JP3194615B2 - 洞道の補修方法 - Google Patents

洞道の補修方法

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JP3194615B2
JP3194615B2 JP06639992A JP6639992A JP3194615B2 JP 3194615 B2 JP3194615 B2 JP 3194615B2 JP 06639992 A JP06639992 A JP 06639992A JP 6639992 A JP6639992 A JP 6639992A JP 3194615 B2 JP3194615 B2 JP 3194615B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地中に構築されその壁
面が断面縦長の略矩形状であり、電気ケーブルや導水管
等の諸設備が前記壁面の側面に設けられたラックに支持
された状態で配されている洞道の、前記壁面を補修する
洞道の補修方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、都市機能の整備や美観を図るた
め、種々の電気ケーブルや水道の導水管等の諸設備は、
地中に構築された洞道内を通されることが多くなってき
ている。この洞道は、その壁面が打設コンクリートによ
って構築され、その壁面の両側の部分、つまり側面に設
けられたラックに、前記諸設備が支持されている。
【0003】ところで、このような洞道は、年数を経る
につれ、漏水、振動等に起因して壁面をなすコンクリー
トの劣化が進行し、補修の必要が生じてくる。従来、こ
の洞道を補修するにあたっては、コンクリート壁面に沿
って鉄筋を配し、かつその周囲に型枠を設置した後、型
枠内にコンクリートを打設するといった手段が一般に採
用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、通常、洞道
内の幅は狭く、上記のようにコンクリートを現場打設す
るには、ラックに支持させていた前記諸設備を洞道の中
央よりに移設させた状態で、鉄筋の配筋、型枠の設置を
行わなければならず、その作業スペースを確保するには
きわめて困難であるとともに、作業スペースに余裕もな
いことから危険を伴い、かつ工期も長期化するといった
課題があった。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、狭い洞道内の作業スペースであってもそ
のコンクリート壁面の補修を容易に、かつ短期で行うこ
とができる洞道の補修方法を提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであって、その洞道の補修方法
としては、地中に構築されその壁面が略矩形状であり、
電気ケーブルや導水管等の諸設備が前記壁面の側面に設
けられたラックに支持された状態で配されている洞道
の、前記壁面を補修する洞道の補修方法であって、洞道
の中央よりに設置した仮設ラックに、前記ラックから前
記諸設備を移設した後、仮設ラックと側面との間におい
て洞道の長手方向に沿って補修位置に移送させたプレキ
ャストコンクリート版からなる側版を、裏込めスペース
をあけた状態で側面に据付けるとともに、両側の側版の
下部を、底版もしくは打設コンクリートにより互いに連
結し、次いで、側面にラックを設けるとともに、このラ
ックに仮設ラックから前記諸設備を戻し、次に、前記両
側の側版上に、壁面の天井面を覆う頂版を裏込めスペー
スをあけて架け渡した状態とし、この頂版を側版上方に
おいて走行させて補修位置まで移送した後、この頂版を
両側の側版に連結し、この後、前記各裏込めスペースに
裏込め材を充填することを特徴としている。
【0007】
【作用】 本発明の洞道の補修方法によれば、作業スペー
スは小さくて済み、そのため狭い洞道内であっても容易
かつ安全に補修が可能となり、補修に要する工期も大幅
に短縮される。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。図1および図2の符号1は補修を要する洞道を
示しており、この洞道は壁面1Aが打設コンクリートに
よって構築され、その壁面1Aは、両側面2a、2b、
