JP3191069B2 - マグネトロン - Google Patents

マグネトロン

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JP3191069B2
JP3191069B2 JP01035393A JP1035393A JP3191069B2 JP 3191069 B2 JP3191069 B2 JP 3191069B2 JP 01035393 A JP01035393 A JP 01035393A JP 1035393 A JP1035393 A JP 1035393A JP 3191069 B2 JP3191069 B2 JP 3191069B2
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欣宏 野口
正訓 吉原
豊 綱川
宏 落合
典男 平石
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子レンジなどのマイク
ロ波加熱機器に用いられるマグネトロンに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図6はマグネトロンの要部の概略を示
す。第1の磁極片1を覆う第1の金属管2のフランジ部
3の上に第1の金属管2と同一軸芯上に環状の第1の永
久磁石4を積み重ね、前記第1の永久磁石4の固定とマ
イクロ波漏洩を阻止することを目的として第1の金属管
2にはシールド板5が圧入されている。
【0003】図7に示す具体例のように、第1の磁極片
1と第1の金属管2とはともに陽極筒体6に対して同一
の軸芯上に配置されており、第1の金属管2の筒部7の
径D1は第1の磁極片1の凹部8の径D2よりも小径で
ある。9は枠状継鉄、10は絶縁環、11は陰極、12は第2
の磁極片、13は第2の金属管、14は陰極端子導出用ステ
ム、15は陰極入力端子,16はマイクロ波出力端子であ
る。この構成においては、第1の金属管2のフランジ部
17の内周部と前記筒部7との連接部Aは円弧状に形成さ
れており、具体的には、第1の金属管2の板厚が“ 0.
4 mm ”で、内周側の半径が“ 1.0 mm ”になる
ように成形されている。第1の金属管2には、この連接
部Aから前記マイクロ波出力端子16寄りの部分Eが小径
に絞られており、この径が変わる部分では図6に示すよ
うにr1,r2がともに“ 1.0 mm ”の半径の円弧
面の組み合わせで絞られている。図7に示すように第2
の磁極片12と第2の金属管13の関係も上記の第1の磁極
片1と第1の金属管2と同様であって、フランジ部18と
筒部19との連接部Bは円弧面に形成され、この連接部B
から陰極入力端子15寄りよりにも円弧面の組み合わせで
絞られている部分Fが形成されている。
【0004】また、従来では図8に見られるように、第
1の磁極片1の凹部8の径D2と第1の金属管2の筒部
7の径D1とを同等にしたものマグネトロンも存在す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図6と図7に示すよう
に第1の磁極片1と第1の金属管2が同一の軸芯上に配
置され“ D1<D2 ”の構造の場合には、シールド
板5を第1の金属管2に圧入する際やマイクロ波出力端
子16の圧入時においても筒部7に多大な加圧が集中して
この筒部7が第1の磁極片1の凹部8に沈み込み易く、
筒部7が第1の磁極片1の凹部8に沈み込んだ場合には
マグネトロン特性が劣化する。
【0006】これに対して図8のように第1の磁極片1
と第1の金属管2が同一の軸芯上に配置され“ D1=
D2 ”の構造の場合には、シールド板5を第1の金属
管2に圧入する際やマイクロ波出力端子16の圧入時にお
ける筒部7の前記沈み込みは発生しないが、永久磁石4
の内径D3が図6と図7に挙げた構成の場合に比べて大
径になって永久磁石4の実質的な体積が減少するため、
マグネトロン特性が劣る。
【0007】本発明は第1の磁極片1と第1の金属管2
が同一の軸芯上に配置され“ D1<D2 ”の構造の
場合に、シールド板5を第1の金属管2に圧入する際や
