JP3192424U - Ledモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】封止部に生じるボイドがLEDモジュールの光量に与える影響を低減できるLEDモジュールを提供する。【解決手段】LEDモジュールを、電流が供給されることによって光を出射するLEDダイ2と、LEDダイ2を収容するケース7と、LEDダイ2を封止するように、ケース7内に充填される封止剤8と、封止剤8を覆うようにケース7に載置され、LEDダイ2から出射された光が透過するレンズ9とを備える構成とし、レンズ9を石英ガラスより形成し、封止剤の屈折率が空気の屈折率よりも大きく、レンズの屈折率が封止剤の屈折率よりも大きく、LEDダイ2から出射された光が入射するレンズの入射面を凸面となるように構成する。【選択図】図1
Description
本考案は、LED(Lgiht Emitting Diode)ダイと、該LEDダイから出射される光を透過するレンズとを備えるLEDモジュールに関する。
従来より、工業製品のコーティングや光学部品等の組み立て用接着剤として、紫外線硬化型樹脂が用いられている。紫外線硬化型樹脂は、流動性を有するモノマーやオリゴマーが紫外線(紫外光)を吸収して光重合反応を起こし、固体のポリマーに変化する樹脂である。そして、この紫外線硬化型樹脂を硬化させるための光源として紫外線照射装置(以下「UV照射装置」という。)が開発されている。
近年、UV照射装置の光源として、消費電力の削減や装置サイズのコンパクト化の要請から、紫外光を発光可能なLEDモジュールが採用されている。特許文献1に、一般的なLEDモジュールの構成が示されている。
特許文献1に示されるように、LEDモジュールは、LEDチップ(以下「LEDダイ」ともいう)、LEDダイを収容するケースとしての機能とLEDダイからの射出光を平凸レンズ側に反射する機能を持つリフレクタ、リフレクタに充填されてLEDダイを封止する封止剤、リフレクタの開口部を塞いで封止剤をリフレクタに密封するように載置された平凸レンズを有する。
封止剤は、ケース内でLEDダイを封止する封止部として機能し、光透過性を有する透明樹脂(封止樹脂)が用いられる。封止剤は、LEDダイと接触し、LEDダイが発する高密度の熱エネルギーと光エネルギーに直接さらされる部分であることから、LEDモジュールを設計する上で、LEDモジュールの信頼性向上の鍵を握る部分である。特に、UV照射装置用のLEDダイは紫外光を発光するため、封止樹脂には紫外光に対する高い耐光性が必要である。封止樹脂の紫外光に対する耐光性が低いと、クラックが発生したり、封止樹脂がLEDダイから剥離し、LEDダイと封止樹脂との間に空間が生じる場合がある。このように、LEDダイを封止している封止樹脂にクラック等が発生すると、空気の間隙が生じるため、LEDダイから出射された光が、この間隙の空気層と封止樹脂の樹脂層との間で全反射したり屈折したりすることで、LEDモジュールの光量低下を招くおそれがある。また、クラックが、LEDダイの電気的導通を確保しているボンディング用のワイヤや回路(金やアルミ材質)を切断し、不点灯を誘発する原因となる可能性もある。そこで、一般には、その耐熱性および光耐性の高さから、光透過性を有する封止樹脂としてシリコーン樹脂が採用されている。
上記構成を有するLEDモジュールの製造工程においては、LEDダイをリフレクタに収納した後、封止樹脂がポッティング等によりリフレクタに充填される。そして、封止樹脂によって形成された封止剤上に、平凸レンズをレンズの平面側が封止剤と対向するように載置し、封止樹脂を硬化させることにより、封止剤とレンズとを接着する。
平凸レンズを封止剤に載置する際、レンズの平面側を封止剤と対向させるため、レンズと封止剤との間に空気が入り込み、レンズと封止剤との接着面にボイドとして残ってしまうおそれがある。また、封止樹脂を硬化させる際、封止樹脂中から水蒸気を中心とするアウトガスが発生する。このため、レンズを、空気が入り込まないように封止剤に重ねることができたとしても、封止樹脂の硬化時に発生したアウトガスが、封止樹脂中でボイドを形成するおそれがある。
