JP3192935B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LDD(Ligh
tly Doped Drain)構造の半導体装置に
おけるその耐圧性の向上をはかると共に、その製造工程
数の削減を可能とする製造方法技術に関する。
【0002】
【従来の技術】このようなLDD構造の半導体装置は、
チャネル領域における強電解を緩和することができるの
で、ショートチャネルにおける種々の問題を解消でき
る。斯かるLDD構造の半導体装置は、図8乃至図11
に示す製造方法で形成されていた。
【0003】先ず、図8に示すように一導電型の半導体
基板、例えばP型の半導体基板21表面に選択酸化法に
従いフィールド酸化膜22を形成し、素子領域23にゲ
ート酸化膜24を介してポリシリコンより成るゲート電
極25を形成した後に、該ゲート電極25をマスクとし
てN型不純物を低濃度でイオン注入する。次に、図9に
示すように基板上にCVD酸化膜26を堆積する。
【0004】続いて、図10に示すように該CVD酸化
膜26を異方性エッチングによりエッチングし、ゲート
電極25の側面に残存するCVD酸化膜から成るサイド
ウォールスペーサ27を形成した後に、該ゲート電極2
5とサイドウォールスペーサ27をマスクとして、N型
不純物を高濃度でイオン注入する。そして、図11に示
すように熱処理を行い、前記各不純物イオン注入層を活
性化してチャネル領域近傍のN- 型拡散層28と、この
層に隣接するN+ 型拡散層29から成るソース・ドレイ
ン層を形成していた。
【0005】しかし、この方法ではLDD構造を形成す
るために、CVD酸化膜26を堆積し、異方性エッチン
グによりサイドウォールスペーサ27を形成しているの
で、サイドウォールスペーサ27の形成に2工程を要
し、製造工程が複雑であった。また、前述した低濃度及
び高濃度の不純物イオン注入の際に、チャネリングを防
止するためにある傾斜角、例えば鉛直方向から7度の角
度をつけた状態で注入する技術も行われていた。
【0006】しかし、この方法ではトランジスタの向き
により非対称なトランジスタ構造となり、即ち、ゲート
電極の左右にできる各ソース・ドレイン拡散層の位置が
違ってしまうことになり、特性がトランジスタによって
異なってしまう。そこで、それを防止するため前記注入
方向と対向する方向から再び注入を行い、左右対称とな
るようにしていた。しかし、トランジスタの配置向きが
例えば90度異なるトランジスタが混在する場合には、
やはり、特性の違うものが存在してしまうという欠点が
あった。
【0007】更に、このような方法により形成された半
導体装置では、図7の濃度プロファイルの図面に点線で
示すように傾斜がきついため、耐圧性が悪かった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は半導
体装置の耐圧性等の特性向上をはかると共に、製造工数
の削減を可能とする半導体装置の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の半導体
装置の製造方法は、半導体基板上にゲート絶縁膜を介し
てゲート電極を形成する工程と、後工程で前記ゲート電
極の両端に形成するソース・ドレイン拡散層形成領域の
一方の領域上をレジスト膜で被覆した後に該レジスト膜
をマスクとして所定角度で交差する2方向からある傾斜
角で低濃度の不純物を注入する工程と、前記各注入方向
とそれぞれ対向する2方向からある傾斜角で高濃度の不
純物を注入する工程と、前記レジスト膜を除去し、他方
のソース・ドレイン拡散層形成領域上をレジスト膜で被
覆した後に該レジスト膜をマスクとして所定角度で交差
する2方向からある傾斜角で低濃度の不純物を注入する
工程と、前記各注入方向とそれぞれ対向する2方向から
ある傾斜角で高濃度の不純物を注入する工程とを有する
ことを特徴とする。
【0010】また、本発明の半導体装置の製造方法は、
半導体基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成
する工程と、前記ゲート電極の両端に形成されるソース
・ドレイン拡散層の一方の形成領域上をレジスト膜で被
覆した後に該レジスト膜をマスクとして所定角度で交差
する2方向からある傾斜角で低濃度の不純物を注入する
工程と、前記各注入方向とそれぞれ対向する2方向から
ある傾斜角で高濃度の不純物を注入する工程と、前記レ
ジスト膜を除去し、他方のソース・ドレイン拡散層形成
領域上をレジスト膜で被覆した後に、該レジスト膜をマ
スクとして所定角度で交差する2方向からある傾斜角で
低濃度の不純物を注入する工程と、前記各注入方向とそ
れぞれ対向する2方向からある傾斜角で高濃度の不純物
を注入する工程とを有するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、ソース・ドレイン拡散層が
左右対称と成るトランジスタ構造を形成するのに有効な
本発明半導体装置とその製造方法について図1乃至図7
の図面に基づき説明する。尚、本実施例では一導電型の
