JP3190630B2 - 圧電アクチュエータおよびその製造方法 - Google Patents

圧電アクチュエータおよびその製造方法

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JP3190630B2
JP3190630B2 JP34027398A JP34027398A JP3190630B2 JP 3190630 B2 JP3190630 B2 JP 3190630B2 JP 34027398 A JP34027398 A JP 34027398A JP 34027398 A JP34027398 A JP 34027398A JP 3190630 B2 JP3190630 B2 JP 3190630B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧電アクチュエ
ータおよびその製造方法に関し、更に詳しくは、簡単な
構造で回転を安定化できる圧電アクチュエータおよびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在OA機器、情報処理機器の小型化が
進み、これに伴って、駆動・搬送に用いる動力源として
圧電アクチュエータが注目されている。このような圧電
アクチュエータの一例として、本願出願人らにより開発
されたマイクロ圧電モータが知られている(電気学会
第15回センサ・シンポジウム TECHNICAL DIGEST1
81頁〜184頁 1997年)。
【0003】図26に、そのマイクロ圧電モータの組立
図を示す。このマイクロ圧電モータ600は、軸突起部
611を持つ円盤状の回転移動体601と、振動体60
2と、軸突起部611を支持する基盤シャーシ603と
から構成されている。振動体602には、伸縮運動を発
生する圧電素子621を支持体622に張着した屈曲変
位機構部623が3つ設けてある。前記屈曲変位機構部
623はL字形状をしており、このL字形状の短辺端部
は振動体602の中心部624に固定されている。この
屈曲変位機構部623は、回転移動体601の接線方向
と平行に配置する。なお、回転移動体601には、摺動
部が設けられている。
【0004】また、回転移動体601および基盤シャー
シ603には磁気吸着力の発生する磁石材料を用い、回
転移動体601と振動体602とを一定加圧下で接触さ
せる。また、振動体602、特に屈曲変位機構部623
には、前記磁石材料の磁力の影響を受けないように非磁
性体材料を用いる。回転移動体601の軸突起部611
は、振動体602の中空軸穴625にて軸支される。回
転移動体601の本体は、金属または樹脂系で形成し、
摺動部612には酸化皮膜処理を施す。また、回転移動
体601や振動体602などの形成には、エッチング等
のフォトファブリケーション技術を用いる。
【0005】図27は、このマイクロ圧電モータの動作
原理を示す説明図である。圧電素子621に特定周波数
の駆動電圧を印加することにより、当該圧電素子621
が図中矢印A方向に伸縮する。この伸縮により屈曲変位
機構部623が図中矢印B方向に振動する。屈曲変位機
構部623が振動すると、当該屈曲変位機構部623の
先端が回転移動体601に接触する。接触方向は、回転
移動体601に対して垂直ではなく、図中矢印Cの示す
方向であるから、その横方向の力の成分Chにより回転
移動体601が移動することになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のマイクロ圧
電モータ600では、屈曲変位機構部623を振動さ
せ、この屈曲変位機構部623の先端を回転移動体60
1に接触させることにより回転力を得ているが、この回
転移動体601と屈曲変位機構部623との間の与圧に
ついては、現在のところ十分な考慮がなされていない。
この与圧が回転の安定性に影響を与え、また、回転を安
定化させることがマイクロ圧電モータの適用範囲を拡大
することにもなる。一方、与圧するにしても、複雑な構
造では大型化してしまうからマイクロ圧電モータの価値
がない。また、組立が困難で、コストがかさむことにな
る。さらに、上記従来のように、磁力によって与圧をか
けるにしても、選定する材料に制限があるし、十分な与
圧を得ることができない。
【0007】そこで、この発明は、上記に鑑みてなされ
たものであって、簡単な構造で回転を安定化できる圧電
アクチュエータおよびその製造方法を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1に係る圧電アクチュエータは、回転移動
体と、この回転移動体の円接線方向に対して平行に延出
し且つ一端固定他端自由とした支持体および当該支持体
に設けた圧電体からなる振動体と、を備え、これら回転
移動体および振動体を同軸に重ねた構造の圧電アクチュ
エータにおいて、前記回転移動体に前記振動体方向の与
圧をかける与圧部材を備えたものである。
【0009】与圧部材は、回転移動体に振動体方向の与
圧をかける。これにより、回転移動体と支持部とが確実
に接触する。与圧部材は、回転移動体に与圧をかけるこ
とができればどのようなものでもよいが、好ましい具体
的構成については以下に開示する。
【0010】また、請求項2に係る圧電アクチュエータ
は、回転移動体と、この回転移動体の円接線方向に対し
て平行に延出し且つ一端固定他端自由とした支持体およ
び当該支持体に設けた圧電体からなる振動体と、を備
え、これら回転移動体および振動体を同軸に重ねた構造
の圧電アクチュエータにおいて、回転移動体の一面に前
記振動体方向の与圧を加える与圧部材を配置し、当該回
転移動体をその他面で接する振動体に押し付けるように
したものである。
【0011】回転移動体の一面から与圧部材により付勢
力を与え、回転移動体の他面に接する振動体に押し付け
るようにしたので、振動体と回転移動体とが確実に接触
する。
【0012】また、請求項3に係る圧電アクチュエータ
は、上記圧電アクチュエータにおいて、前記与圧部材
が、振動体側に固定される中心部と、中心部から放射状
に延出するサスペンションアームと、サスペンションア
ーム端部で保持され、前記回転移動体に接触するリム部
と、から構成されるものである。
【0013】この与圧部材は、中心部、サスペンション
アームおよびリム部からなる車形状である。中心部が振
動体側に固定され、リム部が回転移動体に接触してお
り、サスペンションアームの弾性力で回転移動体に与圧
をかける。
【0014】また、請求項4に係る圧電アクチュエータ
は、回転移動体の円接線方向に対して平行に延出し且つ
一端固定他端自由とした支持体に圧電体を設けた振動体
と、中心部から放射状に延出したサスペンションアーム
によってリム部を支持した与圧部材と、を有し、振動体
と与圧部材とを接合してこれらの間に回転移動体を挟
み、前記リム部によって回転移動体を振動体に押し付け
るようにしたものである。
【0015】振動体と与圧部材とを接合して回転移動体
を挟むようにすると、リム部が回転移動体と接触する。
リム部はサスペンションアームにより支持されているか
ら、このサスペンションアームの弾性力によって回転移
動体が付勢される。これにより、回転移動体が振動体に
押し付けられる。
【0016】また、請求項5に係る圧電アクチュエータ
は、上記圧電アクチュエータにおいて、さらに、前記サ
スペンションアームを湾曲形状にしたものである。
【0017】サスペンションアームを湾曲形状にするこ
とにより、曲げおよび捩じりによって大きな弾性を確保
できることになる。
【0018】また、請求項6に係る圧電アクチュエータ
は、回転移動体と、この回転移動体の円接線方向に対し
て平行に延出し且つ一端固定他端自由とした支持体およ
び当該支持体に設けた圧電体からなる振動体と、を備
え、これら回転移動体および振動体を同軸に重ねた構造
の圧電アクチュエータにおいて、回転移動体に与圧を加
える与圧部材を前記振動体に設け、当該振動体を回転移
