JP3192374B2 - 水酸化ニッケルの製造方法 - Google Patents

水酸化ニッケルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水酸化ニッケルの
製造方法に関する。本発明の水酸化ニッケルは例えばア
ルカリ2次電池用水酸化ニッケル、特にニッケル−カド
ミウム2次電池及びニッケル−水素2次電池等の非焼結
式アルカリ2次電池の正極用材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】アルカリ2次電池用正極の非焼結式電極
に使用される水酸化ニッケルに必要とされる特性、すな
わち活性物質として良好な機能を示すために必要な特性
としては、タッピング密度が十分に高く、比表面積が大
きく、かつ結晶度が低いという条件が挙げられる。これ
は水酸化ニッケルを非焼結式電極として用いる場合、水
酸化ニッケルに高分子結着剤を混合しペースト状にして
電極基板に充填して使用するが、水酸化ニッケルの充填
密度が十分でないと、電極への充填量が少なくなるため
電極の放電容量が低くなり、また結晶度が高く、比表面
積が小さいと水酸化ニッケルの電気化学的な利用率と放
電率が低くなり、実用的な電極とならないからである。
【0003】このような観点からアルカリ2次電池用水
酸化ニッケルの製造方法の改善や開発が広く行われてい
る。例えば、特公平4−68249号公報記載の方法
は、反応系の温度を20〜80℃の範囲の一定値に且つ
反応系のpHを9〜12の範囲の一定値に保持しつつ、
ニッケル塩水溶液、アルカリ金属水酸化物水溶液及びニ
ッケルイオンに対する錯化剤としてのアンモニウムイオ
ン供給体を同時的に反応系に供給して、連続的に粒径範
囲が2〜50μmの球状水酸化ニッケルを取り出すもの
である。この際、アンモニウムイオン供給体の使用量
は、ニッケル塩1molに対して0.1〜1.5mol程度の量
になるように添加するが、安定して良好な水酸化ニッケ
ルを得ることが難しい。
【0004】また特開平3−252318号公報記載の
方法は、本質的には前者と同様であるが、ニッケル塩水
溶液またはニッケル塩、コバルト塩およびカドミウム塩
を含む水溶液とアルカリ金属水酸化物水溶液およびアン
モニウムイオン供給体を連続的に反応系に供給し、反応
系の温度を20〜80℃の範囲の一定値に且つ反応系の
pHを9〜12の範囲の一定値に保持しつつ反応を進行
させて水酸化ニッケル粒子またはコバルトおよびカドミ
ウムを含む水酸化ニッケル粒子を連続的に取り出すもの
である。またその反応過程で間欠的に一定の時間にわた
り反応系へのアンモニウムイオン供給体の供給量を減少
させるか、また反応系において間欠的に一定の時間にわ
たり反応系のpHを上昇させることにより所定の粒度分
布の水酸化ニッケル粒子またはコバルトおよびカドミウ
ムを含む水酸化ニッケル粒子を製造する方法である。
【0005】また特開平6−340427号公報記載の
方法は、上記の例と類似した方法であり、ニッケルに
対する錯化剤としてはアンモニウムイオン供給体を用い
る。ただ反応液内のニッケルイオン濃度を10〜100
mg/lに、反応槽容積1m3あたり0.5kw以上の電力で撹
拌することを特徴とするものである。以上の3例の製造
方法は基本的にはニッケル塩水溶液、苛性アルカリ等の
アルカリ金属水酸化物及びアンモニウムイオン供給体を
同時に連続的に反応系に供給し、反応系温度を20〜8
0℃の範囲の一定値に保持して、かつ反応系のpHを9
〜12の範囲の一定値に維持しつつ反応を進行させるも
のである。これらの方法では、アンモニウムイオン供給
体として通常10〜28重量%のアンモニア水が使用さ
れるが、これは気化しやすく、製造装置からの気化と逃
散を極力防ぐような装置、即ち反応槽の密閉とその管理
に注意することが必要である。また外部への悪臭の発散
や装置の腐食の原因となる恐れがある。またアンモニア
