JP2923722B2 - リン酸エステルで変性されたオルガノ(ポリ)シロキサン及びその製造方法 - Google Patents

リン酸エステルで変性されたオルガノ(ポリ)シロキサン及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、香粧品(香料及び化粧
品)の配合成分として有用なリン酸エステル変性オルガ
ノ(ポリ)シロキサン、更には当該リン酸エステル変性
オルガノ(ポリ)シロキサンの製造にも適したリン酸エ
ステル変性オルガノ(ポリ)シロキサンの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】オルガノポリシロキサン(シリコーンオ
イル)は、べたつき感がなく安全性も高いことから、頭
髪の仕上げ剤のほか、各種化粧品の成分として汎用され
ている。また、最近では、従来の化粧品用途に加え、香
料をも含めた香粧品の配合成分としての適用が研究され
ている。このような用途に対応させるため、オルガノ
(ポリ)シロキサンには、相溶性、耐薬品性、水への溶
解性及び潤滑性などのより一層の向上が要求されてい
る。
【0003】このような要求を満足するべく、さまざま
な官能基を導入した変性オルガノポリシロキサン、例え
ば、アミノ変性、エポキシ変性、カルボン酸変性、メル
カプト変性、アルコール変性、ポリエーテル変性、フロ
オルアルキル変性、アルキル変性、エステル変性及びア
ルコキシ変性オルガノポリシロキサンが研究、開発され
ている。
【0004】一方、有機ヒドロキシ化合物のリン酸エス
テル(そのアルカリ金属塩等を含む)が優れた界面活性
能を有することが知られており、なかでもモノエステル
の界面活性能がジエステルのそれに比べて格段に優れて
いることが知られている。例えば、長鎖アルキルアルコ
ールのリン酸モノエステルのアルカリ金属塩又はアルカ
ノールアミン塩は、水溶性で、かつその水溶液は起泡
力、洗浄力が強いのに対し、リン酸ジエステルのそれら
の塩は水に難溶で、起泡力もほとんど示さないばかり
か、消泡性さえ示す。これらの点及び上記した変性オル
ガノポリシロキサンの両方の性質を生かすものとして、
米国特許5,070,171号及び5,093,452
号には、115%リン酸、五酸化リン、ポリリン酸を用
いて主鎖のシロキサン結合部(両末端を除く)のケイ素
原子に低級(炭素数3のもののみ)アルキレン基やポリ
アルキレンオキシ基を連結基としてリン酸エステル塩を
導入したものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き従来の変性オルガノポリシロキサンは、香粧品の配
合成分として十分に満足のいくものではなかった。例え
ば、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサンは、ポリ
エーテル結合を有する非イオン活性剤の特徴である曇点
現象があるため、乳化系における温度安定性が悪く、実
用には不向きであるという問題がある。また、米国特許
5,070,171号及び5,093,452号におい
て開示されたものは、製造法の欠点からリン酸化率が低
く更に活性剤として有用なモノエステル含有量が少ない
混合物であり、かつアルキレン基が短鎖のため全体とし
て親水性−疎水性のバランスがくずれ、界面活性能が弱
いため、やはり香粧品の配合成分としては不十分であ
る。
【0006】従って本発明の目的は、相溶性、乳化性、
起泡力等に侵れ、香粧品配合成分として好適な変性オル
ガノ(ポリ)シロキサンを提供することにある。また、
本発明の目的は、当該変性オルガノ(ポリ)シロキサン
の製造にも適用できる、変性オルガノ(ポリ)シロキサ
ンの新規な製造方法を提供することにもある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特
定のアルコール変性オルガノ(ポリ)シロキサンとオキ
シハロゲン化リンを反応させることにより得られる特定
のリン酸エステル変性オルガノ(ポリ)シロキサンが、
起泡力、乳化性能に優れ、乳化系の温度安定性及び他の
イオン成分との相溶性が良好であること、更に、このも
のの製法は他のリン酸エステル変性オルガノ(ポリ)シ
ロキサンの製造にも適用できることを見出し、本発明を
完成した。
【0008】すなわち本発明は、次の一般式(1)
【0009】
【化7】
【0010】〔式中、Rは同一又は異なって炭素数1〜
22のアルキル基、アルコキシ基、次式(2)又は
(3)
【0011】
【化8】
【0012】(式中、R及びRは炭素数2〜4のア
ルキレン基を示し、Rは炭素数4〜50のヒドロキシ
ル基を含んでいてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキレン基
を示し、M及びMは水素原子、アルカリ金属、アン
モニウム、アルキルアミン又はアルカノールアミンを示
し、qは0〜200の数を、rは0又は1の数を示す)
で示される基を示し、R及びRは次式(2′)若し
くは(3′)
【0013】
【化9】
【0014】(式中、R及びRは前記と同じものを
示し、R′は炭素数1〜50のヒドロキシル基を含ん
でいてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、
q、r、M及びMは前記と同じものを示す)で示さ
れる基又は炭素数1〜22のアルキル若しくはアルコキ
