JP3193536B2 - 硫酸エステル変性オルガノ(ポリ)シロキサン - Google Patents
硫酸エステル変性オルガノ(ポリ)シロキサンInfo
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Description
の配合成分として有用な硫酸エステル変性オルガノ(ポ
リ)シロキサン及びその製造方法に関する。
イル)は、べたつき感がなく安全性も高いことから、頭
髪の仕上げ剤のほか、各種化粧品の成分として汎用され
ている。また、最近では、従来の化粧品用途に加え、香
料をも含めた香粧品の配合成分としての適用が研究され
ている。このような用途に対応させるため、オルガノ
(ポリ)シロキサンには、相溶性、耐薬品性、水への溶
解性及び潤滑性などのより一層の向上が要求されてい
る。
な官能基を導入した変性オルガノポリシロキサン、例え
ば、アミノ変性、エポキシ変性、カルボン酸変性、メル
カプト変性、アルコール変性、ポリエーテル変性、フロ
オロアルキル変性、アルキル変性及びアルコキシ変性オ
ルガノポリシロキサン等が研究、開発されている。
如き従来の変性オルガノポリシロキサンは、香粧品の配
合成分としては未だ充分満足行くものではなかった。例
えば、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサンは、ポ
リエーテル結合を有する非イオン活性剤の特徴である曇
点現象があるため、乳化系における温度安定性が悪く、
更に起泡力、洗浄力共に充分ではなく、実用には不向き
であるという問題があった。
に優れ、香粧品配合成分として好適な変性オルガノ(ポ
リ)シロキサンを提供することにある。また本発明の他
の目的は、当該変性オルガノ(ポリ)シロキサンの新規
な製造方法を提供することにもある。
発明者らは鋭意研究を行った結果、後記一般式(1)で
表わされる硫酸エステル変性オルガノ(ポリ)シロキサ
ンが、洗浄力と起泡力に優れると共に、極性溶媒等との
相溶性も極めて良好で、香粧品配合成分として有用なこ
とを見出し、本発明を完成した。
〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、
フェニル基又は次の一般式(2)若しくは(3)
基を示し、R5は炭素数6〜50の直鎖アルキレン基を
示し、Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、ア
ルキルアミン、アルカノールアミン又はピリジニウムを
示し、zは1の数を示す)で表わされる基を示すが、そ
の少なくとも一つは一般式(2)で表わされる基を示
す。xは0〜1000の数を示す〕で表わされる硫酸エ
ステル変性オルガノ(ポリ)シロキサンを提供するもの
である。
における「オルガノ(ポリ)シロキサン」とは、高分子
量のオルガノポリシロキサンから低分子量のオルガノポ
リシロキサンまでを含む意味である。
性」という場合の「硫酸エステル」とは、硫酸エステル
のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルキルアミン塩
又はアルカノールアミン塩も含む意味である。
リ)シロキサンを表わす(1)式中のR1の定義中、ア
ルキル基、アルコキシ基としては、炭素数1〜6のアル
キル基又はアルコキシ基が好ましく、特にメチル基が好
ましい。
で表わされる基の中のR5としては炭素数6〜15の直
鎖アルキレン基が好ましい。かかるR5の具体例として
は、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレ
ン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、
ドデカメチレン、トリデカメチレン、テトラデカメチレ
ン、ペンタデカメチレン、ヘキサデカメチレン、ヘプタ
デカメチレン、オクタデカメチレン、ノナデカメチレ
ン、エイコサメチレン等の基が挙げられる。
2〜4のアルキレン基としては、エチレン、トリメチレ
ン、ブチレン、t−ブチレン基が挙げられる。
しては、ナトリウム、カリウム、リチウム等が挙げら
れ、アルキルアミンとしては、トリメチルアミン、トリ
エチルアミン、トリブチルアミン等が挙げられ、アルカ
ノールアミンとしては、トリエタノールアミン、ジメチ
ルアミノエタノール、ジメチルアミノプロパノール等が