マイクロ波出力端子16の圧入時においても筒部7が第1
の磁極片1の凹部8に沈み込みを低減できるマグネトロ
ン特性を提供することを目的とする。
【0008】
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
マグネトロンは、磁極片の凹部が陽極筒体の開口部に入
り込むように磁極片を配置して陽極筒体の開口部を磁極
片で覆い、磁極片の上にこの磁極片に当接するフランジ
部とこのフランジ部の内周部に連接され前記凹部の内径
よりも小径で陰極入力端子方向に向かって延設された筒
部を有する金属管を設けたマグネトロンにおいて、金属
管の前記フランジ部の内周部と前記筒部との連接部を直
線状の傾斜面で構成し、前記傾斜面で形成されている大
径側の径を磁極片の前記凹部の径と同等にしたことを特
徴とする。
【0010】本発明の請求項2記載のマグネトロンは、
第1,第2の磁極片の凹部が陽極筒体の開口部に入り込
むように配置して陽極筒体の開口部を第1,第2の磁極
片で覆い、第1の磁極片の上にこの第1の磁極片に当接
するフランジ部とこのフランジ部の内周部に連接され前
記凹部の内径よりも小径でマイクロ波出力端子に向かっ
て延設された筒部を有する第1の金属管を載置し、第1
の金属管の前記筒部を取り巻く環状の永久磁石を第1の
金属管の前記フランジ部に載置し、第1の金属管の前記
筒部の上部の外周にシールド板を圧入して前記永久磁石
を第1の金属管の前記フランジ部とで挟持するととも
に、第2の磁極片の上にこの磁極片に当接するフランジ
部とこのフランジ部の内周部に連接され前記凹部の内径
よりも小径で陰極入力端子に向かって延設された筒部を
有する第2の金属管を設けたマグネトロンにおいて、第
1,第2の金属管の前記フランジ部の内周部と前記筒部
との連接部をそれぞれ直線状の傾斜面で構成し、かつ第
1の金属管の前記傾斜面で形成されている大径側の径を
第1の磁極片の前記凹部の径と同等にし、第2の金属管
の前記傾斜面で形成されている大径側の径を第2の磁極
片の前記凹部の径と同等にしたことを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1の構成によると、金属管のフランジ部
の内周部と筒部との連接部を直線状の傾斜面で構成し、
傾斜面で形成されている大径側の径を磁極片の前記凹部
の径と同等にしたため、金属管に作用した押し込み方向
の加圧は、連接部の傾斜面を介して磁極片の凹部の外周
で支持される。
【0012】請求項の構成によると、第1,第2の金
属管の前記フランジ部の内周部と前記筒部との連接部を
それぞれ直線状の傾斜面で構成し、かつ第1の金属管の
前記傾斜面で形成されている大径側の径を第1の磁極片
の前記凹部の径と同等にし、第2の金属管の前記傾斜面
で形成されている大径側の径を第2の磁極片の前記凹部
の径と同等にしたため、第1,第2の金属管に作用した
押し込み方向の加圧は、各連接部の傾斜面を介して第
1,第2の磁極片の凹部の外周で支持される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図5に基づい
て説明する。なお、従来例を示す図6〜図8と同様の作
用をなすものには、同一の符号を付けて説明する。
【0014】図1〜図3は第1の実施例を示し、第1の
金属管2は図2に示すように構成されている。第1の磁
極片1に当接する第1の金属管2のフランジ部17と筒部
7との連接部Aは、直線上の傾斜面20に形成されてい
る。さらに、傾斜面20で形成されている大径側の径D4
が第1の磁極片1の凹部8の径D2と同等に形成されて
いる。具体的には、第1の金属管2の板厚が“ 0.4 m
m ”の場合に、傾斜面20の角度θ1は“ 31°”で高
さH1は“ 1.4 mm ”に成形されている。第1の金
属管2には、この連接部Aからマイクロ波出力端子16寄
りの部分Eが小径に絞られており、この部分Eでは図6
に示した従来例と同様にr1,r2がともに“ 1.0 m
m ”の半径の円弧面の組み合わせで絞られている。
【0015】このように、連接部Aを直線状の傾斜面20
で形成した第1の金属管2を使用したマグネトロンに加