シ基を示すが、R、R及びRのうち少なくとも一つ
は式(2)又は(2′)で表わされる基を示す。nは0
〜1000の数を示す。但し、式(2)及び(2′)で
表わされる基において、rが0でRが炭素数4〜8の
アルキレン基、R′が炭素数2〜8のアルキレン基の
場合、及びrが1でR′が炭素数2〜3のアルキレン
基、Rが炭素数3〜4のアルキレン基の場合を除く〕
で表わされるリン酸エステルで変性されたオルガノ(ポ
リ)シロキサンを提供するものである。
【0015】また、本発明は、分子鎖中のケイ素原子に
結合する基として1以上の基HO−(RO)
′−(OR−(式中、R、R′、R
q及びrは前記と同じものを示す)を有するアルコール
変性オルガノ(ポリ)シロキサン1当量にオキシハロゲ
ン化リン0.5〜2当量を反応させ、次いでリンとハロ
ゲンの結合部を加水分解することを特徴とする、分子鎖
中のケイ素原子に結合する基として1以上の次式:
【0016】
【化10】
【0017】(式中、R、R5′、R、M
、q及びrは前記と同じものを示す)で示される基
を有するオルガノ(ポリ)シロキサンの製造方法を提供
するものである。
【0018】以下、本発明について説明するが、本発明
における「オルガノ(ポリ)シロキサン」とは、高分子
量のオルガノポリシロキサンから低分子量のオルガノシ
ロキサンまでを含む意味である。また、本発明における
「リン酸エステルで変性された」又は「リン酸エステル
変性」という場合の「リン酸エステル」とは、そのもの
に加え、上記したようなリン酸エステルのアルカリ金属
塩、アンモニウム塩、アルキルアミン塩又はアルカノー
ルアミン塩も含む意味である。
【0019】式(1)中の基Rは、炭素数1〜22のア
ルキル基、アルコキシ基、式(2)、式(3)で表わさ
れる基であるが、これらの中でも炭素数1〜6のアルキ
ル若しくはアルコキシ基、Rが炭素数4〜15のアル
キレン基である式(2)の基が好ましく、特にメチル基
又はRが炭素数6〜12のアルキレン基である式
(2)の基が好ましい。また、式(1)中のnは0〜1
000の数であるが、香粧品の配合成分として用いる場
合は、0〜100、特に0〜50、更に0〜10のもの
が好ましい。式(2)、式(2′)、式(3)又は式
(3′)中のR又はR5′としては炭素数4〜15、
特に6〜12のものが好ましく、qは0〜15、rは0
が好ましく、また、式(2)中のM及びMとして
は、水素原子又はアルカリ金属が特に好ましい。
【0020】本発明方法に用いるオキシハロゲン化リン
としては、例えばオキシ塩化リン、オキシ臭化リン等が
挙げられるが、特にオキシ塩化リンが好ましい。
【0021】前記式(1)の化合物を包含するリン酸エ
ステルで変性されたオルガノ(ポリ)シロキサンは、次
の如くして製造される。すなわち、分子鎖中のケイ素原
子に結合する基として1以上の基(3)又は(3′)を
有するアルコール変性オルガノ(ポリ)シロキサンとオ
キシハロゲン化リンとを反応させ、次いでリンとハロゲ
ンの結合部を加水分解することにより、分子鎖中のケイ
素原子に結合する基(2)又は(2′)を有するオルガ
ノ(ポリ)シロキサンが製造される。
【0022】以下、製造工程ごとに本発明の製造方法を
説明する。まず、分子鎖中のケイ素原子に結合する基と
して1以上の基(3)又は(3′)を有するアルコール
変性オルガノ(ポリ)シロキサン(以下、「アルコール
変性オルガノ(ポリ)シロキサン」という)とオキシハ
ロゲン化リンとを無溶媒又は溶媒中で反応させる。
【0023】本発明で用いるアルコール変性オルガノ
(ポリ)シロキサンは、分子鎖中のいずれか1以上のケ
イ素原子に基(3)又は(3′)が結合しているもので
あればよく、その結合部位は制限されない。したがっ
て、一般に特定の置換基の結合部位により側鎖型、両末
端型、片末端型及びT構造型などと称されるいずれの構
造のものも使用することができる。このようなアルコー
ル変性オルガノ(ポリ)シロキサンとしては、例えば、
次式で示される構造のものを挙げることができる。
【0024】
【化11】
【0025】(式中、j、k、l及びmは0〜1000
の数を示す)
【0026】このようなアルコール変性オルガノ(ポ
リ)シロキサンは公知の方法で製造したものを使用する
ことができるが、市販品をそのまま使用することもでき
る。この市販品としては、例えば、X−22−170、
X−22−170A、X−22−170B、X−22−
170D、X−22−160AS、KF6001、KF
6002、KF6003、X−22−176B、X−2
2−176D、X−22−4015(以上、信越化学社
製)、TSL−9105、TSF4705、TSF47
51、XF42−220、XF42−811、XF42
−831(以上、東芝シリコーン社製)、PS197、
PX101(以上、チッソ社製)を挙げることができ
る。
【0027】アルコール変性オルガノ(ポリ)シロキサ
ンとオキシハロゲン化リンとの反応方法は特に制限され
ないが、例えば、それぞれを適当な溶媒に溶解させたも
のを混合し、反応させる方法を適用することができる。
【0028】アルコール変性オルガノ(ポリ)シロキサ
ンを溶解させるために用いる溶媒としては、テトラヒド
ロフラン、塩化メチレン、トルエン、ジエチルエーテル
などを挙げることができる。ここで用いる溶媒量は、ア
ルコール変性オルガノ(ポリ)シロキサン重量に対して
10倍量以下が好ましく、3倍量以下が更に好ましい。