封止樹脂にボイドが発生すると、クラックが発生した場合と同様に、封止樹脂の樹脂層とボイドの空気層との界面において、LEDダイから出射された光が全反射したり屈折したりするため、LEDモジュールの光量低下を招くおそれがある。特に、ボイドがLEDダイの光軸上に存在する場合、LEDモジュールが発光する光強度分布のピークと該ボイドによって光強度低下が発生する範囲とが重なり、LEDモジュールの光量が著しく低下するおそれがある。
本考案は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、封止剤に生じるボイドがLEDモジュールの光量に与える影響を低減できるLEDモジュールを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本考案のLEDモジュールは、電流が供給されることによって光を出射するLEDダイと、LEDダイを収容するケースと、LEDダイを封止するように、ケース内に充填される封止剤と、封止剤を覆うように該ケースに載置され、LEDダイから出射された光が透過するレンズとを備え、レンズは石英ガラスよりなり、封止剤の屈折率は、空気の屈折率よりも大きく、レンズの屈折率は、封止剤の屈折率よりも大きく、LEDダイから出射された光が入射するレンズの入射面が凸面となるように構成される。
このような構成によれば、後述するように封止剤におけるボイドの発生をレンズの周縁部に限定することができるため、ボイドがLEDモジュールの光量に与える影響を可能な限り抑えることができる。
また、LEDダイは、LEDダイの光軸とレンズの光軸とが略一致するようにケースに収容される構成としてもよい。
また、レンズは、シリンドリカルレンズとすることができる。また、この場合、LEDダイが、シリンドリカルレンズのシリンダ軸に沿って複数配置される構成としてもよい。
このような構成によれば、複数のLEDダイを覆うようにシリンドリカルレンズを載置する場合でも、封止剤におけるボイドの発生をシリンドリカルレンズの周縁部に限定することができるため、ボイドがLEDモジュールの光量に与える影響を可能な限り抑えることができる。
さらに、封止剤がシリコーン樹脂からなる構成とすることができる。シリコーン樹脂はLEDダイが発する熱に対する耐熱性や紫外光に対する耐光性に優れた特性を有するため、UV照射装置用のLEDモジュールに好適である。
また、ケースの内壁面を、LEDダイから該内壁面に入射する光をレンズに向かって反射するように、レンズの光軸に対して傾斜させてもよい。
以上のように、本考案の実施形態の構成によれば、封止剤に生じるボイドがLEDモジュールの光量に与える影響を低減することが可能なLEDモジュールが実現する。
以下、図面を参照しながら、本考案の実施形態に係るLEDモジュールについて説明する。
図1は、本考案の一実施形態に係るLEDモジュール1の概略断面図である。LEDモジュール1は、LEDダイ2を収容する収容部7aを有するケース7、ケース7内に充填されてLEDダイ2等を封止するためのシリコーン樹脂からなる封止剤8、封止剤8上に載置されたレンズ9を有する。なお、封止剤8は、LEDダイ2を封止する封止部として機能する。
LEDダイ2は、一般的な周知のLEDダイ、例えばGaN系LEDダイであり、四角形や長方形等の矩形をしている。LEDダイ2は、サファイア基板上にn型半導体層(n−GaN)、発光層(InGaN)、p型半導体層(p−GaN)の3層が形成されている。n型半導体層上には、LEDダイ2の陰極として機能するn側電極パッドが配置されている。また、p型半導体層上にはp側電極パッドが配置されている。LEDダイ2に電流が供給されると、LEDダイ2は拡散光を出射する。
LEDダイ2のp側電極パッドおよびn型電極パッドは、導電性が良好で柔軟性を有する金ワイヤ3を介して、ワイヤボンディングによりリードフレーム6と電気的に接続されている。リードフレーム6は、機械的強度、電気伝導度、熱伝導度、耐食性等に優れた銅素材等の薄板をエッチングや打ち抜き加工により所望の形状に加工し、銀めっき等のめっきを施した部品である。リードフレーム6は、LEDモジュール1の外部配線との接続を行う。
