JP3192999U - 回転式除塵装置 - Google Patents

Abstract

【課題】大型の塵埃と小型の塵埃とを目詰まりしないように捕捉でき、かつスクリーンの交換も容易かつ迅速に行えるようにした回転式除塵装置を提供する。【解決手段】水路１内に、エンドレス状の回転スクリーン５１が水路１を横切るように配置されている。回転スクリーン５１は、上流側が上昇し、下流側が下降するように回転される回転式除塵装置である。回転スクリーン５１は、外層の細目スクリーン５８（Ａ）と内層の微細目スクリーン５８（Ｂ）とが重ね合わされてユニット化されている。スクリーンユニット５８は、回転駆動される複数のフレーム５９内に着脱可能に格納されている。【選択図】図２

Description

本考案は、水路内の流水中の塵芥を捕捉して除去する回転式除塵装置に関する。

従来、図５（ａ）（ｂ）のように、水路１内に、エンドレス状の回転スクリーン２が水路１を横切るように配置されている。そして、回転スクリーン２は、上流側が上昇し、下流側が下降するように回転されて、回転スクリーン２の上流側の外面で塵芥を捕捉しつつ流水を内面方向に通過させる。さらに、回転スクリーン２の回転の上昇位置で、捕捉した塵芥を水中から掻き上げつつ水路１外に排除する回転式除塵装置がある（特許文献１参照）。

この除塵装置（トラベリングスクリーンとも称する。）では、回転スクリーン２の各スクリーン５の目幅は１種類に限られることから、目幅が粗いと、大型の塵埃は捕捉できるが小型の塵埃は捕捉できない。逆に、目幅が細かいと、大型と小型の塵埃はともに捕捉できるが、大型の塵埃で目詰まりを起こしやすい。

また、図６（ａ）（ｂ）のように、複数本の粗目・細目兼用格子バー３と細目専用格子バー４とを連結一体化し、粗目・細目兼用格子バー３を細目専用格子バー４よりも上流側に突出させたレーキ式除塵装置がある（特許文献２参照）。

この除塵装置では、先ず、粗目・細目兼用格子バー３で流水中の大型の塵埃を捕捉でき、次いで細目専用格子バー４で流水中の小型の塵埃を捕捉できるから、目詰まりを起こしにくい。

特開平０９−１８９０２０号公報 実開昭５４−１８１７２９号公報

しかしながら、前者の除塵装置では、各スクリーン５をフレーム６に多数本のボルト・ナット７で固定しているから、スクリーン５の交換が容易でないという問題がある。また、後者の除塵装置では、複数本の粗目・細目兼用格子バー３と細目専用格子バー４とを連結一体化しているから、各格子バー３，４の交換が容易でないという問題がある。

本考案は、前記問題を解消するためになされたもので、大型の塵埃と小型の塵埃とを目詰まりしないように捕捉でき、かつスクリーンの交換も容易かつ迅速に行えるようにした回転式除塵装置を提供することを目的とするものである。

前記課題を解決するために、本考案は、水路内に、エンドレス状の回転スクリーンが水路を横切るように配置され、前記回転スクリーンは、上流側が上昇し、下流側が下降するように回転される。前記回転スクリーンの上流側の外面で塵芥を捕捉しつつ流水を内面方向に通過させるとともに、前記回転スクリーンの回転の上昇位置で、捕捉した塵芥を水中から掻き上げつつ水路外に排除する回転式除塵装置である。前記回転スクリーンは、外層の細目スクリーンと内層の微細目スクリーンとが重ね合わされてユニット化されている。前記スクリーンユニットは、回転駆動される複数のフレーム内に着脱可能に格納されている。

本考案によれば、水路の上流側の水流は、上流側の外層の細目スクリーンから内層の微細目スクリーンを通過して回転スクリーンの内部に入る。ついで、下流側の内層の微細目スクリーンから外層の細目スクリーンを通過して、水路の下流側に放流されるようになる。

したがって、先ず、上流側の細目スクリーンで流水中の大型の塵埃が捕捉され、ついで上流側の微細目スクリーンで流水中の小型の塵埃が捕捉されるようになるから、大型の塵埃と小型の塵埃とを目詰まりしないように捕捉できるようになる。

そして、回転スクリーンは、外層の細目スクリーンと内層の微細目スクリーンとを重ね合わせてユニット化している。このスクリーンユニットは、回転駆動される複数のフレーム内に着脱可能に格納している。