天井面3、底面4からなる断面略縦長の長方形状であ
る。
【0009】両側面2a、2bには、洞道1の長手方向
に間隔をおいて、両側面2a、2bに固定された支柱5
a、およびこの支柱5aと一体の架台5bからなる複数
のラック5…が固定されており、これらラック5…の各
架台5b…上に、電気ケーブル6が支持されてこの電気
ケーブル6は洞道1内を通されている。
【0010】そして、図3が、本発明にもとづいてなさ
れた洞道1の補修構造を示しており、その構造を以下に
説明する。
【0011】前記両側面2a、2bは、裏込めスペース
7aがあけられた状態で、プレキャストコンクリート版
からなる多数の側版8が並べられることにより覆われて
いる。また、天井面3は、裏込めスペース7bがあけら
れた状態で、同じくプレキャストコンクリート版からな
る、多数の頂版9が並べられることにより覆われてい
る。
【0012】前記側版8は図3および図5に示すよう
に、側面2a、2bよりもやや低い高さで、かつ、この
高さの半分程度の幅を有する縦長のもので、上端面8a
は内側に向いた斜面となっており、また、下端部は内側
に向けて湾曲している。そしてその内部には、図4に示
すように、鉄筋21が縦横に配筋されている。
【0013】側版8の側端面8bにおける上端および下
端には、ボルト締結用の継手金具11がそれぞれ埋設さ
れている。この継手金具11は、隣合う側版8どうしを
連結するためのもので、その内側には、ボルト締結をす
る際の作業用凹所12が設けられている。また、前記上
端面8aには、一定間隔をおいて複数(この場合3個)
のインサート金具13が埋設されている。このインサー
ト金具13は筒状体の内周面に雌ねじが形成されたもの
である。また、側版8における一方側の側端面8bの上
下には、図5および図6に示すように、凹所14が設け
られ、この凹所14の底面に、L字状の金具である継手
金具15がボルト16により固定されている。
【0014】さらに、側版8の下端の両側には、側版8
の高さ方向と平行にボルト17が捩込まれている。この
ボルト17は、側版8の左右の傾きを調整するもので、
図7に示すように、前記と同様のインサート金具18に
捩込まれている。また、側版8の内側に向いた下端面8
cには、上下一対とされるインサート金具19が間隔を
おいて複数埋設されている。このインサート金具19は
単なる管状のもので、側版8の内部上方に向けて所定長
さ延びている。この上下一対のインサート金具19中に
は、図9に示すように、略U字状に曲げられた鉄筋20
の両端部がそれぞれ挿入されている。
【0015】一方、上記頂版9は、図8に示すように、
両端部が内側に湾曲し、両端面9a、9aが両側の側版
8の上端面8aに接合するよう斜めに形成された断面略
コ字状のもので、図4に示すように、内部に鉄筋10
縦横に配筋されており、両側の側版8の上部に架け渡さ
れ、上記のごとくその両端面9a、9aが両側の側版8
の上端面8aにそれぞれ接合される長さを有し、その幅
は側版8と同一である。両端面9a、9aには、頂版9
を側版8に連結するためのボルト締結用の継手金具22
が複数(3個)埋設されている。これら継手金具22は、
両端面9a、9aが両側の側版8の各上端面8aにぴっ
たり合わせられた状態でインサート金具13に対応する
位置に設けられており、その内側には、内面に開口する
ボルト締結用の作業用凹所23が設けられている。
【0016】そして、上記側版8は、洞道1の壁面1A
の側面2a、2bと平行に、かつ裏込めスペース7aが
あけられた状態で多数並べられ、図6に示すように、側
面2a、2bに側版8に対応して打たれたアンカーボル
ト24が継手金具15に通され、この継手金具15とア
ンカーボルト24がナット25a、25bによって連結
されることにより、側版8は側面2a、2bに据え付け
られている。なお、この側版8を側面2a、2bに据え
付ける際には、下端のボルト17のインサート金具18
に対する捩込み量を調節して側版8の左右方向の姿勢調
整が行なわれる。
【0017】また、側版8どうしは、隣合う側端面8b
どうしが合わせられ、継手金具11どうしがボルト(図
示略)により締結されて互いに連結されている。
【0018】また、上記頂版9は、その両端面9a、9