LEDダイ2は、LEDダイ2からの熱や光に対して変色が少なく熱伝導性および接着性の良好なシリコーン樹脂やはんだを用いた接着剤4により、ヒートシンク5に接合されている。ヒートシンク5は、放熱性の高い亜鉛、アルミニウム、銅等の金属素材からなる部品である。なお、ヒートシンク5の素材としては、金属以外に、セラミックス(例えば、窒化アルミニウム)の他、グラファイトやグラッシーカーボン等の炭素素材を使用できる。また、これらの素材を組み合わせた複合材料を用いてヒートシンク5を構成してもよい。ヒートシンク5は、LEDダイ2からの発熱を、接着剤4を介してLEDモジュール1の外部へ逃がす。
ケース7は、機械的強度、耐熱性、耐光性の良好なセラミックスによって形成される有底略円筒状のケースである。ケース7は、LEDダイ2から出射された光をロスなく反射する働きと、LEDダイ2の発光強度分布をケース7内で集散させて扱いやすい分布(ガウス分布や均等拡散分布等)に整える働きと、LEDダイ2からの発熱をケース7の外部へ逃がす働きとを持つ。本実施形態においては、ケース7は、LEDダイ2、金ワイヤ3および封止剤8を収容するための収容部7aを有し、LEDダイ2は、その光軸AXがケース7の軸線と略一致するように、収容部7aの底面中央部に配置されている。ケース7の一端は、円形状に開口しており、この開口を塞ぐようにレンズ9が載置される(詳細は後述)。図1に示すように、ケース7の内周面(内壁面)は、LEDダイ2の光軸AXに対して所定の傾きで(換言すると、レンズ9側に向かうにつれて光軸AXから離れるように)傾斜している。したがって、LEDダイ2から出射されてケース7の内周面に向かう光は、その表面で反射されてレンズ9に入射するようになっている。なお、ケース7の内周面の形状は、ケース7におけるLEDダイ2の搭載位置、ケース7の大きさや深さ等に応じて、適宜変更することができる。また、ケース7の素材は、セラミックスに限定されるものではなく、例えば、樹脂や金属を適用することも可能である。
収容部7aには、LEDダイ2や金ワイヤ3を封止するための封止剤8が充填される。封止剤8は、光透過性を有する透明樹脂であり、LEDダイ2が発光した光を効率よく取り出す光学媒体として働く。光は、屈折率の大きい媒体から屈折率の小さい媒体へ進行する場合、両媒体の界面における全反射の影響で透過しにくい特性を有する。LEDダイ2の屈折率は、空気の屈折率(およそ1)よりも大きい。本実施形態においては、封止剤8には、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有し、LEDダイ2が発する熱に対する耐熱性や紫外光に対する耐光性に優れたシリコーン樹脂が用いられる。
LEDダイ2や金ワイヤ3等の収容部7aに収容された部品を封止剤8により封止した後、封止剤8と収容部7aを覆うようにレンズ9をケース7に載置する。本実施形態においては、レンズ9がケース7に載置されたときにレンズ9の光軸とLEDダイ2の光軸とが略一致するように構成されている。そして、図1に示すように、レンズ9の外径が収容部7aの開口の内径よりも若干大きく設定されている。そして、LEDダイ2からの出射光が入射するレンズ9の入射面9aが、レンズ端面近傍(すなわち、周縁部)において、ケース7の一端と当接するように載置される。なお、入射面9aの周縁部を平面に形成し、該周縁部をケース7の上面7bに当接させて封止剤8と収容部7aを覆うようにレンズ9を載置する構成としてもよい。レンズ9は、両凸レンズであり、レンズ9の入射面9aおよび出射面9bの曲率半径は、LEDモジュール1の集光特性に応じてそれぞれ変更することができる。封止剤8からレンズ9に進行する光が、封止剤8とレンズ9との界面において全反射しないよう、レンズ9には、屈折率の値が封止剤8に用いられているシリコーン樹脂の屈折率(およそ1.4)以上である素材、例えば石英ガラス(およそ1.5)等を用いる。レンズ素材には、封止剤8の屈折率以上の透明素材であれば、石英ガラスの他、耐光性の良好なシリコーン樹脂等任意の素材を採用することができる。
