JP3194058B2 - 鋳片のバリ除去装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、熔断された鋳片のま
くれを除去することを目的とした鋳片のバリ除去装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ロータの外周部にハンマーの基部
を緩着し、ロータを回転して遠心力により、ハンマーの
先端部を鋳片のまくれに打ちつけて、まくれを除去する
まくれ除去機械が知られている（特開昭６１−２３６４
１２号）。

【０００３】またロータを挟む隣接ハンマの頭部を、ロ
ータ側へ膨出させてハンマ頭部の隙間による問題点を改
善した研究も報告されている。

【０００４】

【発明により解決すべき課題】前記公開発明は、ロータ
の厚味に相当する部分にハンマがないので、鋳片の材質
によっては、バリが残留する問題点があった。

【０００５】また、前記改善ハンマは、バリの残留をな
くする点で効果が認められたが、改善されたハンマ頭部
に欠損を生じ易く、ハンマの耐久性に新たな問題点を生
じた

【０００６】。

【課題を解決するための手段】然るにこの発明は、隣接
ハンマの回転軌跡を互いに重複させるように配置するこ
とによって、前記従来の問題点を解決したのである。

【０００７】即ちこの発明は、直線移動する鋳片のバリ
を除去する為に、ロータに緩着したハンマを用いる装置
において、回転軸へ２個乃至４個の取付け突部を等間隔
に設けた２個１組のロータを複数組固定し、隣接ロータ
の取付け突部のピッチをハンマが互いに接触しない間隔
にずらすと共に、各ロータの組毎に、取付け突部に支軸
を架設し、各支軸へハンマの基部を緩着し、前記隣接し
たロータの各組のハンマは、その回転軌跡を重ねるべ
く、各ロータを交互に配置させたことを特徴とする鋳片
のバリ除去装置である。またロータは回転軸へ等間隔に
固定されたものである。

【０００８】前記において、回転軸は鋳片の進行方向に
直角かつ平行に架設され、鋳片の進行に伴い上昇してバ
リを取り、ついで下降することは、先行技術（特開昭６
１−２３６４１２号）と同一である。従ってハンマがバ
リ取りの目的以外に鋳片面を打撃するおそれはない。

【０００９】前記ロータの取付け突部は、２個乃至５個
とすることができるが、２個では間隔が広くなり、５個
では間隔が狭くなるので（必要間隔をとるには、ロータ
径を大径にする）、３〜４個が好適である。

【００１０】前記のように、この発明においては、ハン
マ頭の回転軌跡を重複させたので、ハンマ頭の形状を変
化させることなく、ロータの存在によるバリ取り間隙を
皆無にすることができる。またハンマの形状を全部同一
にすることができるので、互換性があり、部品点数が少
なくなるのみならず、組立てに際し、特に留意する必要
がない。更にロータを等間隔に配置すれば、バランスが
よくなる。

【００１１】

【作用】この発明によれば、ロータの隣接組におけるハ
ンマの頭部回転軌跡を重複させたので、バリ取り作用が
全体一様に行われ、残留バリを皆無にすることができ
る。 またハンマは全部同一形状であるから、回転バラ
ンスがよいのみならず、部品点数の減少し、組立も容易
である。

【００１２】

【実施例】この発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

【００１３】水平に架設された回転軸１へ、カラー２、
２を介して、ロータ３（３ａ、３ｂ、３ｃ、３ｄ、３
ｅ、３ｆ、３ｇ、３ｈ、３ｉ）を等間隔に固定する。前
記ロータ３の周縁には、夫々３個の取付け突部４（４
ａ、４ｂ、４ｃ）を設け、隣接ロータ３の各取付け突部
４は、夫々半ピッチ宛ずらして固定してある。従ってそ
の側面図は図２のように６個の取付け突部４が現われて
いる。このようにすれば、１つおきに取付け突部４が重
なるので、全体として共通の軸５、５を挿通し、各軸５
であって、一組のロータ３ａと３ｃ、３ｂと３ｄ、３ｃ
と３ｅ、３ｄと３ｆ、３ｅと３ｇ、３ｆと３ｈ、３ｇと
３ｉの間に、夫々５本のハンマ６、６を緩着する。前記
ハンマ６、６の基部に設けた軸孔７、７の内径は、前記
軸５、５の外径より大きく形成してあるので、ハンマ
６、６は、回転方向はもとより、放射方向に対しても移
動可能である。

【００１４】前記実施例において、図３中鋳片８が矢示
９の方向より送られ、鋳片８の切断面８ａの下面のバリ
１０が、前記回転軸１の上方を通過する直前に、回転軸
１が矢示１１のように上昇すると共に、回転軸１が矢示
１３のように回転し遠心力により放射状に拡開したハン
マ６の頭部６ａが、前記バリ１０に衝突し、これを除去
する。この場合に、隣接ハンマ６の回転軌跡は互いに重
複しているので、各ハンマ６の頭部６ａは、相互に近接
し、かつ均等にバリ１０に衝突し、バリ１０を確実に除
去することができる。斯くてバリ１０を除去すれば、回
転軸１は矢示１２のように下降するので、不必要に鋳片
８の下面を叩くおそれはない。

【００１５】

【発明の効果】この発明は、隣接ハンマの回転軌跡を互
いに重複させたので、ロータの有無に拘らず、バリに対
し、ハンマが均等に衝突し、バリを確実に除去する効果
がある。 然して各ハンマは同一形状であるから互換性
があり、組立ても容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例の一部を省略した正面図。

【図２】同じく一部を切断した側面図。

【図３】同じく使用状態の一部を省略した側面図。

【符号の説明】

１ 回転軸 ２ カラー ３ ロータ ４ 取付け突部 ５ 軸 ６ ハンマ ７ 軸孔 ８ 鋳片 １０ バリ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B23D 79/00 B22D 11/126 B23C 3/12

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 直線移動する鋳片のバリを除去する為
   に、ロータに緩着したハンマを用いる装置において、回
   転軸へ２個乃至４個の取付け突部を等間隔に設けた２個
   １組のロータを複数組固定し、隣接ロータの取付け突部
   のピッチをハンマが互いに接触しない間隔にずらすと共
   に、各ロータの組毎に、取付け突部に支軸を架設し、各
   支軸へハンマの基部を緩着し、前記隣接したロータの各
   組のハンマは、その回転軌跡を重ねるべく、各ロータを
   交互に配置させたことを特徴とする鋳片のバリ除去装
   置。
2. 【請求項２】 ロータは回転軸へ等間隔に固定された請
   求項１記載の鋳片のバリ除去装置。