aが両側の側版8の上端面8aにそれぞれぴったり合わ
せられ、継手金具22に挿入されたボルト25が側版8
側のインサート金具13に捩込まれることにより、両側
の側版8の上部に架け渡された状態でこれら側版8に連
結されている。
【0019】さらに、洞道1の底部における両側の側版
8間には、コンクリート26が打設されてこれら側版8
の下部が連結された状態となっている。
【0020】この打設コンクリート26の内部には、図
3および図9に示すように、両端が上方に湾曲したルー
プ状の鉄筋27が、その両端を側版8に挿入された前記
鉄筋20に重ね合わせた状態で配筋されている。双方の
鉄筋20、27の先端内側には、この先端に沿って湾曲
した円弧版状の支圧プレート28、29がそれぞれ固着
されている。
【0021】なお、上記側版8においては、図5に示す
ように、その内面8dに前記ラック5の支柱5aが嵌め
込まれる溝30が形成された側版8Aが、所定数おきに
並べられる。溝30の奥には、前記インサート金具13
と同様のインサート金具31が埋設され、このインサー
ト金具31に捩込まれるボルト(図示略)により前記支柱
5aが固定されるようになっている。また、図6および
図8に示すように、側版8の側端面8bおよび頂版9の
側端面9bには、止水用のシール材32、33がそれぞ
れ貼着される。
【0022】そして、前記裏込めスペース7a、7bに
モルタル(裏込め材)34が充填され、これにより、側版
8の凹所14内もモルタル34が充填されている。ま
た、頂版9の凹所23にもモルタル34が充填されてい
る。これにより、凹所14および23に露出する継手金
具15、ボルト16、アンカーボルト24、ナット25
a、25b、および継手金具22、この継手金具22に
挿入されるボルト(図示略)がモルタル34に覆われ、防
錆が図られている。このようにモルタル34が裏込めス
ペース7a、7bに充填され、かつコンクリート26が
底面4に打設されることにより、両側版8、頂版9は壁
面1Aと一体化され、その壁面1Aの補修がなされてい
る。この補修がなされた後、前記側版8Aの溝30
ック5が設置される。図10は洞道1の補修構造におけ
る他の実施例を示している。なお図中図3と同一構成要
素には同一の符号を付してある。
【0023】この場合、壁面1Aの底面4は上記打設コ
ンクリート26の代わりに底版35が据え付けられ、こ
の底版35によって両側の側版8が互いに連結されてい
る。側版8は、この場合下端部は湾曲しておらず単なる
平板状のものである。
【0024】底版35は、上記側版8、頂版9と同様に
プレキャストコンクリート版からなるもので、両端部が
上方に湾曲し、その両端面35a、35aが両側の側版
8の下端面8cに接合するよう形成された断面略コ字状
のものである。
【0025】そしてこの底版35は、底面4に載置され
るとともに、上記実施例で述べた継手構造と同様の構造
により、両側の側版8に対し連結され、かつ隣合うもの
どうしが互いに連結されている。
【0026】なおこの場合、底版35両端部の外方が裏
込めスペース7cとされ、ここに上記モルタル34が充
填されている。
【0027】次いで、上記のような洞道1の補修を行う
方法を、その手順にしたがい、図11を参照しながら説
明していく。
【0028】(1)まず、洞道1内の中央よりに、電気
ケーブル6を支持する仮設ラック36を設置し、この仮
設ラック36に、一方の側面2aに設置されたラック5
に支持されている電気ケーブル6を移設し、さらにラッ
ク5を撤去して、側面2aには何もない状態とする。
【0029】(2)洞道1内にマンホールから搬入した
前記側版8を、側面2aと仮設ラック36との間におい
て洞道の長手方向に沿って補修位置に移送する。
【0030】移送するにあたっては、図12に示すよう
な移送装置37を用いる。この移送装置37は、車輪3
8によってその長手方向に走行可能なフレーム39と、
このフレーム39上をこのフレーム39の長手方向に沿
ってスライド可能に設けられた基台40と、この基台4
0上に設けられ4本のリンク41が菱形状にピン結合さ
れたジャッキ42とを備えてなるもので、フレーム39
の一端に装着されたウインチ43を回動してワイヤ44
