JP3193548U - 茶道用茶室装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】炉を形成するための床面の掘り下げ施工を不要とし、炉壇を畳面よりも低い茶道本来の位置とすることができ、簡単に各種の茶室間取りを組むことができ、建売住宅やマンション内、又は公共スペース等での茶道の点法(点前)、又はその稽古に好適に用いることができる茶道用茶室装置を提供する。【解決手段】炉壇用枠体7が内部に仕切り状に設けられた炉壇用台2と、炉壇用台2と同じ高さで炉壇用台2に隣接して並べられる座用台3と、炉壇用枠体7を除いた上面を覆うように炉壇用台2上に載置される炉座面4と、座用台3上に載置される座用座面とを備え、炉壇用台は、上面が開口された枡形状の炉壇用台本体と、炉壇用枠体を除く炉壇用台本体の上面を開閉自在に覆う炉壇用天面板とによって形成され、座用台は上面が開口された枡形状の座用台本体と、座用台本体の上面を開閉自在に覆う座用天面板とによって形成され、炉壇用枠体は、底面及び側面が閉鎖され上面が開口した枡形状である。【選択図】図8

Description

本考案は、住居の床面の掘り下げや部屋取り等の施工を行うことなく、簡単に各種の間取りの茶室様式を組むことができ、これにより建売住宅やマンション内、又は公共スペース等でも茶道の炉の点法(点前)、又はその稽古することを可能にした茶道用茶室装置に関する。
特許文献1には、茶会や茶道教室を近年の西洋的な生活様式に合わせて行うため、椅子に腰掛けて点法(点前)を行うための茶会具が記載されている。この茶会具は、炉付きの基台の手前に補助基台を配置し、空間部に椅子を置いて点法(点前)者が腰掛けてお茶を点て、客は基台の外側に置いた椅子に腰掛けて対座するものである。
しかしながら、茶道では、点法(点前)畳に対して左右どちらの足から進むのか、何歩で座るのか、どのように回るか等の作法をも稽古するものであり、また、点法(点前)をする者が点法(点前)畳のどの位置に座るかにより膝前の空間が広すぎたり、狭すぎたりして点法(点前)に不都合が生じることもあるため、座る位置や座り方、座る向きの稽古をもするものであり、更には膝前のどの位置に茶碗や茶器を置くかということも稽古するものである。このため、実際の床面の上を歩いて正座して稽古を行う必要があり、椅子に腰掛けて点法(点前)を行う特許文献1の茶会具は、茶道の歩き方や座る位置、道具を置く位置の稽古には適さないものである。
以上のように茶道の点法(点前)、又はその稽古では、実際に畳を用いて行う必要があるが、この場合には、部屋の床面を掘り下げて炉を設けるための炉壇を施工することが必要となる。このような炉壇の施工は、床面を掘り下げる工事が必要であり、建売住宅やマンション内、又は公共スペース等では不可能である。
特許文献2には、茶を点てるための置炉についての発明が開示されている。この置炉は、茶釜を受け入れる炉本体と、炉本体の上部の周囲から張り出す載置用板とからなり、載置用板の高さを畳への正座状態に対して所定の高さとするものである。このような置炉を畳敷きの部屋に置き、置炉を中心にして正座する位置を設定することにより茶会を行うものであり、これにより炉壇を形成するための部屋への施工が不要となる。
しかしながら特許文献2では、置炉が畳上に置かれることから炉が畳面よりも低く設けられる実際の茶室とは構造が異なったものとなり、炉の点法(点前)、又はその稽古としては不十分であるという欠点がある。すなわち、畳上に置かれた置炉の場合には、実際の炉(本炉)を用いた稽古とは釜の高さや柄杓を置く位置が大きく異なるため、釜に柄杓を置く際の点法(点前)者の手の位置や所作が異なり、柄杓の持ち方も異なってくるため、本炉での点法(点前)、又はその稽古とは異なる。又、置炉が高い位置となるため障壁となって点法(点前)者の動作を見ることができず、点法(点前)者以外の者が点法(点前)者の動作を見て学ぶこともできず、茶道の点法(点前)、又はその稽古には適さないものとなる。