挙げられる。これらのMの中でも特に水素原子、アルカ
リ金属が好ましい。
を示すが、その範囲内でも香粧品配合成分としては0〜
150、特に0〜20の数が好ましい。
リ)シロキサンは、次の如くして製造される。すなわ
ち、分子鎖中のケイ素原子に結合する基として1以上の
(3)を有するアルコール変性オルガノ(ポリ)シロキ
サンに硫酸化剤を反応させることにより、分子鎖中のケ
イ素原子に結合する基として1以上の(2)を有する硫
酸エステル変性オルガノ(ポリ)シロキサンが製造され
る。
る。まず、分子鎖中のケイ素原子に結合する基として1
以上の基(3)を有するアルコール変性オルガノ(ポ
リ)シロキサン(以下、「アルコール変性オルガノ(ポ
リ)シロキサン」という)と硫酸化剤とを無溶媒又は溶
媒中で反応させる。
(ポリ)シロキサンは、分子鎖中のいずれか1以上のケ
イ素原子に基(3)が結合しているものであればよく、
その結合部位は制限されない。したがって、一般に特定
の置換基の結合部位により側鎖型、両末端型、片末端型
及びT構造型などと称されるいずれの構造のものも使用
することができる。このようなアルコール変性オルガノ
(ポリ)シロキサンとしては、例えば、次式で示される
構造のものを挙げることができる。
h、i、j、k及び1は0〜1000の数を示す〕
リ)シロキサンは公知の方法で製造したものを使用する
ことができるが、市販品をそのまま使用することもでき
る。この市販品としては、例えば、X−22−170、
X−22−170A、X−22−170B、X−22−
170D、X−22−160AS、KF6001、KF
6002、KF6003、X−22−176B、X−2
2−176D、X−22−4015(以上、信越化学社
製)、TSL−9105、TSF4705、TSF47
51、XF42−220、XF42−811、XF42
−831(以上、東芝シリコーン社製)、PS197、
PX101(以上、チッソ社製)を挙げることができ
る。
ンと反応させる硫酸化剤としては、クロルスルホン酸、
亜硫酸、スルファミン酸及びこれらとルイス塩基との付
加体よりなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物が
挙げられるが、反応が温和な条件で進行することからこ
れらのうち特にクロルスルホン酸が好ましい。
ンと硫酸化剤との反応方法は特に制限されないが、例え
ば、それぞれを適当な溶媒に溶解させたものを混合し、
反応させる方法を適用することができる。
ンを溶解させるために用いる溶媒としては、テトラヒド
ロフラン、塩化メチレン、トルエン、ジエチルエーテル
などを挙げることができる。ここで用いる溶媒量は、ア
ルコール変性オルガノ(ポリ)シロキサン重量に対して
10倍量以下が好ましく、3倍量以下が更に好ましい。
また、硫酸化剤を溶解させるために用いる溶媒として
は、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、トルエン、エ
ーテルなどを挙げることができる。ここで用いる溶媒量
は、硫酸化剤重量に対して20倍量以下が好ましく、1
0倍量以下が更に好ましい。
ンと硫酸化剤との混合比は特に制限されないが、アルコ
ール変性オルガノ(ポリ)シロキサンが有するヒドロキ
シル基1当量に対して、硫酸化剤が0.5〜2当量、好
ましくは0.9〜1.5当量となるように混合すること
が好ましい。
ンと硫酸化剤の混合方法は特に制限されないが、例え
ば、必要に応じて撹拌しながら、硫酸化剤溶液をアルコ
ール変性オルガノ(ポリ)シロキサン溶液に滴下する方
法を適用することができる。
えば、全量を一括して若しくは適宜分割して滴下する方
法又は少量ずつ滴下する方法を適用することができる。
滴下時における反応系の温度は−50〜20℃が好まし
く、−30〜10℃が更に好ましい。反応終了後、必要
に応じて前記温度範囲内で1〜5時間熟成操作をするこ
とが好ましい。なお、反応系が酸性になればシロキサン
結合が開裂しやすく、アルカリ金属水酸化物、アルカリ
金属炭酸塩、アミン等の塩基物質、好ましくは第3級ア
ミン、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、
ピリジン、N−メチルモルホリンなどを共存させるのが
好ましい。
ルキルアミン又はアルカノールアミンである硫酸エステ
ル変性オルガノ(ポリ)シロキサンを製造する場合は、