ここで、LEDダイ2から封止剤8への光の進行について説明する。LEDダイ2の素材は窒化ガリウム(GaN)である。便宜上、紫外領域におけるGaN、シリコーン樹脂、空気の屈折率を、それぞれ2.5、1.4、1.0とする。例えば、物質Aの屈折率をnA、物質Bの屈折率をnB(nA<nB)とすると、光が物質Bから物質Aへ進行するとき、光は物質Aと物質Bとの界面における入射角が所定の角度以上になると界面にて全反射して物質Aへ進行しない。この所定の角度を臨界角と呼び、臨界角をθmとすると、スネルの法則より、sinθm=nA/nBの関係が成り立つ。このため、図2(a)、(b)に示すように、物質BをGaNとすると(nB=2.5)、物質Aが空気である場合(nA=1.0)よりもシリコーン樹脂である場合(nA=1.4)の方が臨界角θmが大きくなる。すなわち、図2(c)、(d)に示すように、上記の通りシリコーン樹脂からなる封止剤8を収容部7aに入れることにより、封止剤8を入れない場合、すなわちLEDダイ2の周囲が空気で満たされている場合よりも多くの光をLEDダイ2から取り出すことができるため、光取り出し効率が向上し、LEDモジュールの発光量が増加する。
次に、封止剤8からレンズ9への光の進行について説明する。図3は、本実施形態においてLEDダイ2が発光した光が封止剤8からレンズ9に進行する様子を示す模式図である。便宜上、図3では封止剤8、レンズ9、入射面9aを拡大し、LEDダイ2からの出射光を光束Lに代表させて示す。LEDダイ2から出射した光束Lは、封止剤8からレンズ9へ進行する。入射面9aにおける光束Lの入射位置をOとし、入射位置Oにおける入射面9aの接平面をRとし、入射位置Oを通る接平面Rの法線をlnとする。また、封止剤8の屈折率をn1、レンズの屈折率をn2とする。このとき、封止剤8において光束Lと法線lnとのなす角をθ1、レンズ9において光束Lと法線lnとのなす角をθ2とすると、スネルの法則によりn1sinθ1=n2sinθ2が成り立つ。本実施形態では、n1≦n2であり、0°≦θ1≦90°および0°≦θ2≦90°であるため、sinθ1≧sinθ2すなわちθ1≧θ2が成り立つ。すなわち、封止剤8とレンズ9の屈折率を上記の通り設定することにより、LEDダイ2から出射した光束Lは、θ1≧θ2を満たすように封止剤8からレンズ9へ進行する。
本実施形態のレンズ9は、封止剤8と接する入射面9aを凸面で形成することにより、レンズ9を封止剤8に載置する際に、レンズ9と封止剤8との間に気泡が発生し難く、また、仮にレンズ9と封止剤8との間に気泡が発生しても、気泡をレンズ9の入射面9aに沿って入射面9aの周縁部に移動させて脱泡することができるように構成している。したがって、レンズ9をケース7および封止剤8上に載置する際に、ボイドの原因となる気泡の発生を効率よく防止することができる。
レンズ9の載置が完了すると、レンズ9によって封止剤8を有するケース7が蓋をされた状態になる。この状態で、封止剤8を形成するシリコーン樹脂を熱硬化により重合反応させて固化させる。シリコーン樹脂は、シラン(SiH4)から誘導されるメチルシラン(CH3SiH3)、ビニルシラン(CH2CHSiH3)、フェニルシラン(C6H5SiH3)、クロロトリメチルシラン(ClSi(CH3))等を原料としてシロキサン結合を骨格とした重合体を作ることで製造される。そして、置換基としてメチル基やフェニル基等を導入することにより粘性等の特性を種々変更してシリコーン樹脂を生成できる。図4には、本実施形態におけるシリコーン樹脂を熱硬化する際の重合反応の一例を示す。図4に示すように、当該シリコーン樹脂はシラノール基(Si−OH)を有するため、熱硬化時にシラノール基間の脱水縮合反応が起こり、水蒸気(H2O)が生じる。なお、シリコーン樹脂の組成によっては、熱硬化時に水蒸気に限らず種々のガスが発生することが考えられる。
このため、シリコーン樹脂を熱硬化する際、樹脂中にガス、例えば水蒸気が発生し、このガスが原因で封止剤8中に気泡が発生することがある。図1に示すように、本実施形態においては、発生した気泡Bは、レンズ9側に浮上し、レンズ9の入射面9aに到達する。入射面9aが凸面であるため、気泡Bは入射面9aに沿って入射面9aの周縁部に移動する。したがって、封止剤8の熱硬化時に気泡が発生しても、ボイドはレンズ9の入射面9aの周縁部にのみ生じる。すなわち、LEDモジュール1の光強度分布のピークはLEDダイ2の光軸AXの近傍に設定されることから、ボイドによる光量低下の影響を、LEDモジュール1の光強度分布におけるピーク(すなわち、光軸AX)から可能な限り離れた範囲に限定することができる。このため、ボイドによるLEDモジュール1の光量低下を極力抑えることができる。