動体に押し付けるようにしたものである。
【0019】振動体に与圧部材を設け、この振動体を回
転移動体に押し付けるようにした。このため、振動体と
回転移動体とが確実に接触する。
【0020】また、請求項7に係る圧電アクチュエータ
は、回転移動体と、この回転移動体の円接線方向に対し
て平行に延出し且つ一端固定他端自由とした支持体およ
び当該支持体に設けた圧電体からなる振動体と、を備
え、これら回転移動体および振動体を同軸に重ねた構造
の圧電アクチュエータにおいて、回転移動体に与圧を加
える与圧部材を前記振動体に設け、2枚の振動体によっ
て前記回転移動体を挟み、当該振動体を回転移動体に押
し付けるようにしたものである。
【0021】振動体で回転移動体を挟むと、振動体に与
圧部材が設けられていることから、回転移動体が与圧部
材によって両側から相互に付勢される。これにより、回
転移動体が各振動体に押し付けられる。また、支持部の
方向によって回転移動体の回転方向が決まるが、両振動
体の支持部方向を反対にしておけば、駆動時の切替によ
り回転移動体の正逆転が可能になる。また、両振動体の
支持部方向を同一にすれば、大きな回転トルクが得られ
る。
【0022】また、請求項8に係る圧電アクチュエータ
は、回転移動体と、この回転移動体の円接線方向に対し
て平行に延出し且つ一端固定他端自由とした支持体およ
び当該支持体に設けた圧電体からなる振動体と、を備
え、これら回転移動体および振動体を同軸に重ねた構造
の圧電アクチュエータにおいて、回転移動体に与圧を加
える与圧部材を前記振動体に設け、当該振動体と基板と
によって前記回転移動体を挟み、当該振動体を回転移動
体に押し付けるようにしたものである。
【0023】振動体と基板とにより回転移動体を挟む
と、振動体の与圧部材により回転移動体が付勢される。
これにより、振動体が回転移動体に押し付けられて、当
該振動体と回転移動体とが確実に接触する。
【0024】また、請求項9に係る圧電アクチュエータ
は、上記圧電アクチュエータにおいて、前記振動体が、
前記支持体および圧電体を有する振動体部と、振動体部
から延出した複数のサスペンションアームと、このサス
ペンションアームを支持するフレーム部と、から構成さ
れているものである。
【0025】フレーム部を所定位置に固定し、サスペン
ションアームの弾性によって振動体部を回転移動体に押
し付ける。サスペンションアームの形状は、回転移動体
に与圧をかけることが可能ならばどのようなものでもよ
く、例えば放射状、渦巻状、蜘蛛の巣状など種々のもの
にすることができる。
【0026】また、請求項10に係る圧電アクチュエー
タは、上記圧電アクチュエータにおいて、前記サスペン
ションアームを円弧形状にしたものである。
【0027】サスペンションアームを円弧形状にするこ
とにより、曲げおよび捩じりによって大きな弾性を確保
できることになる。
【0028】また、請求項11に係る圧電アクチュエー
タは、上記圧電アクチュエータにおいて、前記振動体同
士の間または前記振動体と基板との間に入れるスペーサ
部を前記振動体または前記基板に形成したものである。
【0029】回転移動体は、例えば振動体と振動体によ
って挟持するが、これら振動体同士の間隔を回転移動体
の高さより少し小さくすることで、与圧部材(サスペン
ションアーム)により振動体を回転移動体に押し付ける
ことができる。前記間隔は、振動体に形成したスペーサ
部により確保・調整する。また、振動体と基板とにより
挟持する場合も同様であり、この場合は、スペーサ部を
振動体、基板のいずれに形成してもよい。
【0030】また、請求項12に係る圧電アクチュエー
タは、上記圧電アクチュエータにおいて、前記サスペン
ションアームの長さの設定により回転移動体にかける与
圧を調整するようにしたものである。
【0031】サスペンションアームの長さにより弾性が
変化するから、回転移動体にかける与圧をこのサスペン
ションアームの長さにより調整する。
【0032】また、請求項13に係る圧電アクチュエー
タは、ブリッジにより複数の回転移動体を繋いでおき、
この回転移動体の円接線方向に対して平行に延出し且つ
一端固定他端自由とした支持体、当該支持体に設けた圧
電体および前記回転移動体に与圧を加える与圧部材から
なる振動体を、基板上に複数形成し、前記各回転移動体
を前記基板の振動体に重ね、前記ブリッジを除去するこ
とにより回転移動体を開放すると共にそれぞれの回転移
動体および振動体の組毎に分割するものである。
【0033】複数の回転移動体を個別に重ねるのは面倒
であるから、回転移動体をブリッジで繋いで一部品にし
ておき、これを振動体に重ねる。振動体も複数で基板と
なっており、これに前記回転移動体を重ねることで複数
の圧電アクチュエータが構成される。回転移動体と振動
体とを重ねた後、これらを分割して圧電アクチュエータ
の単体を得る。なお、ブリッジの除去工程と圧電アクチ
ュエータの分割工程は、順番が逆であってもよい。
【0034】また、請求項14に係る圧電アクチュエー
タは、ブリッジにより複数の回転移動体を繋いでおき、
この回転移動体の円接線方向に対して平行に延出し且つ
一端固定他端自由とした支持体、当該支持体に設けた圧
電体および前記回転移動体に与圧を加える与圧部材から
なる下側振動体を、下側振動体基板上に複数形成し、こ
れと同じく、前記回転移動体の円接線方向に対して平行
に延出し且つ一端固定他端自由とした支持体、当該支持
体に設けた圧電体および前記回転移動体に与圧を加える
与圧部材からなる上側振動体を、上側振動体基板上に複
数形成し、前記下側振動体基板と上側振動体基板とによ
りスペーサを介して積層すると共に前記各回転移動体を
下側振動体基板と上側振動体基板とに介在させ、前記ブ
リッジを除去することにより回転移動体を開放すると共
にそれぞれの回転移動体および振動体の組毎に分割する
ものである。
【0035】回転移動体を下側振動体基板および上側振
動体基板によって挟み、当該回転移動体を両振動体基板
により保持する。これによって、複数の圧電アクチュエ
ータが形成されるが、各回転移動体がブリッジにより繋
がれているので回転しない。従って、振動体基板を積層
した後に回転移動体を繋ぐブリッジを除去し、当該回転
移動体を開放する。この状態で回転移動体が回転可能に
なる。最後に、下側振動体基板および上側振動体基板を
分割して単体の圧電アクチュエータとする。なお、ブリ
ッジの除去工程と圧電アクチュエータの分割工程は、順
番が逆であってもよい。下側振動体と上側振動体におけ
る屈曲変位機構部が互いに逆に向いていれば、回転移動
体を時計周り、反時計周りに回転させることができる。
双方の屈曲変位機構部が同一方向のときは、大きなトル
クを得ることができる。
【0036】また、請求項15に係る圧電アクチュエー
タは、ブリッジにより複数の回転移動体を繋いでおき、
この回転移動体の円接線方向に対して平行に延出し且つ
一端固定他端自由とした支持体、当該支持体に設けた圧
電体および前記回転移動体に与圧を加える与圧部材から
なる振動体を、基板上に複数形成し、前記各回転移動体
を前記基板の振動体に重ね、この重ねた回転移動体に、
与圧を加える与圧部材を持つ与圧体を複数形成した基板
を重ね、前記ブリッジを除去することにより回転移動体
を開放すると共にそれぞれの回転移動体、振動体および
与圧体の組毎に分割するものである。
【0037】上側振動体の代わりに、与圧を加えるだけ
の与圧体を重ねるようにしてもよい。この場合も、回転
移動体、下側振動体および与圧体の組毎に分割して圧電
アクチュエータを製造する。
【0038】また、請求項16に係る圧電アクチュエー
タは、上記圧電アクチュエータにおいて、前記ブリッジ
に、回転移動体の材料より融点の低い材料を用いたもの
である。
【0039】ブリッジの材料を回転移動体の材料より低
い融点のものにすると、組み立て後に加熱することでブ
リッジのみを選択的に溶融除去することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、この発明につき図面を参照
しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこ
の発明が限定されるものではない。
【0041】(実施の形態1)図1は、この発明の実施
の形態1に係るマイクロ圧電モータを示す組立図であ
る。図2は、図1に示したマイクロ圧電モータを示す断
面図である。このマイクロ圧電モータ100は、円盤形
状の回転移動体1と、回転移動体1に与圧をかけるロー
ドセル2と、振動体3と、表面に配線をプリントした基
板4と、基板4との間隔を取るスペーサ5と、から構成
されている。
【0042】回転移動体1の下面には、摺動部11が設
けられている。振動体3には、ステンレス、ベリリウム
銅、リン青銅、黄銅、ジュラルミン、チタンやシリコン
材の金属系または非金属系の弾性材料を用いる。この振
動体3には、伸縮運動を発生する圧電素子31を支持体
32に張着した屈曲変位機構部33が3つ設けてある。
屈曲変位機構部33はL字形状をしており、このL字形
状の短辺端部は振動体3の中心部34に固定されてい
る。また、屈曲変位機構部33は、振動体3の外周に沿
って均等配置されている。この振動体の外径は、2mm
程度である。さらに、この屈曲変位機構部33は、前記
回転移動体1に内包される円の接線方向と一致するよう
に配置する(回転移動体の接線に平行)。
【0043】前記屈曲変位機構部33の自由端が描く楕
円運動の方向によって、回転移動体1の回転方向が決ま
る。ここで、屈曲変位機構部33の運動軌跡を回転移動
体の運動軌跡に一致させてやれば、屈曲変位機構部33
から回転移動体1への運動転換が効率的なものとなる。
図中では屈曲変位機構部33が反時計回りに延出してあ
るが、この延出方向を反対にすると、回転移動体1の回
転方向が反対になる。また、回転中心から屈曲変位機構
部33までの距離と、屈曲変位機構部33の形状および
数とにより、マイクロ圧電モータ100の回転トルクお
よび回転速度が決まる。これら回転中心から屈曲変位機
構部33までの距離や、屈曲変位機構部33の形状およ
び数は、要求されるモータの仕様に基づき設定する。こ
の際、各屈曲変位機構部33の固有振動数は形状に依存
するので、シミュレーションモデルの結果と実験データ
とから、仕様に合うよう決定する。
【0044】前記圧電素子31とは、歪発生機能、共振
機能および電圧発生機能を兼ね備えた材料をいう。すな
わち、印加された電圧に応じて応力ないし変位を生じ、
印加電圧の周波数により共振現象を生じさせ、加えられ
た圧力に応じて電圧が発生する特性を示す材料である。
本例の圧電素子31には、圧電定数の高い薄膜ジルコン
チタン酸鉛を用いてある。また、チタン酸バリウム、ニ
オブ酸リチウムやジルコンチタン酸鉛などを用いても良
い。また、これら圧電セラミックスの代わりに、傾斜機
能材料やリチウムナイオベートを用いることもできる。
【0045】回転移動体1は、中央に穴12があけられ
ており、この穴12に振動体3の軸突起部35が遊挿さ
れている。回転時には、屈曲変位機構部33による運動
方向(接線方向)に対する径方向がそれぞれの屈曲変位
機構部33で略一致するから、特定位置を中心に回転す
ることになる。また、回転移動体1の摺動部11は、屈
曲変位機構部33と摩擦する部分であるから、摩擦係数
が大きいこと、耐磨耗性に優れること、安定した摩擦係
数を維持できることなどの要求を満たす材料を用いるの
が好ましい。例えば回転移動体1の本体を金属または樹
脂で形成しておき、摺動面11に酸化皮膜処理を施すよ
うにする。また、前記摺動面11を、セルロース系繊
維、カーボン系繊維、ウィスカとフェノール樹脂との複
合材料、ポリイミド樹脂とポリアミド樹脂との複合材料
を用いて形成するようにしてもよい。
【0046】ロードセル2は、軸突起部35を取り付け
る中心部21と、3本のサスペンションアーム22と、
回転移動体1に接触するリム23とから構成されてい
る。ロードセル2は、外径が2mmになるように、ステ
ンレス鋼、銅、ガラスなどを原料にして製作する。ロー
ドセル2による与圧は1.2gf程度に設定するのが好
ましい。軸突起部35とロードセル2の中心部21と
は、レーザスポット溶接により接合する。高融点材料の
高精度接合が可能で、自動化に適しているためである。
【0047】図3の(a)は、図1および図2に示した
ロードセルを示す上面図、(b)は、ロードセルの断面
図である。同図に示すように、ロードセル2は、リム2
3の肉厚が他のサスペンションアーム22、中心部21
の肉厚よりも大きくなっている。例えばサスペンション
アーム22の肉厚は0.05mmであり、リム23の肉
厚は0.1mmである。軸突起部35にロードセル2の
中央部21を接合すると、サスペンションアーム22に
よってリム23が付勢されて、回転移動体に押し付けら
れる。これにより、回転移動体1に与圧をかけることが
できる。スペーサ5と振動体3は、上記同様に、レーザ
スポット溶接によって接合する。スペーサ5は、振動体
3と基板4との間に配置する。基板4の配線41は、圧
電素子31に接続する(図示省略)。
【0048】回転移動体1や振動体3およびロードセル
2の形成には、エッチング等のフォトファブリケーショ
ン技術を用いるのが好ましい。非機械加工プロセスを用
いることで、加工形成時に発生する変形、応力および機
械的ストレスを排除できるためである。また、部品の高
精度化より、各要素部品の組立調整工程を最小限に抑え
ることができると共に、機能および再現性が安定するた
めである。本例の屈曲変位機構部33は、数百ミクロン
程度の銅系材料をエッチングすることにより形成する。
【0049】また、前記支持体32と圧電素子31とは
接着により一体化する。係る接着に要求される条件は、
非常に薄い接着層であること、接着層が非常に硬く且つ
強靱であること、支持体32と圧電素子31との接着後
は共振周波数付近の抵抗値が小さいことである。支持体
32と圧電素子31との間には、直接接合または接着剤
による接合であっても接合界面が存在する。この接合界
面は、支持体32と圧電素子31との間の伝搬特性を決
める重要な因子となる。このため、接着剤の特性および
その膜厚管理が重要となる。例えば前記接着剤には、ホ
ットメルトおよびエポキシ樹脂に代表される高分子接着
材を用いる。本例では、エポキシ系の接着剤を用いて最
適膜厚になるようにしている。なお、接着剤を用いない
で圧電素子31を直接接合してもよい。また、薄膜形
成、圧膜形成のプロセス手段により圧電素子31を設け
るようにしてもよい。
【0050】また、屈曲変位機構部33としては、1枚
の圧電素子31で構成されるユニモルフ型、2枚の圧電
素子31で構成されるバイモルフ型、または、4枚以上
の圧電素子31で構成されるマルチモルフ型があり、い
ずれを用いるようにしても良い。圧電素子31や支持体
32の材料およびこれらの接着方法は、マイクロ圧電モ
ータ100に要求される屈曲変位機構部33の変位量、
力、応答性および構造的制約条件により設定される。本
例の屈曲変位機構部33では、ユニモルフ型構成を採用
してあある。変位電圧特性上でヒステリシスを持ちにく
い特性を持つためである。また、バイモルフ型と比較し
て変位量は小さいが発生力が大きいこと、回転移動体1
の負荷荷重および加圧力が適当であるためである。
【0051】なお、マイクロ圧電モータ100の仕様に
より、マルチモルフ型を採用し、厚みを一定に維持した
上で層数を増やすことで変位と力とを増加させることも
できる。また、屈曲変位機構部33の固定端から自由端
にかけてテーパを設け、応答性を向上させることもでき
る。係る構成による振動体3によれば、屈曲変位機構部
33の屈曲変位を極めて安定に励起することができる。
なお、振動体3の屈曲変位機構部33の配置、形状、数
量および構成は、図1に示した例に限定されない。
【0052】圧電素子31は、駆動用のドライバ6に接
続されており、信号発生器7から駆動周波数を得る。図
