JP3191310B2 - 無機物質壁マイクロカプセル - Google Patents

無機物質壁マイクロカプセル

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、その内部に液状物質を
含有する無機物質壁マイクロカプセルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より内部に液状物質を含有する無機
物質壁マイクロカプセルは知られている。例えば、中空
マイクロバルーンに液状物質を吸収させたものがある。
その製造方法は、中空マイクロバルーンに高い圧力を加
えて亀裂を生じさせ、この亀裂より液状物質を中空部に
吸収せしめるものというものである。このようにして製
造したものは、壁に形成された亀裂部分より液状物質が
揮散あるいは漏洩してしまい、経時的に安定なカプセル
が得られないという問題を有していた。また、無機物質
壁をさらに有機高分子物質で被覆することによって液状
物質の揮散、漏洩を防止する方法も試みられているが、
この場合には無機物質壁よりなる中空マイクロバルーン
の持つ特性、すなわち無機物質の化学的安定性、耐熱性
などの優れた性質が十分発揮されなくなるという欠点を
伴う。
【0003】そこで、本出願人は、無機物質壁のもつ特
性、すなわち、無機物質の化学的安定性、耐熱性などの
優れた性質を十分に発揮させ、かつ、上記のような問題
を有しない無機物質壁マイクロカプセルとして、粒径1
〜100mμのシリカ粒子集合体よりなる周壁部と、液
状物質を粉体物と練り合せて作成したペースト状物から
なる芯物質と、該芯物質と前記周壁部とにより形成され
るゲル化層とからなることを特徴とする無機物質壁マイ
クロカプセルを提案している(特公昭60−7534
号)。このマイクロカプセルは経時的に含有する液状物
質が揮散、漏洩しないきわめて安定なものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記無機物質
壁マイクロカプセルは、芯物質と周壁部とにより形成さ
れるゲル化層の強度によってその形状を保っているた
め、強い外力がかかると壊れてしまうものである。この
ため上記無機物質壁マイクロカプセルを、例えば、加熱
溶融して可塑化したプラスチックや熱可塑性エラストマ
ーといったものの中に分散して含有させようとすると、
分散時の剪断力によって壊れてしまう可能性が高い。
【0005】本発明は、例えば、加熱溶融して可塑化し
たプラスチックや熱可塑性エラストマーといった高粘性
物中に練り混むときに受ける外力によっても壊れず、経
時的に安定な無機物質壁マイクロカプセルを得ることを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部に液状物
質を含有する有機多孔体からなる核質部と、粒径1〜1
00mμのシリカ微粒子集合体からなる周壁部と該周壁
部と前記液状物質とにより形成されるゲル化層とからな
ことを特徴とする無機物質壁マイクロカプセルを要旨
とするものである。
【0007】以下、詳述する。無機物質壁マイクロカプ
セルの核質部を構成する有機多孔体は、外力がかかった
ときにこのマイクロカプセルを壊れにくくするために用
いるものであるから、外力がかかったときに弾性変形し
て壊れにくい有機多孔体であることが必要である。有機
多孔体の材質は、その孔内に含有する液状物質に溶解し
ないものであればよく、例えば、ベルファインD−1
0、同D−50、同D−100、同D−150(以上、
多孔質セルロース:鐘紡(株)製)や、SNP−609
B、SNP−613、SNP−619、SNP−63
8、SNP−6643(以上、多孔質ナイロン:(株)
メタルカラー製)や、PB−200P(多孔質スチレ
ン:花王(株)製)がある。
【0008】上記有機多孔体に吸蔵される液状物質は、
常温で液体あるいは半液体であれば特に制限はない。す
なわち、例えば各種溶剤(アルコール類、グリセリン、
ケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭化水
素、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素など)、各種可塑
剤(フタレート系、アジペート系、ホスフェート系、シ
リコーン、塩素化ジフェニル、塩化パラフィン等)、各
種酸及び塩基(アミン、硫酸、塩酸、苛性水溶液な
ど)、薬液、インキ、触媒(ハイドロパーオキサイド、
硬化剤、酸化剤、還元剤、開始剤など)、接着剤(水溶
性糊、エポキシ樹脂、イソシアネート、ポリサルファイ
ド等)、香料、油脂、調味量などといったものを適宜選
択して使用できる。
【0009】本発明において周壁部を構成するシリカ微
粒子は粒径1〜100mμの範囲のものであり、この範
囲の粒径のシリカ微粒子を使用することによって好まし
いマイクロカプセル化が可能となる。このシリカ微粒子
は有機多孔体に含有された液状物質と接触すると液状物
質をゲル化する作用を有する。このため有機多孔体の表
面にシリカ微粒子が付着して被覆すると有機多孔体表面
の、特に孔部の液状物質は強度にゲル化され、このよう
にして形成されたシリカ微粒子集合体からなる周壁部と
ゲル化層とが有機多孔体に含有されている液状物質の漏
洩を効果的に防止するのである。シリカ微粒子の使用量
は液状物質を吸蔵した有機多孔体から構成される核質部
を被覆して粉状化するのに十分な量を使用すればよく、
一般的には核質部100重量部に対してシリカ微粒子1
0〜200重量部の使用が好ましい。
【0010】なお、コスト、表面物性などにより、シリ
カ微粉の適宜量を各種ベントナイト、酸化アルミニウ
ム、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、カオ
リン、各種顔料、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化
亜鉛、単体金属、またはポリエチレンやナイロン等のプ
ラスチック等の微粒子で置き換えてもよい。
【0011】無機物質壁マイクロカプセルを得る一例を