の気化と逃散は反応液内のアンモニア濃度の変動をもた
らし、限られた狭い範囲の適正な生成条件からのずれを
招き、生成した水酸化ニッケルの密度や結晶性などの性
状に悪影響を及ぼし、製品の性状の安定した均一性を損
なう恐れがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はタッピ
ング密度が高く、比表面積が大きく、且つ結晶度が低い
球状の水酸化ニッケルを、その性状の均一性に優れたも
のを安定に製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はニッケル塩を含
む水溶液とアミノ酸もしくはその塩水溶液を同時にかつ
連続的に反応槽へ供給し、これに反応液のpHが一定に
なるようにアルカリ金属水酸化物水溶液を供給して水酸
化ニッケル粒子を生成させることを特徴とする水酸化ニ
ッケル粒子の製造方法に係る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、ニッケル塩を含
む水溶液に用いるニッケル塩としては、硫酸ニッケル、
硝酸ニッケル、塩化ニッケルなどが用いられるが、好ま
しくは硫酸ニッケルである。ニッケル塩を含む水溶液の
ニッケル濃度は例えば0.5〜3.5mol/lであることが
好ましい。水酸化ニッケルの電気化学的活性を高める目
的で、原料のニッケル塩を含む水溶液に、コバルト塩、
カドミウム塩、亜鉛塩から選ばれた少なくとも1種を含
む水溶液を更に加えることもできる。コバルト塩として
は硫酸コバルト、硝酸コバルト、塩化コバルトなど、カ
ドミウム塩としては、硫酸カドミウム、硝酸カドミウ
ム、塩化カドミウムなど、亜鉛塩としては硫酸亜鉛、硝
酸亜鉛、塩化亜鉛などが挙げられる。これらのコバルト
塩、カドミウム塩、亜鉛塩は例えばニッケル金属に対し
て、それぞれ金属換算で約1〜5重量%程度となるよう
に用いるのが好ましい。
【0009】本発明において、アミノ酸としては分子内
にカルボキシル基とアミノ基及び/又は塩基性基を有す
る化合物もしくはその塩を用いることができる。これら
の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ
金属塩、塩酸塩等の無機酸塩などを挙げることができ
る。アミノ酸としては、グリシン、α−アラニン、β−
アラニン(β−アミノ酸)、バリン、セリン、グリシル
グリシン、ロイシン、ノルロイシン、α−アミノ酪酸等
のモノアミノモノカルボン酸、リジン(リシン)、グル
タミン、アスパラギン、アルギニン、α,β−ジアミノ
プロピオン酸、α,γ−ジアミノ酪酸等のジアミノモノ
カルボン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等のモノア
ミノジカルボン酸、メチオニン、システイン等の含硫ア
ミノ酸、プロリン、ヒスチジン等の異節環状アミノ酸、
フェニルアラニン等の芳香族アミノ酸などを挙げること
ができる。その他グリシンアミド(アミノアセトアミ
ド)、ピコリン酸、サルコシン等も挙げられる。
【0010】これらのアミノ酸のうち、下記ニッケルイ
オンと錯体を形成する場合の安定度定数(錯生成定数)
が約6〜20のものが使用でき、好ましくは約7.0〜
12.4のもの、更に好ましくは約7.9〜11.1のも
のが使用できる。ここで安定度定数=log(K1
2)と定義する。 K1:アミノ酸がニッケルイオンに1分子配位するとき
の平衡定数 K2:アミノ酸がニッケルイオンに1分子配位したもの
に更にもう1分子のアミノ酸が配位するときの平衡定数 log(K1・K2)が約7.9〜11.1のアミノ酸とし
ては、グリシルグリシン、β−アラニン、リジン(リシ
ン)、メチオニン、アルギニン、バリン、アスパラギ
ン、グルタミン酸、α−アラニン、グリシンを挙げるこ
とができ、log(K1・K2)が約7.0〜12.4のア
ミノ酸としては、上記のアミノ酸に加えてノルロイシ