これにより、スクリーンユニットは、フレーム内に着脱可能であるから、フレーム毎にスクリーンユニットの交換が容易かつ迅速に行えるようになる。

また、フレームに格納するに際して、スクリーンユニットの外径サイズと合計厚みサイズとが規制されるだけである。したがって、合計厚みサイズの範囲内で、細目スクリーンと微細目スクリーンの厚みを自由に変更できるとともに、異なる目幅サイズのスクリーンに変更することもできる。

前記細目スクリーンは、バー状の合成樹脂製スクリーンパネルで構成され、前記微細目スクリーンは、網目状の合成樹脂製メッシュパネルで構成されている。

この構成によれば、特に下水向けとしては、安価かつ軽量な合成樹脂製のパネルを好適に採用することができ、メッシュパネルの厚みを厚く設定することで、髪の毛等の繊維状ゴミもうまく捕捉することができる。

前記フレームは、このフレームに固定の仕切り板で幅方向に複数の区画に仕切られ、前記各区画に、前記スクリーンユニットが着脱可能に格納されているとともに、前記フレームの下部に塵芥受け棚が形成されている構成とすることができる。

この構成によれば、フレームは仕切り板と塵埃受け棚とで補強されるから、変形しにくくなり、パネルが合成樹脂製であっても、補強されたフレームで保護されるので、変形しにくくなる。また、捕捉された塵芥は、塵埃受け棚で受け止めたまま水中から掻き上げることができる。さらに、仕切り板でフレーム内を複数の区画に仕切って、各区画にスクリーンユニットを着脱可能に格納するから、区画毎にスクリーンユニットの交換が容易かつ迅速に行えるようになる。

前記フレームの上部と下部のいずれか一方に、前記スクリーンユニットの一方の端部を差し込む差し込み部が形成され、他方に、他方の端部を押さえて固定可能な押さえ部材が着脱可能に取り付けられている構成とすることができる。

この構成によれば、スクリーンユニットは、一方の端部はフレームの差し込み部に差し込み、他方の端部は押さえ部材で押さえてフレームに固定することができる。したがって、スクリーンユニットの交換は、より容易、かつより迅速に行えるようになる。

本考案によれば、大型の塵埃と小型の塵埃とを目詰まりしないように捕捉でき、かつスクリーンの交換も容易かつ迅速に行えるようになる。

本考案に係る回転式除塵装置を水路の上流方向から見た正面図である。 図１の側面図である。 スクリーンユニットを格納したフレームの斜視図である。 （ａ）はスクリーンユニットを格納したフレームの要部斜視図、（ｂ）は細目スクリーンと微細目スクリーンの分離斜視図である。 特許文献１の回転式除塵装置であり、（ａ）は側面図、（ｂ）は（ａ）の部分拡大図である。 特許文献２のレーキ式除塵装置であり、（ａ）は側面図、（ｂ）は（ａ）のＩ−Ｉ線拡大断面図である。

以下、本考案を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、背景技術と同一構成・作用の箇所は、同一番号を付して詳細な説明を省略する。

図１は回転式除塵装置５０を水路１の上流方向から見た正面図である。図２は図１の側面図である
水路１内に、エンドレス状の回転スクリーン５１が水路１を横切るように配置されている。

水路１の上方位置の機枠フレーム５６には、幅方向に一対のチェーンスプロケット５２が配置され、水路１の底位置には、幅方向に一対のＵ字状チェーンガイド５３が配置されている。チェーンスプロケット５２とチェーンガイド５３との間には、エンドレスチェーン５４がそれぞれ掛け回されている。

そして、電動モータ５５でチェーンスプロケット５２を駆動することにより、エンドレスチェーン５４は、上流側が上昇し（図２の矢印ｇ参照）、下流側が下降するように（図２の矢印ｆ参照）、長楕円状の軌跡で回転されるようになる。

一対のエンドレスチェーン５４には、回転スクリーン５１の両側部分がそれぞれ支持されていて、エンドレスチェーン５４とともに回転する回転スクリーン５１の上流側の外面で塵芥を捕捉しつつ流水を内面方向に通過させる。また、回転スクリーン５１の回転の上昇位置で、捕捉した塵芥を水中から掻き上げつつ水路１外に排除するようになる。

回転スクリーン５１は、図３および図４のように、外層の細目スクリーン５８（Ａ）と内層の微細目スクリーン５８（Ｂ）とが前後に重ね合わされてユニット化されている。このスクリーンユニット５８は、両側板５９ｆの上下の２点ｍ，ｎにエンドレスチェーン５４のリンクが連結された複数（本例では約４０個）のフレーム５９内にそれぞれ着脱可能に格納されている。