を巻いたり巻き出したりすることにより、ジャッキ42
の頂部が上下動するよう構成されている。
【0031】ジャッキ42の左右の相対向するピン45
a、45bには、ピン45a、45bとそれぞれ一体に
回動するプーリ46a、46bが取り付けられ、一方の
ピン45aには、ブラケット47が固定されている。ま
た、下側の2本のピン45c、45dにもプーリ46
c、46dがそれぞれ取り付けられている。そして、前
記ブラケット47に前記ワイヤ44の一端が係止され、
かつ各プーリ46a、46b、46c、46dに巻回さ
れたワイヤ44の他端が前記ウインチ43に係止され、
ウインチ43を矢印(イ)方向に回してワイヤ44を巻く
とジャッキ42は起立していってその頂部が上昇し、矢
印(ロ)方向に回してワイヤ44を巻き出すとジャッキ4
2は座屈してその頂部は下降するようになっている。
【0032】なお、下側のピン45c、45dの一端に
は互いに噛み合うギヤ48、49がそれぞれ一体に設け
られ、これらギヤ48、49の噛み合いにより、左右の
リンク41が対称的に作動するよう配慮されている。さ
らに、ジャッキ42のリンク41は、下側の各ピン45
c、45dに沿ってフレーム39の長手方向と直交する
方向にスライド可能となっている。
【0033】ここで、ジャッキ42の頂部には、水平座
板50が固定され、さらに、一対の鉛直座板51がフレ
ーム39の長手方向と直交する水平方向を軸として回転
自在に設けられている。水平座板50には前記頂版9が
水平に固定され、また、鉛直座板51には側版8が固定
されるようになっている。
【0034】(3)上記移送装置37によって側版8を
移送するには、フレーム39が洞道1の長手方向に沿っ
た状態で、仮設ラック36と側面2aの間における底面
4上に、側面2aに近接させて置き、側面2a側の鉛直
座板51に側版8を固定する。その場合、側版8の重心
位置である中央を鉛直座板51に固定する。これによ
り、側版8は軽微な力を与えられることにより鉛直面内
で回転自在となるが、その姿勢を横にした状態で、移送
装置37を洞道1内において走行させることにより側版
8を補修位置まで移送する。
【0035】(4)側版8を補修位置まで移送したら、
側版8を90°回転させることにより立て、かつ、ジャ
ッキ42のリンク41を側面2a側にスライドさせ、前
記ボルト17によりその姿勢を調整しながら、あらかじ
め打たれた前記アンカーボルト24を前記継手金具15
に挿入し、前記ナット25a、25bを締結して側面2
aに裏込めスペース7aをあけた状態で側版8を据え付
ける。この後、鉛直座板51と側版8の連結を外す。側
版8を据え付けるにあたっては、前記側版8Aを所定数
おきに配し、この側版8Aの溝30に、ラック5を設置
する。
【0036】(5)上記(3)、(4)を繰り返し、多
数の側版8(8A)を側面2aに移送して並べていくとと
もに、隣合う側版8どうしを継手金具11を介して互い
に連結する。
【0037】(6)以上のように片側の側面2aに多数
の側版8を据え付けたら、側版8Aに設置したラック5
に、仮設ラック36から電気ケーブル6を戻して支持さ
せるとともに、仮設ラック36上に、側面2b側の電気
ケーブル6を移設し、次いで側面2b側のラック5を撤
去して側面2bには何もない状態とする。
【0038】(7)上記(3)〜(5)と同様にして側
面2bに多数の側版8(8A)を据え付ける。そして、側
版8Aに設置したラック5に、仮設ラック36から電気
ケーブル6を戻して支持させ、この後、仮設ラック36
を洞道1内から撤去する。
【0039】(8)次いで、底面4上に前記鉄筋27
配筋した後、前記コンクリート26を打設し養生させ
る。
【0040】(9)次に、前記移送装置37を、洞道1
の長手方向に沿った状態でマンホール直下のコンクリー
ト26上に置く。ジャッキ42を上昇させて、マンホー
ルから洞道1内に搬入した前記頂版9を、その両端が側
面2a、2bに沿った状態で前記水平座板50に固定す
る。そして移送装置37を走行させ、頂版9を両側版8
の上方において最も奥に据え付けた両側版8の位置まで
移送する。
【0041】(10)次いで、頂版9を、その両端面9
aを両側の側版8の各上端面8aに合わせて両側の側版
8上に置き、前記継手金具22を介して前記ボルト25
