JP3063051B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP3063051B2 JP7014306A JP1430695A JP3063051B2 JP 3063051 B2 JP3063051 B2 JP 3063051B2 JP 7014306 A JP7014306 A JP 7014306A JP 1430695 A JP1430695 A JP 1430695A JP 3063051 B2 JP3063051 B2 JP 3063051B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置とその製造方
法に関するものであり、さらに詳しく言えば、オープン
ドレイン形式のFLT駆動出力トランジスタとして用い
られる高耐圧型MOSトランジスタの耐圧特性の向上及
び微細化を可能とする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常のMOSトランジスタと高耐圧型M
OSトランジスタとが共存するLSIにおいては、その
微細化及び高集積化に伴い、ゲート酸化膜厚を薄く形成
する必要がある。しかしながら、ゲート酸化膜を薄くす
ると高耐圧型MOSトランジスタのドレイン端での電界
強度が高まり、耐圧が低下したり、絶縁破壊を起こす等
の問題が発生する。そこで、ドレイン上方のゲート酸化
膜を部分的に厚く形成し、かかる問題に対応している。
【0003】以下で、この種の半導体装置について、図
9を参照しながら説明する。図において、P型の半導体
基板(31)上に膜厚段差(X)を有するゲート酸化膜
(32)が形成されており、その薄い部分(32A)上
と厚い部分(32B)上にゲート電極(33)が延在さ
れている。そして、ゲート絶縁膜の薄い部分(32A)
上に延在されたゲート電極の一端に整合するように、N
+型ソース拡散層(34)が形成されており、チャネル
領域(35)を介してソース拡散層(34)と対向して
N−型ドレイン拡散層(36)が形成され、さらに、ゲ
ート電極(33)の他端から離間され、かつN−型ドレ
イン拡散層(36)に含まれるようにN+ドレイン拡散
層(37)が形成されている。
【0004】上記の半導体装置によれば、ゲート電極
(33)をゲート絶縁膜の厚い部分(32)上に載せて
いるので、ゲート・ドレイン間の絶縁破壊が起こりにく
くなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、マスクの合
わせずれにより、N−型ドレイン拡散層(36)の端が
厚い部分(32B)側にずれる(図において、矢印の方
向)と、チャネル領域(35)上にゲート絶縁膜の厚い
部分(32B)が現れるために、しきい値電圧が所定の
値より高くなるという問題がある。このため、従来はマ
スク合わせの余裕度を確保するために、N−型ドレイン
拡散層(36)を膜厚段差(X)より、ゲート絶縁膜の
薄い部分(32A)側にはみ出して位置させていた。
【0006】従って、従来の半導体装置では、そのはみ
出し部分だけパターンサイズが大きくなっていた。さら
に、段差部分(X)下方には、N−型ドレイン拡散層
(36)の不純物濃度が比較的高い部分が位置するよう
になるため、ドレインに高電圧を印加すると、その段差
部分(X)の絶縁膜中の電界が高くなり、耐圧劣化や絶
縁破壊等の問題を生じるおそれがあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る半導体装置は、N−型ドレイン拡散層
の上端をゲート絶縁膜の段差部分と実質的に一致させ、
かつN−型ドレイン拡散層の基板表面に近い部分をチャ
ネル領域の反対方向に窪ませたものである。また、本発
明に係る半導体装置の製造方法は、N−型ドレイン拡散
層を形成した後に段差部分を有するゲート絶縁膜を形成
し、その膜厚差を利用して、ゲート絶縁膜の薄い部分の
みを通してP型不純物をチャネル領域にイオン注入する
ことにより、N−型ドレイン拡散層の上端をゲート絶縁
膜の段差部分と実質的に一致させ、かつN−型ドレイン
拡散層の基板表面に近い部分をチャネル領域の反対方向
に窪ませたものである。
【0008】
【作 用】本発明に係る半導体装置とその製造方法によ
れば、N−型ドレイン拡散層の上端をゲート絶縁膜の段
差部分と実質的に一致させ、かつN−型ドレイン拡散層
の基板表面に近い部分をチャネル領域の反対方向に窪ま
せているので、チャネル領域の長さが自己整合的に定ま
り、微細なデザインルールの設定が可能となり、また、
ゲート絶縁膜の段差部分の電界が弱まるので、耐圧劣化
や絶縁破壊等が起こりにくくなる。
【0009】
【実施例】以下で、本発明の一実施例に係る半導体装置
の製造方法を図面を参照しながら説明する。まず、図1
に示すように、P型のシリコン基板(1)にリンイオン
(31P+)を注入量5E12/cm2(5掛ける10の12
乗の意味である。)の条件でイオン注入し、これを11
00℃で2時間熱拡散することにより、N−型ドレイン
拡散層(2)を形成し、その後シリコン基板(1)上の
全面に1000Å程度の酸化膜(3)を形成する。
【0010】次に、図2に示すように、後にチャネルと
なる領域上及びN+型ドレイン拡散層を形成する領域上
の酸化膜(3)をホトレジスト(4)をマスクとしてエ
ッチング除去する。そして、図3に示すように、ホトレ
ジスト(4)を除去した後にもう一度熱酸化を行うこと
により、N−型ドレイン拡散層(2)の端部上に膜厚段
差(X)を有するゲート絶縁膜(5)を形成する。すな
わち、このゲート絶縁膜(5)は300Å程度の薄い部
分(5A)と1100Å程度の厚い部分(5B)とを有
する。