各フレーム５９は、横長四角箱状に形成されて、このフレーム５９に固定の複数枚（本例では６枚）の仕切り板６０で幅方向に複数の区画（本例では７区画）に仕切られている。

細目スクリーン５８（Ａ）は、バー状の合成樹脂製スクリーンパネルで構成され、微細目スクリーン５８（Ｂ）は、網目状の合成樹脂製メッシュパネルで構成されている。細目スクリーン５８（Ａ）は、例えば目幅が５０ｍｍ、厚さは２５ｍｍである。微細目スクリーン５８（Ｂ）は、例えば目幅が１０ｍｍ、厚さは８ｍｍである。

そして、両側の２区画には、各２組のスクリーンユニット５８が幅方向に並べられて格納されているとともに、その間の５区画には、各３組のスクリーンユニット５８が幅方向に並べられて格納されている。したがって、１個のフレーム５９に、１９組のスクリーンユニット５８が格納されることになる。

フレーム５９の上部には、スクリーンユニット５８の上端部５８ａを下方から差し込み可能な略逆Ｌ字状の差し込み部５９ａが形成されている。また、フレーム５９の下部には、スクリーンユニット５８の下端部５８ｂの後部を位置決めする位置決め部５９ｂと、スクリーンユニット５８の下端部５８ｂの前部を押さえる押さえ部材５９ｃが設けられている。この押さえ部材５９ｃは、ボルト・ナット（不図示）でフレーム５９に固定される。したがって、スクリーンユニット５８は、フレーム５９の各区画に着脱可能に格納されることになる。

フレーム５９の下部には、前方に略Ｖ字状で突出する塵芥受け棚５９ｅが形成されている。

図１および図２のように、チェーンスプロケット５２の近傍には、インナースプレイ装置６２が配置されている。このスプレイ装置６２により、内層の微細目スクリーン５８（Ｂ）から外層の細目スクリーン５８（Ａ）に向かって洗浄水をスプレイするようになる（図２の二点鎖線ｐ参照）。これにより、小型の塵埃が微細目スクリーン５８（Ｂ）からスプレイ圧で剥がされるとともに、大型の塵埃が細目スクリーン５８（Ａ）からスプレイ圧で剥がされて、回転スクリーン５１の外部に排出される、そして、回転スクリーン５１の外部のトラフ６３に一括して回収されるようになる。なお、小型の塵埃は、細目スクリーン５８（Ａ）を通って外部に排出されることになる。

回転スクリーン５１の下部の内部の上流側には、上昇方向ｇの回転スクリーン５１が水流圧で下流方向に撓むのを防止するガイド部材６４が配置されている。

前記のように回転式除塵装置を構成すれば、水路１の上流側の水流は、上流側の外層の細目スクリーン５８（Ａ）から内層の微細目スクリーン５８（Ｂ）を通過して回転スクリーン５１の内部に入る。ついで、下流側の内層の微細目スクリーン５８（Ｂ）から外層の細目スクリーン５８（Ａ）を通過して、水路１の下流側に放流されるようになる。

したがって、先ず、上流側の細目スクリーン５８（Ａ）で流水中の大型の塵埃が捕捉され、ついで上流側の微細目スクリーン５８（Ｂ）で流水中の小型の塵埃が捕捉されるようになるから、大型の塵埃と小型の塵埃とを目詰まりしないように捕捉できるようになる。

そして、回転スクリーン５１は、外層の細目スクリーン５８（Ａ）と内層の微細目スクリーン５８（Ｂ）とを重ね合わせてユニット化している。このスクリーンユニット５８は、回転駆動されるエンドレスチェーン５４に連結された複数のフレーム５９内に着脱可能に格納している。

これにより、スクリーンユニット５８は、フレーム５９内に着脱可能であるから、フレーム５９毎にスクリーンユニット５８の交換が容易かつ迅速に行えるようになる。なお、スクリーンユニット５８のうち、細目スクリーン５８（Ａ）と微細目スクリーン５８（Ｂ）のいずれか一方だけの交換も可能である。

また、フレーム５９に格納するに際して、スクリーンユニット５８の外径サイズと合計厚みサイズとが規制されるだけである。したがって、合計厚みサイズの範囲内で、細目スクリーン５８（Ａ）と微細目スクリーン５８（Ｂ）の厚みを自由に変更できるとともに、異なる目幅サイズのスクリーンに変更することもできる。