特開平8−187177号公報 特開平7−227356号公報
上述したように、特許文献1では床面に正座することなく椅子に腰掛けて点法(点前)を行うため、炉の点法(点前)、又はその稽古には適さないものである。一方、特許文献2においても、置炉が畳上に置かれるため、炉の点法(点前)、又はその稽古には適さないものとなる。
本考案はこのような従来の問題点を考慮してなされたものであって、炉を形成するための床面の掘り下げ施工を不要とするばかりでなく、炉壇を畳面よりも低い茶道本来の位置とすることができ、さらには簡単に各種の茶室間取りを組むことができ、建売住宅やマンション内、又は公共スペース等での茶道の点法(点前)、又はその稽古に好適に用いることが可能な茶道用茶室装置を提供することを目的とする。
本考案の茶道用茶室装置は、炉壇を設けるための炉壇用枠体が内部に仕切り状に設けられ、上面が半畳の大きさの、一畳の大きさの、又は3/4畳(台目畳)の大きさの四角形に形成された炉壇用台と、前記炉壇用台と同じ高さで、且つ上面が半畳の大きさの、一畳の大きさの、又は3/4畳(台目畳)の大きさの四角形に形成され、前記炉壇用台に隣接して並べられる座用台と、前記炉壇用枠体を除いた上面を覆うように前記炉壇用台上に載置される炉座面と、前記座用台の上面を覆うように座用台上に載置される座用座面と、を備え、前記炉壇用台は、上面が開口された枡形状の炉壇用台本体と、前記炉壇用枠体を除く炉壇用台本体の上面を開閉自在に覆う炉壇用天面板とによって形成され、前記座用台は上面が開口された枡形状の座用台本体と、前記座用台本体の上面を開閉自在に覆う座用天面板とによって形成され、前記炉壇用枠体は、底面及び側面が閉鎖され上面が開口した枡形状であることを特徴とする。
この場合、前記炉壇用天面板及び前記座用天面板の底面には、対応する前記炉壇用台及び対応する前記座用台に嵌り込む当て木が設けられることが好ましい。また前記炉壇用枠体は前記炉壇用台一の隅部又は炉壇用台の縁部の長さ方向中間部に設けられていることが好ましい。また前記炉壇用天面板の上面と前記炉壇用天面板の上面には、係合部材が配置されていることが好ましい。また少なくとも四畳半本勝手、四畳半逆勝手、本勝手台目、逆勝手台目、向切り、又は隅炉の茶室間取りのいずれか一の茶室間取りの畳取りに対応するように、前記一の炉壇用台に対して一又は複数の座用台が並べられることが好ましい。
本考案によれば、炉壇用枠体が内部に仕切り状に設けられた炉壇用台と、炉壇用台と同じ高さで炉壇用台に隣接して並べられる座用台と、炉壇用枠体を除いた上面を覆うように炉壇用台上に載置される炉座面と、座用台の上面を覆うように座用台上に載置される座用座面とを備えているため、炉を形成するための床面の掘り下げ施工をしなくても炉を畳面よりも低い茶道本来の位置とすることができ、建売住宅やマンション内、又は公共スペース等での茶道の点法(点前)、又はその稽古に好適に用いることができる。
又、炉壇用台と座用台との向きと組み合わせを適宜変更することにより、四畳半本勝手、四畳半逆勝手、本勝手台目、逆勝手台目、逆勝手向切り、本勝手隅炉又は逆勝手台目隅炉といった各種の茶室間取りを簡単に組むことができ、建売住宅やマンション内、又は公共スペース等での茶道の点法(点前)、又はその稽古だけでなく、四畳半本勝手、四畳半逆勝手、本勝手台目、逆勝手台目、逆勝手向切り、本勝手隅炉又は逆勝手台目隅炉といった各種の茶室間取りでの点法(点前)、又はその稽古を必要とする茶道教場においても好適に用いることができる。
