JP3142810B2 - 圧電アクチュエータ - Google Patents

圧電アクチュエータ

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JP3142810B2
JP3142810B2 JP10028912A JP2891298A JP3142810B2 JP 3142810 B2 JP3142810 B2 JP 3142810B2 JP 10028912 A JP10028912 A JP 10028912A JP 2891298 A JP2891298 A JP 2891298A JP 3142810 B2 JP3142810 B2 JP 3142810B2
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英孝 前田
和夫 谷
陽子 鈴木
瑞明 鈴木
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セイコーインスツルメンツ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧電アクチュエ
ータに関し、更に詳しくは、回転移動体の移動分解能を
切換可能な圧電アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】現在OA機器、情報処理機器の小型化が
進み、これに伴って、駆動・搬送に用いる動力源として
圧電アクチュエータが注目されている。このような圧電
アクチュエータの一例として、本願出願人らにより開発
されたマイクロ圧電モータが知られている(電気学会
第15回センサ・シンポジウム TECHNICAL DIGEST1
81頁〜184頁 1997年)。
【0003】図7に、そのマイクロ圧電モータの組立図
を示す。このマイクロ圧電モータ500は、軸突起部1
1を持つ円盤状の回転移動体1と、振動体ブロック50
2と、軸突起部1を支持する基盤シャーシ3とから構成
されている。振動体ブロック502には、伸縮運動を発
生する圧電素子4を支持体521に張着した屈曲変位機
構部522が3つ設けてある。前記屈曲変位機構部52
2はL字形状をしており、このL字形状の短辺端部は振
動体ブロック502の中心部523に固定されている。
この屈曲変位機構部522は、回転移動体1の摺動部1
2に内包される円の接線方向と一致するように配置す
る。
【0004】また、回転移動体1および基盤シャーシ3
には磁気吸着力の発生する磁石材料を用い、回転移動体
1と振動体ブロック502とを一定加圧下で接触させ
る。また、振動体ブロック502、特に屈曲変位機構部
522には、前記磁石材料の磁力の影響を受けないよう
に非磁性体材料を用いる。回転移動体1の軸突起部11
は、振動体ブロック502の中空軸穴525にて軸支さ
れる。回転移動体1の本体は、金属または樹脂系で形成
し、振動体ブロック502との摺動面12には酸化皮膜
処理を施す。また、回転移動体1や振動体ブロック50
2などの形成には、エッチング等のフォトファブリケー
ション技術を用いる。
【0005】図8は、このマイクロ圧電モータの動作原
理を示す説明図である。圧電素子4に特定周波数の駆動
電圧を印加することにより、当該圧電素子4が図中矢印
A方向に伸縮する。この伸縮により屈曲変位機構部52
2が図中矢印B方向に振動する。屈曲変位機構部522
が振動すると、当該屈曲変位機構部522の先端が回転
移動体1に接触する。接触方向は、回転移動体1に対し
て垂直ではなく、図中矢印Cの示す方向であるから、そ
の横方向の力の成分Chにより回転移動体1が移動する
ことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のマイクロ圧
電モータ500では、その動作原理上、圧電素子および
振動体ブロックのサイズによって回転移動体1の移動分
解能が異なるものとなる。例えば微動と粗動とを組み合
わせたような運動を要求される製品に適用する場合、通
電制御のみで移動分解能を切り替えることができれば便
利である。また、運動開始時に高トルクが必要とされる
製品へ適用する場合もある。
【0007】ところが、上記従来のマイクロ圧電モータ
