子Aと熱可塑性
樹脂Bとの積層構造は共押出し法により製造するのが好
ましく、そして被覆層Cの積層は塗布法により行なうの
が好ましい。
【0050】例えば、二軸配向ポリエステルフイルムで
説明すると、押出し口金内又は口金以前(一般に前者は
マルチマニホールド方式、後者はフィードブロック方式
と呼ぶ)で、前述の粒子を含有しないポリエステルAと
不活性粒子Bを含有するポリエステルBを溶融状態にて
積層複合し、前述の好適な厚み比の積層構造と成し、次
いで口金より融点Tm℃〜(Tm+70)℃の温度でフ
イルム状に共押出した後、40〜90℃で急冷固化し未
延伸積層フイルムを得る。しかる後に、該未延伸積層フ
イルムを常法に従って一軸方向(縦方向又は横方向)に
(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(但し、T
g:該ポリエステルのガラス転移温度)で2.5〜8.
0倍の倍率で、好ましくは3.0〜7.5倍の倍率で延
伸し、次いで前記方向とは直角方向にTg〜(Tg+7
0)℃温度で2.5〜8.0倍の倍率で、好ましくは
3.0〜7.5倍の倍率で延伸する。更に必要に応じて
縦方向及び/又は横方向に再度延伸しても良い。即ち、
2段、3段、4段、或いは多段の延伸を行うと良い。全
延伸倍率は、面積延伸倍率として通常9倍以上、好まし
くは12〜35倍、更に好ましくは15〜26倍であ
る。更に引き続いて、二軸配向フイルムを(Tg+7
0)〜(Tm−10)℃の温度、例えば180〜250
℃で熱固定結晶化することによって優れた寸法安定性が
付与される。なお、熱固定時間は1〜60秒が好まし
い。
【0051】上記の方法において、前述の不活性粒子C
及びバインダー樹脂を含む塗液、好ましくは水性塗液を
塗布する。塗布は最終延伸処理を施す以前のポリエステ
ルAの表面に行ない、塗布後にはフイルムを少なくとも
一軸方向に延伸するのが好ましい。この延伸の前乃至途
中で塗膜は乾燥される。その中で、塗布は未延伸積層フ
イルム又は縦(一軸)延伸積層フイルム、特に縦(一
軸)延伸積層フイルムに行なうのが好ましい。塗布方法
としては特に限定されないが、例えばロールコート法、
ダイコート法等が挙げられる。
【0052】上記塗液、特に水性塗液の固形分濃度は1
〜10重量%、さらに1.5〜8重量%、特に2〜6重
量%であることが好ましい。そして塗液(好ましくは水
性塗液)には、所望により、他の成分例えば、界面活性
剤、安定剤、分散剤、UV吸収剤、増粘剤等を添加する
ことができる。
【0053】上述の例は、熱可塑性樹脂層A、Bが共に
ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート
又はポリエチレンテレフタレートの場合に好適である
が、層Aのみ或いは層Bのみがポリエチレン―2,6―
ナフタレンジカルボキシレート又はポリエチレンテレフ
タレートの場合にも同様である。
【0054】なお、積層フイルムの製造に際し、熱可塑
性樹脂に、所望により上述の不活性粒子以外の添加剤例
えば安定剤、着色剤、溶融ポリマーの固有抵抗調整剤等
を添加含有させることができる。
【0055】本発明において、磁気記録媒体としてのヘ
ッドタッチ、走行耐久性を初めとする各種性能を向上さ
せ、同時に薄膜化を達成するには、積層フイルムのヤン
グ率を縦方向、横方向でそれぞれ450kg/mm2
上、600kg/mm2 以上、更には480kg/mm
2 以上、680kg/mm2 以上、特に550kg/m
2 以上、800kg/mm2 以上、就中550kg/
mm2 以上、1000kg/mm2 以上とするのが好ま
しい。また、ポリエチレンテレフタレート層の結晶化度
は30〜50%、ポリエチレン―2,6―ナフタレンジ
カルボキシレート層の結晶化度は28〜38%であるこ
とが望ましい。いずれも下限を下回ると、熱収縮率が大