4に、入力信号を印加した時の屈曲変位機構部33の固
定端から自由端の振動挙動を示す。横軸の左端から右端
が、屈曲変位機構部33の固定端から自由端までの有効
長となる。縦軸は屈曲変位機構部33の変位量を表す。
変位量が0のときは、振動が励起されていないことを示
す。屈曲変位機構部33は、入力信号の印加条件によっ
て微少な変位および力の混在する振動を発し、縦運動と
楕円運動を励起する。振動モードでは、屈曲変位機構部
33の変位が正側に位置するので、当該屈曲変位機構部
33から回転移動体1に運動が伝わる。また、回転移動
体1の回転方向は、楕円運動の横方向成分により決ま
る。このため、振動体3の屈曲変位機構部33は、回転
移動体1に要求される回転方向に従って配置する。この
屈曲変位機構部33の配置方向によって、回転移動体1
が時計周りに回転するか、反時計周りに回転するかが決
まる。
【0053】屈曲変位機構部33に入力する駆動電圧お
よび周波数は、屈曲変位機構部33の寸法、形状に応じ
た固有振動数に合致するように調整する。入力信号を共
振周波数近傍に設定すれば屈曲変位機構部33の最大振
幅が得られるからである。振動体3の振動モードには、
屈曲変位機構部33の長辺方向を利用した変位拡大の1
次振動モードと2次以上の振動モードとによる運動機構
が有効利用可能である。なお、振動体3の回転運動を安
定に励起するには、2次振動モード以上を用いるのが好
ましい。さらに、入力信号の位相差を利用したり、デュ
ーティ比を制御したり、多重振動モードを利用すること
により、回転移動体1を安定して回転させることができ
る。
【0054】以上、この構成のマイクロ圧電モータ10
0では、ロードセル2によって回転移動体1に与圧を加
え、当該回転移動体1を振動体3に押し付けるようにし
たので、簡単な構造で回転を安定化できる。
【0055】(実施の形態2)図5は、この発明の実施
の形態2に係るマイクロ圧電モータを示す組立図であ
る。このマイクロ圧電モータ200は、実施の形態1に
係るマイクロ圧電モータ100を設計変更したものであ
る。従って、実施の形態1のマイクロ圧電モータ100
と異なる点について説明する。ロードセル2と回転移動
体1とは上記同様の構成であるが、振動体203は軸突
起部を持たず、その中央に軸穴235を設けた構成にな
っている。この軸穴203には、スペーサ205に設け
た軸突起部251が圧入される。軸突起部251は、振
動体203の軸穴235を貫通し、回転移動体1の上面
から僅かに突出する。ロードセル2の中央部21は、こ
の軸突起部251の先端面と接合する。接合には、レー
ザスポット溶接を用いる。ロードセル2を軸突起部25
1に接合すると、ロードセル2のリム23が回転移動体
1を付勢し、当該回転移動体1を振動体203に押し付
けることができる。この状態で屈曲変位機構部33を駆
動すること、回転移動体1の回転を安定化することがで
きる。また、上記同様、簡単な構成でマイクロ圧電モー
タを製作できる。
【0056】(実施の形態3)図6の(a)は、この発
明の実施の形態3に係るマイクロ圧電モータのロードセ
ルを示す上面図、(b)は、ロードセルの断面図であ
る。ロードセルの形状は、回転移動体1に与圧をかける
ことができるものならば、上記実施の形態1および2に
開示したようなものに限られない。すなわち、同図に示
すように、サスペンションアーム322を湾曲形状にす
ることもできる。このロードセル302の板厚は、リム
23で0.1mm、それ以外の部分で0.05mmとな
る。ロードセル302の直径は2mm、サスペンション
アーム322およびリム23の幅は0.1mmである。
サスペンションアーム322は120°間隔で設けら
れ、その曲率半径は平均0.55mm程度である。ま
た、ロードセル302の材質は、ステンレス鋼である。
ロードセル302は、実施の形態1の場合と同様に組み
立てればよい。
【0057】また、いずれも図示省略するが、他の変形
例として、サスペンションアームの形状を波形状にする
こともできる。また、ロードセル全体の板厚を同一と
し、さらにその全体をコーン形状にしてもよい。さら
に、サスペンションアームを極薄円盤状にしてもよい
(穴空きでもよい)。
【0058】(実施の形態4)図7は、この発明の実施
の形態4に係るマイクロ圧電モータを示す組立図であ
る。図8は、図7に示したマイクロ圧電モータの断面図
である。このマイクロ圧電モータ400は、上側振動体
401および下側振動体402と、上側振動体401お
よび下側振動体402により挟んで軸支した回転移動体
403と、上側振動体401および下側振動体401の
間に配置したスペーサ404と、から構成されている。
また、上側振動体401および下側振動体402には、
配線405が形成されている(下側振動体402につい
ては図示省略)。
【0059】上側振動体401には、3つの屈曲変位機
構部411が円周状に均等形成されている。屈曲変位機
構部411は、伸縮運動を発生する圧電素子412を支
持体413に張着した構造である。屈曲変位機構部41
1はL字形状をしており、このL字形状の短辺端部が固
定端になる。この固定端は、屈曲変位機構部411に対
して内側(中心側)にある。さらに、この屈曲変位機構
部411は、前記回転移動体403上面の摺動部431
に内包される円の接線方向と一致するように(接線方向
と平行)、かつ、その先端が前記摺動部431内に入る
ように配置する。
【0060】前記屈曲変位機構部411の自由端が描く
楕円運動の方向によって、回転移動体403の回転方向
が決まる。ここで、屈曲変位機構部411の運動軌跡を
回転移動体403の運動軌跡に一致させてやれば、屈曲
変位機構部411から回転移動体403への運動転換が
効率的なものとなる。この上側振動体401では、屈曲
変位機構部411が時計回りに延出してあるから、回転
移動体403を反時計周りに回転させることができる。
【0061】下側振動体402にも、上記同様の屈曲変
位機構部421が3つ均等形成されている。この屈曲変
位機構部421の構成は、上記屈曲変位機構部411と
同様である。但し、上側振動体411の屈曲変位機構部
411とは延出方向が逆(反時計方向)になっているか
ら、この下側振動体402を駆動すると回転移動体40
3が時計周りに回転することになる。
【0062】また、回転中心から屈曲変位機構部41
1、421までの距離と、振動体401、402に設け
る屈曲変位機構部411、421の形状および数とによ
り、マイクロ圧電モータ400の回転トルクおよび回転
速度が決まる。これら回転中心から屈曲変位機構部41
1、421までの距離や、屈曲変位機構部411、42
1の形状および数は、要求されるモータの仕様に基づき
設定する。この際、各屈曲変位機構部411、421の
固有振動数は形状に依存するので、シミュレーションモ
デルの結果と実験データとから、仕様に合うよう決定す
る。
【0063】前記圧電素子412には、圧電定数の高い
薄膜ジルコンチタン酸鉛を用いる。また、上記実施の形
態1と同様、チタン酸バリウム、ニオブ酸リチウムやジ
ルコンチタン酸鉛などを用いても良い。また、これら圧
電セラミックスの代わりに、傾斜機能材料やリチウムナ
イオベートを用いることもできる。
【0064】図9に示すように、前記上側振動体401
および下側振動体402は、サスペンションアーム41
4、424を介した2ブロック構造になっている。すな
わち、フレーム部415、425と円盤形状の振動体部
416、426とが3つのサスペンションアーム41
4、424により繋がった構造になっている。サスペン
ションアーム414、424は、円弧形状であって前記
振動体部416、426周囲に均等形成され、フレーム
部415、425から振動体部416、426を支持す
るようになっている。サスペンションアーム414、4
24の曲率半径は5mm程度であり、長さは7.8mm
程度(円周長さの90°/360°分)となる。また、
上側振動体401および下側振動体402の板厚は0.