また、オキシハロゲン化リンを溶解させるために用いる
溶媒としては、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、ト
ルエン、エーテルなどを挙げることができる。ここで用
いる溶媒量は、オキシハロゲン化リン重量に対して20
倍量以下が好ましく、10倍量以下が更に好ましい。
【0029】アルコール変性オルガノ(ポリ)シロキサ
ンとオキシハロゲン化リンとの混合比は特に制限されな
いが、アルコール変性オルガノ(ポリ)シロキサンが有
するヒドロキシル基1当量に対して、オキシハロゲン化
リンが0.5〜2、好ましくは0.9〜1.5当量とな
るように混合することが好ましい。
【0030】アルコール変性オルガノ(ポリ)シロキサ
ンとオキシハロゲン化リンの混合方法は特に制限されな
いが、例えば、必要に応じて攪拌しながら、オキシハロ
ゲン化リン溶液中にアルコール変性オルガノ(ポリ)シ
ロキサン溶液を滴下する方法を適用することができる。
【0031】この場合の滴下方法は特に制限されず、例
えば、全量を一括して若しくは適宜分割して滴下する方
法又は少量ずつ滴下する方法を適用することができる。
滴下時における反応系の温度は−50〜10℃が好まし
く、−30〜0℃が更に好ましい。反応終了後、必要に
応じて前記温度範囲内で1〜5時間熟成操作をすること
が好ましい。なお、反応系には副生する塩酸を中和する
ため、第3級アミン、例えば、トリエチルアミン、トリ
ブチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリンなどを
共存させることもできる。
【0032】次に、前工程により生じた反応生成物のリ
ンとハロゲンの結合部を加水分解するには、アルカリ溶
液を、例えば上記と同様の滴下方法を適用して反応させ
る。
【0033】ここで用いるアルカリ溶液としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アルキル
アミン、アルカノールアミンなどの水溶液を挙げること
ができ、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ま
しい。また、アルカリ溶液の濃度は特に制限されず、ア
ルコール変性オルガノ(ポリ)シロキサン及びオキシハ
ロゲン化リンの濃度を考慮して適宜調節することができ
る。更に、反応系の温度は、上記と同じ温度範囲に設定
保持することが好ましく、反応時間は1〜15時間がよ
い。
【0034】このようにして反応を終了させた後、生成
したリン酸エステル変性オルガノ(ポリ)シロキサンを
反応系から分別する。なお、得られたリン酸エステル変
性オルガノ(ポリ)シロキサンに対し、必要に応じて更
に精製操作を付加することもできる。この精製操作は特
に制限されず、例えば、1)反応液中に、水及び非親水
性溶媒、例えば、ブタノール、トルエンなど、更に必要
に応じてエタノール、2−プロパノールなどの解乳化剤
を加えて攪拌し、静置して分層させ、余剰のリン酸塩や
副生する無機及び有機塩を含む水層を除去する方法;
2)反応液から溶剤を留去し、得られた残渣を水で洗浄
することにより余剰のリン酸塩等を除去するか、又は前
記残渣をエタノール、プロパノール、ブタノール、トル
エン等の溶剤に溶解させることにより、析出した余剰の
リン酸塩等をろ別して除去する方法;3)生成したリン
酸エステル変性オルガノ(ポリ)シロキサンが有機溶剤
に不溶のものの場合には、分別した水層にエタノール、
アセトンなどの親水性溶媒を加えて目的物を沈殿させる
方法を挙げることができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0036】 実施例1 オキシ塩化リン820mgをテトラヒドロフラン3gに
溶解させた溶液を、−30℃まで冷却した。次に、この
溶液に、次式;
【0037】
【化12】
【0038】で示される構造の片末端アルコール変性ジ
メチルポリシロキサン(商品名X−22−170A、ア
ルコール当量31;信越化学社製)10g及びトリエチ
ルアミン540mgをテトラヒドロフラン10gに溶解
させた溶液を、20分かけて滴下し、反応させた。その
後、反応系の温度を−20℃以下に保持し、4時間熟成
させた。次に、反応液中に、水酸化ナトリウム1.0g
をイオン交換水3gに溶解させた溶液を20分かけて滴
下した。その後0℃で12時間攪拌を継続し、反応を終
了させた。次に、反応液にイオン交換水50gを加えた
後、更にジエチルエーテルとエタノール混合溶媒を加
え、反応生成物を抽出した。その後、有機溶媒層をイオ
ン交換水で洗浄し、水層を除去した後、溶媒を減圧下で
留去して本発明のリン酸エステル変性ジメチルポリシロ
キサン10gを得た。このリン酸エステル変性ジメチル
ポリシロキサンは、通常化粧品成分として使用されるシ
リコーンオイルに対し、0〜50℃の範囲内において温
度に関係なく安定した乳化力を示した。また、水、低級
アルコール等の極性溶媒などとの相溶性も優れていた。
このものについてNMR及びIR(neat法)による
分析を行った。NMRの分析結果は次のとおりであり、
図1にIRスペクトルを示す。
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】
【化15】
【0042】これらの分析結果から、リン酸エステル変
性ジメチルポリシロキサンの構造は次式で示されるもの