きくなるし、一方上限を上回るとフイルムの耐磨耗性が
悪化し、ロールやガイドピン表面と摺動した場合に白粉
が生じやすくなる。
【0056】本発明の積層フイルムは、被覆層Cの表面
に、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング
等の方法により、鉄、コバルト、クロム又はこれらを主
成分とする合金もしくは酸化物より成る強磁性金属薄膜
層を形成し、またその表面に、目的、用途、必要に応じ
てダイアモンドライクカーボン(DLC)等の保護層、
含フッ素カルボン酸系潤滑層を順次設け、更に熱可塑性
樹脂層B側の表面に公知のバックコート層を設けること
により、特に短波長領域の出力、S/N,C/N等の電
磁変換特性に優れ、ドロップアウト、エラーレートの少
ない高密度記録用蒸着型磁気記録媒体とすることが出来
る。この蒸着型電磁記録媒体は、アナログ信号記録用H
i8、ディジタル信号記録用ディジタルビデオカセット
レコーダー(DVC)、データ8ミリ、DDSIV用テー
プ媒体として極めて有用である。
【0057】本発明の積層フイルムは、また、被覆層C
の表面に、鉄又は鉄を主成分とする針状微細磁性粉をポ
リ塩化ビニール、塩化ビニール・酢酸ビニール共重合体
等のバインダーに均一分散し、磁性層厚みが1μm以
下、好ましくは0.1〜1μmとなるように塗布し、更
に熱可塑性樹脂層B側の表面に公知の方法でバックコー
ト層を設けることにより、特に短波長領域での出力、S
/N,C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウ
ト、エラーレートの少ない高密度記録用メタル塗布型磁
気記録媒体とすることが出来る。また、必要に応じて層
Aの上に、該メタル粉含有磁性層の下地層として微細な
酸化チタン粒子等を含有する非磁性層を磁性層と同様の
有機バインダー中に分散、塗設することもできる。この
メタル塗布型磁気記録媒体は、アナログ信号記録用8ミ
リビデオ、Hi8、βカムSP、W―VHS、ディジタ
ル信号記録用ディジタルビデオカセットコーダー(DV
C)、データ8ミリ、DDSIV、ディジタルβカム、D
2、D3、SX等用テープ媒体として極めて有用であ
る。
【0058】本発明の積層フイルムは、また、被覆層C
の表面に、酸化鉄又は酸化クロム等の針状微細磁性粉、
又はバリウムフェライト等の板状微細磁性粉をポリ塩化
ビニール、塩化ビニール・酢酸ビニール共重合体等のバ
インダーに均一分散し、磁性層厚みが1μm以下、好ま
しくは0.1〜1μmとなるように塗布し、更に熱可塑
性樹脂層B側の表面に公知の方法でバックコート層を設
けることにより、特に短波長領域での出力、S/N,C
/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、エラー
レートの少ない高密度記録用蒸着型磁気記録媒体とする
ことが出来る。また、必要に応じて層Aの上に、該メタ
ル粉含有磁性層の下地層として微細な酸化チタン粒子等
を含有する非磁性層を磁性層と同様の有機バインダー中
に分散、塗設することも出来る。この酸化物塗布型磁気
記録媒体は、ディジタル信号記録用データストリーマー
用QIC等の高密度酸化物塗布型磁気記録媒体として有
用である。
【0059】上述のW―VHSはアナログのHDTV信
号記録用VTRであり、またDVCはディジタルのHD
TV信号記録用として適用可能なものであり、本発明の
フイルムはこれらHDTV対応VTR用磁気記録媒体に
極めて有用なベースフイルムと言うことができる。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。尚、本発明において用いた測定法は次の通りであ
る。
【0061】(1)固有粘度 オルソクロロフェノール溶媒中35℃で測定した値から
求める。
【0062】(2)粒子の平均粒径I(平均粒径:0.