本考案の実施形態における半畳の大きさの炉壇用台及び炉座面を示す分解斜視図である。 本考案の実施形態における一畳の大きさの炉壇用台及び炉座面を示す分解斜視図である。 本考案の実施形態における3/4畳(台目畳)の大きさの炉壇用台及び炉座面を示す分解斜視図である。 本考案の実施形態における一畳の大きさの炉壇用台及び炉座面を示す分解斜視図である。 本考案の実施形態における一畳の大きさの座用台及び座用座面を示す分解斜視図である。 本考案の実施形態における3/4畳(台目畳)の大きさの座用台及び座用座面を示す分解斜視図である。 本考案の実施形態における半畳の大きさの座用台及び座用座面を示す分解斜視図である。 本考案の実施形態が適用される四畳半本勝手の茶室間取りを示す斜視図である。 本考案の実施形態が適用される四畳半本勝手の茶室間取りを示す平面図である。 本考案の実施形態が適用される四畳半逆勝手の茶室間取りを示す平面図である。 本考案の実施形態が適用される本勝手台目の茶室間取りを示す平面図である。 本考案の実施形態が適用される逆勝手台目の茶室間取りを示す平面図である。 本考案の実施形態が適用される逆勝手向切りの茶室間取りを示す平面図である。 本考案の実施形態が適用される本勝手隅炉の茶室間取りを示す平面図である。 本考案の実施形態が適用される逆勝手台目隅炉の茶室間取りを示す平面図である。
本考案の茶道用茶室装置1は、図1〜図4に示す炉壇用台2と、図5〜図7に示す座用台3と、炉壇用台2上に載置される炉座面4と、座用台3上に載置される座用座面5とを備えている。炉壇用台2は一つが用いられ、座用台3はこの炉壇用台2に対して一又は複数が隣接して並べられる。
炉壇用台2は上面が半畳の大きさの、一畳の大きさの、又は3/4畳(台目畳)の大きさの四角形に形成されており、茶室間取りの畳取りに合わせていずれかの炉壇用台2が用いられる。図1は平面視が半畳の大きさの四角形に形成された炉壇用台2A、図2は平面視が一畳の大きさの四角形に形成された炉壇用台2B、図3は平面視が3/4畳(台目畳)の大きさの四角形に形成された炉壇用台2Cを示す。又、図4は後述する炉壇用枠体7が一の縁部に位置した平面視が一畳の大きさの四角形に形成された炉壇用台2Dを示す。
炉壇用台2(2A、2B、2C、2D)においては、上述した畳寸法に合わせた炉壇用台本体21(21A、21B、21C、21D)と、炉壇用台本体21(21A、21B、21C、21D)の上面に設けられる炉壇用天面板23(23A、23B、23C、23D)とを備えている。図1〜図3に示す炉壇用台本体21A、21B、21Cの内部には、炉壇用枠体7が一の隅部に形成されている。又、図4に示す炉壇用台本体21Dにおいては、その内部に炉壇用枠体7が一の縁部の長さ方向の中間部に形成されている。炉壇用枠体7は炉壇用台本体21(21A、21B、21C、21D)の内部に設けられるものであり、平面視が正方形の立方枠形状に形成されると共に、炉壇用台本体21A、21B、21C、21Dの上下寸法よりも小さな上下寸法となっている。又、炉壇用枠体7は、茶道で用いる炉縁12を設置したときにその上面が炉壇用台本体21A、21B、21C、21Dの上面と同じ面となるように設けられる。炉壇用枠体7は、内部に炉壇11を設けるためのものであり、このため、詳細な図示を省略した炉壇、五徳及び灰、若しくは電熱器と炉縁等の炉の構成部材が内部にセットされる。尚、炉壇用枠体7を耐火素材とした場合には、炉壇用枠体7が炉壇の役割を果たすため炉壇は不要である。
炉壇用台本体21(21A、21B、21C、21D)は上面が開口された枡形状に形成されており、底面は封鎖されている。このような炉壇用台本体21(21A、21B、21C、21D)の内部は、炉壇用枠体7を除く部分が空洞状となっており、この空洞部分を収納庫として用いることができ、上述した炉の構成部材や柄杓、茶碗、茶筅等の茶道の点法(点前)、又はその稽古に使用する茶道具を収納するようになっている。