であると認められる。
【0043】
【化16】
【0044】 実施例2 オキシ塩化リン15.2gをテトラヒドロフラン15g
に溶解させた溶液を、−30℃まで冷却した。次に、こ
の溶液に、次式;
【0045】
【化17】
【0046】で示される構造の両末端アルコール変性ジ
メチルポリシロキサン(商品名X−22−160AS、
アルコール当量112;信越化学社製)50g及びトリ
エチルアミン10gをテトラヒドロフラン40gに溶解
させた溶液を、40分かけて滴下し、反応させた。その
後、反応系の温度を−20℃以下に保持し、4時間熟成
させた。次に、反応液中に、水酸化ナトリウム20.7
gをイオン交換水40gに溶解させた溶液を40分かけ
て滴下した。その後0℃で12時間攪拌を継続し、反応
を終了させた。次に、溶媒を留去したのちイオン交換水
300gを加え、不溶分をろ別した。その後、ろ液にエ
タノール100mlを加え、生じた固形物をろ別し、本
発明のリン酸エステル変性ジメチルポリシロキサン52
gを得た。このジメチルポリシロキサンは,通常化粧品
成分として使用されるシリコーンオイルに対し、0〜5
0℃の範囲内において温度に関係なく安定した乳化力を
示した。また、水、低級アルコール等の極性溶媒などと
の相溶性も優れていた。このものについてNMR及びI
R(KBr法)による分析を行った。NMRの分析結果
は次のとおりであり、図2にIRスペクトルを示す。
【0047】
【化18】
【0048】
【化19】
【0049】
【化20】
【0050】これらの分析結果から、リン酸エステル変
性ジメチルポリシロキサンの構造は次式で示されるもの
であると認められる。
【0051】
【化21】
【0052】 実施例3 オキシ塩化リン7.8gをテトラヒドロフラン10gに
溶解させた溶液を、−30℃まで冷却した。次に、この
溶液に、次式;
【0053】
【化22】
【0054】で示される構造の両末端アルコール変性ジ
メチルポリシロキサン(商品名KF6002、アルコー
ル当量35;信越化学社製)80g及びトリエチルアミ
ン5.0gをテトラヒドロフラン30gに溶解させた溶
液を、50分かけて滴下し、反応させた。その後、反応
系の温度を−20℃以下に保持し、4時間熟成させた。
次に、反応液中に、水酸化ナトリウム10.6gをイオ
ン交換水20gに溶解させた溶液を40分かけて滴下し
た。その後0℃で12時間攪拌を継続し、反応を終了さ
せた。次に、溶媒を留去したのちイオン交換水で洗浄し
た(300g×3)のち、水を留去して、本発明のリン
酸エステル変性ジメチルポリシロキサン82gを得た。
このジメチルポリシロキサンは、通常化粧品成分として
使用されるシリコーンオイルに対し、0〜50℃の範囲
内において温度に関係なく安定した乳化力を示した。ま
た、水、低級アルコール等の極性溶媒などとの相溶性も
優れていた。このものについてNMR及びIR(KBr
法)による分析を行った。NMRの分析結果は次のとお
りであり、図3にIRスペクトルを示す。
【0055】
【化23】
【0056】
【化24】
【0057】
【化25】
【0058】 比較例1 次式;
【0059】
【化26】
【0060】(式中、s:t=26:1である)で表さ
れるアルコール変性ジメチルポリシロキサン(商品名X
−22−4015;信越化学社製)100gの溶液に五
酸化リン1.7gを固体の状態で少量ずつ添加した。そ
の後、少しずつ昇温して70℃にし、その温度を保持し
たまま1時間攪拌した。次に、100℃まで昇温し、更
に4時間攪拌を継続した。その後、室温になるまで放置
したのち、20%水酸化ナトリウム溶液を加え、反応液
を中性にした。得られた生成物について31P−NMR
(CDCl+エタノール)を測定したところ、2.4
ppmに未反応リン酸に基づくシグナルが、1.4pp
mにリン酸モノエステルに基づくシグナルが、1.0p
pmにリン酸ジエステルに基づくシグナルが、−8.3
ppmにピロリン酸に基づくシグナルがあった。また、
生成物を水洗したものについてH−NMR(CDCl
)を測定したところ、リン酸転化率(リン酸エステル
化された−OHの当量数×100/当初の−OHの当量
数)は30%以下であった。このジメチルポリシロキサ
ンは、通常化粧品成分として使用されるシリコーンオイ
ルに対し、0〜50℃の範囲内における乳化安定性が悪
くまた、水、低級アルコール等の極性溶媒などとの相溶
性も劣っていた。
【0061】 比較例2 実施例2と同じ両末端アルコール変性ジメチルポリシロ
キサン(商品名X−22−160AS)50gと五酸化
リン3.5gを用い、比較例1と同様に処理した。得ら
れた生成物についての31P−NMR(CDCl)測
定の結果、未反応リン酸:モノエステル:ジエステルの
モル比が3:2:1であることを確認した。このジメチ
ルポリシロキサンも比較例1のものと同様に、乳化安定
性及び相溶性のいずれもよくなかった。
【0062】 実施例4 オキシ塩化リン5.3gをテトラヒドロフラン10gに
溶解させた溶液を、−30℃まで冷却した。次に、この
溶液に、比較例1で用いたアルコール変性ジメチルポリ
シロキサン(商品名X−22−4015)70g及びト
リエチルアミン3.5gをテトラヒドロフラン30gに
溶解させた溶液を、30分かけて滴下し、反応させた。
その後、反応系の温度を−20℃以下に保持し、4時間
熟成させた。次に、反応液中に、水酸化ナトリウム7.