500では、圧電素子および振動体ブロックが単一形態
であるため、回転移動体1の移動分解能を切換調整でき
ないという問題点があった。また、トルクに大きな変化
を持たせにくいという問題点があった。
【0008】そこで、この発明は、上記に鑑みてなされ
たものであって、回転移動体の移動分解能を切換調整で
き且つトルクを大きく変化できる圧電アクチュエータを
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1に係る圧電アクチュエータは、回転移動
体と、この回転移動体の内円接線方向に延出した一端固
定他端自由とした複数の梁部であってこれら梁部を2種
以上の異なるサイズのものとすると共に、前記複数の梁
部を略同一円周上に配置した支持体と、当該支持体の梁
部サイズに適合し前記梁部毎に貼設した複数の圧電体と
からなる振動体と、を備えたものである。
【0010】すなわち、梁部のサイズを異なるものと
し、この梁部に適合する圧電体を貼着すれば、例えばサ
イズの小さい梁部および圧電体を振動励起することで、
回転移動体を微動させることができる。また、回転移動
体を粗動させるときは、サイズの大きな梁部および圧電
体により振動励起する。このようにすれば、通電する圧
電体を切り換えることにより、回転移動体の移動分解能
を切り換えることができる。また、各梁部にそれぞれの
サイズに応じた共振周波数の駆動電圧を印加すれば、最
大トルクを得ることができる。また、梁部を同一円周上
に設ける構成では、構成が簡単になり製造容易となる。
【0011】また、請求項2に係る圧電アクチュエータ
は、回転移動体と、この回転移動体の内円接線方向に延
出した一端固定他端自由とした複数の梁部であってこれ
ら梁部を2種以上の異なるサイズのものとすると共に、
前記複数の梁部をサイズ毎に異なる径の円周上に配置し
た支持体と、当該支持体の梁部サイズに適合し前記梁部
毎に貼設した複数の圧電体とからなる振動体と、を備え
たものである。
【0012】上記同様、梁部のサイズを異なるものと
し、この梁部に適合する圧電体を貼着すれば、前記梁部
のサイズにより回転移動体の移動量が異なるのだから、
通電する圧電体を切り換えることによって前記回転移動
体の移動分解能を切り換えることができる。また、各梁
部にそれぞれのサイズに応じた共振周波数の駆動電圧を
印加すれば、最大トルクを得ることができる。また、梁
部をサイズ毎に異なる径の円周上に設ける構成によれ
ば、梁部および圧電体を多く設けることができる。
【0013】また、請求項3に係る圧電アクチュエータ
は、上記圧電アクチュエータにおいて、前記支持体がサ
イズの異なる梁部毎の分割構造になっており、それぞれ
の分割体を任意に選択して支持体を構成するようにした
ものである。
【0014】すなわち、要求される回転移動体の移動分
解能があれば、その移動分解能の実現可能サイズの梁部
を持つ分割体を選定し、これらを組み合わせて支持体を
構成するようにする。このようにすれば、支持体構成部
品を共通化できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明につき図面を参照
しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこ
の発明が限定されるものではない。
【0016】(実施の形態1)図1は、この発明の実施
の形態1に係るマイクロ圧電モータを示す組立図であ
る。図2は、図1に示した移動体ブロックを示す下面図
である。このマイクロ圧電モータ100は、軸突起部1
1を持つ円盤状の回転移動体1と、振動体ブロック2
と、軸突起部11を支持する基盤シャーシ3とから構成
されている。 図2および図1に示すように、振動体ブ
ロック2には、大きいサイズの支持体21aと、小さい
サイズの支持体21bとの2種類を円周方向に3個ずつ
交互に配置してある。支持体21aの下面には、大きい
サイズの圧電素子4aが貼着してある。支持体21bの
下面には、小さいサイズの圧電素子4bが貼着してあ
る。支持体21aと圧電素子4aとで屈曲変位機構部2
2aを、支持体21bと圧電素子4bとで屈曲変位機構
部22bを構成する。
【0017】屈曲変位機構部22aおよび屈曲変位機構
部22b(屈曲変位機構部22)はL字形状をしてお