炉壇用台2における炉壇用天面板23(23A、23B、23C、23D)は、炉壇用枠体7を除く炉壇用台本体21(21A、21B、21C、21D)に合わせた大きさ及び形状に形成されており、これにより炉壇用枠体7を除く炉壇用台本体21(21A、21B、21C、21D)の上面を開閉自在に覆うようになっている。すなわち炉壇用天面板23A、23B、23C、23Dは、炉壇用台2A、2B、2C、2Dの四角形から炉壇用枠体7に対応した大きさ及び形状を切り欠くことにより形成されるものであり、図1〜図4の符号24A、24B、24C、24Dで示す切り欠き部を有している。かかる炉壇用天面板23(23A、23B、23C、23D)が炉壇用台本体21(21A、21B、21C、21D)の上面を覆うことにより炉壇用台2を閉鎖状態として、埃等の侵入を防止することができる。以上の炉壇用天面板23(23A、23B、23C、23D)の厚さ及び炉壇用台本体21(21A、21B、21C、21D)の高さを合わせた炉壇用台2(2A、2B、2C、2D)の高さは、いずれも同じ高さとなるように形成される。
この実施形態において、炉壇用天面板23(23A、23B、23C、23D)は炉壇用台本体21(21A、21B、21C、21D)に被せられることにより炉壇用台本体21(21A、21B、21C、21D)を開閉自在に覆う構造となっており、この覆い状態を固定するための複数の当て木8が炉壇用天面板23(23A、23B、23C、23D)の底面に突出するように形成されている。炉壇用天面板23(23A、23B、23C、23D)を炉壇用台本体21(21A、21B、21C、21D)に被せることにより、当て木8が炉壇用台本体21(21A、21B、21C、21D)の内壁と当接して炉壇用天面板23(23A、23B、23C、23D)の固定を行う。かかる炉壇用天面板23(23A、23B、23C、23D)の開閉構造としては、これに限らず、炉壇用天面板23(23A、23B、23C、23D)と炉壇用台本体21(21A、21B、21C、21D)とをヒンジ軸等によって連結して開閉自在としても良い。
図1〜図4に示すように、炉座面4(4A、4B、4C、4D)は、かかる炉壇用台2(2A、2B、2C、2D)の炉壇用天面板23(23A、23B、23C、23D)上に載置される。炉座面4(4A、4B、4C、4D)は、対応した炉壇用台2(2A、2B、2C、2D)に対応する大きさに形成されるものであり、炉座面4Aは半畳の大きさの、炉座面4Bは一畳の大きさの、炉座面4Cは3/4畳(台目畳)の大きさの、炉座面4Dは一畳の大きさの大きさとなっている。この場合、各炉座面4A、4B、4C、4Dにおいては、炉壇用枠体7に対応した部分が切り欠かれており、炉壇用天面板23(23A、23B、23C、23D)上に載置されたとき、各炉座面4A、4B、4C、4Dは炉壇用枠体7を覆うことがない。図1〜図4において、符号24A、24B、24C、24Dは炉壇用枠体7に対応した切り欠き部であり、炉壇用天面板23A、23B、23C、23Dの切り欠き部24A、24B、24C、24Dに対応した位置、大きさ及び形状となっている。炉座面4(4A、4B、4C、4D)の上面は、畳面になっていることが好ましいが、これに限らず、ゴザ、カーペット、フローリング材、合成繊維を織った畳表や合成樹脂の表面に畳の目を型押ししたシート状の畳表等の他の素材を用いることができる。