0gをイオン交換水15gに溶解させた溶液を30分か
けて滴下した。その後0℃で12時間攪拌を継続し、反
応を終了させた。次に、溶媒を留去したのちイオン交換
水で洗浄した(300g×3)のち、水を留去して、リ
ン酸エステル変性オルガノ(ポリ)シロキサン69gを
得た(リン酸エステル転化率95%以上)。このオルガ
ノ(ポリ)シロキサンは、通常化粧品成分として使用さ
れるシリコーンオイルに対し、0〜50℃の範囲内にお
いて温度に関係なく安定した乳化力を示した。また、
水、低級アルコール等の極性溶媒などとの相溶性も優れ
ていた。このものについてNMR及びIR(KBr法)
による分析を行った。NMRの分析結果は次のとおりで
あり、図4にIRスペクトルを示す。
【0063】
【化27】
【0064】
【化28】
【0065】
【化29】
【0066】 実施例5
【0067】
【化30】
【0068】オキシ塩化リン13.2gをテトラヒドロ
フラン20gに溶解させた溶液を−30℃まで冷却し
た。次に、この溶液に公知の方法(特開昭62−195
389号)により合成した上記式の片末端アルコール変
性ジメチルシロキサン28.2g、トリエチルアミン
8.7gをテトラヒドロフラン30gに溶解させた溶液
を20分で滴下した。その後、反応温度を−20℃以下
に保ちながら4時間熟成させた。次に、反応液中に水酸
化ナトリウム17.5gをイオン交換水30gに溶解し
た溶液を20分で滴下した。0℃で12時間攪拌を継続
し、反応を終了させた。次に反応液にイオン交換水70
g、エーテルとエタノールの混合溶媒を加え、反応生成
物を抽出した。その後有機層をイオン交換水で洗浄し、
水層を除去したのち溶媒を減圧留去し本発明のリン酸エ
ステル変性ジメチルシロキサン32gを得た。
【0069】このリン酸エステルジメチルシロキサン
は、通常化粧品成分として使用されるシリコーンオイル
に対して、0〜50℃の範囲内において温度に関係なく
安定した乳化力を示した。また、水、低級アルコール等
の極性溶媒などとの相溶性も優れていた。
【0070】
【化31】
【0071】 実施例6
【0072】
【化32】
【0073】オキシ塩化リン5.5gをテトラヒドロフ
ラン20gに溶解させた溶液を−30℃まで冷却した。
次に、この溶液に公知の方法(特開昭62−19538
9号)により合成した上記式の側鎖型アルコール変性ジ
メチル(ポリ)シロキサン50.0g、トリエチルアミ
ン3.7gをテトラヒドロフラン50gに溶解させた溶
液を30分で滴下した。その後、反応温度を−20℃以
下に保ちながら4時間熟成させた。次に、反応液中に水
酸化ナトリウム7.3gをイオン交換水10gに溶解し
た溶液を20分で滴下した。0℃で12時間攪拌を継続
し、反応を終了させた。次に反応液にイオン交換水10
0g、エーテルとエタノールの混合溶媒を加え、反応生
成物を抽出した。その後有機層をイオン交換水で洗浄
し、水層を除去したのち溶媒を減圧留去し本発明のリン
酸エステル変性ジメチル(ポリ)シロキサン52gを得
た。
【0074】このリン酸エステル変性ジメチル(ポリ)
シロキサンは、通常化粧品成分として使用されるシリコ
ーンオイルに対して、0〜50℃の範囲内において温度
に関係なく安定した乳化力を示した。また、水、低級ア
ルコール等の極性溶媒などとの相溶性も優れていた。
【0075】
【化33】
【0076】 実施例7
【0077】
【化34】
【0078】オキシ塩化リン6.5gをテトラヒドロフ
ラン20gに溶解させた溶液を−30℃まで冷却した。
次に、この溶液に公知の方法(特開昭62−19538
9号)により合成した上記式の両末端アルコール変性ジ
メチル(ポリ)シロキサン40.0g、トリエチルアミ
ン4.3gをテトラヒドロフラン40gに溶解させた溶
液を30分で滴下した。その後、反応温度を−20℃以
下に保ちながら4時間熟成させた。次に、反応液中に水
酸化ナトリウム8.5gをイオン交換水10gに溶解し
た溶液を20分で滴下した。0℃で12時間攪拌を継続
し、反応を終了させた。次に反応液にイオン交換水10
0g、エーテルとエタノールの混合溶媒を加え、反応生
成物を抽出した。その後有機層をイオン交換水で洗浄
し、水層を除去したのち溶媒を減圧留去し本発明のリン
酸エステル変性ジメチル(ポリ)シロキサン41gを得
た。
【0079】このリン酸エステル変性ジメチル(ポリ)
シロキサンは、通常化粧品成分として使用されるシリコ
ーンオイルに対して、0〜50℃の範囲内において温度
に関係なく安定した乳化力を示した。また、水、低級ア
ルコール等の極性溶媒などとの相溶性も優れていた。
【0080】
【化35】
【0081】 実施例8
【0082】
【化36】
【0083】オキシ塩化リン11.0gをテトラヒドロ
フラン20gに溶解させた溶液を−30℃まで冷却し
た。次に、この溶液に上記式のアルコール(ポリエーテ
ル)変性ジメチル(ポリ)シロキサン(KF−355
A,信越化学(株)製)50.0g、トリエチルアミン
7.3gをテトラヒドロフラン25gに溶解させた溶液
を30分で滴下した。その後、反応温度を−20℃以下
に保ちながら4時間熟成させた。次に、反応液中に水酸
化ナトリウム14.7gをイオン交換水20gに溶解し
た溶液を20分で滴下した。0℃で5時間攪拌を継続
し、反応を終了させた。テトラヒドロフラン層を分取