り、このL字形状の短辺端部22’は振動体ブロック2
の中心部23に固定されている。また、屈曲変位機構部
22aと屈曲変位機構部22bとは、振動体ブロック2
の外周円に沿って交互に略均等配置されている。外径は
数ミリ程度である。さらに、この屈曲変位機構部22
は、前記回転移動体下面の摺動部12に内包される円の
接線方向と一致するように配置する。
【0018】前記屈曲変位機構部22の自由端が描く楕
円運動の方向によって、回転移動体1の回転方向が決ま
る。ここでは、回転移動体1を軸支した構成であるか
ら、屈曲変位機構部22の運動軌跡を回転移動体1の運
動軌跡に一致させてやれば、屈曲変位機構部22から回
転移動体1への運動転換が効率的なものとなる。図中で
は屈曲変位機構部22が時計回りに延出してあるが、こ
の延出方向を反対にすると、回転移動体1の回転方向が
反対になる。また、回転中心から屈曲変位機構部22ま
での距離と、振動体ブロック2に設ける屈曲変位機構部
22の形状および数とにより、マイクロ圧電モータ10
0の回転トルクおよび回転速度が決まる。これら回転中
心から屈曲変位機構部22までの距離や、屈曲変位機構
部22の形状および数は、要求されるモータの仕様に基
づき設定する。この際、各屈曲変位機構部22の固有振
動数は形状に依存するので、シミュレーションモデルの
結果と実験データとから、仕様に合うよう決定する。
【0019】前記圧電素子4とは、歪発生機能、共振機
能および電圧発生機能を兼ね備えた材料をいう。すなわ
ち、印加された電圧に応じて応力ないし変位を生じ、印
加電圧の周波数により共振現象を生じさせ、加えられた
圧力に応じて電圧が発生する特性を示す材料である。本
例の圧電素子4には、圧電定数の高い薄膜ジルコンチタ
ン酸鉛を用いてある。また、チタン酸バリウム、ニオブ
酸リチウムやジルコンチタン酸鉛などを用いても良い。
また、これら圧電セラミックスの代わりに、傾斜機能材
料やリチウムナイオベートを用いることもできる。
【0020】振動体ブロック2には、ステンレス、ベリ
リウム銅、リン青銅、黄銅、ジュラルミン、チタンやシ
リコン材の金属系または非金属系の弾性材料を用いる。
また、回転移動体1および基盤シャーシ3には磁気吸着
力の発生する磁石材料を用い、回転移動体1と振動体ブ
ロック2とを一定加圧下で接触させている。例えば回転
移動体1にはステンレス系、基盤シャーシ3にはネオジ
ウム系の磁石材料を用いる。この磁石材料によって基盤
シャーシ3が回転移動体側に引き寄せられるので、回転
移動体1の摺動部12と振動体ブロック2の屈曲変位機
構部22との間で安定した密着性が得られる。また、振
動体ブロック2、特に屈曲変位機構部22には、前記磁
石材料の磁力の影響を受けないように非磁性体材料を用
いるのが好ましい。
【0021】回転移動体1の軸突起部11は、振動体ブ
ロック2の中空軸穴25に回転自在に軸支してある。逆
に、回転移動体側に中空軸穴を設け、振動体ブロック側
に軸突起部を設けるようにしてもよい。回転移動体1の
摺動部12は、屈曲変位機構部22と摩擦する部分であ
るから、摩擦係数が大きいこと、耐磨耗性に優れるこ
と、安定した摩擦係数を維持できることなどの要求を満
たす材料を用いるのが好ましい。例えば回転移動体1の
本体を金属または樹脂で形成しておき、振動体ブロック
2との摺動面12に酸化皮膜処理を施すようにする。ま
た、前記摺動面12を、セルロース系繊維、カーボン系
繊維、ウィスカとフェノール樹脂との複合材料、ポリイ
ミド樹脂とポリアミド樹脂との複合材料を用いて形成す
るようにしてもよい。
【0022】回転移動体1や振動体ブロック2の形成に
は、エッチング等のフォトファブリケーション技術を用
いるのが好ましい。非機械加工プロセスを用いること
で、加工形成時に発生する変形、応力および機械的スト
レスを排除できるためである。また、部品の高精度化よ
り、各要素部品の組立調整工程を最小限に抑えることが
できると共に、機能および再現性が安定するためであ
る。本例の屈曲変位機構部22は、百ミクロン程度の銅
系材料をエッチングすることにより形成する。
【0023】また、前記支持体21と圧電素子4とは接
着により一体化する。係る接着に要求される条件は、非
常に薄い接着層であること、接着層が非常に硬く且つ強