を締結し、前記裏込めスペース7bをあけた状態で両側
の側版8に頂版9を連結する。
【0042】(11)上記(8)(9)を繰り返して両
側の側版8に頂版9を次々に連結する。
【0043】(12)以上のように、多数の側版8…の
据え付け、コンクリート26の打設、養生、多数の頂版
9…の両側の側版8に対する連結が終わったら、各裏込
めスペース7a、7bにモルタル34を注入、充填す
る。
【0044】このようにして洞道1の壁面1Aは補修さ
れる。なお、図10に示したコンクリート26の代わり
に底版35を用いる構造で補修をする際には、図13に
示すように、まず最初にこの底版35を底面4に並べ、
次いで、仮設ラック36の設置および電気ケーブル6の
移設、両側の側版8の据え付け、頂版9の連結、各裏込
めスペース7a、7b、7cへのモルタル34の充填と
いった手順となる。
【0045】また、上記のように補修区間が長く多数の
側版8…および頂版9…を据え付ける場合、頂版9の移
送手段として、特に上記移送装置37を用いず、図14
に示すように、両側の側版8の上端面8aと頂版9の両
端面9aに、洞道1の長手方向に沿って延び、かつ互い
に対向する溝52、53をそれぞれ形成し、これら溝5
2、53に嵌められたコロ54の転がりにより、両側の
側版8上を頂版9を走行させて移送するようにしてもよ
い。
【0046】そして、補修区間が短い場合、たとえば側
版8が3〜4枚程度の場合は、上記のように移送装置3
7によって側版8を移送する。
【0047】このように補修区間が短い場合、本実施例
においては図15に示すように、その補修区間のみ電気
ケーブル6を仮設ラック36に移設して壁面1Aの補修
が行える。すなわち、側版8の移送は、その姿勢を移送
装置37によって横に倒した状態とするから、移設した
電気ケーブル6が邪魔になることなくその電気ケーブル
6をくぐって補修区間の側面2a(あるいは2b)の位置
に移送させることができ、さらに、そこで90°回転さ
せて姿勢を立てた後、側版8を側面2a(2b)に据え付
けることができる。
【0048】上記各実施例による洞道1の補修構造によ
れば、プレキャストコンクリート版からなる側版8、頂
版9、さらには底版35によって壁面1Aが覆われて、
壁面1Aと側版8、頂版9及び底版35との間の裏込め
スペース7a、7b、7cにモルタル34が充填されて
一体化されるから、その強度は高くかつ止水性の向上も
図られ、この結果、長期にわたって再補修を要すること
がなくなる。
【0049】また、上記実施例の洞道1の補修方法によ
れば、プレキャストコンクリート版からなる側版8、頂
版9、あるいは底版35を移送して壁面1Aに据え付け
ていくだけなので、その作業スペースは小さくて済み、
狭い洞道1内であっても容易に洞道1の補修が可能であ
る。また、図3等に示した実施例では、底部にコンクリ
ート26を現場打設しているが、底部に打設するので、
特に型枠の設置を行わなくてもよいので、従来方法より
もその打設は容易である。そしてこのようなことから、
補修に要する工期は短期化し、かつ安全に補修が行え
る。
【0050】また、本実施例では、補修区間が短い場
合、図15に示したように、移送装置37により側版8
を横にした状態で移送することにより、移設した電気ケ
ーブル6が邪魔になることなくこの側版8を移送するこ
とができ、時間の短縮と作業の簡便化が図られる。
【0051】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明の洞道の補
修方法によれば、地中に構築されその壁面が略矩形状で
あり、電気ケーブルや導水管等の諸設備が前記壁面の側
面に設けられたラックに支持された状態で配されている
洞道の、前記壁面を補修する洞道の補修方法であって、
洞道の中央よりに設置した仮設ラックに、前記ラックか
ら前記諸設備を移設した後、仮設ラックと側面との間に
おいて洞道の長手方向に沿って補修位置に移送させたプ
レキャストコンクリート版からなる側版を、裏込めスペ
ースをあけた状態で側面に据付けるとともに、両側の側
版の下部を、底版もしくは打設コンクリートにより互い
に連結し、次いで、側面にラックを設けるとともに、こ
のラックに仮設ラックから前記諸設備を戻し、次に、前