し、溶媒を減圧留去した後、さらにエタノールを加え不
溶分を濾別した。その後エタノールを減圧留去しリン酸
エステル変性ジメチル(ポリ)シロキサン57gを得
た。
【0084】このリン酸エステル変性ジメチル(ポリ)
シロキサンは、通常化粧品成分として使用されるシリコ
ーンオイルに対して、0〜50℃の範囲内において温度
に関係なく安定した乳化力を示した。また、水、低級ア
ルコール等の極性溶媒などとの相溶性も優れていた。
【0085】
【化37】
【0086】 実施例9
【0087】
【化38】
【0088】オキシ塩化リン11.6gをテトラヒドロ
フラン30gに溶解させた溶液を−30℃まで冷却し
た。次に、この溶液に公知の方法(特開昭62−195
389号)により合成した上記式の両末端アルコール変
性ジメチル(ポリ)シロキサン50.0g、トリエチル
アミン7.6gをテトラヒドロフラン40gに溶解させ
た溶液を30分で滴下した。その後、反応温度を−20
℃以下に保ちながら4時間熟成させた。次に、反応液中
に水酸化ナトリウム15.1gをイオン交換水20gに
溶解した溶液を20分で滴下した。0℃で12時間攪拌
を継続し、反応を終了させた。次に反応液にイオン交換
水100g、エーテルとエタノールの混合溶媒を加え、
反応生成物を抽出した。その後有機層をイオン交換水で
洗浄し、水層を除去したのち溶媒を減圧留去し本発明の
リン酸エステル変性ジメチル(ポリ)シロキサン52g
を得た。
【0089】このリン酸エステル変性ジメチル(ポリ)
シロキサンは、通常化粧品成分として使用されるシリコ
ーンオイルに対して、0〜50℃の範囲内において温度
に関係なく安定した乳化力を示した。また、水、低級ア
ルコール等の極性溶媒などとの相溶性も優れていた。
【0090】
【化39】
【0091】 実施例10
【0092】
【化40】
【0093】オキシ塩化リン23.7gをテトラヒドロ
フラン30gに溶解させた溶液を−30℃まで冷却し
た。次に、この溶液に公知の方法(特開昭62−195
389号)により合成した上記式の両末端アルコール変
性ジメチル(ポリ)シロキサン30.0g、トリエチル
アミン15.6gをテトラヒドロフラン40gに溶解さ
せた溶液を30分で滴下した。その後、反応温度を−2
0℃以下に保ちながら4時間熟成させた。次に、反応液
中に水酸化ナトリウム30.9gをイオン交換水40g
に溶解した溶液を20分で滴下した。0℃で12時間攪
拌を継続し、反応を終了させた。次に反応液にイオン交
換水100g、エーテルとエタノールの混合溶媒を加
え、反応生成物を抽出した。その後有機層をイオン交換
水で洗浄し、水層を除去したのち溶媒を減圧留去し本発
明のリン酸エステル変性ジメチル(ポリ)シロキサン4
2gを得た。
【0094】このリン酸エステル変性ジメチル(ポリ)
シロキサンは、通常化粧品成分として使用されるシリコ
ーンオイルに対して、0〜50℃の範囲内において温度
に関係なく安定した乳化力を示した。また、水、低級ア
ルコール等の極性溶媒などとの相溶性も優れていた。
【0095】
【化41】
【0096】 実施例11
【0097】
【化42】
【0098】オキシ塩化リン20.1gをテトラヒドロ
フラン30gに溶解させた溶液を−30℃まで冷却し
た。次に、この溶液に公知の方法(特開昭62−195
389号)により合成した上記式の両末端アルコール変
性ジメチル(ポリ)シロキサン50.0g、トリエチル
アミン13.2gをテトラヒドロフラン40gに溶解さ
せた溶液を30分で滴下した。その後、反応温度を−2
0℃以下に保ちながら4時間熟成させた。次に、反応液
中に水酸化ナトリウム26.2gをイオン交換水40g
に溶解した溶液を20分で滴下した。0℃で12時間攪
拌を継続し、反応を終了させた。次に反応液にイオン交
換水100g、エーテルとエタノールの混合溶媒を加
え、反応生成物を抽出した。その後有機層をイオン交換
水で洗浄し、水層を除去したのち溶媒を減圧留去し本発
明のリン酸エステル変性ジメチル(ポリ)シロキサン5
2gを得た。
【0099】このリン酸エステル変性ジメチル(ポリ)
シロキサンは、通常化粧品成分として使用されるシリコ
ーンオイルに対して、0〜50℃の範囲内において温度
に関係なく安定した乳化力を示した。また、水、低級ア
ルコール等の極性溶媒などとの相溶性も優れていた。
【0100】
【化43】
【0101】 実施例12
【0102】
【化44】
【0103】オキシ塩化リン13.2gをテトラヒドロ
フラン20gに溶解させた溶液を−30℃まで冷却し
た。次に、この溶液に公知の方法(特開昭62−195
389号)により合成した上記式の片末端アルコール変
性ジメチルシロキサン30.0g、トリエチルアミン
8.7gをテトラヒドロフラン30gに溶解させた溶液
を20分で滴下した。その後、反応温度を−20℃以下
に保ちながら4時間熟成させた。次に、反応液中に水酸
化ナトリウム17.5gをイオン交換水30gに溶解し
た溶液を20分で滴下した。0℃で12時間攪拌を継続
し、反応を終了させた。次に反応液にイオン交換水70
g、エーテルとエタノールの混合溶媒を加え、反応生成
物を抽出した。その後有機層をイオン交換水で洗浄し、
水層を除去したのち溶媒を減圧留去し本発明のリン酸エ
ステル変性ジメチルシロキサン32gを得た。