06μm以上) 島津製作所製CP―50型セントリフューグル パーテ
ィクル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle
Size Analyzer)を用いて測定する。得られる遠心沈降
曲線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算
曲線から、50マスパーセントに相当する粒径「等価球
直径」を読み取り、この値を上記平均粒径とする(Book
「粒度測定技術」日刊工業新聞発行、1975年、頁2
42〜247参照)。
【0063】(3)粒子の平均粒径II(平均粒径:0.
06μm未満) 小突起を形成する平均粒径0.06μm未満の粒子は、
光散乱法を用いて測定する。即ち、Nicomp In
struments Inc.社製のNICOMP M
ODEL 270 SUBMICRON PARTIC
LE SIZER により求められる全粒子の50重量
%の点にある粒子の「等価球直径」をもって表示する。
【0064】(4)体積形状係数f 走査型電子顕微鏡により用いたサイズに応じた倍率にて
各粒子の写真を撮影し、画像解析処理装置ルーゼックス
500(日本レギュレーター製)を用い、投影面最大径
及び粒子の体積を算出し、次式により算出する。
【0065】
【数5】f=V/D3 式中、fは体積形状係数、Vは粒子の体積(μm3 )、
Dは投影面の最大径(μm)を表す。
【0066】(5)フイルムの表面突起頻度 フイルム表面の突起頻度の測定は走査型電子顕微鏡によ
り行う。即ち、積層フイルムの表面写真を倍率3000
0倍にてランダムに30枚撮影し、表面突起頻度をカウ
ントし、その平均値より1mm2 当たりの突起数に換算
し、この値をフイルムの表面突起頻度とする。
【0067】(6)層厚み 1)熱可塑性樹脂層A、Bの厚み及び全体の厚み フイルムの全体の厚みはマイクロメーターにてランダム
に10点測定し、その平均値を用いる。層A、Bの厚み
は、薄い側の層厚みを以下に述べる方法にて測定し、ま
た厚い側の層厚みは全体の厚みより被覆層及び薄い側の
層厚みに引き算して求める。即ち、二次イオン質量分析
装置(SIMS)を用いて、被覆層を除いた表層から深
さ5000nmの範囲のフイルム中の粒子の内最も高濃
度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元素の濃
度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から深さ50
00nmまで厚さ方向の分析を行う。表層では表面とい
う界面の為に粒子濃度は低く、表面から遠ざかるにつれ
て粒子濃度は高くなる。本発明の場合、粒子濃度は一旦
安定値1になった後、上昇或いは減少して安定値2にな
る場合と、単調に減少する場合とがある。この分布曲線
をもとに、前者の場合は、(安定値1+安定値2)/2
の粒子濃度を与える深さをもって、また後者の場合は粒
子濃度が安定値1の1/2になる深さ(この深さは安定
値1を与える深さよりも深い)をもって、当該層の層厚
みとした。
【0068】測定条件は以下の通りである。 測定装置 二次イオン質量分析装置(SIMS);PERKIN
ELMER社製 6300 測定条件 一次イオン種 :O2+ 一次イオン加速電圧:12KV 一次イオン電流:200nA ラスター領域 :400μm□ 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :6.0×10-9Torr E―GUNN :0.5KV―3.0A 尚、表層から5000nmの範囲に最も多く含有する粒
子がシリコーン樹脂以外の有機高分子粒子の場合はSI
MSでは測定が難しいので、表面からエッチングしなが
らFT―IR(フーリエトランスフォーム赤外分光
法)、粒子によってはXPS(X線高電子分光法)等で
上記同様の濃度分布曲線を測定し、層厚を求める。 2)被覆層Cの厚み フイルムの小片をエポキシ樹脂にて固定成形し、ミクロ
トームにて約600オングストロームの厚みの超薄切片