以下に記載する。まず液状物質と有機多孔体を混ぜて有
機多孔体に液状物質を吸蔵させて核質部を形成する。こ
の時に液状物質を有機多孔体中に効果的に速やかに吸蔵
させるためには、この液状物質と有機多孔体との混合物
を加圧かまたは減圧するとよい。また、液状物質が半液
体で粘度が高く有機多孔体中に吸蔵されにくいものであ
れば、温度を上げるとか、液状物質を、他の低沸点、低
粘度のもので希釈して吸蔵させた後、希釈剤を強制的に
蒸発させるなどの方法を用いるとよい。この後、有機多
孔体に吸蔵されなかった液状物質が残っている場合には
濾過などによって、残った液状物質などを取り除く。次
に、この核質部を撹拌装置で撹拌しているシリカ微粒子
床中に投入し、核質部の表面をシリカ微粒子で被覆して
無機物質壁マイクロカプセルを得る。
【0012】なお、本発明に係る無機物質壁マイクロカ
プセルにおいて、液状物質をより効果的に保持し、揮
散、漏洩を防止するために、本出願人が特公昭59−1
085号、特公昭59−1086号、特公昭59−10
87号及び特公昭60−32496号において提案して
いる方法が使用できる。
【0013】
【作用】本発明に係る無機物質壁マイクロカプセルが、
加熱溶融可塑化したプラスチック、熱可塑性エラストマ
ーといった物の中に分散して含有させても壊れずに分散
されるのは、この無機質壁マイクロカプセルが有機多孔
体によってその形状が保たれているため、外部から圧力
や剪断力がかかったとき、この有機多孔体が弾性変形を
おこしてカプセル自体が壊れることを防ぐからであると
推察される。
【0014】
【実施例】以下、実施例によって更に詳細に説明する
が、実施例及び比較例の「部」は「重量部」を示す。 実施例1 ベルファインD−100(多孔質セルロース:粒子径50〜100μ:鐘紡( 株)製) 80部 2−フェノキシエタノール 100部 シリカ微粒子(平均粒径7mμ、表面積200m2 /g、) 30部 上記成分中、ベルファインD−100と2−フェノキシ
エタノールとを混合し、減圧状態とすることによって、
ベルファインD−100の孔中に2−フェノキシエタノ
ールを吸蔵させ核質部を形成した。次に、この核質部
を、撹拌装置内で撹拌されているシリカ微粒子中に投入
し、更に、撹拌を行なって無機物質壁マイクロカプセル
を得た。
【0015】実施例2 SNP−638(多孔質ナイロン:平均粒子径38μ:(株)メタルカラー製 ) 100部 トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 50部 シリカ微粒子(平均粒径12mμ、表面積200m2 /g) 30部 上記成分中、SNP−638とトリプロピレングリコー
ルモノメチルエーテルとを混合し、減圧状態とすること
によって、SNP−638の孔中にトリプロピレングリ
コールモノメチルエーテルを吸蔵させ核質部を形成し
た。次に、この核質部を、撹拌装置内で撹拌されている
シリカ微粒子中に投入し、更に、撹拌を行なって無機物
質壁マイクロカプセルを得た。
【0016】比較例 沈降性炭酸カルシウム(粒径0.02〜0.08μ) 120重量部 2−フェノキシエタノール 100重量部 シリカ微粒子(平均粒径7mμ、表面積200m2 /g、) 35重量部 上記成分中、沈降性炭酸カルシウム及び2−フェノキシ
エタノールを混合した後、三本ロールで練り合わせてペ
ースト状の芯物質を得た。次に、この芯物質を、回転刃
のついた撹拌装置内で撹拌されているシリカ微粒子中に
投入し、更に、撹拌を行なって無機物質壁マイクロカプ
セルを得た。
【0017】
【発明の効果】上記実施例1、2及び比較例で得られた
無機物質壁マイクロカプセルを用いて液状物質の漏洩性
試験及び無機物質壁マイクロカプセルの強度試験を行な
った。結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】漏洩性試験:無機物質壁マイクロカプセル
を、濾紙上に10日間、放置しておき、液状物質の漏洩
状態を目視で観察した。
【0020】強度試験:実施例1及び比較例で得られた
無機物質壁マイクロカプセルは、ソルプレンT−475
(スチレン系熱可塑性エラストマー:旭化成工業(株)
製)と共に、又、実施例2で得られた無機物質壁マイク
ロカプセルは、ミラストマー7030N(オレフィン系
熱可塑性エラストマー:三井石油化学工業(株)製)と
共に、各々120℃に加熱した二本ロールで混練りし、
その後、120℃に加熱したプレス機中の金型で立方体
を成形する。二本ロールでの混練り時に無機物質壁マイ
クロカプセルが破壊され、液状物質が漏れると良好に成
形できない。
【0021】以上詳細に述べたごとく、本発明に係る無
機物質壁マイクロカプセルは、液状物質の漏洩が無いこ
とは勿論、加熱溶融して可塑化したプラスチックや、熱
可塑性エラストマーといった高粘性物中に練り混むとき
に加えられる剪断力といった外力が加えられても壊れな
い非常に優れた性質を有しているものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に液状物質を含有する有機多孔体か
    らなる核質部と、粒径1〜100μmのシリカ微粒子集
    合体からなる周壁部と該周壁部と前記液状物質とにより
    形成されるゲル化層とからなることを特徴とする無機物
    質壁マイクロカプセル。
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FR2801810B1 (fr) * 1999-12-07 2002-05-03 Rhodia Food S A S Capsule comprenant au moins une ecorce minerale constituee d'un compose chimique unique et d'un noyau comportant au moins un compose polyhydroxyle
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