05mmであり、サスペンションアーム414、424
の幅は0.3mmとなる。
【0065】上側振動体401および下側振動体402
の中心には、回転移動体403の回転軸432を受ける
ための軸受穴417、427が設けられている。回転移
動体403は、組立状態で上側振動体401および下側
振動体402に挟持される。回転軸432は、軸受穴4
17、427により支持される。スペーサ404が回転
移動体401よりも厚いため、上側振動体401および
下側振動体402をスペーサ404を介して固定し、当
該上側振動体401および下側振動体402により回転
移動体403を挟んだ場合、図8に示すように、上下の
振動体416、426部により回転移動体403に与圧
が加えられる。与圧は、回転移動体403とスペーサ4
04との寸法差により決まる。
【0066】上側振動体401および下側振動体40
2、並びに回転移動体403の形成には、エッチング等
のフォトファブリケーション技術を用いる。前記圧電素
子412と支持体413は接着剤を用いて一体化する。
また、接着剤を用いず直接接合してもよいし、薄膜形
成、圧膜形成のプロセス手段により圧電素子412を形
成するようにしてもよい。また、圧電素子412は、上
側振動体401と下側振動体402に形成した配線を介
してドライバ405に接続されており、信号発生器40
6から駆動周波数を得る。
【0067】このマイクロ圧電モータ400では、上側
振動体401と下側振動体402とにより回転移動体4
03を挟持し、サスペンションアーム414、424に
より回転移動体403に与圧をかけるようにしたので、
当該回転移動体403の回転を安定化させることができ
る。
【0068】(実施の形態5)図10は、この発明の実
施の形態5に係るマイクロ圧電モータの振動体を示す平
面図である。上側振動体401および下側振動体402
の形状は、上記実施の形態4に開示したものに限られな
い。例えば同図(a)に示すように、屈曲変位機構部4
11、421の固定端を外側(外周側)に向けてもよ
い。また、同図(b)に示すように、サスペンションア
ーム414、424を短くするようにしてもよい。この
構成によれば、回転移動体403に対する与圧を大きく
できる。つぎに、同図(c)に示すように、サスペンシ
ョンアーム414、424を短くすると共に振動体40
1、402の中心部分を空間にし、その周縁に屈曲変位
機構部411、421を設けるようにしてもよい。この
構成によれば、回転移動体403に対する与圧を大きく
できると共に前記空間から回転移動体403の回転軸4
32を外側に出すことができる。
【0069】また、同図(d)に示すように、振動体部
416、426に抜き穴418、428を設けるように
してもよい。このようにすれば、抜き穴418、428
の周囲を第2のサスペンションアームとして働かせるこ
とができる。さらに、同図(e)に示すように、屈曲変
位機構部411、421の先端を中心位置に集めるよう
にしてもよい。符号Cは、回転移動体の外形を示す。こ
の構成によれば、小径の回転移動体を回転させることが
できる。
【0070】図11は、実施の形態4のマイクロ圧電モ
ータの変形例を示す断面図である。同図(a)に示すよ
うに、マイクロ圧電モータの上側振動体401のみにサ
スペンションアーム414を設けるようにしてもよい。
このように、上側振動体401のみにサスペンションア
ーム414を設けると、マイクロ圧電モータの構造を簡
単にできる。同図(b)では、回転移動体403に中心
軸穴433を設け、当該回転移動体403を下側振動体
402の軸突起部427aにより軸支するようにした。
また、スペーサ404は、下側振動体402と一体にし
た。このようにすれば、部品点数が少なくなるから、構
造が簡単になる。
【0071】また、片面のみに振動体を用い、他面はサ
スペンション機能のみを有する基板としてもよい。図1
2は、実施の形態4の変形例のマイクロ圧電モータであ
って、そのマイクロ圧電モータに用いる基板を示す平面
図である。図8に示した振動体402に代えて、この基
板403を用いる。この基板403は、サスペンション
アーム434により支持された円形状部分436を有
し、この円形状部分436に抜き部438を均等形成し
ている。また、中心部分には、径の異なる半円弧状のス
リット439と軸受穴437とが形成してある。このよ
うにしても、回転移動体に十分な与圧を与えることがで
きる。
【0072】(実施の形態6)図13は、この発明の実
施の形態6に係るマイクロ圧電モータを示す組立図であ
る。図14は、図13に示したマイクロ圧電モータの断
面図である。このマイクロ圧電モータ500は、振動体
501と、基板502と、振動体501および基板50
2により挟んで軸支した回転移動体503とから構成さ
れている。また、振動体501の裏面には、配線504
が形成されている。
【0073】振動体501は、中央が凹形状になってお
り、その底部に3つの屈曲変位機構部511が円周状に
均等形成されている。屈曲変位機構部511は、伸縮運
動を発生する圧電素子512を支持体513に張着した
構造である。屈曲変位機構部511の詳細は、実施の形
態4と同様であるから説明を省略する。前記振動体50
1の底部中央には、回転移動体503を軸支する軸突起
部514が形成されている。また、振動体501が凹形
状となっているため、実施の形態4のようなスペーサは
不要である。この振動体501では、屈曲変位機構部5
11を時計回りに延出してあるから、回転移動体503
を反時計周りに回転させることができる。使用する圧電
素子512についても、実施の形態4と同じである。
【0074】図15に示すように、前記振動体501
は、フレーム部515と円盤形状の振動体部516とが
3つのサスペンションアーム517により繋がった2ブ
ロック構造になっている。サスペンションアーム517
は、円弧形状であって前記振動体部516周囲に均等形
成され、フレーム部515から振動体部516を支持し
ている。サスペンションアーム517の曲率半径は5m
m程度であり、長さは7.8mm程度(円周長さの90
°/360°分)となる。また、振動体501の板厚
(底部)は0.05mmであり、サスペンションアーム
517の幅は0.3mmとなる。
【0075】前記基板502には、回転移動体503を
軸支する軸突起部521が設けられている。回転移動体
503は、組立状態で振動体501および基板502に
挟持される。凹部501aの深さは、回転移動体503
の高さよりも小さいから、振動体501と基板502に
より回転移動体503を挟んだ場合、図14に示すよう
に、振動体501のサスペンションアーム517により
回転移動体503に与圧が加えられる。与圧は、回転移
動体503と凹部501aの寸法差により決まる。
【0076】振動体501および回転移動体503の形
成には、エッチング等のフォトファブリケーション技術
を用いる。前記圧電素子512と支持体513は接着剤
を用いて一体化する。また、接着剤を用いず直接接合し
てもよいし、薄膜形成、圧膜形成のプロセス手段により
圧電素子512を形成するようにしてもよい。回転移動
体503の上下面には、実施の形態1と同様の摺動部5
31を設ける。また、圧電素子512は、配線504を
介して駆動用のドライバ505に接続されており、信号
発生器506から駆動周波数を得る。
【0077】このマイクロ圧電モータ500では、振動
体501と基板502とにより回転移動体503を挟持
し、サスペンションアーム517により与圧をかけるよ
うにしたので、回転移動体503の回転を安定化させる
ことができる。また、スペーサを一体にしたので、部品
点数が少なくなる。このため、マイクロ圧電モータの構
成が簡単になる。
【0078】(実施の形態7)上記振動体の形状は、上
記実施の形態6に開示したものに限られない。例えば図
10の(a)に示すように、屈曲変位機構部511の固
定端を外側(外周側)に向けてもよい(参照符号は省略