(フイルムの流れ方向に平行に切断する)を作成する。
この試料を透過型電子顕微鏡(日立製作所製:H―80
0型)にて観察し、被覆層Cの境界面を捜して被覆の層
の厚みを求める。
【0069】(7)フイルム表面のうねり状突起 WYKO社製非接触三次元粗さ計(TOPO―3D)を
用いて、うねり状突起の大きさ、高さに応じ、測定倍率
40倍、測定面積234μm×240μm(0.056
mm2 )、又は測定倍率10倍、測定面積956μm×
980μm(0.937mm2 )にて測定し、得られた
三次元粗さチャートより、うねりの高さ、平均幅を読み
取る。尚、測定はフイルムの長手方向に対し5〜10度
の方向に切り出したサンプルにて行った。
【0070】(8)中心面平均粗さ WRa WYKO社製非接触3次元粗さ計(TOPO―3D)を
用いて測定倍率40倍、測定面積242μm×239μ
m(0.058mm2 )の条件にて測定を行ない、同粗
さ計内臓ソフトによる表面解析より、WRaは以下の式
により計算されアウトプットされた値を用いる。
【0071】
【数6】
【0072】また、Zjkは測定方向(242μm)、そ
れと直行する方向(239μm)をそれぞれM分割、N
分割したときの各方向のj番目、k番目の位置に於ける
3次元粗さチャート上の高さである。
【0073】(9)突起高さ Digital Instruments社製原子間力
顕微鏡(AFM)Nano ScopeIIを用いて、2
μm×2μmの面積を256ライン×256ピクセの画
素数て測定し、算出されるRz(十点平均粗さ)を突起
高さとする。
【0074】(10)ヤング率 東洋ボールドウィン社製の引っ張り試験機テンシロンを
用いて、温度20℃、湿度50%に調節された室内に於
いて、長さ300mm、幅12.7mmの試料フイルム
を、10%/分のひずみ速度で引っ張り、引っ張り応力
―ひずみ曲線の初めの直線部分を用いて次ぎの式によっ
て計算する。
【0075】
【数7】E=Δσ/Δε ここで、Eはヤング率(kg/mm2 )、Δσは直線上
の2点間の元の平均断面積による応力差、Δεは同じ2
点間のひずみ差である。
【0076】(11)巻き取り性 スリット時の巻き取り条件を最適化後、幅700mm×
長さ10000mのサイズで、30ロールを速度100
m/minでスリットし、1週間放置後の、フイルムシ
ワの発生状況を巻芯層まで精査し、シワのないロールを
良品として、以下の基準にて巻き取り性を評価する。
【0077】
【0078】(12)磁気テープの製造及び特性評価 二軸配向積層フイルムの被覆層Cの表面に、真空蒸着法
により、コバルト100%の強磁性薄膜を0.02μm
の厚みになるように2層(各層厚約0.1μm)形成
し、その表面にダイアモンドライクカーボン(DLC)
膜、更に含フッ素カルボン酸系潤滑層を順次設け、更に
熱可塑性樹脂B側の表面に公知方法でバックコート層を
設ける。その後、8mm幅にスリットし、市販の8mm
ビデオカセットにローディングする。次いで、以下の市
販の機器を用いてテープの特性を測定する。
【0079】使用機器: 8mmビデオテープレコーダー ソニー(株)製EDV
―6000 C/N測定:シバソク(株)製ノイズメーター C/N測定 記録波長0.5μm(周波数約7.4MHz)の信号を
記録し、その再生信号の6.4MHzと7.4MHzの
値の比をそのテープのC/Nとし、市販8mmビデオ用
蒸着テープのC/NをOdBとし、相対値で表す。 走行耐久性 40℃、80%RHでテープ走行速度85cm/分で記
録再生を500回繰り返した後C/Nを測定し、初期値
からのずれを次の基準で判定する。 ◎:基準値に対して+0.0dB以上 ○: 〃 −1.0dB〜+0.0dB ×: 〃 −1.0dB未満。 スチル特性 前記した蒸着テープに4.2MHzの映像信号を記録
し、この再生出力が50%に減衰するまでの時間を測定
する。この時間より次の基準で判定する。 ◎:50%に減衰時間が120分以上 ○: 〃 60分〜120分 ×: 〃 60分未満。
【0080】[実施例1]ジメチルテレフタレートとエ
チレングリコールとを、エステル交換触媒として酢酸マ