靱であること、支持体21と圧電素子4との接着後は共
振周波数付近の抵抗値が小さいことである。支持体21
と圧電素子4との間には、直接接合または接着剤による
接合であっても接合界面が存在する。この接合界面は、
支持体21と圧電素子4との間の伝搬特性を決める重要
な因子となる。このため、接着剤の特性およびその膜厚
管理が重要となる。例えば前記接着剤には、ホットメル
トおよびエポキシ樹脂に代表される高分子接着材を用い
る。本例では、エポキシ系の接着剤を用いて最適膜厚に
なるようにしている。なお、接着剤を用いないで圧電素
子4を直接接合してもよい。また、薄膜形成、圧膜形成
のプロセス手段により圧電素子4を設けるようにしても
よい。
【0024】また、屈曲変位機構部22としては、1枚
の圧電素子で構成されるユニモルフ型、2枚の圧電素子
で構成されるバイモルフ型、または、4枚以上の圧電素
子で構成されるマルチモルフ型があり、いずれを用いる
ようにしても良い。圧電素子4や支持体21の材料およ
びこれらの接着方法は、マイクロ圧電モータ100に要
求される屈曲変位機構部22の変位量、力、応答性およ
び構造的制約条件により設定される。本例の屈曲変位機
構部22では、ユニモルフ型構成を採用してあある。変
位電圧特性上でヒステリシスを持ちにくい特性を持つた
めである。また、バイモルフ型と比較して変位量は小さ
いが発生力が大きいこと、回転移動体の負荷荷重および
加圧力が適当であるためである。なお、マイクロ圧電モ
ータ100の仕様により、マルチモルフ型を採用し、厚
みを一定に維持した上で層数を増やすことで変位と力と
を増加させることもできる。また、屈曲変位機構部22
の固定端から自由端にかけてテーパを設け、応答性を向
上させることもできる。係る構成による振動体ブロック
2によれば、屈曲変位機構部22の屈曲変位を極めて安
定に励起することができる。
【0025】符号5は、圧電素子4a、4bに電力を供
給する電源である。電源5には、切換部6が接続されて
いる。選択部6は、屈曲変位機構部22aまたは/およ
び屈曲変位機構部22bを選択する。回転移動体1を微
動させるときは、小さい屈曲変位機構部22aを選択
し、圧電素子4aに電力を供給する。回転移動体1を粗
動させるときは大きい屈曲変位機構部22bを選択し、
圧電素子4bに電力を供給する。また、最大トルクを得
るときには、屈曲変位機構部22aと屈曲変位機構部2
2bとの両方を選択して、圧電素子4a、4bに電力を
供給する。選択部6の選択は、このマイクロ圧電モータ
100を適用する装置の制御部Cなどにより行う。
【0026】図3に、入力信号を印加した時の屈曲変位
機構部22の固定端から自由端の振動挙動を示す。横軸
の左端から右端が、屈曲変位機構部22の固定端から自
由端までの有効長となる。縦軸は屈曲変位機構部22の
変位量を表す。変位量が0のときは、振動が励起されて
いないことを示す。屈曲変位機構部22は、入力信号の
印加条件によって微少な変位および力の混在する振動を
発し、縦運動と楕円運動を励起する。振動モードでは、
屈曲変位機構部22の変位が正側に位置するので、当該
屈曲変位機構部22から回転移動体1に運動が伝わる。
また、回転移動体1の回転方向は、楕円運動の横方向成
分により決まる。このため、振動体ブロック2の屈曲変
位機構部22は、回転移動体1に要求される回転方向に
従って配置する。この屈曲変位機構部22の配置方向に
よって、回転移動体1が時計周りに回転するか、反時計
周りに回転するかが決まる。
【0027】屈曲変位機構部22に入力する駆動電圧お
よび周波数は、屈曲変位機構部22の寸法、形状に応じ
た固有振動数に合致するように調整する。入力信号を共
振周波数近傍に設定すれば屈曲変位機構部22の最大振
幅が得られるからである。屈曲変位機構部22aと屈曲
変位機構部22bとでは、サイズが異なるためそれぞれ
固有振動数が異なる。信号発生器6は、屈曲変位機構部
22aおよび屈曲変位機構部22bの固有振動数の信号
を発生する。なお、振動体ブロック2の振動モードに
は、屈曲変位機構部22の長辺方向を利用した変位拡大
の1次振動モードと2次以上の振動モードとによる運動
機構が有効利用可能である。
【0028】実験の結果、入力信号の電圧振幅が、0.