記両側の側版上に、壁面の天井面を覆う頂版を裏込めス
ペースをあけて架け渡した状態とし、この頂版を側版上
方において走行させて補修位置まで移送した後、この頂
版を両側の側版に連結し、この後、前記各裏込めスペー
スに裏込め材を充填することを特徴とするから、作業ス
ペースは小さくて済み、そのため狭い洞道内であっても
容易かつ安全に補修が可能となり、このため、補修に要
する工期も大幅に短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】補修を要する洞道の断面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】 本発明の一実施例による補修方法によって補
修された洞道の構造を示す断面図である。
【図4】側版と頂版の連結構造を示す拡大断面図であ
る。
【図5】側版の斜視図である。
【図6】側版の側面に対する連結構造を示す拡大断面図
である。
【図7】側版の姿勢調整用ボルトを説明するための断面
図である。
【図8】頂版の斜視図である。
【図9】側版と打設コンクリートの連結構造を示す拡大
断面図である。
【図10】 本発明の他の例の補修方法によって補修さ
れた洞道の構造を示す断面図である。
【図11】本発明の補修方法の手順の概略を説明する図
である。
【図12】移送装置の斜視図である。
【図13】 前記他の例の補修方法の手順を説明する図
である。
【図14】頂版の移送方法の他の例を説明するための側
版と頂版の拡大正面図である。
【図15】短い補修区間に対し側版を移送する状態を説
明する側面図である。
【符号の説明】
1 洞道 1A 壁面 2a、2b 側面 3 天井面 4 底面 5 ラック 6 電気ケーブル 7a、7b、7c 裏込めスペース 8 側版 9 頂版 26 打設コンクリート 34 モルタル(裏込め材) 35 底版 36 仮設ラック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒沢 隆 東京都中央区八重洲2丁目6番21号 ロ ーズベイ八重洲ビル 石川島建材工業株 式会社内 (72)発明者 阪井田 修 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 林 正雄 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 中桧 新 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 前浜 光爾 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−134791(JP,A) 特公 昭61−42079(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 11/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中に構築されその壁面が略矩形状であ
    り、電気ケーブルや導水管等の諸設備が前記壁面の側面
    に設けられたラックに支持された状態で配されている洞
    道の、前記壁面を補修する洞道の補修方法であって、洞
    道の中央よりに設置した仮設ラックに、前記ラックから
    前記諸設備を移設した後、仮設ラックと側面との間にお
    いて洞道の長手方向に沿って補修位置に移送させたプレ
    キャストコンクリート版からなる側版を、裏込めスペー
    スをあけた状態で側面に据付けるとともに、両側の側版
    の下部を、底版もしくは打設コンクリートにより互いに
    連結し、 次いで、側面にラックを設けるとともに、このラックに
    仮設ラックから前記諸設備を戻し、 次に、前記両側の側版上に、壁面の天井面を覆う頂版を
    裏込めスペースをあけて架け渡した状態とし、この頂版
    を側版上方において走行させて補修位置まで移送した
    後、この頂版を両側の側版に連結し、 この後、前記各裏込めスペースに裏込め材を充填するこ
    とを特徴とする洞道の補修方法。
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