【0011】次に、図4に示すように、二フッ化ボロン
(BF2+)を加速電圧80KeV、注入量8.5E11
/cm2の条件でイオン注入すると、ゲート絶縁膜の薄い
部分(5A)の下のみにP型注入層(6)が形成され
る。また、この結果、N−型ドレイン拡散層(2)端は
ゲート絶縁膜の段差部分(X)と実質的に一致し、かつ
N−型ドレイン拡散層(2)の基板表面に近い部分はチ
ャネル領域の反対方向に窪んだ形となる。
【0012】次いで、図5に示すように、ゲート絶縁膜
の薄い部分(5A)上と厚い部分(5B)上に延在する
ポリシリコン等からなる4000Å程度のゲート電極
(7)を形成する。そして、図6に示すように、ヒ素イ
オン(75As+)を加速電圧70KeV、注入量6E15
/cm2の条件でイオン注入し、ゲート絶縁膜の薄い部分
上(5A)に延在された前記ゲート電極(7)の一端に
整合するN+型ソース拡散層(8)と、そのゲート電極
(7)の他端から離間され、かつN−型ドレイン拡散層
(2)に含まれるN+型ドレイン拡散層(9)とを形成
する。
【0013】上記の製造方法によれば、ゲート絶縁膜の
膜厚差を利用して、ゲート絶縁膜の薄い部分(5A)の
下のみにP型注入層(6)を形成しているので、N−型
ドレイン拡散層(2)端はゲート絶縁膜の段差部分
(X)に自己整合的に形成される。これにより、チャネ
ル領域(10)の長さ(L)は、段差部分(X)とゲー
ト電極(7)の端によって自己整合的に定まるので、デ
ザインルール上の余裕度が大きくなり、結果として微細
なデザインルールを設定することが可能となる。
【0014】また、P型注入層(6)は、トランジスタ
のしきい値電圧制御のためのチャネルドープ層としても
兼用できる利点がある。さらに、N−型ドレイン拡散層
(2)の基板表面に近い部分はチャネル領域の反対方向
に窪んだ形となっているので、段差部分(X)の電界強
度が弱められ、従来に比べて、ゲート絶縁膜の破壊等が
起こりにくくなり、信頼性向上に寄与することができ
る。その効果を定量的に示すため、発明者は、デバイス
シミュレーションを行った。その結果を従来例と比較し
て図7及び図8に示した。これらの図面は、ゲート絶縁
膜の段差部分(X)の付近の絶縁膜中における断面の2
次元電界分布を表しているものである。従来例に係る電
界分布は図7に示すように、段差部分(X)で7E5/
cm2になっているのに対して、本実施例では、5E5/c
m2と小さくなっていることがわかる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
本発明に係る半導体装置とその製造方法によれば、N−
型ドレイン拡散層の上端をゲート絶縁膜の段差部分と実
質的に一致させ、かつN−型ドレイン拡散層の基板表面
に近い部分をチャネル領域の反対方向に窪ませているの
で、チャネル領域の長さが自己整合的に定まり、微細な
デザインルールの設定が可能となり、さらに、ゲート絶
縁膜の段差部分の電界が弱まるので、耐圧劣化や絶縁破
壊等が起こりにくくなり、高耐圧MOSトランジスタの
信頼性を向上することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る半導体装置の製造方法
を説明する第1の断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る半導体装置の製造方法
を説明する第2の断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る半導体装置の製造方法
を説明する第3の断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係る半導体装置の製造方法
を説明する第4の断面図である。
【図5】本発明の一実施例に係る半導体装置の製造方法
を説明する第5の断面図である。
【図6】本発明の一実施例に係る半導体装置の製造方法
を説明する第6の断面図である。
【図7】従来例に係る半導体装置の電界分布を示す図で
ある。
【図8】本発明の実施例に係る半導体装置の電界分布を
示す図である。
【図9】従来例に係る半導体装置の製造方法を説明する
断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/78 H01L 21/336

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一導電型の半導体基板上に低濃度の逆導
    電型ドレイン拡散層を形成する工程と、 前記ドレイン拡散層の上方に膜厚段差を有するゲート絶
    縁膜を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜の薄い部分から一導電型不純物をチャ
    ネル領域にイオン注入することにより、前記ドレイン拡
    散層の上端が前記ゲート絶縁膜の段差部分と実質的に一
    致させ、かつ該ドレイン拡散層の基板表面に近い部分を
    窪ませる工程と、 前記ゲート絶縁膜の薄い部分上と厚い部分上に延在する
    ゲート電極を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜の薄い部分上に延在された前記ゲート
    電極の一端に整合する高濃度の逆導電型ソース拡散層
    と、前記ゲート電極の他端から離間され、かつ前記低濃
    度の逆導電型ドレイン拡散層に含まれる高濃度の逆導電
    型ドレイン拡散層とをイオン注入により形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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