する)。また、図10の(b)に示すように、サスペン
ションアーム517を短くするようにしてもよい。この
構成によれば、回転移動体503にかける与圧を大きく
できる。つぎに、図10の(c)に示すように、サスペ
ンションアーム517を短くすると共に振動体501の
中心部分を空間にし、その周縁に屈曲変位機構部511
を設けるようにしてもよい。この構成によれば、前記同
様、回転移動体503にかける与圧を大きくできる。
【0079】また、同図(d)に示すように、振動体部
516に抜き穴を設けるようにしてもよい。このように
すれば、抜き穴の周囲を第2のサスペンションアームと
して働かせることができる。さらに、同図(e)に示す
ように、屈曲変位機構部の先端を中心位置に集めるよう
にしてもよい。この構成によれば、小径の回転移動体5
03を回転させることができる。
【0080】図16は、実施の形態6のマイクロ圧電モ
ータの変形例を示す断面図である。同図(a)に示すよ
うに、回転移動体503の上下面に軸突起部532を設
けると共に振動体501および基板502に軸受穴51
8、522を設けてもよい。この構成によれば、振動体
501の加工が容易になる。また、同図(b)に示すよ
うに、振動体501側ではなく基板502側を凹形状に
してもよい。この構成によれば、上記同様、実施の形態
4のようなスペーサが不要になる。
【0081】(実施の形態8)図17は、実施の形態8
に係るマイクロ圧電モータの製造方法を示す説明図であ
る。これは、実施の形態4〜7に係るマイクロ圧電モー
タの製造方法に関するものであり、同図では、実施の形
態4のマイクロ圧電モータ400を例に挙げている。
【0082】下側振動体基板402pには、4つの下側
振動体402が形成されており、それぞれの下側振動体
402は、切断溝429によって区切られている。図1
8は、この下側振動体基板402pを示す平面図であ
る。下側振動体402の構成については、上記実施の形
態4にて説明したから、ここでは省略する。また、後の
切断を考慮して、この下側振動体基板402pにはガラ
スを用いる。また、ガラスの他に、ステンレス、バリリ
ウム鋼などの金属系や、シリコン基板を用いることがで
きる。下側振動体基板402pは、所定形状のマスクパ
ターンをフォトリソグラフィーによって形成し、エッチ
ングを施すことにより作製する。この他、レーザビーム
のスポットを位置制御して、同図に示すパターンを形成
するようにしてもよい。
【0083】下側振動体基板402pには、4つのスペ
ーサ404を形成したスペーサ基板404pが積層され
ている。それぞれのスペーサ404は、切断溝441に
よって区切られている。なお、これらのスペーサ404
の構成は、実施の形態4にて説明した通りであり、その
中心には、回転移動体403が収容される穴部442が
形成されている。図19に、スペーサ基板404pの平
面図を示す。スペーサ基板404pには、上記下側振動
体基板402pと同様、ガラスやステンレスなどを用い
ることができる。また、スペーサ基板404pには、プ
リント配線443が形成されている。
【0084】スペーサ404には、回転移動体部品40
3pが組み込まれる。回転移動体部品403pは、4つ
の回転移動体403をブリッジ434によって保持した
構造である。回転移動体部品403pを重ねた状態で、
ブリッジ434がスペーサ基板404の溝444にはま
り込む。それぞれの回転移動体403の構成は、実施の
形態4にて説明した通りである。回転移動体403はニ
ッケルや錫によって作製し、ブリッジ434には銅を用
いる。これらの材料の他、加熱によりブリッジ434の
みを選択的に溶融除去できる組み合わせならばこれらに
限られない。また、ブリッジ434のみを選択的にエッ
チングできる組み合わせでもよい。例えば回転移動体4
03およびブリッジ434の組み合わせには、ステンレ
ス系と銅系材料など、母材のエッチング速度差にて選択
可能な組み合わせを用いることができる。
【0085】回転移動体部品403pには、上側振動体
基板401pが積層されている。この上側振動体基板4
01pには、4つの上側振動体401が形成されてお
り、それぞれの上側振動体401は、切断溝419によ
って区切られている。図20は、この上側振動体基板4
01pを示す平面図である。上側振動体401の構成に
ついては、上記実施の形態4に説明した通りであるが、
対向する前記下側振動体402と逆方向に屈曲変位機構
部411が延出している。この上側振動体基板401p
の材料は、上記下側振動体基板402pの材料と同一の
ものを選定する。ただし、上側振動体基板401pと下
側振動体基板402pとは必ずしも同一の材料を用いる
必要はない。上側振動体基板401pは、下側振動体基
板402pと同様にフォトリソグラフィーとエッチング
により作製する。
【0086】上記下側振動体基板402p、スペーサ4
04pおよび上側振動体基板401pの積層は、接着に
より行う。接着には、熱硬化性樹脂であるエポキシ系を
用いている。この他、接着剤は、基板およびスペーサ材
質を考慮して適宜選択可能である。また、接着ではな
く、レーザビーム、電子ビームなどを用いてスポット的
に又は所定の領域を接合するようにしてもよい。
【0087】図21は、切断前のマイクロ圧電モータを
示す斜視図である。なお、圧電素子およびその配線につ
いては図示省略する。上記下側振動体基板402p、ス
ペーサ基板404、回転移動体部品403および上側振
動体基板401pを積層すると、同図に示すような、4
つのマイクロ圧電モータ400pが形成される(ブリッ
ジ434は繋がったままである)。つぎに、全体を所定
温度まで加熱処理することでブリッジ434を選択的に
溶融除去する。これにより、回転移動体403が開放さ
れて回転可能な状態になる。また、ブリッジ434はエ
ッチングによって除去してもよく、レーザビームによっ
てブリッジの根元を切断するようにしてもよい。続い
て、積層状態の各基板を切断溝419、429に沿って
切断すれば、図22に示すようなマイクロ圧電モータ4
00を得ることができる。切断には、ダイヤモンドカッ
ターやレーザビームを用いる。また、イオンビームや電
子ビームを用いてもよい。
【0088】このマイクロ圧電モータの変形例を以下に
説明する。図23に示すように、下側振動体402の中
心に突起部428を設け、回転移動体403の中心に軸
受穴433を設けるようにしてもよい。回転移動体部品
403pを下側振動体基板402pに載せるとき、突起
部428を軸受穴434に挿通させる。同様に、上側振
動体401の中心に突起部を設けるようにしてもよい
(図示省略)。さらに、図24に示すように、下側振動
体基板とスペーサとを一体化した構造にしてもよい。こ
の下側振動体基板501pは、実施の形態6の振動体5
01を基板上に形成したものである。振動体501間に
は、切断溝519が形成されている。このようにすれ
ば、部品点数が少なくて済む。
【0089】つぎに、下側振動体基板402pの代わり
に、屈曲変位機構部を持たない下側与圧体408を用い
ることもできる。図25に、下側与圧基板408pの平
面図を示す。下側与圧基板408pは、下側与圧体40
8を基板上に形成したもので、サスペンションアーム4
84により与圧部486を支持した構造である。与圧部
486には、抜き穴488が設けられている。このよう
にすれば、抜き穴488の周囲を第2のサスペンション
アームとして働かせることができる。下側与圧基板40
8pを用いた場合、上側振動体401のみが屈曲変位機
構部を持つことになるので、回転移動体403の回転方
向は一方向のみになる。なお、サスペンションアームを
形成しない単なる基板を用いることもできる。この場
合、回転移動体403を付勢するのは、上側振動体40
1のサスペンションアームのみとなる。
【0090】また、上記では、一度に4個のマイクロ圧
電モータを形成する場合について説明したが、これに限
定されず、生産効率の良い範囲内で個数を決めればよ
い。例えば、マイクロ圧電モータを一度に9個または1