このような炉壇用台2においては、各炉座面4A、4B、4C、4Dにおいては、炉壇用枠体7に対応した部分が切り欠かれており、炉壇用天面板23(23A、23B、23C、23D)上に載置されたとき、各炉座面4A、4B、4C、4Dは炉壇用枠体7を覆うことがないが、炉を使用せず風炉を使用する夏季又は茶道の点法(点前)、又はその稽古を行わない時には、切り欠き部24(24A、24B、24C、24D)に合わせた大きさ及び形状に形成された炉蓋により炉壇用枠体7(すなわち炉壇)の面を開閉自在に覆うことができる。炉蓋が炉壇用枠体7の上面を覆うことにより炉壇用枠体7を閉鎖状態として、炉を使用せず風炉を使用する夏季又は茶道の点法(点前)、又はその稽古を行わない時に埃等の侵入を防止することができる。
このような炉壇用台2においては、炉壇用枠体7が炉壇用台本体21(21A、21B、21C、21D)の内部に設けられているため、炉壇用枠体7(すなわち炉壇)が炉座面4上に位置することがなくなる。これにより、炉壇が置炉のように畳上にあることがないため、点法(点前)者の動作を見ることができる。又、湯を汲む柄杓を定位置に置くことができる。これにより茶道の点法(点前)、又はその稽古を好適に行うことができる。
図5〜図7に示すように、座用台3は上面が一畳の大きさの、3/4畳(台目畳)の大きさの又は半畳の大きさの四角形に形成されている。座用台3は一の炉壇用台2に対し、一又は複数が隣接して並べられる。このことにより茶室間取りの畳取りに合わせることができる。図5は平面視が一畳の大きさの四角形に形成された座用台3A、図6は平面視が3/4畳(台目畳)の大きさの四角形に形成された座用台3B、図7は平面視が半畳の大きさの四角形に形成された座用台3Cである。
座用台3(3A、3B、3C)においては、上述した畳寸法に合わせた座用台本体31(31A、31B、31C)と、座用台本体31(31A、31B、31C)の上面に設けられる座用天面板33(33A、33B、33C)とを備えている。
座用台本体31(31A、31B、31C)は上面が開口された枡形状に形成されており、底面が封鎖されている。座用台本体31(31A、31B、31C)は炉壇用台2の炉壇用台本体21と同様に内部が空洞状となっており、空洞部分を収納庫として用いることができ、炉の構成部材や柄杓、茶碗、茶筅等の茶道具等を収納できるようになっている。
座用天面板33(33A、33B、33C)は座用台本体31(31A、31B、31C)に合わせた大きさ及び形状に形成されており、座用台本体31(31A、31B、31C)の上面を開閉自在に覆うようになっている。座用天面板33(33A、33B、33C)が座用台本体31(31A、31B、31C)の上面を覆うことにより座用台3(3A、3B、3C)を閉鎖状態として埃等の侵入を防止することができる。
座用天面板33(33A、33B、33C)は座用台本体31(31A、31B、31C)に被せられることにより座用台本体31(31A、31B、31C)を開閉自在に覆う構造となっており、この覆い状態を固定するための当て木9が座用天面板33(33A、33B、33C)の底面に突出するように形成されている。当て木9は炉壇用台2の当て木8と同様に作用する。座用天面板33(33A、33B、33C)の開閉構造としては、これに限らず、座用天面板33(33A、33B、33C)と座用台本体31(31A、31B、31C)とをヒンジ軸等によって連結して開閉自在としても良い。
かかる座用台3(3A、3B、3C)は、炉壇用台2(2A、2B、2C、2D)と同じ高さとなるように形成されている。これにより座用台3(3A、3B、3C)を炉壇用台2(2A、2B、2C、2D)に隣接して並べたとき、座用台3(3A、3B、3C)及び炉壇用台2(2A、2B、2C、2D)が同じ高さとなることができる。