ンガンを、重合触媒として三酸化アンチモンを、安定剤
として亜燐酸を、更に滑剤として表1に示す不活性粒子
を添加して常法により重合し、固有粘度0.60の層A
用、及び層B用のポリエチレンテフタレート(PET)
(それぞれ樹脂A、樹脂B)を得た。
【0081】この樹脂A、樹脂Bをそれぞれ170℃で
3時間乾燥後、2台の押出し機に供給し、溶融温度28
0〜300℃にて溶融し、マルチマニホールド型共押出
しダイを用いて、樹脂層Aの片面に樹脂層Bを積層さ
せ、急冷して厚さ87μmの未延伸積層フイルムを得
た。
【0082】得られた未延伸フイルムを予熱し、更に低
速・高速のロール間でフイルム温度100℃にて3.3
倍に延伸し、急冷し、次いで縦延伸フイルムの層A面側
に表2のバインダー樹脂及び粒子Cを含む水性塗液(全
固形分濃度1.5重量%、界面活性剤としてHLB値1
7.1のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを
全固形分中15重量%含有)をキスコート法により塗布
し、続いてステンターに供給し、110℃にて横方向に
4.2倍に延伸した。得られた二軸延伸フイルムを22
0℃の熱風で4秒間熱固定し、厚み6.3μmの積層二
軸配向ポリエステルフイルムを得た。各層の厚みについ
ては、2台の押出し機の吐出量により調整した。このフ
イルムのヤング率は縦方向500kg/mm2 、横方向
700kg/mm2 であった。
【0083】この積層二軸配向フイルムの表面特性、層
Aの厚みtA と層Bが含有する不活性粒子のうち、最も
大きい粒子の平均粒径dB との比tA /dB 、巻き取り
性、このフイルムを用いた強磁性薄膜蒸着磁気テープの
特性を表3に示す。
【0084】[実施例2〜4、比較例1〜7、9]被覆
層Cのバインダー樹脂及び粒子、熱可塑性樹脂粒子層
A、Bに含有される粒子と層厚みを表1、2に示すよう
に変更する以外は実施例1と同様の方法で、積層二軸配
向ポリエステルフイルムを得た。但し、比較例4は被覆
層Cを設けなかった。また、比較例9は単層構造のフイ
ルムである。この様にして得られたフイルムの特性、及
びこれらのフイルムを用いた強磁性薄膜蒸着磁気テープ
の特性を表3に示す。
【0085】[実施例5〜9、比較例8]表1に示す粒
子Bを用い、かつジメチルテレフタレートの代わりに
2,6―ナフタレンジカルボン酸ジメチルを同モル量使
用した以外は実施例1と同様の方法で層A、層B用のポ
リエチレン―2,6―ナフタレート(PEN)(樹脂
A、樹脂B)を得た。
【0086】この樹脂A、樹脂Bをそれぞれ170℃で
6時間乾燥後、実施例1と同様にして各層厚みを調整
し、各実施例、比較例を満たす未延伸積層フイルムを得
た。
【0087】この様にして得られた未延伸フイルムを予
熱し、更に低速・高速のロール間でフイルム温度135
℃にて3.6倍に延伸し、急冷し、次いで表2に示す被
覆層Cの水性塗液を実施例1と同様に塗布し、続いてス
テンターに供給し、155℃にて横方向に6.0倍に延
伸した。得られた二軸延伸フイルムを200℃の熱風で
4秒間熱固定し、厚み4.6μmの積層二軸配向ポリエ
ステルフイルムを得た。これらのフイルムのヤング率は
縦方向560kg/mm2 、横方向1100kg/mm
2 であった。但し、実施例5は縦倍率4.0×横倍率
5.0とし、積層二軸配向ポリエステルフイルムのヤン
グ率は、縦方向600kg/mm2 、横方向900kg
/mm2 であった。この様にして得られたフイルムの特
性、及びこれらのフイルムを用いた強磁性薄膜蒸着磁気
テープの特性を表3に示す。
【0088】表3から明らかなように、本発明による積
層フイルムは、片面が非常に平坦で優れた電磁変換特性
を示すとともに、被覆層Cに含有される特定形状の微細
粒子と、電磁変換特性に悪影響を与えない、高さが低
く、幅の大きいうねり状突起の相乗効果によって磁気記
録媒体としたときの高温高湿走行耐久性及びスチル特性
に極めて優れ、また、極めて優れたベースフイルムの巻
取性も兼ねそなえている。一方、本発明の要件を満たさ