6個形成するようにしてもよい。
【0091】以上、この製造方法によれば、マイクロ圧
電モータを大量一括生産できるほか、組み立て工程を簡
略化できる。このため、安価なアクチュエータを提供す
ることが可能になる。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の圧電ア
クチュエータ(請求項1)では、与圧部材により回転移
動体に与圧をかけるから、簡単な構造で回転を安定化で
きる。
【0093】また、この発明の圧電アクチュエータ(請
求項2)では、回転移動体の一面から与圧をかけて他面
の振動体に押し付けるようにしたので、振動体と回転移
動体とが確実に接触するようになり、回転が安定化す
る。
【0094】また、この発明の圧電アクチュエータ(請
求項3)では、車形状の与圧部材により回転移動体に与
圧をかけるので、簡単な構造で回転を安定化できる。
【0095】また、この発明の圧電アクチュエータ(請
求項4)では、サスペンションアームの弾性力により回
転移動体を振動体に押し付けるようにしたので、振動体
と回転移動体とが確実に接触するようになる。このた
め、簡単な構造で回転を安定化させることができる。
【0096】また、この発明の圧電アクチュエータ(請
求項5)では、サスペンションアームを湾曲形状にした
ので、大きな弾性を確保できるから、振動体と回転移動
体とを適切な与圧で接触するようになる。このため、簡
単な構造で回転を安定化させることができる。
【0097】また、この発明の圧電アクチュエータ(請
求項6)では、振動体に与圧部材を設けて、振動体を回
転移動体に押し付けるようにしたので、振動体と回転移
動体とが確実に接触するようになり、回転が安定化す
る。
【0098】また、この発明の圧電アクチュエータ(請
求項7)では、回転移動体に与圧を加える与圧部材を前
記振動体に設け、2枚の振動体によって前記回転移動体
を挟み、当該振動体を回転移動体に押し付けるようにし
た。このため、振動体と回転移動体とを確実に接触させ
ることができるから、簡単な構造で回転が安定化する。
【0099】また、この発明の圧電アクチュエータ(請
求項8)では、振動体と基板により回転移動体を挟み、
振動体の与圧部材により当該振動体を回転移動体に押し
付けるようにした。このため、振動体と回転移動体とを
確実に接触させることができるから、簡単な構造で回転
が安定化する。
【0100】また、この発明の圧電アクチュエータ(請
求項9)では、サスペンションアームの弾性によって振
動体部を回転移動体に押し付ける構造にしたので、振動
体を回転移動体に押し付けることができる。このため、
振動体と回転移動体とを確実に接触させることができる
から、簡単な構造で回転が安定化する。
【0101】また、この発明の圧電アクチュエータ(請
求項10)では、サスペンションアームを円弧形状にし
たので、大きな弾性を確保できるから、振動体と回転移
動体とを適切な与圧で接触するようになる。このため、
簡単な構造で回転を安定化させることができる。
【0102】また、この発明の圧電アクチュエータ(請
求項11)では、振動体同士の間または振動体と基板と
の間に入れるスペーサ部を振動体または基板に形成した
ので、構造が簡単になる。
【0103】また、この発明の圧電アクチュエータ(請
求項12)では、サスペンションアームの長さの設定に
より回転移動体にかける与圧を調整するようにしたの
で、回転移動体に適当な与圧をかけることができる。こ
のため、簡単な構成で回転を安定化することができる。
【0104】また、この発明の圧電アクチュエータの製
造方法(請求項13)では、複数の回転移動体をブリッ
ジで繋ぎ、これを基板上に複数形成した振動体に重ね、
ブリッジを除去すると共にこれらを分割し、圧電アクチ
ュエータを得る。このため、圧電アクチュエータを容易
に量産できる。
【0105】また、この発明の圧電アクチュエータの製
造方法(請求項14)では、回転移動体を下側振動体基
板および上側振動体基板により狭持し ブリッジを除去
することにより回転移動体を回転可能状態にする。その
後、両基板を分割して単体の圧電アクチュエータを得
る。このようにすれば、圧電アクチュエータの量産を容
易に行うことができる。
【0106】また、この発明の圧電アクチュエータの製
造方法(請求項15)では、回転移動体を下側振動体基
板および基板の間に挟み、ブリッジを除去することによ
って回転移動体を回転可能状態にする。その後、両基板
を分割して単体の圧電アクチュエータを得る。このよう
にすれば、圧電アクチュエータの量産を容易に行うこと
ができる。
【0107】つぎに、この発明の圧電アクチュエータ
(請求項16)では、ブリッジを回転移動体の材料より
低い融点の材料で構成したから、ブリッジのみを選択的
に溶融除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るマイクロ圧電モ
ータを示す組立図である。
【図2】図1に示したマイクロ圧電モータを示す断面図
である。
【図3】(a)は、図1および図2に示したロードセル
を示す上面図、(b)は、ロードセルの断面図である。
【図4】入力信号を印加した時の屈曲変位機構部の固定
端から自由端の振動挙動を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係るマイクロ圧電モ
ータを示す組立図である。
【図6】(a)は、この発明の実施の形態3に係るマイ
クロ圧電モータのロードセルを示す上面図、(b)は、
ロードセルの断面図である。
【図7】この発明の実施の形態4に係るマイクロ圧電モ
ータを示す組立図である。
【図8】図7に示したマイクロ圧電モータの断面図であ
る。
【図9】上側振動体および下側振動体の構造を示す平面
図である。
【図10】この発明の実施の形態5に係るマイクロ圧電
モータの振動体を示す平面図である。
【図11】実施の形態4のマイクロ圧電モータの変形例
を示す断面図である。
【図12】実施の形態4の変形例のマイクロ圧電モータ
であって、そのマイクロ圧電モータに用いる基板を示す
平面図である。
【図13】この発明の実施の形態6に係るマイクロ圧電
モータを示す組立図である。
【図14】図13に示したマイクロ圧電モータの断面図
である。
【図15】振動体の構造を示す平面図である。
【図16】実施の形態6のマイクロ圧電モータの変形例
を示す断面図である。
【図17】実施の形態8に係るマイクロ圧電モータの製
造方法を示す説明図である。
【図18】図17に示した下側振動体基板を示す平面図
である。
【図19】図17に示したスペーサ基板の平面図であ
る。
【図20】図17に示した上側振動体基板を示す平面図
である。
【図21】切断前のマイクロ圧電モータを示す斜視図で
ある。
【図22】マイクロ圧電モータを示す斜視図である。
【図23】マイクロ圧電モータの変形例を示す説明図で
ある。
【図24】マイクロ圧電モータの変形例を示す説明図で
ある。
【図25】マイクロ圧電モータの変形例を示す説明図で
ある。
【図26】従来のマイクロ圧電モータの一例を示す組立
図である。
【図27】マイクロ圧電モータの動作原理を示す説明図
である。
【符号の説明】
100 マイクロ圧電モータ 1 回転移動体 11 摺動部 12 穴 2 ロードセル 21 中心部 22 サスペンションアーム 23 リム 3 振動体 31 圧電素子 32 支持体 33 屈曲変位機構部 34 中心部 35 軸突起部 4 基板 5 スペーサ 6 ドライバ 7 信号発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 樹 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セイコーインスツルメンツ株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−277624(JP,A) 特開 平4−29576(JP,A) 特開 平10−337059(JP,A) 特開 平10−337052(JP,A) 特開 平3−115892(JP,A) 実開 平5−67194(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00 H01L 41/09