座用座面5としては、一畳の大きさの、又は3/4畳(台目畳)の大きさのものが用いられる。一畳の大きさの座用座面5Aは図5に示すように、平面視が一畳の大きさの座用台3A上に載置され、3/4畳(台目畳)の大きさの座用座面5Bは図6に示すように、平面視が3/4畳(台目畳)の大きさの座用台3B上に載置される。図7に示す平面視が半畳の大きさの座用台3Cは一畳の大きさの座用台3Aの代替として用いられるものであり、2つの半畳の大きさの座用台3Cを2つ並べたとき、一畳の大きさの座用座面5Aが載置される。座用座面5の上面は、畳面になっていることが好ましいが、これに限らず、ゴザ、カーペット、フローリング材、合成繊維を織った畳表や合成樹脂の表面に畳の目を型押ししたシート状の畳表等の他の素材を用いることができる。
図1〜図7に示すように、炉壇用天面板23(23A、23B、23C、23D)と炉座面4(4A、4B、4C、4D)との間及び座用天面板33(33A、33B、33C)と座用座面5(5A、5B)との間にはこれらを相互に係合させる係合部材10が設けられる。この実施形態において、係合部材10としては、面ファスナーが用いられている。係合部材10としての面ファスナーは炉壇用台2(2A、2B、2C、2D)における炉壇用天面板23(23A、23B、23C、23D)の上面と炉座面4(4A、4B、4C、4D)の底面の対応位置に設けられると共に、座用台3(3A、3B)における座用天面板33(33A、33B、33C)の上面と座用座面5(5A、5B)の底面の対応位置に設けられている。対応した面ファスナーが相互に係合することにより炉座面4及び座用座面5を炉壇用天面板23、座用天面板33に安定して載置することが可能となる。これにより炉壇用台2、座用台3上を移動してもこれらが位置ずれすることがなくなる。なお、図7に示す平面視が半畳の大きさの座用台3Cにおいても、その座用天面板33Cの上面に係合手段10としての面ファスナーが設けられ、座用台3C上に載置される座面を安定させることができる。かかる係合手段10としては、凹凸嵌合部材、フック部材等の他の手段を用いることができる。
次に、以上の実施形態による茶室の間取りへの適用を説明する。
図8及び図9は四畳半本勝手の茶室間取りを示す。図1に示す半畳の大きさの炉壇用台2Aを中央に配置し、炉壇用台2の周囲を囲むように図5に示す4つの一畳の大きさの座用台3Aを配置する。炉壇用台2Aの炉壇用枠体7は左隅に位置するように炉壇用台2Aの配置方向が設定される。図1に示す半畳の大きさの炉座面4Aを炉壇用台2A上に載置し、図5に示す一畳の大きさの座用座面5Aを4つの座用台3A上に載置することにより、炉壇用枠体7が畳面よりも低く、炉縁12の上面が畳面と一致する本来の茶室を形成することができる。この場合、一畳の大きさの座用台3Aに代えて、図7に示す半畳の大きさの座用台3Cを2つ組み合わせることができる。
図8及び図9の四畳半本勝手の茶室間取りでは、座用座面5A(1)を点法(点前)畳、座用座面5A(2)を踏込畳、座用座面5A(3)を客畳、座用座面5A(4)を貴人畳として茶道の点法(点前)、又はその稽古を行うことができる。
図10は四畳半逆勝手の茶室間取りであり、図9に示す四畳半本勝手の茶室間取りにおける炉壇用枠体7を右側にずらして炉壇用枠体7が右隅に位置するように畳取りを行うことにより形成することができる。この場合においても、炉壇用枠体7が畳面よりも低く、炉縁12の上面が畳面と一致する本来の茶室を形成することができる。図10に示す四畳半逆勝手の茶室間取りでは、座用座面5A(5)を点法(点前)畳、座用座面5A(6)を踏込畳、座用座面5A(7)を客畳、座用座面5A(8)を貴人畳として茶道の点法(点前)、又はその稽古を行うことができる。