ないものは、これらの特性を同時に満足できていない。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、巻取り性、易滑性、ハ
ンドリング性に優れ、特に電磁変換特性、ドロップアウ
ト、磁性層の走行性、耐久性の優れた高密度磁気記録媒
体用として用いるのに有用な積層フイルムを提供するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 EPAT(QUESTEL) WPI/L(QUESTEL)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に粒子を含有しない熱可塑性樹脂
    層Aの一方の表面に不活性粒子を含有する熱可塑性樹
    脂層Bが積層され、そして該熱可塑性樹脂層Aのもう一
    方の表面に平均粒径10〜50nm、体積形状係数
    (f)0.1〜π/6の不活性粒子Cを含有する被覆層
    Cが積層されている積層フイルムであって、該被覆層C
    の表面が、該不活性粒子Cを核とする、高さが不活性
    粒子Cの平均粒径の30%以上200%未満の微細突起
    を200万〜2000万個/mm2の頻度で有し、さら
    にフイルム長手方向に対し0±10度の方向で、高さ2
    〜85nm、平均幅20〜500μmのうねり状突起を
    4〜2500個/mm2の頻度で有することを特徴とす
    る積層フイルム。
  2. 【請求項2】 不活性粒子Bが単独粒子又は大きさの違
    う2種以上粒子からなり、単独粒子の平均粒径又は2種
    以上の粒子のうち最も大きい粒子の平均粒径と熱可塑性
    樹脂層Aの厚みが下記式1を満足する請求項1に記載の
    積層フイルム。 【数1】4≦tA /dB ≦40 ……1 ここで、tA は熱可塑性樹脂層Aの厚み(μm)であ
    り、dB は単独粒子の平均粒径(μm)又は2種以上の
    粒子のうち最も大きい粒子の平均粒径(μm)である。
  3. 【請求項3】 不活性粒子Bの、単独粒子の平均粒径又
    は2種以上の粒子のうち最も大きい粒子の平均粒径が
    0.2〜1μmである請求項2に記載の積層フイルム。
  4. 【請求項4】 被覆層Cの表面の中心面平均粗さWRa
    C が10nm以下である請求項1に記載の積層フイル
    ム。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂層Bの表面の中心面平均粗
    さWRaB が2nm以上15nm未満である請求項1に
    記載の積層フイルム。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂層Aの厚みが0.8μm以
    上で、熱可塑性樹脂層Bの厚みが不活性粒子Bの平均粒
    径dB の1/2倍以上である請求項1又は2に記載の積
    層フイルム。
  7. 【請求項7】 積層フイルムの全厚みが2.5〜20μ
    mである請求項1に記載の積層フイルム。
  8. 【請求項8】 層A及び層Bの熱可塑性樹脂がそれぞれ
    芳香族ポリエステルである請求項1に記載の積層フイル
    ム。
  9. 【請求項9】 芳香族ポリエステルがポリエチレンテレ
    フタレート又はポリエチレン―2,6―ナフタレンジカ
    ルボキシレートである請求項8に記載の積層フイルム。
  10. 【請求項10】 磁気記録媒体のベースフイルムである
    請求項1に記載の積層フイルム。
  11. 【請求項11】 磁気記録媒体が金属薄膜型磁気記録媒
    体である請求項10に記載の積層フイルム。
  12. 【請求項12】 磁気記録媒体が磁性層の厚みが1μm
    以下の塗布型磁気記録媒体である請求項10に記載の積
    層フイルム。
  13. 【請求項13】 磁気記録媒体がデイジタル信号記録型
    磁気記録媒体である請求項10、11又は12に記載の
    積層フイルム。
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