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転移動体と、前記回転移動体と対向配
    置され、前記回転移動体の円接線方向に対して平行に延
    出し且つ一端固定他端自由とした変位機構部を複数持つ
    支持体および当該支持体の変位機構部毎に設けた複数の
    圧電体からなる振動体と、を備え、これら回転移動体お
    よび振動体を同軸に重ねた構造で、前記振動体が縦運動
    と楕円運動を励起し、前記回転移動体を回転させる圧電
    アクチュエータにおいて、前記 回転移動体の所定の対向面に前記振動体方向の与圧
    加える与圧部材を配置し、前記回転移動体と前記対向
    面で接する振動体に押し付けるようにしたことを特徴と
    する圧電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記与圧部材が、振動体側に固定される
    中心部と、中心部から放射状に延出するサスペンション
    アームと、サスペンションアーム端部で保持され、前記
    回転移動体に接触するリム部と、から構成されることを
    特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 回転移動体の円接線方向に対して平行に
    延出し且つ一端固定他端自由とした支持体に圧電体を設
    けた振動体と、 中心部から放射状に延出したサスペンションアームによ
    ってリム部を支持した与圧部材と、を有し、 振動体と与圧部材とを接合してこれらの間に回転移動体
    を挟み、前記リム部によって回転移動体を振動体に押し
    付けるようにした ことを特徴とする圧電アクチュエー
    タ。
  4. 【請求項4】 さらに、前記サスペンションアームが湾
    曲形状であることを特徴とする請求項2または3に記載
    圧電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 回転移動体と、この回転移動体の円接線
    方向に対して平行に延出し且つ一端固定他端自由とした
    支持体および当該支持体に設けた圧電体からなる振動体
    と、を備え、これら回転移動体および振動体を同軸に重
    ねた構造の圧電アクチュエータにおいて、 回転移動体に与圧を加える与圧部材を前記振動体に設
    け、当該振動体を回転移動体に押し付けるようにした
    とを特徴とする圧電アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 回転移動体と、この回転移動体の円接線
    方向に対して平行に延出し且つ一端固定他端自由とした
    支持体および当該支持体に設けた圧電体からなる振動体
    と、を備え、これら回転移動体および振動体を同軸に重
    ねた構造の圧電アクチュエータにおいて、 回転移動体に与圧を加える与圧部材を前記振動体に設
    け、2枚の振動体によって前記回転移動体を挟み、当該
    振動体を回転移動体に押し付けるようにしたことを特徴
    とする圧電アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 回転移動体と、この回転移動体の円接線
    方向に対して平行に延出し且つ一端固定他端自由とした
    支持体および当該支持体に設けた圧電体からなる振動体
    と、を備え、これら回転移動体および振動体を同軸に重
    ねた構造の圧電アクチュエータにおいて、 回転移動体に与圧を加える与圧部材を前記振動体に設
    け、当該振動体と基板とによって前記回転移動体を挟
    み、当該振動体を回転移動体に押し付けるようにしたこ
    とを特徴とする圧電アクチュエータ。
  8. 【請求項8】 前記振動体が、前記支持体および圧電体
    を有する振動体部と、振動体部から延出した複数のサス
    ペンションアームと、このサスペンションアームを支持
    するフレーム部と、から構成されていることを特徴とす
    請求項5〜7のいずれか1つに記載の圧電アクチュエ
    ータ。
  9. 【請求項9】 前記サスペンションアームが円弧形状で
    あることを特徴とする請求項に記載の圧電アクチュエ
    ータ。
  10. 【請求項10】 前記振動体同士の間または前記振動体
    と基板との間に入れるスペーサ部を前記振動体または前
    記基板に形成したことを特徴とする請求項6〜9のいず
    れか1つに記載の圧電アクチュエータ。
  11. 【請求項11】 前記サスペンションアームの長さの設
    定により回転移動体にかける与圧を調整するようにした
    ことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1つに記載
    の圧電アクチュエータ。
  12. 【請求項12】 ブリッジにより複数の回転移動体を繋
    いでおき、 この回転移動体の円接線方向に対して平行に延出し且つ
    一端固定他端自由とした支持体、当該支持体に設けた圧
    電体および前記回転移動体に与圧を加える与圧 部材から
    なる振動体を、基板上に複数形成し、 前記各回転移動体を前記基板の振動体に重ね、 前記ブリッジを除去することにより回転移動体を開放す
    ると共にそれぞれの回転移動体および振動体の組毎に分
    割することを特徴とする圧電アクチュエータの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 ブリッジにより複数の回転移動体を繋
    いでおき、 この回転移動体の円接線方向に対して平行に延出し且つ
    一端固定他端自由とした支持体、当該支持体に設けた圧
    電体および前記回転移動体に与圧を加える与圧部材から
    なる下側振動体を、下側振動体基板上に複数形成し、これと同じく、前記回転移動体の円接線方向に対して平
    行に延出し且つ一端固定他端自由とした支持体、当該支
    持体に設けた圧電体および前記回転移動体に与圧を加え
    る与圧部材からなる上側振動体を、上側振動体基板上に
    複数形成し、 前記下側振動体基板と上側振動体基板とによりスペーサ
    を介して積層すると共に 前記各回転移動体を下側振動体
    基板と上側振動体基板とに介在させ、 前記ブリッジを除去することにより回転移動体を開放す
    ると共にそれぞれの回転移動体および振動体の組毎に分
    割することを特徴とする圧電アクチュエータの製造方
    法。
  14. 【請求項14】 ブリッジにより複数の回転移動体を繋
    いでおき、 この回転移動体の円接線方向に対して平行に延出し且つ
    一端固定他端自由とした支持体、当該支持体に設けた圧
    電体および前記回転移動体に与圧を加える与圧部材から
    なる振動体を、基板上に複数形成し、 前記各回転移動体を前記基板の振動体に重ね、 この重ねた回転移動体に、与圧を加える与圧部材を持つ
    与圧体を複数形成した基板を重ね、 前記ブリッジを除去することにより回転移動体を開放す
    ると共にそれぞれの回転移動体振動体および与圧体
    組毎に分割することを特徴とする圧電アクチュエータの
    製造方法。
  15. 【請求項15】 前記ブリッジに、回転移動体の材料よ
    り融点の低い材料を用いたことを特徴とする請求項12
    〜14のいずれか1つに記載の圧電アクチュエータの製
    造方法。
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