以上が本考案の例示的な実施形態の説明である。本考案の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本考案の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば、図5に示すように、別の実施形態では、LEDモジュール10は、直線上に複数個並べられたLEDダイ2を覆うように1個のシリンドリカルレンズ19が載置される構成としてもよい。なお、図5に示す実施形態において図1と共通する構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。さらに説明の便宜上、図5にはLEDダイ、ケース、収容部、封止剤、レンズのみを示し、図1と共通するその他の構成要素は図示を省略する。以下、図1に示す実施形態とは異なる点について説明する。
図5に示すように、ケース17は有底矩形状の容器であり、ケース17の収容部17a内に、複数のLEDダイ2がシリンドリカルレンズ19のシリンダ軸BXに沿って並べられている。また、図5に示すように、シリンドリカルレンズ19の光軸は、シリンドリカルレンズ19の光軸面Sにおいて、シリンダ軸BXと直交する任意の直線として設定される。したがって、本実施形態においては、各LEDダイ2の光軸AXが、シリンドリカルレンズ19の光軸と略一致するように構成されている。
シリンドリカルレンズ19は、そのシリンダ軸BXに直交する断面が両凸となっている。したがって、シリンドリカルレンズ19を封止剤8上に載置する際に、シリンドリカルレンズ19と封止剤8との間に気泡が発生し難く、また、仮にシリンドリカルレンズ19と封止剤8との間に気泡が発生しても、気泡をシリンドリカルレンズ19の入射面19aに沿って入射面19aの周縁部に移動させて脱泡することができる。したがって、シリンドリカルレンズ19をケース17および封止剤8に載置する際に、ボイドの原因となる気泡の発生を効率よく防止することができる。
また、図5に示すように、シリンドリカルレンズ19の載置が完了し、封止剤8を熱硬化する際に気泡B’が発生しても、気泡B’は、シリンドリカルレンズ19側に浮上して入射面19aに到達し、入射面19aに沿って入射面19aの周縁部に移動する。したがって、ボイドはシリンドリカルレンズ19の入射面19aの周縁部にのみ生じる。すなわち、ボイドによる光量低下の影響を、LEDモジュール10の光強度分布におけるピーク(すなわち、各LEDダイ2の光軸AX)から可能な限り離れた範囲に限定することができる。このため、ボイドによるLEDモジュール10の光量低下を極力抑えることができる。
本考案の実施形態において、レンズ9およびシリンドリカルレンズ19は、それぞれケース7、17の開口を塞ぐように、その一端に当接して載置されているが、レンズ9およびシリンドリカルレンズ19によって収容部7a、17a内の封止剤8が覆われる状態にできれば、レンズ9およびシリンドリカルレンズ19を、ケース7、17に対しては任意の相対位置で、封止剤8上に載置することができる。例えば、図6(a)は、図1に示す実施形態の変形例として、LEDモジュール100のLEDダイ2、ケース27、収容部27a、封止剤8、レンズ29のみを示した図である。図6(a)に示すように、レンズ29をケース27および封止剤8に載置したときに、LEDダイ2の光軸AX方向にLEDモジュール100を見ると、レンズ29が収容部27aの四隅を覆っていない。