図11は本勝手台目の茶室間取りであり、図4に示す一畳の大きさの炉壇用台2Dを中央に配置し、図6に示す3/4畳(台目畳)の大きさの座用台3Bを炉壇用枠体7側(左側)に隣接して並べ、図5に示す一畳の大きさの座用台3Aを炉壇用台2Dの右側に隣接して並べる。そして、図4に示す炉座面4Dを炉壇用台2D上に載置し、図6に示す3/4畳(台目畳)の大きさの座用座面5Bを左側の座用台3B上に載置し、図5に示す一畳の大きさの座用座面5Aを右側の座用台3A上に載置する。この場合、右側の一畳の大きさの座用台3Bに代えて図7に示す半畳の大きさの座用台3Cを2つ並べて用いても良い。この場合においても、炉壇用枠体7が畳面よりも低く、炉縁12の上面が畳面と一致する本来の茶室を形成することができる。図11の本勝手台目の茶室間取りでは、炉壇用枠体7の左側の座用座面5Bを点法(点前)畳(台目畳)として茶道の点法(点前)、又はその稽古を行うことができる。
図12は逆勝手台目の茶室間取りであり、炉壇用枠体7が右側に位置するように図4に示す一畳の大きさの炉壇用台2Dを中央に配置し、図5に示す一畳の大きさの座用台3Aを炉壇用台2Dの左側に隣接して並べ、図6に示す3/4畳(台目畳)の大きさの座用台3Bを炉壇用台2Dの右側に隣接して並べる。そして、図4に示す炉座面4Dを炉壇用台2D上に載置し、図5に示す一畳の大きさの座用座面5Aを左側の座用台3A上に載置し、図6に示す3/4畳(台目畳)の大きさの座用座面5Bを右側の座用台3B上に載置する。この逆勝手台目の茶室間取りでは、右側の座用座面5Bを点法(点前)畳(台目畳)として茶道の茶道の点法(点前)、又はその稽古を行うことができる。。この場合、左側の一畳の大きさの座用台3Bに代えて図7に示す半畳の大きさの座用台3Cを2つ並べて用いても良い。この場合においても、炉壇用枠体7が畳面よりも低く、炉縁12の上面が畳面と一致する本来の茶室を形成することができる。
図13は逆勝手向切りの茶室間取りであり、図2に示す右側の一畳の大きさの炉壇用台2Bの左側に図5に示す一畳の大きさの座用台3Aを隣接して並べ、炉壇用台2B上に図2に示す炉座面4Bを載置し、座用台3A上に図5に示す座用座面5Aを載置することにより形成することができる。この場合、左側の一畳の大きさの座用台3Aに代えて図7に示す半畳の大きさの座用台3Cを2つ並べて用いても良い。この場合においても、炉壇用枠体7が畳面よりも低く、炉縁12の上面が畳面と一致する本来の茶室を形成することができる。
図14は本勝手隅炉の茶室間取りであり、図2に示す左側の一畳の大きさの炉壇用台2Bの右側に図5に示す一畳の大きさの座用台3Aを隣接して並べ、炉壇用台2B上に図2に示す炉座面4Bを載置し、座用台3A上に図5に示す座用座面5Aを載置することにより形成することができる。この場合、左側の一畳の大きさの座用台3Aに代えて図7に示す半畳の大きさの座用台3Cを2つ並べて用いても良い。この場合においても、炉壇用枠体7が畳面よりも低く、炉縁12の上面が畳面と一致する本来の茶室を形成することができる。
図15は逆勝手台目隅炉の茶室間取りであり、図3に示す3/4畳(台目畳)の大きさの炉壇用台2Cを右側にし、その左側に図5に示す一畳の大きさの座用台3Aを隣接して並べ、炉壇用台2C上に図3に示す炉座面4Cを載置し、座用台3A上に図5に示す座用座面5Aを載置することにより形成することができる。この場合、左側の一畳の大きさの座用台3Aに代えて図7に示す半畳の大きさの座用台3Cを2つ並べて用いても良い。この場合においても、炉壇用枠体7が畳面よりも低く、炉縁12の上面が畳面と一致する本来の茶室を形成することができる。
以上のように、この実施形態では炉壇用台2と、一又は複数の座用台3とを隣接して並べるため、種々の茶室間取りを簡単に組むことができる。このため、建売住宅やマンション内、又は公共スペース等での茶道の点法(点前)、又はその稽古に好適に用いることができる。又、炉壇用枠体7が炉壇用台2の内部に設けられているため、炉壇用枠体7に設けられる炉壇を畳面よりも低くすることができ、炉縁12の上面を畳面と一致させることができる。これにより、点法(点前)者の動作を見ることができると共に、柄杓の位置や持ち方も本炉と同じとなり、本来の茶道の点法(点前)、又はその稽古を行うことができる。