上記した製造工程のみで反応を終了させてよいが、Mが
アルカリ金属であるものを製造する場合には、更に前工
程で得られた反応生成物中にアルカリ溶液を、例えば上
記と同様の滴下方法を適用して滴下し、反応させる。
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アル
キルアミン、ピリジン、アルカノールアミンなどの水溶
液や、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、
カリウムエチラート、カリウムメチラート等のアルコラ
ートを挙げることができるが、特に水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムの水溶液及びナトリウムメチラート、カ
リウムメチラートが好ましい。また、アルカリ溶液の濃
度は特に制限されず、アルコール変性オルガノ(ポリ)
シロキサン及び硫酸化剤の濃度を考慮して適宜調節する
ことができる。更に、反応系の温度は、上記と同じ温度
範囲に設定保持することが好ましい。
した硫酸エステル変性オルガノ(ポリ)シロキサンを反
応系から分別する。なお、得られた硫酸エステル変性オ
ルガノ(ポリ)シロキサンに対し、必要に応じて更に精
製操作を付加することもできる。この精製操作は特に制
限されず、例えば、(1)反応液から溶媒を留去し、ク
ロロホルム等の非極性溶媒に溶解させ、副生した無機塩
を濾別する方法;(2)反応液から溶媒を留去し、次い
でヘキサン等の溶媒に不溶化させ析出物を濾取し、未反
応及び余剰のアルコール変性オルガノ(ポリ)シロキサ
ンを除去する方法を挙げることができる。
性オルガノ(ポリ)シロキサンは、香粧品配合成分とし
て用いることができる。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
アルコール変性オルガノシロキサン20g、ピリジン
9.1g及び塩化メチレン10gを混合し、0℃に冷却
した。この溶液にクロルスルホン酸6.7g、塩化メチ
レン10gの混合溶液を、10℃以下に保ちながら20
分で滴下し、次いで、10℃以下で4時間熟成させた。
その後ナトリウムメチラート(メタノール溶液28%)
22.2gを10℃以下に保ちながら15分で滴下し
た。その後温度を徐々に上げ、室温で2時間攪拌した。
攪拌終了後、溶媒を減圧留去した。残渣にクロロホルム
を加え、不溶分を濾別し、溶媒を留去した後更にヘキサ
ンを加え、生じた固体を濾取し硫酸エステル変性オルガ
ノシロキサン(1−b)25gを得た。
H2−CH 2 −、 3.35:−CH 2 −O−CH 2 −、 3.94:−CH2−CH 2 −OSO3Na
アルコール変性オルガノシロキサン20g、ピリジン1
0.3g及び塩化メチレン15gを混合し、0℃に冷却
した。この溶液にクロルスルホン酸7.6g、塩化メチ
レン10gの混合溶液を、10℃以下に保ちながら20
分で滴下し、次いで、10℃以下で4時間熟成させた。
その後ナトリウムメチラート(メタノール溶液28%)
25.2gを10℃以下に保ちながら15分で滴下し
た。その後温度を徐々に上げ、室温で2時間攪拌した。
攪拌終了後、溶媒を減圧留去した。残渣にクロロホルム
を加え、不溶分を濾別し、溶媒を留去した後更にヘキサ
ンを加え、生じた固体を濾取し硫酸エステル変性オルガ
ノシロキサン(1−c)26.3gを得た。
H 2 −、 3.96:−CH2−CH 2 −OSO3Na
アルコール変性オルガノシロキサン20g、ピリジン1
1.6g及び塩化メチレン10gを混合し、0℃に冷却
した。この溶液にクロルスルホン酸8.6g、塩化メチ
レン10gの混合溶液を、10℃以下に保ちながら20
分で滴下し、次いで、10℃以下で4時間熟成させた。
その後ナトリウムメチラート(メタノール溶液28%)
28.4gを10℃以下に保ちながら15分で滴下し
た。その後温度を徐々に上げ、室温で2時間攪拌した。
攪拌終了後、溶媒を減圧留去した。残渣にクロロホルム
を加え、不溶分を濾別し、溶媒を留去した後更にヘキサ
ンを加え、生じた固体を濾取し硫酸エステル変性オルガ
ノシロキサン(1−e)25gを得た。
H2−CH 2 −、 3.37:−CH 2 −O−CH 2 −、 3.98:−CH2−CH 2 −OSO3Na
アルコール変性オルガノシロキサン20g、ピリジン1
3.8g及び塩化メチレン15gを混合し、0℃に冷却