図6(b)は、図6(a)のA−A線による断面図である。レンズ29の載置が完了して、封止剤8を熱硬化する際に気泡B’’が発生しても、気泡B’’は、レンズ29側に浮上して入射面29aに到達し、入射面29aに沿って29aの周縁部に移動する。そして、レンズ29によって覆われていない封止剤8の露出部8aから、気泡B’’をLEDモジュール100の外部へ逃がすことができる。なお、気泡B’’を露出部8aからLEDモジュール100の外部へ逃がすことができなくとも、気泡B’’は少なくとも入射面29aに沿って29aの周縁部に移動する。このため、本変形例においても、気泡によるボイドの発生をレンズ29の周縁部、すなわちLEDモジュール100の光強度分布におけるピーク(LEDダイ2の光軸AX)から可能な限り離れた範囲に限定することができ、ボイドによるLEDモジュール100の光量低下を極力抑えることができる。
図1に示す実施形態では、収容部7a内にLEDダイ2を1個設けた構成としているが、LEDダイ2を複数個設けた構成としてもよい。また、レンズ9およびシリンドリカルレンズ19の代わりにアキシコンレンズを採用してもよい。さらに、レンズ形状を、非球面としてもよいし、出射面を平レンズ形状または凹レンズ形状としてもよい。
また、封止剤を熱硬化する際に、減圧環境下で重合反応を進行させれば、封止剤中に生じた気泡をよりすばやくレンズ周縁部に移動させることができる。さらに、超音波や振動装置等を用いて封止剤に振動を与えながら重合反応を進行させることでも、気泡をレンズ周縁部に移動しやすくすることができる。そして、上記の説明ではシリコーン樹脂を熱硬化する場合を取り上げたが、光硬化性樹脂など熱硬化を行わないシリコーン樹脂を封止剤として使用する場合は、封止剤を加温して粘性を下げながら重合反応を進行させることでも気泡の移動速度を上げることができる。
また、気泡をレンズ周縁部に移動しやすくする手法としては、封止剤の重合が完了する前の状態で、封止剤に界面活性剤を添加する、あるいはレンズの入射面にコーティング等の表面処理を施すことにより、レンズ表面に対する封止剤のぬれ性を向上させる手法等が挙げられる。そこで、これら種々の手法を適宜採用してLEDモジュールを構成してもよい。
1、10、100 LEDモジュール
2 LEDダイ
7、17、27 ケース
7a、17a、27a 収容部
8 封止剤
8a 露出部
9、29 レンズ
9a、19a、29a 入射面
9b、19b 出射面
19 シリンドリカルレンズ
AX 光軸
B、B’、B’’ 気泡
BX シリンダ軸
S 光軸面
2 LEDダイ
7、17、27 ケース
7a、17a、27a 収容部
8 封止剤
8a 露出部
9、29 レンズ
9a、19a、29a 入射面
9b、19b 出射面
19 シリンドリカルレンズ
AX 光軸
B、B’、B’’ 気泡
BX シリンダ軸
S 光軸面
Claims (6)
- 電流が供給されることによって光を出射するLEDダイと、
前記LEDダイを収容するケースと、
前記LEDダイを封止するように、前記ケース内に充填される封止剤と、
前記封止剤を覆うように該ケースに載置され、前記LEDダイから出射された光が透過するレンズと、を備え、
前記レンズは石英ガラスよりなり、
前記封止剤の屈折率は、空気の屈折率よりも大きく、
前記レンズの屈折率は、前記封止剤の屈折率よりも大きく、
前記LEDダイから出射された光が入射する前記レンズの入射面が凸面である
ことを特徴とするLEDモジュール。 - 前記LEDダイは、該LEDダイの光軸と前記レンズの光軸とが略一致するようにケースに収容されることを特徴とする請求項1に記載のLEDモジュール。
- 前記レンズはシリンドリカルレンズであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のLEDモジュール。
- 前記LEDダイが、前記シリンドリカルレンズのシリンダ軸に沿って複数配置されていることを特徴とする請求項3に記載のLEDモジュール。
- 前記封止剤は、シリコーン樹脂からなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のLEDモジュール。
- 前記ケースの内壁面は、前記LEDダイから該内壁面に入射する光を前記レンズに向かって反射するように、該レンズの光軸に対して傾斜していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のLEDモジュール。
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