ン、プロリン、アスパラギン酸を挙げることができ、l
og(K1・K2)が約6〜20のアミノ酸としては、上
記のアミノ酸に加えて更にグリシンアミド(アミノアセ
トアミド)、サルコシン、α−アミノ酪酸、ロイシン、
セリン、ピコリン酸、α,β−ジアミノプロピオン酸、
ヒスチジン、α,γ−ジアミノ酪酸、システイン等を挙
げることができる。これらのアミノ酸のうち、特にグリ
シン、α−アラニン、β−アラニン、グルタミン酸、グ
リシルグリシンもしくはこれらの塩が好ましい。これら
のアミノ酸は単体または混合して使用できる。これらの
アミノ酸は分子内にカルボキシル基とアミノ基(塩基性
基)を有する両性化合物であり、ニッケルイオンと可逆
的に錯体を生成し、水酸化ニッケル核生成に伴い核周囲
のニッケルイオン濃度が減少することに対して、この錯
体が解離してニッケルイオンの補給を行い、またニッケ
ル塩水溶液の注入によるニッケルイオン濃度の増加に対
しては錯体を形成することで、その増加を抑制する。即
ちニッケルイオンの急激な増加と減少に対して緩衝作用
を果たす。
【0011】反応系に供給するニッケルに対するアミノ
酸のモル比は、一般にはpHとアミノ酸の種類によって
必ずしも同じではないが、通常0.001〜0.6、好ま
しくは0.005〜0.5の範囲が良い。尚、アミノ酸と
共にアンモニウムイオン供給体を併用することもでき
る。本発明のアミノ酸を使用する場合のこのニッケルに
対するアミノ酸のモル比は、アンモニウムイオン供給体
を使用する従来法のモル比の通常1/20〜1/10に
でき、本発明の製造方法におけるアミノ酸の消費量は非
常に少ないという特徴を有する。尚、アミノ酸が水に対
して難溶性の場合は、苛性アルカリによってpH7〜9.
5にpHを上げることによって溶解させるか又はアミノ
酸のアルカリ金属塩を用いることができる。本発明によ
る反応液内の残留ニッケル濃度は通常5〜400mg/l
程度、好ましくは10〜300mg/l程度が良い。
【0012】本発明において、アルカリ金属水酸化物と
しては、苛性ソーダ、苛性カリなどが好ましく用いら
れ、そのアルカリ金属水酸化物水溶液の濃度は通常2〜
10mol/l程度、特に4〜8mol/l程度が好ましい。ア
ルカリ金属水酸化物は反応液のpHが一定になるように
反応槽へ供給するのが良く、特に反応液のpHが9〜1
2の範囲でほぼ所定の一定のpHを維持するように供給
する。通常所定値±0.1程度に維持するのが好まし
い。本発明において反応温度は20〜80℃の範囲でほ
ぼ所定の一定の温度に維持する。通常所定値±2℃、特
に所定値±1℃が好ましい。反応時間は通常約1〜50
時間、好ましくは1〜10時間程度である。尚、反応は
バッチ式、連続式、半連続式等の任意の方法で行うこと
ができる。
【0013】なお、反応槽に予め入れておく液(初期液
という)は、単なる水でもよいが、例えばニッケル塩と
して硫酸ニッケルを使用する場合では、水に硫酸イオン
の供給源として硫酸ナトリウムを使用し、これとアミノ
酸を初期液量に応じて予め入れておくことは生成する水
酸化ニッケルの造粒速度を早めるのに有効である。その
添加量は、定常時の反応液中の硫酸イオンとアミノ酸の
濃度とほぼ等しい濃度となるように、すなわち反応の開
始時から液内の硫酸イオンとアミノ酸の濃度がほぼ一定
に保たれるようにすることが好ましい。この初期液の濃
度は投入する硫酸ニッケルの原液、アミノ酸水溶液及び
アルカリ金属水酸化物水溶液の各濃度とそれらの流量か
ら概算できる。また初期液量は反応槽の構造によるが、
pH電極が浸る程度の少量が好ましい。
【0014】本発明で得られる水酸化ニッケルは、2〜
50μm、好ましくは10〜30μmのほぼ球状粒子であ
る。そのタッピング密度は1.5〜2.2g/ml、好まし
くは2.0〜2.2g/mlである。また水酸化ニッケルの
結晶化度を示す尺度であるX線回折で求めた(101)
面の半値幅は0.8〜1.25度、好ましくは0.9〜1.