5〜数十ボルト、周波数が数十K〜数百Kヘルツの範囲
で、屈曲変位機構部22の各振動モードが確認できた。
また、2次振動モード以上を用いるのが好ましい。さら
に、入力信号の位相差を利用したり、デューティ比を制
御したり、多重振動モードを利用することにより、回転
移動体1を安定して回転させることができる。
【0029】(実施の形態2)図4は、この発明の実施
の形態2に係るマイクロ圧電モータの振動体ブロックを
示す下面図である。この実施の形態2に係るマイクロ圧
電モータは、実施の形態1に係るマイクロ圧電モータ1
00と略同様の構成であるが、振動体ブロック8の形状
が異なる。以下、実施の形態1との相違点について説明
し、同一の構成については説明および図示を省略する。
この振動体ブロック8は、大きいサイズの支持体81a
を内側周に6個均等配置し、小さいサイズの支持体81
bを外側周に12個均等配置した構成である。これら支
持体81は、L字形状をしており、短辺端部で固定され
ている。また、支持体81aの下面には、大きいサイズ
の圧電素子4aが貼着してある。支持体81bの下面に
は、小さいサイズの圧電素子4bが貼着してある。支持
体81aと圧電素子4aとで屈曲変位機構部82aを、
支持体81bと圧電素子4bとで屈曲変位機構部82b
を構成する。屈曲変位機構部82aおよび屈曲変位機構
部82bは、回転移動体下面の摺動部(図1参照)に内
包される円の接線方向と一致するように配置されてい
る。
【0030】このように、サイズの異なる屈曲変位機構
部82aと屈曲変位機構部82bとを異なる径の円周上
に配置しても、屈曲変位機構部22aと屈曲変位機構部
22bとを別々に駆動することで、回転移動体の微動ま
たは粗動の切換をすることができる。また、屈曲変位機
構部22aと屈曲変位機構部22bとの両方を駆動する
ことで、最大トルクを得ることができる。なお、この実
施の形態2では、大きいサイズの屈曲変位機構部82a
を内側周、小さいサイズの屈曲変位機構部82bを外側
周に配置しているが、この逆、すなわち大きいサイズの
屈曲変位機構部82aを外側周、小さいサイズの屈曲変
位機構部82bを内側周に配置するようにしてもよい。
また、屈曲変位機構部82aおよび屈曲変位機構部82
bの個数は、上記実施の形態1および2のものに限られ
ない。
【0031】(実施の形態3)図5は、この発明の実施
の形態3に係るマイクロ圧電モータの振動体ブロックを
示す斜視図である。この実施の形態3に係るマイクロ圧
電モータは、実施の形態1に係るマイクロ圧電モータ1
00と略同様の構成であるが、振動体ブロック9の構造
が異なる。以下、実施の形態1との相違点について説明
し、同一の構成については説明および図示を省略する。
この振動体ブロック9は、分割体9aと分割体9bとの
2分割構造である。分割体9aは、大きいサイズの支持
体91aを3個均等配置した構成である。支持体91a
の下面には、大きいサイズの圧電素子4aが貼着してあ
る。支持体91aと圧電素子4aとで屈曲変位機構部9
2aを構成する。符号93aは、分割体9bを填め込む
填込部である。また、分割体9bは、小さいサイズの支
持体91bを3個均等配置した構成である。支持体91
bの下面には、小さいサイズの圧電素子4bが貼着して
ある。支持体91bと圧電素子4bとで屈曲変位機構部
92bを構成する。符号93bは、分割体9aの填込部
93aに填め込む填込部である。屈曲変位機構部92a
および屈曲変位機構部92bは、回転移動体下面の摺動
部(図1参照)に内包される円の接線方向と一致するよ
うに配置されている。
【0032】図6に、分割体9aと分割体9bとを組み
立て構成した振動体ブロック9を示す。係る構成では、
屈曲変位機構部92のサイズが異なる分割体9a、9b
を複数用意しておくことで、任意の組み合わせにより振
動体ブロック9を構成することができる。すなわち、屈
曲変位機構部92のサイズが同じものについては部品を
共通化できるので、製造効率が良くなる。また、要求さ
れる回転移動体の移動分解能に適した屈曲変位機構部9
2を得ることができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の圧電ア
クチュエータ(請求項1)は、梁部のサイズを異なるも