した。この溶液にクロルスルホン酸10.1g、塩化メ
チレン15gの混合溶液を、10℃以下に保ちながら2
0分で滴下し、次いで、10℃以下で4時間熟成させ
た。その後ナトリウムメチラート(メタノール溶液28
%)33.6gを10℃以下に保ちながら15分で滴下
した。その後温度を徐々に上げ、室温で2時間攪拌し
た。攪拌終了後、溶媒を減圧留去した。残渣にクロロホ
ルムを加え、不溶分を濾別し、溶媒を留去した後更にヘ
キサンを加え、生じた固体を濾取し硫酸エステル変性オ
ルガノシロキサン(1−f)29.0gを得た。
H2−CH 2 −、 3.38:−CH 2 −O−CH 2 −、 3.95:−CH2−CH 2 −OSO3Na
アルコール変性オルガノシロキサン20g、ピリジン1
0.3g及び塩化メチレン15gを混合し、0℃に冷却
した。この溶液にクロルスルホン酸7.6g、塩化メチ
レン10gの混合溶液を、10℃以下に保ちながら20
分で滴下し、次いで、10℃以下で4時間熟成させた。
その後ナトリウムメチラート(メタノール溶液28%)
25.1gを10℃以下に保ちながら15分で滴下し
た。その後温度を徐々に上げ、室温で2時間攪拌した。
攪拌終了後、溶媒を減圧留去した。残渣にクロロホルム
を加え、不溶分を濾別し、溶媒を留去した後更にヘキサ
ンを加え、生じた固体を濾取し硫酸エステル変性オルガ
ノシロキサン(1−i)26.0gを得た。
H2−CH 2 −、 3.40:−CH 2 −O−CH 2 −、 3.99:−CH2−CH 2 −OSO3Na
ル変性ジメチル(ポリ)シロキサンは、通常化粧品成分
として使用されるシリコーンオイルに対して、0〜50
℃の範囲内において温度に関係なく安定した乳化力を示
した。また、水、低級アルコール等の極性溶媒などとの
相溶性も優れていた。
(ポリ)シロキサンの起泡力を次の方法により測定し
た。 (測定方法) それぞれ1%水溶液100mlを直径6.5cmのシリンダ
ーに入れ、1分間1000rpmで反転攪拌した後、30
秒間静置し、その時残存している泡の高さを測定した。
結果を表1に示す。
(ポリ)シロキサンは、通常化粧品原料として使用され
るシリコーンオイルを温度に関係なく安定に乳化するこ
とができ、また極性成分との相溶性、起泡力も優れてい
る。このため、本発明の硫酸エステル変性オルガノ(ポ
リ)シロキサンは、香料、皮膚化粧料、皮膚洗浄剤、毛
髪化粧料、毛髪洗浄剤などの香粧品の配合成分として好
適である。また、本発明の製造方法によれば、オルガノ
(ポリ)シロキサンの所望の部位のケイ素原子に硫酸エ
ステル又はその塩を容易に導入し、硫酸エステル変性オ
ルガノ(ポリ)シロキサンを得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1は同一又は異なって炭素数1〜22のアル
キル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、フェニル基又
は次の一般式(2)若しくは(3) 【化2】 (式中、R6は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R5
は炭素数6〜50の直鎖アルキレン基を示し、Mは水素
原子、アルカリ金属、アンモニウム、アルキルアミン、
アルカノールアミン又はピリジニウムを示し、zは1の
数を示す)で表わされる基を示すが、その少なくとも一
つは一般式(2)で表わされる基を示す。xは0〜10
00の数を示す〕で表わされる硫酸エステル変性オルガ
ノ(ポリ)シロキサン。 - 【請求項2】 R1で示される基のうち、一般式(2)
又は(3)で表わされる基以外の基がメチル基である請
求項1記載の硫酸エステル変性オルガノ(ポリ)シロキ
サン。
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---|---|---|---|
JP21045293A JP3193536B2 (ja) | 1993-08-25 | 1993-08-25 | 硫酸エステル変性オルガノ(ポリ)シロキサン |
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Publication Number | Publication Date |
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