圧した場合の沈み強度試験の結果を図3の特性Jに示
す。比較のために、第1の金属管2として連接部Aを従
来の円弧面で形成した金属管を使用したマグネトロンに
加圧した場合の沈み強度試験の結果を図3の特性Kに示
す。
【0016】連接部Aを直線状の傾斜面20で形成した第
1の金属管2に作用した押し込み方向の加圧は、連接部
Aの傾斜面20を介して第1の磁極片1の凹部8の外周で
支持されて、また、押し込み方向の加圧だけでなく横方
向の加圧に対しても第1の金属管2の強度の向上を期待
することができる。したがって、この図3の特性Jと特
性Kを比較してもわかるように、第1の金属管2の筒部
7の第1の磁極片1の凹部8への沈み込み量を従来より
も軽減することができ、シールド板5を第1の金属管2
に圧入する際やマイクロ波出力端子16の圧入時に発生し
たマグネトロン特性の劣化を低減できる。
【0017】上記の実施例では第2の金属管13について
は図7に見られた従来例と同様のものを使用したが、図
4に示す第2の実施例では、第1の金属管2については
図6と図7に見られた従来例と同様のものを使用し、第
2の金属管13のフランジ部18と筒部19との連接部Bを直
線状の傾斜面21に成形した。具体的には、第2の金属管
13の板厚が“ 0.6 mm ”の場合に、傾斜面21の角度
θ2は“ 41°”で高さH2は“ 1.4 mm ”に成形
した。第2の金属管13には、この連接部Bから陰極入力
端子15寄りの部分Fが小径に絞られており、この部分F
ではr3,r4がともに“ 0.6 mm ”の半径の円弧
面の組み合わせで絞られている。
【0018】このように、連接部Bを直線状の傾斜面21
で形成した第2の金属管13を使用したマグネトロンに加
圧した場合の沈み強度試験の結果を図5の特性Jに示
す。比較のために、第2の金属管13として連接部Bを従
来の円弧面で形成した金属管を使用したマグネトロンに
加圧した場合の沈み強度試験の結果を図5の特性Kに示
す。
【0019】この図5の特性Jと特性Kを比較してもわ
かるように、第2の金属管13の連接部Bを直線状の傾斜
面21で形成した場合にも第1の実施例と同様の効果を期
待できる。
【0020】上記の第1,第2の実施例では、第1,第
2の金属管2,13のうちの一方の金属管の連接部を直線
状の傾斜面で形成したが、第1,第2の金属管2,13の
フランジ部17,18の内周部と筒部7,19との連接部A,
Bをそれぞれ直線状の傾斜面20,21で構成し、かつ第1
の金属管2の傾斜面20で形成されている大径側の径D4
を第1の磁極片1の凹部8の径D2と同等にし、第2の
金属管13の傾斜面21で形成されている大径側の径を第2
の磁極片12の凹部の径と同等に成形することによって、
シールド板5を第1の金属管2に圧入する際やマイクロ
波出力端子16の圧入時に発生するマグネトロン特性の劣
化をより一層の低減を期待できる。
【0021】
【発明の効果】請求項1の構成によると、陰極入力端子
側の金属管のフランジ部の内周部と筒部との連接部を直
線状の傾斜面で構成し、傾斜面で形成されている大径側
の径を磁極片の前記凹部の径と同等にしたため、金属管
に作用した加圧は、連接部の傾斜面を介して磁極片の凹
部の外周で支持されて金属管の強度の向上を期待するこ
とができる。したがって、金属管の筒部の磁極片の凹部
への沈み込み量を従来よりも軽減することができ、シー
ルド板をマイクロ波出力端子側の金属管に圧入する際や
マイクロ波出力端子の圧入時に発生したマグネトロン特
性の劣化を低減できる。
【0022】請求項の構成によると、第1,第2の金
属管の前記フランジ部の内周部と前記筒部との連接部を
それぞれ直線状の傾斜面で構成し、かつ第1の金属管の
前記傾斜面で形成されている大径側の径を第1の磁極片
の前記凹部の径と同等にし、第2の金属管の前記傾斜面
で形成されている大径側の径を第2の磁極片の前記凹部
の径と同等にしたため、第1,第2の金属管に作用した
加圧は、各連接部の傾斜面を介して第1,第2の磁極片
の凹部の外周で支持され、シールド板を第1の金属管に
圧入する際やマイクロ波出力端子の圧入時に発生するマ