半導体基板としてP型の半導体基板を用いたものについ
て説明するが、本発明はN型の半導体基板に対しても同
様に適用される。
【0012】図1は半導体基板上に形成される配置向き
の異なる2つのトランジスタTR1、TR2の配置を示
すための便宜的な図であり、図2、図3、図5及び図6
は図1に示す一方のトランジスタTR2のX−X断面を
示す図である。今後、これらの図を基にトランジスタT
R2の製造工程について説明するが、当然トランジスタ
TR1も同時に形成される。
【0013】図2において、例えばP型の半導体基板1
表面に選択酸化法に従いフィールド酸化膜2を形成し、
素子領域3にゲート酸化膜4を介してポリシリコンより
成るゲート電極5Bを形成した後に、図1に示すように
後工程で該ゲート電極5Bの両端に形成されるソース・
ドレイン拡散層としての後述するN- 、N+ 拡散層8
B、9Bの形成領域の一方を被覆するようにレジスト膜
6Bを形成し、該ゲート電極5B及びレジスト膜6Bを
マスクとして低濃度のN型不純物を例えば図1に示す矢
印方向からある傾斜角(例えば基板に対して鉛直方向
からおよそ7度)で斜め上方からイオン注入する。尚、
N型不純物としてリン(31P+ )イオンを使用した場合
の注入条件は、およそ加速電圧30乃至60KeV、注
入量10の13乗オーダーである。このとき、図1に示
す右側のトランジスタTR2に対しては、図2に示すよ
うに矢印方向から注入される不純物イオンが、そのゲ
ート長と直角方向に注入されるため、前記ゲート電極5
Bの下方に所定量オーバーラップされることになる。
尚、該ゲート電極5Bとこの低濃度のN型不純物のイオ
ン注入層との間に形成されるオーバーラップが所望のも
のとなるように傾斜角を設定する。また、レジスト膜6
Aにより後工程で形成されるソース・ドレイン拡散層の
一方が被覆された左側のトランジスタTR1には、不純
物イオンがゲート電極5Aのゲート長と平行方向に注入
されるため、ゲート電極5Aの下方に不純物イオンが入
り込むことがない。
【0014】続いて、図1に示す矢印方向(例えば前
記注入方向に対して90度の方向)から同条件で低濃度
の不純物を注入する。このとき、図1に示す左側のトラ
ンジスタTR1に対しては、前述したように注入される
不純物イオンが、ゲート長と直角方向に注入されるた
め、前記ゲート電極5Aの下方にオーバーラップされる
ことになる。尚、この場合も該ゲート電極5Aとこの低
濃度のN型不純物のイオン注入層との間に形成されるオ
ーバーラップが所望のものとなるように傾斜角を設定す
る。また、右側のトランジスタTR2には、ゲート長と
平行方向に注入されるため、ゲート電極5Bの下方に不
純物イオンが入り込むことがない。
【0015】次に、図1に示す矢印方向(前記矢印
方向と対向する方向)から高濃度のN型不純物を注入す
ることにより、図1の右側のトランジスタTR2には、
図3に示すように前記ゲート電極5Bにより注入する不
純物の一部が遮蔽されて前記ゲート電極5Bの端から所
定間隔(オフセット長)離れた位置から高濃度のN型不
純物が深くイオン注入される。尚、N型不純物としてヒ
素(75As+ )イオンを使用した場合の注入条件は、お
よそ加速電圧30乃至60KeV、注入量10の15乗
オーダーである。このとき、前記ゲート電極5Bとこの
高濃度のN型不純物のイオン注入層との間に所望のオフ
セット長が得られるように傾斜角を設定する。また、左
側のトランジスタTR1にはゲート電極5A及びレジス
ト膜6Aによりマスクされていない部分にのみ不純物イ
オンが注入される。
【0016】続いて、図1に示す矢印方向(前記矢印
方向と対向する方向)から前述した条件で高濃度のN
型不純物を注入することにより、図1の左側のトランジ
スタTR1には、前述したように前記ゲート電極5Aに
より注入する不純物の一部が遮蔽されて前記ゲート電極
5Aの端から所定間隔(オフセット長)離れた位置から
高濃度のN型不純物が深くイオン注入される。このとき
も、前記ゲート電極5Aとこの高濃度のN型不純物のイ
オン注入層との間に所望の間隔(オフセット長)が得ら
れるように傾斜角を設定する。また、右側のトランジス
タTR2にはゲート電極5B及びレジスト膜6Bにより
マスクされていない部分にのみ不純物イオンが注入され
る。
【0017】次に、図4は前記レジスト膜6A、6Bを
除去し、各トランジスタTR1、TR2の他方のソース
・ドレイン拡散層形成領域上をレジスト膜7A、7Bで
被覆した後、基板1を180度回転させた状態を示す図
で、前述したのと同様に先ず、矢印方向から低濃度の
N型不純物を所望の傾斜角で注入した後、前記注入方向
と直交する矢印方向から同じく低濃度のN型不純物を
所望の傾斜角で注入する。続いて、矢印方向から高濃
度のN型不純物を注入し、以下同様に矢印方向から同
じく高濃度のN型不純物を注入して、もう一方の拡散層
形成用の不純物イオンの注入を完了する。
【0018】図5は以上のようにして不純物イオンが注
入された半導体装置を示し、例えばゲート電極5Bの下
方にオーバーラップした領域(I)は、矢印方向から