【0104】このリン酸エステル変性ジメチルシロキサ
ンは、通常化粧品成分として使用されるシリコーンオイ
ルに対して、0〜50℃の範囲内において温度に関係な
く安定した乳化力を示した。また、水、低級アルコール
等の極性溶媒などとの相溶性も優れていた。
【0105】
【化45】
【0106】 試験例1 前記のリン酸エステル変性ジメチル(ポリ)シロキサン
の起泡力を次の方法により測定した。測定方法:それぞ
れ、1%水溶液100mlを直径6.5cmのシリンダ
ーに入れ1分間1000rpmで反転攪拌した後30秒
間静置し、その時残存している泡の高さを測定した。結
果を次に示す。
【0107】
【化46】
【0108】
【化47】
【0109】上記より長鎖アルキル基を導入すること、
また、シリコーン鎖(n)が10より小さいものがより
起泡力が増大することが明らかになった。更に比較例の
2つは、前記式(2)の基に入らず、起泡性が悪いこと
がわかる。
【0110】 実施例13
【0111】
【化48】
【0112】オキシ塩化リン5.4gをテトラヒドロフ
ラン10gに溶解させた溶液を−30℃まで冷却した。
次に、この溶液に公知の方法(特開昭62−19538
9号)により合成した上記式の側鎖型アルコール変性ジ
メチル(ポリ)シロキサン50.0g、トリエチルアミ
ン3.6gをテトラヒドロフラン40gに溶解させた溶
液を20分で滴下した。その後、反応温度を−20℃以
下に保ちながら4時間熟成させた。次に、反応液中に水
酸化ナトリウム7.1gをイオン交換水15gに溶解し
た溶液を20分で滴下した。0℃で12時間攪拌を継続
し、反応を終了させた。次に反応液にイオン交換水70
g、エーテルとエタノールの混合溶媒を加え、反応生成
物を抽出した。その後有機層をイオン交換水で洗浄し、
水層を除去したのち溶媒を減圧留去し本発明のリン酸エ
ステル変性ジメチルポリシロキサン51gを得た。
【0113】このリン酸エステル変性ジメチルポリシロ
キサンは、通常化粧品成分として使用されるシリコーン
オイルに対して、0〜50℃の範囲内において温度に関
係なく安定した乳化力を示した。また、水、低級アルコ
ール等の極性溶媒などとの相溶性も優れていた。
【0114】
【化49】
【0115】 実施例14
【0116】
【化50】
【0117】オキシ塩化リン7.9gをテトラヒドロフ
ラン15gに溶解させた溶液を−30℃まで冷却した。
次に、この溶液に公知の方法(特開昭62−19538
9号)により合成した上記式の両末端アルコール変性ジ
メチル(ポリ)シロキサン50.0g、トリエチルアミ
ン5.2gをテトラヒドロフラン40gに溶解させた溶
液を20分で滴下した。その後、反応温度を−20℃以
下に保ちながら4時間熟成させた。次に、反応液中に水
酸化ナトリウム10.3gをイオン交換水20gに溶解
した溶液を20分で滴下した。0℃で12時間攪拌を継
続し、反応を終了させた。次に反応液にイオン交換水7
0g、エーテルとエタノールの混合溶媒を加え、反応生
成物を抽出した。その後有機層をイオン交換水で洗浄
し、水層を除去したのち溶媒を減圧留去し本発明のリン
酸エステル変性ジメチルポリシロキサン52gを得た。
【0118】このリン酸エステル変性ジメチルポリシロ
キサンは、通常化粧品成分として使用されるシリコーン
オイルに対して、0〜50℃の範囲内において温度に関
係なく安定した乳化力を示した。また、水、低級アルコ
ール等の極性溶媒などとの相溶性も優れていた。
【0119】
【化51】
【0120】
【発明の効果】本発明のリン酸エステルで変性されたオ
ルガノ(ポリ)シロキサンは、通常化粧品原料として使
用されるシリコーンオイルを温度に関係なく安定に乳化
することができ、また極性成分との相溶性、起泡力も優
れている。このため、本発明のリン酸エステル変性オル
ガノ(ポリ)シロキサンは、皮膚化粧料、皮膚洗浄剤、
毛髪化粧料、毛髪洗浄剤などの香粧品の配合成分として
好適である。また、本発明の製造方法によれば、オルガ
ノ(ポリ)シロキサンの所望の部位のケイ素原子にリン
酸エステル又はその塩を容易に導入し、リン酸エステル
変性オルガノ(ポリ)シロキサンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたジメチルポリシロキサンの
IRスペクトルである。
【図2】実施例2で得られたジメチルポリシロキサンの
IRスペクトルである。
【図3】実施例3で得られたジメチルポリシロキサンの
IRスペクトルである。
【図4】実施例4で得られたジメチルポリシロキサンの
IRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−16684(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 77/395 C08G 77/30

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、Rは同一又は異なって炭素数1〜22のアルキ
    ル基、アルコキシ基、次式(2)又は(3) 【化2】 (式中、R及びRは炭素数2〜4のアルキレン基を
    示し、Rは炭素数4〜50のヒドロキシル基を含んで
    いてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、M