グネトロン特性の劣化をより一層の低減を期待できるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマグネトロンの第1の実施例の縦断面
図である。
【図2】同実施例の縦断面の要部の拡大図である。
【図3】同実施例の沈み強度試験の試験結果を表す特性
図である。
【図4】第2の実施例の縦断面の要部の拡大図である。
【図5】同実施例の沈み強度試験の試験結果を表す特性
図である。
【図6】従来のマグネトロンの要部の概略説明図であ
る。
【図7】従来のマグネトロンの縦断面図である。
【図8】別の従来例の要部の概略説明図である。
【符号の説明】 1 第1の磁極片 2 第1の金属管 4 永久磁石 5 シールド板 6 陽極筒体 7 筒部 8 第1の磁極片の凹部 12 第2の磁極片 13 第2の金属管 15 陰極入力端子 16 マイクロ波出力端子 17 第1の金属管のフランジ部 20 第1の金属管の傾斜面 21 第2の金属管の傾斜面 A 第1の金属管のフランジ部の内周部と筒部との
連接部 B 第2の金属管のフランジ部の内周部と筒部との
連接部 D4 傾斜面20で形成されている大径側の径 D2 第1の磁極片の凹部の径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 落合 宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 子工業株式会社内 (72)発明者 平石 典男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 子工業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭58−182251(JP,U) 実開 昭53−11953(JP,U) 実開 昭53−120955(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 23/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁極片の凹部が陽極筒体の開口部に入り
    込むように磁極片を配置して陽極筒体の開口部を磁極片
    で覆い、磁極片の上にこの磁極片に当接するフランジ部
    とこのフランジ部の内周部に連接され前記凹部の内径よ
    りも小径で陰極入力端子方向に向かって延設された筒部
    を有する金属管を設けたマグネトロンにおいて、金属管
    の前記フランジ部の内周部と前記筒部との連接部を直線
    状の傾斜面で構成し、前記傾斜面で形成されている大径
    側の径を磁極片の前記凹部の径と同等にしたマグネトロ
    ン。
  2. 【請求項2】 第1,第2の磁極片の凹部が陽極筒体の
    開口部に入り込むように配置して陽極筒体の開口部を第
    1,第2の磁極片で覆い、第1の磁極片の上にこの第1
    の磁極片に当接するフランジ部とこのフランジ部の内周
    部に連接され前記凹部の内径よりも小径でマイクロ波出
    力端子に向かって延設された筒部を有する第1の金属管
    を載置し、第1の金属管の前記筒部を取り巻く環状の永
    久磁石を第1の金属管の前記フランジ部に載置し、第1
    の金属管の前記筒部の上部の外周にシールド板を圧入し
    て前記永久磁石を第1の金属管の前記フランジ部とで挟
    持するとともに、第2の磁極片の上にこの磁極片に当接
    するフランジ部とこのフランジ部の内周部に連接され前
    記凹部の内径よりも小径で陰極入力端子に向かって延設
    された筒部を有する第2の金属管を設けたマグネトロン
    において、第1,第2の金属管の前記フランジ部の内周
    部と前記筒部との連接部をそれぞれ直線状の傾斜面で構
    成し、かつ第1の金属管の前記傾斜面で形成されている
    大径側の径を第1の磁極片の前記凹部の径と同等にし、
    第2の金属管の前記傾斜面で形成されている大径側の径
    を第2の磁極片の前記凹部の径と同等にしたマグネトロ
    ン。
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