注入された低濃度のN型不純物イオンにより形成され、
該領域(I)に隣接する領域(II)は、矢印、方
向から注入された低濃度のN型不純物イオンと矢印方
向から注入された高濃度のN型不純物イオンにより形成
され、該領域(II)に隣接する領域(III)は、矢
印、方向から注入された低濃度のN型不純物イオン
と矢印、方向から注入された高濃度のN型不純物イ
オンにより形成されている。もちろん、トランジスタT
R1も同様な構造をしており、トランジスタの配置向き
に関わらず、各トランジスタTR1、TR2の各ソース
・ドレイン拡散層は左右対称に形成される。
【0019】そして、図6に示すように熱処理を行い、
前記各トランジスタTR1、TR2の各不純物イオン注
入層を活性化してチャネル領域近傍のN- 型拡散層8B
(トランジスタTR1側図示せず)と、この層に隣接す
るN+ 型拡散層9B(トランジスタTR1側図示せず)
から成るソース・ドレイン層を形成する。このようにし
て形成された半導体装置は、図7の濃度プロファイルに
示すように各領域(I、II、III)を介してその濃度
勾配が緩やかな傾斜となるため、耐圧性の向上等の特性
向上がはかれる。
【0020】また、本発明の製造方法では、従来のよう
にサイドウォールスペーサを形成することなしに、LD
D構造とすることができる。更に、配置向きの異なるト
ランジスタが混在する場合でも、左右対称なトランジス
タ構造とすることができる。尚、本実施例では交差する
2方向から同一条件で不純物イオンの注入を行うように
しているが、例えば基板載置テーブルを90度回転させ
てトランジスタの注入領域を不純物イオン源側に合わせ
たり、イオン源側を移動させても良い。
【0021】
【発明の効果】以上、本発明の半導体装置の製造方法に
よれば、低濃度の不純物イオンが1回注入されたゲート
電極の下方にオーバーラップした領域、該領域に隣接す
る低濃度の不純物が2回と高濃度の不純物イオンが1回
注入された領域、そして該領域に隣接する低濃度の不純
物が2回と高濃度の不純物イオンが2回注入された領域
から成るソース・ドレイン層を形成することができ、そ
の濃度勾配が緩やかな傾斜となり、耐圧特性の向上が図
れる。また、従来のようにサイドウォールスペーサを形
成することなしに、LDD構造とすることができ、製造
工数の削減化が図れる。更に、1回路基板上に配置向き
の異なるトランジスタを形成する場合でも、左右対称な
トランジスタ構造とすることができ、同じ特性のものが
形成できる。
【0022】また、本発明の製造方法では、従来のよう
にサイドウォールスペーサを形成することなしに、LD
D構造とすることができ、製造工数の削減がはかれる。
更に、1回路基板上に配置向きの異なるトランジスタを
形成する場合でも、左右対称なトランジスタ構造とする
ことができ、同じ特性のものが形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の製造方法を示す平面図で
ある。
【図2】本発明の半導体装置の製造方法を示す断面図で
ある。
【図3】本発明の半導体装置の製造方法を示す断面図で
ある。
【図4】本発明の半導体装置の製造方法を示す平面図で
ある。
【図5】本発明の半導体装置の製造方法を示す断面図で
ある。
【図6】本発明の半導体装置の製造方法を示す断面図で
ある。
【図7】本発明の半導体装置の濃度プロファイルを示す
図である。
【図8】従来の半導体装置の製造方法を示す第1の断面
図である。
【図9】従来の半導体装置の製造方法を示す第2の断面
図である。
【図10】従来の半導体装置の製造方法を示す第3の断
面図である。
【図11】従来の半導体装置の製造方法を示す第4の断
面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/78 H01L 21/265 H01L 21/336

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上にゲート絶縁膜を介してゲ
    ート電極を形成する工程と、 後工程で前記ゲート電極の両端に形成するソース・ドレ
    イン拡散層形成領域の一方の領域上をレジスト膜で被覆
    した後に該レジスト膜をマスクとして所定角度で交差す
    る2方向からある傾斜角で低濃度の不純物を注入する工
    程と、 前記各注入方向とそれぞれ対向する2方向からある傾斜
    角で高濃度の不純物を注入する工程と、 前記レジスト膜を除去し、他方のソース・ドレイン拡散
    層形成領域上をレジスト膜で被覆した後に該レジスト膜
    をマスクとして所定角度で交差する2方向からある傾斜
    角で低濃度の不純物を注入する工程と、 前記各注入方向とそれぞれ対向する2方向からある傾斜
    角で高濃度の不純物を注入する工程とを有することを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
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