    及びMは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、ア
    ルキルアミン又はアルカノールアミンを示し、qは0〜
    200の数を、rは0又は1の数を示す)で示される基
    を示し、R及びRは次式(2′)若しくは(3′) 【化3】 (式中、R及びRは前記と同じものを示し、R
    は炭素数1〜50のヒドロキシル基を含んでいてもよい
    直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、q、r、M
    びMは前記と同じものを示す)で示される基又は炭素
    数1〜22のアルキル若しくはアルコキシ基を示すが、
    、R及びRのうち少なくとも一つは式(2)又は
    (2′)で表わされる基を示す。nは0〜1000の数
    を示す。但し、式(2)及び(2′)で表わされる基に
    おいて、rが0でRが炭素数4〜8のアルキレン基、
    ′が炭素数3〜8のアルキレン基の場合、及びrが
    1で、R′が炭素数2〜3のアルキレン基、Rが炭
    素数3〜4のアルキレン基の場合を除く〕で表わされる
    リン酸エステルで変性されたオルガノ(ポリ)シロキサ
    ン。
  2. 【請求項2】 式(2)、式(2′)、式(3)又は式
    (3′)で表わされる基において、qが0〜15で、r
    が0である請求項1記載のリン酸エステルで変性された
    オルガノ(ポリ)シロキサン。
  3. 【請求項3】 一般式(1)中、Rが炭素数1〜6のア
    ルキル基又はアルコキシ基である請求項1記載のリン酸
    エステルで変性されたオルガノ(ポリ)シロキサン。
  4. 【請求項4】 一般式(1)中、nが0〜100の数で
    ある請求項1記載のリン酸エステルで変性されたオルガ
    ノ(ポリ)シロキサン。
  5. 【請求項5】 次の一般式(1) 【化4】 〔式中、Rは同一又は異なって炭素数1〜22のアルキ
    ル基又はアルコキシ基を示し、R及びRは次式
    (2′)若しくは(3′) 【化5】 (式中、R及びRは炭素数2〜4のアルキレン基を
    示し、R′は炭素数1〜50のヒドロキシル基を含ん
    でいてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、M
    及びMは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、
    アルキルアミン又はアルカノールアミンを示し、qは0
    〜200の数を、rは0又は1の数を示す)で示される
    基又は炭素数1〜22のアルキル若しくはアルコキシ基
    を示すが、R及びRのうち少なくとも一つは式
    (2′)で表わされる基を示す。nは0〜1000の数
    を示す。但し、式(2)及び(2′)で表わされる基に
    おいて、rが0でRが炭素数4〜8のアルキレン基、
    ′が炭素数2〜8のアルキレン基の場合、及びrが
    1で、R′が炭素数2〜3のアルキレン基、Rが炭
    素数3〜4のアルキレン基の場合を除く〕で表わされる
    リン酸エステルで変性されたオルガノ(ポリ)シロキサ
    ン。
  6. 【請求項6】 式(2′)又は式(3′)で表わされる
    基において、qが0〜15で、rが0である請求項5記
    載のリン酸エステルで変性されたオルガノ(ポリ)シロ
    キサン。
  7. 【請求項7】 一般式(1)中、Rが炭素数1〜6のア
    ルキル基又はアルコキシ基である請求項5記載のリン酸
    エステルで変性されたオルガノ(ポリ)シロキサン。
  8. 【請求項8】 一般式(1)中、nが0〜100の数で
    ある請求項5記載のリン酸エステルで変性されたオルガ
    ノ(ポリ)シロキサン。
  9. 【請求項9】 分子鎖中のケイ素原子に結合する基とし
    て1以上の基HO−(RO)−R′−(OR
    −(式中、R及びRは炭素数2〜4のアルキレン
    基を示し、R′は炭素数1〜50のヒドロキシル基を
    含んでいてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示
    し、qは0〜200の数を、rは0又は1の数を示す)
    を有するアルコール変性オルガノ(ポリ)シロキサン1
    当量にオキシハロゲン化リン0.5〜2当量を反応さ
    せ、次いでリンとハロゲンの結合部を加水分解すること
    を特徴とする、分子鎖中のケイ素原子に結合する基とし
    て1以上の次式: 【化6】 (式中、R、R′、R、q及びrは前記と同じも
    のを示し、M及びMは水素原子、アルカリ金属、ア
    ンモニウム、アルキルアミン又はアルカノールアミンを
    示す)で示される基を有するオルガノ(ポリ)シロキサ
    ンの製造方法。
  10. 【請求項10】 オキシハロゲン化リンがオキシ塩化リ
    ンである請求項9記載のオルガノ(ポリ)シロキサンの
    製造方法。
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