さらに、細目スクリーン５８（Ａ）は、バー状の合成樹脂製スクリーンパネルで構成し、微細目スクリーン５８（Ｂ）は、網目状の合成樹脂製メッシュパネルで構成している。

このようにすれば、特に下水向けとしては、安価かつ軽量な合成樹脂製のパネルを好適に採用することができ、メッシュパネルの厚みを厚く設定することで、髪の毛等の繊維状ゴミもうまく捕捉することができる。

また、フレーム５９は、仕切り板６０で幅方向に複数の区画に仕切り、各区画に、スクリーンユニット５８を着脱可能に格納している。そして、フレーム５９の下部に塵芥受け棚５９ｅを形成している。

このようにすれば、フレーム５９は仕切り板６０と塵埃受け棚５９ｅとで補強されるから、変形しにくくなり、パネルが合成樹脂製であっても、補強されたフレーム５９で保護されるので、変形しにくくなる。また、捕捉された塵芥は、塵埃受け棚５９ｅで受け止めたまま水中から掻き上げることができる。さらに、仕切り板６０でフレーム５９内を複数の区画に仕切って、各区画にスクリーンユニット５８を着脱可能に格納するから、区画毎にスクリーンユニット５８の交換が容易かつ迅速に行えるようになる。

また、スクリーンユニット５８は、上端部５８ａはフレーム５９の差し込み部５９ａに差し込み、下端部５８ｂは押さえ部材５９ｃで押さえてフレーム５９に固定することができる。したがって、スクリーンユニット５８の交換は、より容易、かつより迅速に行えるようになる。

前記実施形態では、細目スクリーン５８（Ａ）と微細目スクリーン５８（Ｂ）という用語を用いたが、細目と微細目とは相対的なものであって、微細目は、細目よりも目（隙間）が小さい意味である。したがって、細目を「粗目」、微細目を「細目」という用語を用いることもできる。

前記実施形態では、回転スクリーン５１は、内層と外層の２層であったが、内層と外層の間の中間層を設けた３層等でも可能である。

前記実施形態では、回転スクリーン５１は縦長長楕円状の構成であったが、円形状の構成や多角形状（例えば六角形状）の構成とすることもできる。また、縦長長楕円状の構成において、上下方向の中間部付近を内側に絞った、いわば瓢箪形状の構成とすることもできる。その他、図示しないがエンドレス状態で回転するものであれば、どのような形状でも可能である。

１ 水路
５０ 回転式除塵装置
５１ 回転スクリーン
５８ スクリーンユニット
５８ａ 上端部
５８ｂ 下端部
５８（Ａ） 細目スクリーン
５８（Ｂ） 微細目スクリーン
５９ フレーム
５９ａ 差し込み部
５９ｃ 押さえ部材
６０ 仕切り板
５９ｆ 塵埃受け棚

Claims (4)

1. 水路内に、エンドレス状の回転スクリーンが水路を横切るように配置され、前記回転スクリーンは、上流側が上昇し、下流側が下降するように回転されて、前記回転スクリーンの上流側の外面で塵芥を捕捉しつつ流水を内面方向に通過させるとともに、前記回転スクリーンの回転の上昇位置で、捕捉した塵芥を水中から掻き上げつつ水路外に排除する回転式除塵装置であって、
   前記回転スクリーンは、外層の細目スクリーンと内層の微細目スクリーンとが重ね合わされてユニット化され、
   前記スクリーンユニットは、回転駆動される複数のフレーム内に着脱可能に格納されていることを特徴とする回転式除塵装置。
2. 前記細目スクリーンは、バー状の合成樹脂製スクリーンパネルで構成され、前記微細目スクリーンは、網目状の合成樹脂製メッシュパネルで構成されていることを特徴とする請求項１に記載の回転式除塵装置。
3. 前記フレームは、このフレームに固定の仕切り板で幅方向に複数の区画に仕切られ、前記各区画に、前記スクリーンユニットが着脱可能に格納されているとともに、前記フレームの下部に塵芥受け棚が形成されていることを特徴とする請求項１または２に記載の回転式除塵装置。
4. 前記フレームの上部と下部のいずれか一方に、前記スクリーンユニットの一方の端部を差し込む差し込み部が形成され、他方に、他方の端部を押さえて固定可能な押さえ部材が着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載の回転式除塵装置。