25度の範囲である。更にBET法で求めた比表面積は
20〜70m2/g、好ましくは30〜70m2/gである。
【0015】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
る。 実施例1 連続法により、250mlでオーバーフローする反応槽
に、定量ポンプまたはマイクロシリンジを用いて、2mo
l/lの硫酸ニッケル水溶液を35ml/時間、1mol/lの
グリシン水溶液を4.90ml/時間で、同時に6mol/l
の苛性ソーダをpHコントローラーを通じて、強く撹拌
しながら注入し、反応液のpHを11.0±0.1に保持
した。グリシンとニッケルのモル比は0.070であ
り、滞留時間は4.0時間、反応液の温度は60±1℃
であった。反応開始前に計算で概算した硫酸ナトリウム
11.09gと1mol/lグリシン水溶液 3.8mlを含む
初期液50mlを予め入れておき、反応を開始した。反応
後、濾過、水洗、乾燥し、特別の粉砕は不要であった。
反応液中の残留ニッケル濃度は300mg/lであり、得
られた水酸化ニッケルのタッピング密度は2.05g/m
l、X線回折で求めた(101)面の半値幅は1.03
度、粒径はレーザー法による粒度分布の測定から10〜
30μmであった。
【0016】実施例2〜6 pHを11.1±0.1〜10.9±0.1、注入するニッ
ケルに対するグリシンのモル比を0.048〜0.020
の範囲で変化させた以外は実施例1と同様にして試験し
た。実施例4では硫酸ニッケル水溶液に硫酸カドミウム
をNi:Cd=1:0.02のモル比で混入したものを使
用した。得られた水酸化ニッケルのタッピング密度は何
れも2.02〜2.06g/mlであり、(101)面の半
値幅は1.03〜1.09度の良好な結晶化度であった。
各条件と生成物の性状を表1〜2に示す。実施例5で得
られた水酸化ニッケル粒子の走査型電子顕微鏡(SE
M)写真(倍率350倍)を図1に示す。
【0017】実施例7〜13 アミノ酸として1mol/lのDL−アラニン水溶液を用い
た以外は実施例1〜6と同様の方法で試験した。反応液
のpHは10.8±0.1〜11.0±0.1、ニッケルに
対するDL−アラニンのモル比は0.070〜0.038
の範囲で変化させ、反応液中のニッケル濃度と生成水酸
化ニッケルの性状を求めた。残留ニッケル濃度は140
〜25mg/lの範囲に変動したが、タッピング密度は何
れも2.06〜2.10g/ml、(101)面の半値幅は
1.09〜1.20度の範囲で良好な水酸化ニッケルが得
られた。表1〜2に各条件と生成物の性状を示す。実施
例12で得られた水酸化ニッケル粒子の走査型電子顕微
鏡(SEM)写真(倍率350倍)を図2に示す。
【0018】実施例14〜16 アミノ酸として3mol/lのβ−アラニン水溶液を用い、
実施例1〜6と同様の方法で試験した。反応液のpHは
10.9±0.1〜11.0±0.1、注入するβ−アラニ
ンのニッケルに対するモル比は0.25〜0.18の範囲
で変化させた。反応液中の残留ニッケル濃度は25〜1
30mg/lであった。得られた水酸化ニッケルの特性を
表2に示す。
【0019】実施例17 アミノ酸として1mol/lのグリシルグリシン水溶液を用
い、実施例1〜6と同様の方法で測定を行った。温度6
0±1℃、反応液のpHは10.9±0.1、グリシルグ
リシンのニッケルに対するモル比は0.035で、残留
ニッケル濃度は100mg/lであった。得られた水酸化
ニッケルの特性を表2に示す。
【0020】比較例1 アミノ酸の代わりに、7mol/lのアンモニア水を用い、
実施例1〜6と同様の方法で測定を行った。温度60±
1℃、反応液のpHは10.8±0.1、アンモニアのニ
ッケルに対するモル比は0.50で、残留ニッケル濃度
は10mg/lであった。濃アンモニア水を用いるため、
揮散によるアンモニア濃度の変化が見られ、アンモニア
のニッケルイオンに対するモル比を一定に維持すること
が難しく、表2の通りタッピング密度、(101)面の
半値幅において不十分であった。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】実施例18 アミノ酸として1mol/lのDL−アラニン水溶液を用
い、反応温度50±℃、反応液のpHを11.0±0.