のとし、この梁部に適合する圧電体を貼着したので、サ
イズの小さい梁部および圧電体により回転移動体を微動
させ、サイズの大きな梁部および圧電体により回転移動
体を粗動させることができる。すなわち、通電する圧電
体を切り換えることにより、回転移動体の移動分解能を
切り換えることができる。また、両梁部を駆動すること
で最大トルクを得ることができる。また、梁部を同一円
周上に設けたので、構成が簡単になり製造容易となる。
【0034】つぎに、この発明の圧電アクチュエータ
(請求項2)は、梁部のサイズを異なるものとし、この
梁部に適合する圧電体を貼着したので、通電する圧電体
を切り換えることによって前記回転移動体の移動分解能
を切り換えることができる。また、両梁部を駆動すれば
最大トルクを得ることができる。また、梁部をサイズ毎
に異なる径の円周上に設けたので、梁部および圧電体を
多く設けることができる。
【0035】つぎに、この発明の圧電アクチュエータ
(請求項3)は、支持体がサイズの異なる梁部毎の分割
構造になっており、それぞれの分割体を任意に選択して
支持体を構成するようにしたので、支持体構成部品を共
通化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るマイクロ圧電モ
ータを示す組立図である。
【図2】図1に示した振動体ブロックを示す下面図であ
る。
【図3】入力信号を印加した時の屈曲変位機構部の固定
端から自由端の振動挙動を示すグラフ図である。
【図4】この発明の実施の形態2に係るマイクロ圧電モ
ータの振動体ブロックを示す下面図である。
【図5】この発明の実施の形態3に係るマイクロ圧電モ
ータの振動体ブロックを示す斜視図である。
【図6】図5に示した分割体を組み合わせて振動体ブロ
ックとした場合を示す斜視図である。
【図7】従来のマイクロ圧電モータの一例を示す組立図
である。
【図8】図7に示したマイクロ圧電モータの動作原理を
示す説明図である。
【符号の説明】
100 マイクロ圧電モータ 1 回転移動体 11 軸突起部 12 摺動部 2 振動体ブロック 3 基盤シャーシ 4 圧電素子 21 支持体 22 屈曲変位機構部 23 中心部 24 外周部分 25 中空軸穴 5 電源 6 選択部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 瑞明 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セイコーインスツルメンツ株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−277624(JP,A) 特開 平4−29576(JP,A) 実開 平5−67194(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転移動体と、 この回転移動体の内円接線方向に延出した一端固定他端
    自由とした複数の梁部であってこれら梁部を2種以上の
    異なるサイズのものとすると共に、前記複数の梁部を略
    同一円周上に配置した支持体と、当該支持体の梁部サイ
    ズに適合し前記梁部毎に貼設した複数の圧電体とからな
    る振動体と、を備えたことを特徴とする圧電アクチュエ
    ータ。
  2. 【請求項2】 回転移動体と、 この回転移動体の内円接線方向に延出した一端固定他端
    自由とした複数の梁部であってこれら梁部を2種以上の
    異なるサイズのものとすると共に、前記複数の梁部をサ
    イズ毎に異なる径の円周上に配置した支持体と、当該支
    持体の梁部サイズに適合し前記梁部毎に貼設した複数の
    圧電体とからなる振動体と、を備えたことを特徴とする
    圧電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記支持体がサイズの異なる梁部毎の分
    割構造になっており、それぞれの分割体を任意に選択し
    て支持体を構成するようにしたことを特徴とする請求項
    1または2に記載の圧電アクチュエータ。
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