本考案は以上の実施形態に限定されることなく種々変形が可能である。上記実施形態では四畳半本勝手、四畳半逆勝手、本勝手台目、逆勝手台目、逆勝手向切、本勝手隅炉、逆勝手台目隅炉の茶室間取りへの適用を示したが、炉壇用台2と座用台3とを適宜組み合わせることにより、これ以外の小間や広間、大広間等のいかなる茶室間取りに対しても同様に適用することができる。又、炉壇用台2に対して座用台3を適宜組み合わせた本考案の茶道用茶室装置を、洋室、オフィス、飲食店、公共スペース、イベントホール、体育館、公民館等の一角に設置することにより、簡易的な茶室様式を組むことができる。更に、座用台3が隣接して並べられる場合においては、隣接した座用台を磁気吸引する磁石や、相互に係合するフック部材を用いることにより隣接した座用台3を強固に組み付けることが可能となる。
1 茶道用茶室装置
2、2A、2B、2C、2D 炉壇用台
3、3A、3B、3C 座用台
4、4A、4B、4CD 炉座面
5、5A、5B 座用座面
7 炉壇用枠体
8、9 当て木
10 係合部材
11 炉壇
12 炉縁
21、21A、21B、21C、21D 炉壇用台本体
23、23A、23B、23C、23D 炉壇用天面板
24A、24B、24C、24D 切り欠き部
31、31A、31B、31C 座用台本体
33、33A、33B、33C 座用天面板

Claims (5)

  1. 炉壇を設けるための炉壇用枠体が内部に仕切り状に設けられ、上面が半畳の大きさの、一畳の大きさの、又は3/4畳(台目畳)の大きさの四角形に形成された炉壇用台と、
    前記炉壇用台と同じ高さで、且つ上面が半畳の大きさの、一畳の大きさの、又は3/4畳(台目畳)の大きさの四角形に形成され、前記炉壇用台に隣接して並べられる座用台と、
    前記炉壇用枠体を除いた上面を覆うように前記炉壇用台上に載置される炉座面と、
    前記座用台の上面を覆うように座用台上に載置される座用座面と、を備え、
    前記炉壇用台は、上面が開口された枡形状の炉壇用台本体と、前記炉壇用枠体を除く炉壇用台本体の上面を開閉自在に覆う炉壇用天面板とによって形成され、
    前記座用台は上面が開口された枡形状の座用台本体と、前記座用台本体の上面を開閉自在に覆う座用天面板とによって形成され、
    前記炉壇用枠体は、底面及び側面が閉鎖され上面が開口した枡形状であることを特徴とする茶道用茶室装置。
  2. 前記炉壇用天面板及び前記座用天面板の底面には、対応する前記炉壇用台及び対応する前記座用台に嵌り込む当て木が設けられることを特徴とする請求項1記載の茶道用茶室装置。
  3. 前記炉壇用枠体は前記炉壇用台一の隅部又は炉壇用台の縁部の長さ方向中間部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の茶道用茶室装置。
  4. 前記炉壇用天面板の上面と前記炉壇用天面板の上面には、係合部材が配置されていることを特徴とする請求項1記載の茶道用茶室装置
  5. 少なくとも四畳半本勝手、四畳半逆勝手、本勝手台目、逆勝手台目、向切り、又は隅炉の茶室間取りのいずれか一の茶室間取りの畳取りに対応するように、前記一の炉壇用台に対して一又は複数の座用台が並べられることを特徴とする請求項1記載の茶道用茶室装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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