1とし、滞留時間が6時間で、且つニッケルに対するD
L−アラニンのモル比が0.058となるように、2mol
/lの硫酸ニッケル水溶液とDL−アラニン水溶液の流
量を調整し、実施例1と同様の方法で試験した。反応液
中の残留ニッケル濃度は300mg/lであった。得られ
た水酸化ニッケルのタッピング密度は2.04g/ml、X
線回折で求めた(101)面の半値幅は1.19度、粒
径はレーザー法による粒度分布の測定から10〜30μ
mであった。
【0024】実施例19 アミノ酸水溶液としてL−グルタミン酸を水に懸濁さ
せ、6mol/lの水酸化ナトリウムをpH8になるまで加
えてグルタミン酸を溶解させて、1mol/lのグルタミン
ナトリウム水溶液を作り反応に用いた。反応温度60
±℃、反応液のpHを10.9±0.1とし、滞留時間
が5.9時間で、且つニッケルに対するグルタミン酸の
モル比が0.055となるように、2mol/lの硫酸ニッ
ケル水溶液とグルタミン酸ナトリウム水溶液の流量を調
整し、実施例1と同様の方法で試験した。反応液中の
ニッケル濃度は150mg/lであった。得られた水酸
化ニッケルのタッピング密度は2.02g/ml、X線回折
で求めた(101)面の半値幅は1.17度、粒径はレ
ーザー法による粒度分布の測定から10〜30μmであ
った。得られた水酸化ニッケル粒子の走査型電子顕微鏡
(SEM)写真(倍率350倍)を図3に示す。
【0025】実施例20 アミノ酸として1mol/lのL−アスパラギン酸1ナトリ
ウム1水化物水溶液を用い、反応温度60±℃、反応
液のpHを11.0±0.1とし、滞留時間が5.9時間
で、且つニッケルに対するアスパラギン酸のモル比が
0.040となるように、2mol/lの硫酸ニッケル水溶
液とアスパラギン酸1ナトリウム1水化物水溶液の流量
を調整し、実施例1と同様の方法で試験した。反応液中
残留ニッケル濃度は250mg/lであった。得られた
水酸化ニッケルのタッピング密度は2.00g/ml、X線
回折で求めた(101)面の半値幅は1.06度、粒径
はレーザー法による粒度分布の測定から10〜30μm
であった。実施例で得られた水酸化ニッケルのBET法
で求めた比表面積を下記表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、密度が高く、比表面積
が大きく、且つ結晶度が低い球状の水酸化ニッケルを、
その性状の均一性に優れたものを安定に製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例5で得られた水酸化ニッケルの粒子構
造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】 実施例12で得られた水酸化ニッケルの粒子
構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】 実施例19で得られた水酸化ニッケルの粒子
構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 53/04 CA(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル塩を含む水溶液とアミノ酸もし
    くはその塩水溶液を同時にかつ連続的に反応槽へ供給
    し、これに反応液のpHが一定になるようにアルカリ金
    属水酸化物水溶液を供給して水酸化ニッケル粒子を生成
    させることを特徴とする水酸化ニッケル粒子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 ニッケル塩を含む水溶液に、コバルト
    塩、カドミウム塩、亜鉛塩から選ばれた少なくとも1種
    を含む水溶液を更に加えた請求項1記載の水酸化ニッケ
    ル粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 アミノ酸がグリシン、α−アラニン、β
    −アラニン、グルタミン酸、グリシルグリシンもしくは
    これらの塩である請求項1記載の水酸化ニッケル粒子の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 水酸化ニッケルの粒子径が2〜50μm
    であり、タッピング密度が1.5〜2.2g/mlであり、
    X線回折で求めた(101)面の半値幅が0.8〜1.2
    5度であり、BET法で求めた比表面積が20〜70m2
    /gである請求項1記載の水酸化ニッケル粒子の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 水酸化ニッケルの粒子径が10〜30μ
    mであり、タッピング密度が2.0〜2.2g/mlであり、
    X線回折で求めた(101)面の半値幅が0.9〜1.2
    5度であり、BET法で求めた比表面積が30〜70m2
    /gである請求項4記載の水酸化ニッケル粒子の製造方
    法。
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